そう。彼が提督になる前___
___戦争が始まった頃のお話。
物語は一旦過去に戻り、在りし日の幸せと絶望が映し出される。
11:甲木特尉の健忘録 Part.1
- 約7年前 本栖湖駐屯地 -
甲木「........」
甲木遊撃部隊の初顔合わせ。
所属部隊員は佐久間、太田、中村、林、浦川、坂元に甲木を含めた計7名。
それぞれが唯一生き残った対AF用の改造人間であり、甲木がそれを知ったのは部隊長に任命された時、大体3カ月ほど前のことだった。
甲木からすれば、自分の細胞を移植されて改造された経歴を持つ彼らに対する感情というのは些か複雑なものであった。
それこそ"血の繋がり"という観点から言うなら彼らは"家族"にあたるのだろう。
だが、彼らもまた、甲木のように"そうするしかなかった"からこうなってしまった。
『申し訳ない』
話を聞いた甲木はそう思っていた。
長いこと迫害されるような俺と近い存在にされてしまったことに。
また、もう普通の人間には戻れないという業を背負わせたことを。
その先にあるのは兵器として骨の髄までしゃぶられるだけの人生だというのに、
時代が時代というそれだけの理由で、こんな道を選ばせてしまったことへの罪悪感だけが残る。
佐久間「うげぇ、男じゃん」
太田「本日よりよろしくお願いしますっ!」ザッ
中村「......」サッ
林「(なぁんかメンドクサそうな奴だなぁ)」ふぁ~
浦川「(カッコいい人だなぁ....)」
坂元「(今日のお昼ってなんだっけ.....)」ポケ―
甲木「.....ふむ」
甲木「まず初めに自己紹介しておこう。俺は甲木燈、君たちの隊長を任されることになった者だ」
甲木「知っての通り、近年深海棲艦なる脅威がこの国を脅かそうとしている。
それに先立ち、日本国は我々の部隊を設立することで対抗する方針となった」
太田「ハッ! 私は自ら隊長の元への配属を志願しました!」
佐久間「ツウかタイチョーさんよぉ、それ俺ら死なねぇっすか?」
林「死ぬだろ。というか、治験の段階で何人死んでると思ってるわけ?」
佐久間「.....」
甲木「......本営も、残り少ない俺たちの扱いは慎重にするはずだ。
そうそう、戦闘に立ち会うことはない......はずだ」
浦川「でも甲木さん? 現状戦えるのって、私たちしかいないんじゃないですぅ?」
坂元「(あ、牛缶のレーション? 萎えるわぁ)」
甲木「......まあ、その可能性も大いにありうる」
中村「(ま、だーよね)」
甲木「.....まあ、実際に戦場に出た時に死なない様に、
これからここで訓練を半年前後訓練するわけなんだが....」
佐久間「いざとなれば溶液打ち込めば大丈夫っしょ。はい、ミーティング終わり―」
太田「貴様ァ!」
甲木「まあ待て」佐久間の肩を掴み太田を制止する
太田「ですが...!」
甲木「佐久間、だったか?」
佐久間「そーっすけどぉ? ツウかなんすか? いきなり肩掴んで」
甲木「君はAF溶液の危険性をよく分かっていないらしい」
佐久間「使えば深海棲艦と互角以上に渡り合えるドーピングっしょ? それ以上に何か?」
甲木「確かにそうだが、その戦いぶりは非常に不安定を極める」
佐久間「はぁ?」
甲木「皆もよく聞いてくれ。AF溶液は確かにドーピングだ。
それによって得られる即時再生や戦闘力向上は目を見張るものがある。
.......だが、アレを投与した後に冷静で居られるものはまずいない。なぜか分かるか?」
佐久間「知らねぇけど?」
甲木「.....深海棲艦に近づくからだよ」
太田「はぁ.....座学で習っただろう」
佐久間「.........で、近づいたらどうだってぇの?」
甲木「......一生を異形の状態で過ごしたいのなら、訓練に参加する必要はない。
そんな死に急ぎは、俺の隊には要らん」パッ
佐久間「........ケッ!」スタスタスタ
浦川「ええっと.....」オロオロ
中村「まあ、僕も隊長に賛成。輪を乱し過ぎ。はっきり言って邪魔でしょ彼」目で見送りながら
林「同感。命賭けてんの、みんな同じなのになぁ」ハァ
太田「.......」
甲木「(....上手くは、行かんものだな...)」ポリポリ
顔合わせは最悪だった。
無謀なことを考える部下を諫めるつもりで言ったことだが、それが却って神経を逆なでしたらしい。
一応本を読んで予習してきたつもりではあったが、実際にあたるとこうも凹むのか。
甲木はそう思いながらミーティングの続きを行っていた。
甲木「では親睦を深めるという意味でもまずは自己紹介からして行こう。
先程も名乗ったが、俺が君たちの隊長を務めることになった甲木燈だ。
出身は......横須賀、今年で19になる若輩だが、
君たちの命を預かる以上はそれに似合うだけの指揮が取れるように努めようと思っている。
以上だ」
太田「では次は自分が。自分は太田佳奈、出身は佐世保で今年で17になります。
この部隊、延いてはAF兵へは来る脅威に対し居てもたってもいられず志願しました。
浦川隊員を含め女性ではありますが、
他の隊員や隊長へ後れを取らぬよう努めていきたいと思っている次第です。以上」
中村「じゃあ、次は僕かな.....中村朔、"朔"とこう書いて"ハジメ"って読みます。
昔から病弱で病院暮らしをしていました.....
治験へは、ぶっちゃけ親の意向で参加しました。
今年の5月で18になり、医者から15まで生きられたら重畳と言われていた手前、
少しうれしい気持ちが勝ってます。
.....まさか、こんな形で生き死にが決められようとしていることになるとは
思いませんでしたが、死なない様に頑張りたいです」
浦川「次は私かな? 私は浦川遥、治験へは好奇心で参加しました~。
なんていうの~? 普通の女子高生してたんですけどぉ、
普通過ぎてつまらなかったんでやってみました~。
あ、歳は甲木さんと同じね~? 年長同士、仲良くしたいなぁ~?」
林「じゃあ、俺? 俺は林理。今年で.....19だったっけ。
治験の最後の方で滑り込みで受けることになった。
治験を受ける前は高校に通いながらバイトしてて、
バイト中に原付で事故って死にかけてな.....
俺は覚えてないんだけど、死ぬくらいならってんで親が治験に参加せたらしい。
ま、どっちでもいいけど。
あ、俺も一応最年長組ね? まあよろしく頼むぜ」
甲木「こうも同い年が揃うというのも珍しいものだな。
ある意味では心強い。次は.....坂元か? 自己紹介を」
坂元「.....んぇ? 呼びました?」
甲木「ああ。自己紹介をしていて、君の番が来た。頼めるか?」
坂元「うぇ、全然聞いてなかった......コホン。
坂元武彦、17歳。食べるのが趣味っす。
あ、料理もそこそこできますね。機会があったら振る舞わせてください。
ここに来たのは......うん。
山で山菜探してたら見つけたキノコを食べたら死にかけました.....
何でも口に入れちゃあダメっすね.....身に染みました.....」
甲木「それは災難だったな......
だが、料理ができるのか....
ふむ。この後は解散になるのだが、早速頼まれてくれるか?
皆で君の料理を食べてみたいし、それも親睦を深めるのにつながるだろうから」
坂元「了解です! 腕によりをかけて作るんで、楽しみにしててください!」
甲木「ありがとう。では食堂を借りる手続きをしようか......
君たちは一旦自室に戻ってくれて構わない。
準備が整ったら声を掛ける。以上、解散」
所属隊員『ハッ!』ザッ
その後、彼らは坂元が作った麻婆豆腐と卵スープに舌鼓を打ちながら食事をした。
甲木はというと、特に語る部分もないためかそれぞれの苦労話に耳を傾けながら相槌を打っていた。
.....いや、誰かとこうして笑い合うことなんてなかったから、感動していたのだ。
甲木「(平和って、こういうことを言うのかな.....
凄く、温かい気持ちになる...)」
浦川「か~ぶら~ぎさんっ?」だきっ
甲木「うわぁっ!?」ガタッ
浦川「なぁに泣きそうな顔してるんですかぁ?
親睦深めようって言ったの、甲木さんでしょう?
だったら、貴方が率先して笑わなきゃダ~メ♪ だよ?」ぷにぷに
甲木「分かったから突かないで.....」
中村「麻婆豆腐なんて初めて食べた.....
今まで薄味の病院食しか食べてなかったし....」
林「もう少し辛くして、
ご飯にのっけて卵落としたら最高のどんぶり飯だと思う」ハフハフ
太田「かりゃい......!」プルプル....
坂元「大丈夫っすか? 一応ヨーグルト持って来てあるけど....」
甲木「.......、.....?」チラリと食堂の入口を見やる
佐久間 ビクッ サッ
甲木「......、すまない。少しだけ席を離れる」スッ
浦川「んむぅ?」ズルズル
林「行ってらっしゃい.....あっふ、ウマ」ハフハフ
太田「よぉぐるとおいちぃよぉ....」モニョモニョ
坂元「そ、そんなに辛かった?
一応中辛ぐらいで作ったつもりだったんすけど....」オロオロ
- 食堂前の廊下 -
佐久間「なぁんだよみんなして.....」
<ガラッ
佐久間「!?」ビクッ
甲木「何をしている?」
浦川「やぁ」ひょっこり
佐久間「.....」
甲木「黙っていられたんじゃ、何もわからないだろう?」
浦川「そーだそーだぁ!」
佐久間「なっ! 何でも___」ぐ~~~~~~
浦川「ぷぷっ!
お腹減ってんならこっちに来ればいいじゃーん?
さっくん?」ニヤニヤ
佐久間「ち、違ぇし! これは.....
あ、アレだ! 腸捻転の音だ!」クワッ
甲木「いや、それ拙いだろ....」ポリポリ
佐久間「ツウか、大体さっくんってなんだよ!
俺は佐久間龍之す____」ぐぅ~~~~~~~ぎゅるるるるっ
甲木「....意地を張るのも結構だが、その前に腹ごしらえだろ?
君の分もあるから、早く入りなさい」クルッ
浦川「んじゃ、待ってるからに~ん♪」ズルズル
<というか、何時まで抱き着いている気だ? 重いんだが...
<あー! 女の子にそう言うこと言っちゃいけないんだー!
佐久間「.......、~~~~~ッ! わぁったよ行くよ!」スタスタ
食は偉大なり。太田にはやや不評だった麻婆豆腐だが、佐久間には存外好評だった。
結果論だが、部隊員全員と会話は出来るようになったわけだし、その点においては坂元に感謝しなくてはならないだろう。
佐久間龍之介、11月で18歳になるらしい。中卒でアルバイトを転々としながら生活をしていて、バイトの帰りに電車事故に巻き込まれて瀕死。
治療のために治験へ協力し、結果として対AF兵として新たな生を得たという。
一応自らが所属するところではあるが、やっていることが悪魔のようだと思う。
生を選ぶ以外の選択肢がない者へ治験を奨め、その結果大量の被検体を選出することに成功しているわけだ。
反吐が出る。
- 1週間後 水上演習場 -
甲木「これより水上歩行訓練を開始する。
君たちは既にAF兵として水上に浮くことはできるが、
その上で機動力を同時に兼ね備えていなければ死ぬのみであるということを
最初に言っておく。如何せん、我々は少数だ。
機動力なくして部隊の生存はないと思うべきだろう。心して励むように」
隊員『ハッ!』ザッ!
水上歩行訓練。これより前は各自の身体能力を見るために陸上訓練を主に行っていた。
結果として全員が陸上では時速100km/hを超える速力を発揮することができることが判明し、
鉄球投げでは上限のコンクリ壁に全員が風穴を開けるレベルの腕力を有することも同時に判明した。確かにこれなら、深海棲艦を打倒しうるのかもしれない。
だがそれは陸上ではの話で、水上でも同じパフォーマンスが期待できるかと言われれば、答えは否である。
何故なら......
佐久間「おっわわわわわぁっ!?」バッシャァン
浦川「さっくんだいじょーぶぅ?」覗き込み
佐久間「ゲホッゲホ.....痛たかねぇけど....平衡感覚が....」ムクリ
中村「分かるっけど....っ! 頑張らないとっ!?
おわぁっ!? せ、セーフ....」プルプル
林「だらしねぇなぁ。
これから俺達この上を走ったり跳ねたりスンだぞ?
そんなんでどうすんのよ?」平然
太田「.........ッ!」プルプル
坂元「ふわっふ~~~~~!」ピョンピョンっクルクルクルぅ~....スタっ
甲木「(個人差があるようだな。それもかなり対極的に)」観察
甲木「よし。まず今日はしっかり立って歩くことから始めよう。
丁度3:3だ、それぞれペアを作ってまずは立てるように教え合う様に」
林「了解」
浦川「は~いっ」
坂元「イヤッフ~~~! ヴァァァァイ!」(`・ω・´)
甲木「(取り敢えずコレで各々の連携も取れるようになるだろう。
短所の把握もしやすくなるだろうし)」
甲木「俺は適時それぞれのペアを回るから、来た時にでもコツを教えるとしよう」
- 浦川・佐久間ペア -
甲木「まずはお前たちからだ。調子はどうだ?」
佐久間「ズブズブ揺れるぅ......酔いそう.....」ウェッ
浦川「うわきたねぇ....」
甲木「まあそう言うな。コツとしては下半身の力を抜くことだ。
例えるなら.....そうだな...バイクのサスペンションのような感じだ」
佐久間「や、やってるけど.....っ!?
ど....どうにも体がああああああああっ!?」バッシャーンッ
浦川「ああまたぁっ!?」
甲木「立てるか佐久間?」
佐久間「おぇ.....ちょっと寝かせて....吐きそう......」
浦川「マジで止めてよ~?
折角もらったブーツにゲロなんかつけたくないんだから~」
甲木「まあ無理はするな。無理して身に着く者でもないしな......浦川」
浦川「はいは~い?」
甲木「佐久間が動けるようになったら、暫く手を繋いで補助してやれ。スケートのアレだ」
浦川「ん~~~」
甲木「皆のためだ。佐久間だけこんな状態じゃあ、コイツ1人のためだけに死人が出かねん」
浦川「分かってるってばぁ。燈君お堅いんだから~」
甲木「........では、頼んだぞ」ススゥ....
浦川「......と、言うことだけど、大丈夫?」
佐久間「ヴぇえええええ.....気持ち悪.....っ」
浦川「ゲッ」
- 太田・林ペア -
<マジ最悪ーーーーーー!!!
林「あっちは大変そうだな......」
甲木「......」
太田「.....じ、自分は......っ、だ、だだだ大丈夫でありま...っ!? ギャッ!?」バチャンッ
林「.......お前、真面目通り越して馬鹿だな」覗き込み
太田「あは、あはははは.....はぁ.....」目逸らし
甲木「立てるか?」手を差し出し
太田「は、はい.....」ギュッ
甲木「その意気だ。よっと...」グイッ
太田「あっ...」ポスッ(甲木の胸に引き寄せられる形)
甲木 スッ(太田を離し)
太田「あっ.....」ちょっと残念
林「......甲木、お前実は誑しだろ?」
甲木「何をわけのわからないことを言っている。
佐久間に比べればまだ救いはあるんだ、しっかり教えてやれよ」
林「分かってるっての」
太田「が、頑張ります.....」
甲木「しばらくしたらまた来るから、
それまでに立てるように頑張れよ」ススゥ....
太田「はっ、はいっ!」
- 中村・坂本ペア -
坂元「だ~か~ら~! こう、腰をうねうねぇ~って感じで、
足をパッパって感じでドーンって構えるんすよぉ!」
中村「いやごめん.....擬音多すぎて何が何かさっぱり......」
甲木「もう少し具体的に説明してやるべきだろうが.....」ハァ
坂元「あっ、お疲れ―ッス」
中村「取り敢えず立てるようには.....不安定ですけど」
甲木「良い調子だな。で、坂元の説明は何の説明だ?」
坂元「歩き方っすよぉ。俺、もうバク転とかできますから!」
甲木「(これを俗に天才というのか.....なるほど)」
中村「僕としては、もう少しだけ待っててほしいんだけど.....」
坂元「ノンノン! こういうのは勢いが大事っすよぉ?
その方がスゥーって入っていきますから!」
甲木「まあ、感覚をつかむのには個人差がある。
坂元はもう少しそれを分かってやるべきだな」
坂元「むぅ.....」
甲木「だが中村。お前も多少慣れたと思ったら
次に踏み出してみるのも大事だということを忘れるなよ」
中村「は、はい...」
甲木「戦場は波がある海上だ......
ここより遥かにバランスがとり辛いと考えるのが妥当だ。
この訓練を蔑ろにすれば、それこそ集中砲火を受けて真っ先に死ぬからな」
中村「が、頑張ります....!」
坂元「おー、なんかすごそうっすねぇ」
甲木「そりゃあな。戦場なのだから、敵の砲撃であちこちに高波が発生するだろうし、
季節によっては偏西風による天然の高波も想定される。
最悪の場合はそれに巻き込まれる可能性だってある」
中村「......頑張らないと、ですね」
甲木「その通りだ。では俺はコレくらいで行くが、
くれぐれも気を抜くなよ?」ススゥ...
坂元「サー! イエッサー!」ザッ
中村「はいっ!」
甲木「(さて、とりあえず1巡したが......
佐久間がまだまだ時間かかりそうだな。もともと三半規管が弱いのか?
太田、中村共に歩行の訓練に移行したところを見るに、
佐久間を優先した方が良さそうだな)」
- 浦川・佐久間ペア -
佐久間「ヴォー......」プルプル....
浦川「.....離すよ? 手、離すよ....?」ソォ...
佐久間「ああ待って! まだ離さないで! 倒れる! 溺れる!」ガシッ
浦川「ちょっ!?」グラッ
佐久間「ぎゃああああああああああっ!?」ズルッ
浦川「いやあああああああああああああっ!?」ズルッ
甲木「おっと大丈夫か?」グイッ
浦川「~~~~~~!? .....? ...はぁ~.....助かったぁ.....」
佐久間「あ、あっぶねぇ......」
昼の未消化物<楽しそうだねぇ^~
甲木「なかなか上手くいっていないようだな?」
浦川「お姉さんの教え方が悪いのぉ?」
佐久間「知らねぇよ! 俺だって早く歩いてみてぇんだから!」
甲木「ふむ......佐久間、ちょっと陸に上がって柔軟してみろ」
佐久間「何で? 一応始める前にやってるけど?」
甲木「いいから。浦川も来い、柔軟を手伝ってやれ」
浦川「えぇ~? 私別に平気なんだけど~」
甲木「..........」ジトー
浦川「うっ.......分かったわよ....」
甲木「よろしい。では佐久間、しっかり捕まっていろよ」ガシッ
佐久間「ほぇ?」
甲木 陸まで跳躍
佐久間「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ッッッ!!!?!?!?」
浦川「うわスッゲェ.......って、私も行かなきゃ」ススゥ....
- 陸 -
佐久間「はぁ....はぁ.....!」
甲木「大丈夫か?」
浦川「燈君凄いね~。あんなこともできるの?」タッタッタ
佐久間「凄いね~。じゃねぇわアホ! こっちは死ぬかと思ったんだぞ!?」
甲木「いやだって、柔軟のためだけにお前のペースに合わせるのはどうかと思って....」
佐久間「うぐっ! 状況が状況だけに言い返せねぇ.....!」
浦川「そうだよ~? あとさっくんだけなんだから、早く立てるようにならないと~」
佐久間「くそぉ.....」
甲木「息は整ったな? じゃ、柔軟を徹底しろ。
浦川も手伝ってやれ。その方が効果を期待できる」
浦川「は~い。じゃ、押すよ~?」ググググ....
佐久間「アッダダダダダダダダッ!?
いきなり強く押し過ぎだって! 背骨折れるぅぅぅぅぅぅ!!!」ぎぎぎぎぎ
甲木「(なるほど、体が硬すぎてバネを発揮しきれていないようだな。
これは暫くの間柔軟を習慣づけさせる必要がありそうだ)」
佐久間「た"す"け"て"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"!! おっ、おれるぅぅぅぅぅぅ!!!」
甲木「ふぅ。浦川、もう少し手心を加えてやれ。いきなり深くやると筋を切りかねない」
浦川「え~? まだ全然曲がってないけど~?」
佐久間 長座体前屈80度
甲木「それでも、だ。ゆっくり伸ばさないと意味がない」
浦川「んもう...はい」パッ
佐久間「っだはぁ.....っ!」
甲木「佐久間。とりあえず今日から寝る前に柔軟を習慣づけるようにしろ。
そうじゃないといつまで経っても訓練が進まない」
佐久間「わ.....わかった.....」ゼェハァ...
甲木「じゃあ浦川は引き続き佐久間の柔軟に付き合ってやれ。
俺は他の奴らの様子見てくるから」タッタッタッ ザザッ スゥゥゥ.....
浦川「......体固すぎない? ねぇ?」
佐久間「......ほっとけ」プイッ
- 太田・林ペア -
甲木 ザザァッ
太田「あ、隊長」スゥ....
林「流石に手馴れてんのな」
甲木「まあな。で、調子はどうだ?」
太田「まだ遅いですが、移動は出来そうです」
林「先生がいいのかもな?」ニヤリ
甲木「もしかしたらそうかもな.....だが、太田もよく頑張った」
太田「いえ、自分は....///」
林「無意識ってのは怖いねぇ」
甲木「何のことだ?」
太田 テレテレ
林「いんや? お前さんのそれが天然なのが末恐ろしいって話。
女所帯まとめ上げる才能あるぞ?」
甲木「まさか。俺なんかはこういう少数部隊の隊長が関の山だろうさ」
太田「いえ! 隊長ならきっと、もっと上を目指せると信じています!」ズイッ
甲木「お、おう....?」引き気味
太田「寧ろ、貴方が日本をまとめ上げるべきなんです!」フンス
林「だ、そうよ?」
甲木「勘弁してくれ......この立場ですらちょっと重いと思ってるのに.....」ハァ
林「はっはっは! 隊長様がお困りだなぁ?
まあ、もし生きてたらの話だが、そん時はサポートでもなんでもしてやるよ」ポン
太田「自分も! この戦いを生き延びて、是非とも隊長の元で頑張りたいと思っています!」
甲木「はは、ははは....じゃあ、お互い死なねぇ様に頑張らないとな....」
林「もちろんだとも。こんなしょうもないことで死んで堪るかってぇの」
太田「はい!」
甲木「頼もしい限りだよ。じゃあそろそろ次のとこに行くから。頑張れよ」ススゥ....
太田「はいっ!」
林「おー」
- 坂元・中村ペア -
中村「えっと......こう、かな....」ススゥ....
坂元「おお! そうっすそうっす! やったじゃないっすか!」
中村「えへへ....ちょっと坂元君の説明がわかるようになってきたのかな....」
甲木「おー、こっちは順調そうだな」
坂元「あ、隊長!」
中村「お疲れ様です」
甲木「ああ。太田も取り敢えず移動はできるようにはなっているし、あとは佐久間だけだな.....」
中村「佐久間君、まだ出来なさそうです?」
甲木「ああ。多分、生まれ持っての体の硬さだろうな....」
坂元「んー。じゃあ手も空きましたし、俺達手伝います?」
中村「そうだね....いいですか?」
甲木「まあ、いいんじゃないか? ただ、あまり茶々入れ過ぎるなよ?」
坂元「了解っす! ハジメちゃん行くっすよ!」ススゥッ
中村「あ、待ってよ坂元君!」ススゥッ
甲木「フッ」
甲木「(こういう和気あいあいとしたのも悪くないものだな.....
自然と誰かに教え合える関係性。これはそうそうできることじゃないだろうに)」
手が空いたという坂元と中村、林と太田の助力もあり、佐久間も辛うじて水上での歩行が出来るようになった。
戦争なんてなくなればいい。
戦争があって初めて出会えた仲間を見てそう思う。
だってそうだろう?
戦争がなければ、俺達はあのまま他愛のないことで笑えていたのかもしれない。
何時だって、そう思ってやまないんだ。
だが人間という種族の歴史は戦争の歴史だ。
人類の発展は全て戦争によってなされた。
故に人間は戦いを求める。敵を求める。
何時だって虎視眈々と、戦いの機会を窺っているんだ。
誰もが口ではそれを否定するが、確固たる証拠があり、それは絶対に揺るがない。
今起ころうとしている戦争だってもそうだ。戦うのが嫌なら、最初から彼らの要求を呑めばいい。
多少の犠牲は出るが、彼らはそれで満足するだろう?
- 1か月後 本栖湖駐屯地 水上演習場 -
この日、隊員らに固有の武器が支給された。
それぞれの持ち味を存分に生かせるであろうその武器らは、全てがかつての犠牲者たちの核と外殻により制作されたものだ。
まずは佐久間。
彼は存外情に厚い性格らしく、体格も我々の部隊ではかなりしっかりとしている方だ。
そんな彼に支給されたのは、片側に刃が付いた特殊な盾である。
実戦ではグリップに付いたトリガーを引くことにより自らの肉体に棘を貫通させ、その棘より自らのAF細胞を盾へと流し込んで強度などを上げることができる代物だ。
水上歩行を会得するまで一番時間がかかったのは彼だが、その遅れを取り返す勢いでメキメキと歩行法を極めていった今の彼なら、
この盾を用いて皆を守る守り手としての活躍が期待できるであろう。
続いて太田。
彼女はその実直な性格と汎用的な性能から槍が支給された。
形状は両刃で、必要に応じて2つに分けることが可能で短槍2つにもなる。
彼女の槍は、あらかじめ取り置きして置いた自身の血液をカートリッジ方式で槍に差し込むことで切れ味を増させることが可能となる。
また先端から血液を噴霧させることが可能で、場合に因ってはそれらを再結晶化させて槍自体のリーチを伸ばすことも可能である。
次に中村。
彼に支給されたのは銃剣付きの古風なライフルである。
トリガーが2つあり、中指の方を引くことによりグリップより棘が出て、それによりカートリッジに装填される仕組みである。
彼自身、あまり表に出たりガツガツと戦うことが得意な方ではないらしく、射程が長く一撃の破壊力があるライフルということになった。
実際彼自身、一度集中しだすと無類の命中精度を誇るというのも陸上での射撃訓練で把握しているので、妥当と言えば妥当な振り分けだ。
次は林。
彼に支給されたのは大鎖鎌である。
兄貴肌で頼りがいがあるが、どこか凶悪な野生を感じさせる彼。
そんな彼の内に秘めた激情はAF細胞との相性がとてもよかったらしい。
その激情に比例して、トリガーを引くことにより発生する血刃大きく、また2つ目のトリガーを引くことで刃と持ち手が分離することで中間距離における最強の武器となり得る。
続いて浦川。
彼女に支給されたのは所謂鞭剣である。
一薙ぎすれば遠心力によりリーチが倍になるこの鞭剣は、持ち手のトリガーを引くことでリーチをさらに引き延ばすことが可能となる。
何処かつかみどころがない彼女ならではのトリッキーな戦闘スタイルが期待できる。
次は坂元。
彼に支給されたのは居合い専用の日本刀である。
この日本刀には刃と言えるものはなく、鞘のトリガーを引くことで棘が左手を貫き、カートリッジに血液が装填される仕組みだ。
カートリッジに装填された血液は鞘内部で霧状に放出され、それが柄に刀の形で付着するのだ。
それを居合抜きすることで一時的に海を両断するほどのえげつない切れ味を見せる。
佐久間の成長は著しいが、天性の才能か彼に水上で追いつけるものはまずいない。
その軽い物腰と目にも留まらぬ高速移動からなされる斬撃は何処から来るかを把握していても避けるのは困難だ。
最後に甲木。
彼固有の武器はコンパウンドボウ。
本体のグリップに付いたトリガーを引くことで棘が左手に食い込み、弓の牽引力を最大で20tへと引き上げる。
その重すぎる牽引力故連射は期待できないが、その反面超電磁砲に匹敵する貫通力と破壊力を持ち合わせる。
それ故彼は常に遠距離からの支援という形になるが、隊長として戦闘中の指令を出すうえではこれほどお誂え向きな状況はない。
甲木「よし。全員に行き渡ったな?」
佐久間「ほーん?」装着し動作確認
太田「ふむ.....」短槍に分割
中村「へぇ.....」照準覗き込み
林「こうか?」早速トリガーを握り血刃を出す
浦川「ちょっ!? 危ないって理ぅ!?」ビクッ
林「悪ぃ悪ぃ」ポリポリ
坂元「ほうほう。こうなってんすねぇ....」刃のない柄を握り
甲木「うむ。これからそれが君たちの命を預ける謂わば相棒となる。
いずれも使い勝手が違う特別発注だから、あまり無茶な使い方はしないでくれよ?」
佐久間「オーライタイチョー。俺はシールダーっツウことでいいんだな?」
甲木「そう捉えてもらって相違ない。君のカバーリングにみんなの命が懸かっている」
佐久間「へへっ。なんかモチベーションあがるなぁ♪ 全部俺次第かぁ♪」
太田「あまり浮かれるなよ佐久間。お前はそれだけ皆に目を向けないといけないのだから」
佐久間「わぁってるってぇ♪ いざとなったら、俺が守ってあげるから♪」ニカッ
太田「.......//」
中村「(佳奈ちゃんが照れてる.....)」
坂元「これのテストっていつやるんすか?」
甲木「ん? そうだなぁ....今が10時だから、大丈夫そうなら今からでも。
ただし、何が起こるか分からんから1日2人までな」
佐久間「安全第一だな。りょーかい」
林「オーライ。その辺の人選は甲木に一任するぜ」
甲木「では皆それで大丈夫か? 少しでも不調があるなら今のうちに言っておくように」
佐久間「どんとこいってんだぁ!」
浦川「ん~....じゃあ、一番最初に動きとか確認したいんだけど、いい?」
中村「僕は構わないよ。坂元君と佳奈ちゃんは?」
坂元「俺も別に後からでも~」
太田「自分も別に......だが1つだけ....何故最初にテストを?」
浦川「ま~私のこれさ、動きが大分特殊っぽいから先にどんな動きするのか見ておきたいのよ。
で、先に動き把握してからみんなの動き見た方が戦略立てやすいでしょ? そういうこと」
太田「なるほど。そう言うことなら自分も浦川が終わってからで構わない」
林「決まりだな」
甲木「取りまとめ感謝する。
では今日は浦川と佐久間のテストをやるとしよう。他の者は陸に上がって見学だ」
林「オーライ。じゃあ行くぞお前ら」ススゥ...
中村「分かった。じゃ、頑張ってね遥さんと佐久間君」ススゥ...
坂元「リューちゃん怪我しないでくださいよぉ?」ニヤニヤ
佐久間「しねぇしねぇ。俺を誰だと思ってんだぁ?」
坂元「単細胞オブ単細胞リューちゃん」
佐久間「ンダとぉっ!?」ウガー!
坂元「うひゃあこわ^~」ぴょ~んッ
浦川「じゃ、よろしくねさっくん」
佐久間「おうよ!」
甲木「では佐久間はここから.....そうだな、10mばかり離れてくれ」
佐久間「あいよ~」ススゥ.....
浦川「10mも届くかな?」
甲木「やってみなくては分からん。.......位置に着いたようだな。
まあ、最初はトリガーを引かずにそのまま扱ってみてくれ」
浦川「はいは~い....行くよ~? そりゃっ!」ヒュバッ
甲木「目測射程3m弱、といったところか?
これは10mでも足りんかもな.....」佐久間にもう少し下がるように合図
浦川「やっちゃっていい? 試したくてウズウズしてるんだけど....!」
甲木「もう少し待て。今佐久間に指示を出している」トリガー発動の許可を指示
佐久間 了解の合図
甲木「よし。始めろ」
浦川「.....フゥ.....!」ガチャッ ドチュン
浦川「!? イッ____ッツゥ......!」ガクンッ
甲木「大丈夫か? 無理はするなよ?」
浦川「はぁ......ハァ.....! だ、大丈夫だから.....! い、イクヨ....!」
やや言葉遣いが不安定な状態になった浦川は、まず左半身を前に出す様に構える。
伸脚にも恰好の構えから、左足を軸にして正拳突きの要領で鞭剣を突き出した。
一直線に伸びるのは赤い閃光。
それは盾を構えた佐久間へと真直ぐに風を切る。
佐久間と浦川の距離は実に25m。その隙を弾丸に近いスピードで突き進む閃光の威力は想像に難くない。
ガキィンッ
耳を劈く様な金切り音が木霊する。
すぐさま向かい合っていた佐久間へ向けると、佐久間は腰を深く落とした状態で右腕のシールドを赤色に発光させて防いでいた。
甲木「.....ふむ。なるほど」
浦川「.......ふぅ...良かったぁ....」カチッ ザシュ
甲木「傷は....まあ、少し放っておけば治るから、それまで我慢していろ。
俺は佐久間を見てくる」佐久間の元へ跳躍
佐久間「.......ほへぇ....スッゲェ威力.....腕まだ痺れてる....」右腕ブラブラ
甲木「大丈夫か?」ザバンッ
佐久間「ん? ああ大丈夫.....にしてもこの盾、マジでスゲェよ」
甲木「そうか。実際に使ってみてどうだった?」
佐久間「なぁンツウかなぁ? こう、衝撃は多少来るけど、無敵な感じ?」
甲木「それなら重畳。実践ではもう少しAF細胞も活性化するだろうから、
もう少し効果が期待できると思う」
佐久間「ま、平時でもある程度に持って行けるようにするべき.....だろ?」
甲木「ふふっ。その通りだ。
手の傷は放置していれば治るから、それまで我慢だ。戻るぞ」ススゥ
佐久間「オーライ」カチッ ザシュ ススゥ....
佐久間<イ"ッテェェェェェェェェェェッッッ!!!!?!?!?!?
甲木<大丈夫か?
甲木「大丈夫か浦川」ザザッ
佐久間「お疲れ~.....うひぃ...」ザザッ
浦川「滅茶苦茶痛かった......!」涙目
甲木「再生は早いが猛烈な痛みを伴う。ある種の代償だ」
佐久間「それ先に言って欲しかったなぁ.....
動けたけど痛ぇモンは痛ぇし」右手ブラブラ
甲木「そうか.....? 次からは気をつけよう」
佐久間「そうしてやって....」
浦川「うわ~ん痛~い! 燈君抱いてぇ~!」ムギュッ
甲木「.........はぁ~~~~~~~....」
佐久間「うぅわめっちゃガチな溜息」
浦川「女として抱いてくれるまで、部屋の前で粘着するから」
甲木「馬鹿か? 結論は後で出すとして、今は戻るぞ」振りほどき
浦川「あんっ もぉ、けちぃ~」イジイジ
佐久間「俺でよかったら抱いてあげるけど?」チラッチラッ
浦川「え~...?」ジー
佐久間 フフン( ˘ω˘ )
浦川 ジー
浦川「......タイプじゃないからパス」プイッ
佐久間「さっくんショック!」ガーン
甲木「馬鹿やってないで早く戻るぞ。昼飯の時間だ」ススゥ
浦川「え、マジ? 急げ急げ~」ススゥ
佐久間「.............」ポカーン
佐久間「あっ! 置いてかないでぇぇぇ!!」ススゥ
その日の昼食は夏野菜をふんだんに使った無水カレーだったそうです。
- 訓練開始2か月目 本栖湖駐屯地 水上演習場 -
甲木「よし、皆いい具合に兵装が手に馴染んできたようだな。
今日から我々全体での連携を取れるように日替わりでチームを作ってチーム戦をするぞ」
林「この日をどれだけ待ちわびたか.....」ウズウズ
浦川「理張り切りすぎ~」ケラケラ
佐久間「全くだぜ! 見ろこの俺の落ち着き様!」ドヤァ
坂元「(真っ先に暴れ出す光景が)見える見える」
中村「またカミカゼ戦法か壊れるなぁ」ハァ
太田「自分はどの組み分けでも全力を尽くす次第です!」ザッ
甲木「そうか、そんなにヤル気か。いいだろう......なら今日は、俺1人相手に君たちだ」
浦川「へっ?」
太田「よろしいのですか?」
甲木「なぁに、俺が君たちに後れを取ることなどありえん」煽り
佐久間「言ったな?」
林「その面ぐちゃぐちゃにしてやるから覚悟しとけよ」構え
坂元「ちょいちょいちょい。マジで言ってんすか?
確かに今まで指導してもらってましたけど、下手したら死にますよ?」
甲木「まあ、そう思うなら殺さん程度に頼む。頭でも残ってれば再生可能だからな」
中村「いやいやいやそんなグロいことにはしませんよ!
一撃、一撃キメたら僕たちの勝ち。それでどうですか?」アセアセ
佐久間「なぁに生温いこと言ってんだ朔!
やるならもっと殺す気で行かねぇとだろぉ!?」バシンッ
中村「ウギャッ!」ヨロ
林「そーそー。どうせやるならフェイスガード割るとかそれくらいしねぇとな」
浦川「えー? 私嫌だなぁ。燈君と一緒がいい....」
太田「隊長がそう言われるのであれば......自分も全力を尽くします」
甲木「まあ待て。今日は肩慣らし程度で戦うのは冗談だ」
浦川「ほっ」フゥ
林「あん? 戦わねぇの?」
甲木「武器は使うが戦いはしない」
佐久間「どういうことだ?」
甲木 ポケットからハチマキを取り出して額に装着
坂元「ん?」
甲木「俺が今から逃げるから、
君たちは連携して俺からこのハチマキを奪ってみろ」鉢巻を親指で指す
中村「なぁ~んだ.....それなら安全....? 安全? なのかな......」
甲木「こういう遊びじみたのが一番連携を取りやすいんだ。効果はやってるうちにわかる」
太田「なるほど......分かりました。この太田、殺すつもりで隊長から鉢巻を奪って見せます!」
甲木「その意気だ。俺のインカムを.....
そうだな、基地に置いた時に照明弾を射出する。それがスタートの合図だ」
坂元「了解っす」
甲木「さっきも言ったが、捕まえるためなら兵装を使っても構わん。
ただし、くれぐれも駐屯地の備品を壊すなよ」
林「まだるっこしいなぁ、まあいいけどよ。で、範囲とかあんのか?」
甲木「この基地全部」
佐久間「ひょっ?」
浦川「それマ?」
甲木「大マジ」
林「面白れぇじゃねぇか.....!」
甲木「今が9時だから.....日没18時までに奪えたら君たちの勝ちだ」
中村「丁度9時間......大丈夫かな..」
坂元「やれるだけのことをやる。その点においてはいつもと変わらねぇっすよ」
佐久間「さっさとやろうぜ!」
甲木「よろしい、では各自インカムをオンラインにしろ。
俺は基地にインカム置いて来るから」シュバッ
浦川「......行っちゃった」
林「まあいいだろ。初日はこういうレクリエーション的なのを好んでやる奴だからな」
佐久間「何ツウか.....アレだよな。タイチョーって、ちょいちょい子供っぽいっツウか....」
坂元「あー、それ分かるっす。茶目っ気の塊りみたいなとこありますよねぇ」
中村「普段お堅いのに、こういう融通は利くんだよね....」
太田「私語は慎むべきじゃないか? いくら隊長が居ないとはいえ....」
林「だな....それより、今はアイツをどう捕まえるか....」
浦川「連携して~って言ってたけど、ある程度は組み分けして捜索した方がいいよね?」
佐久間「だなー。効率良いのは2人一組だけどよぉ、それだと索敵漏れがあるかもしれねぇ」
<バシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ......
中村「.....始まったね」
林「じゃあスリーマンセルだな。俺と浦川で分けるか......佐久間、坂元は俺に付け」クイクイ
浦川「じゃあ佳奈ちんとハジメんは私ね」チョイチョイ
佐久間「この組み分けの意図は?」
坂元「猪突猛進組でしょ」
林「まあ、そんなとこだな。俺たちは範囲重視で捜索をする。
浦川たちは俺たちの探し漏らすような細かいトコを見てくれ」
浦川「まあ、比較的落ち着いた子たち寄越したから何となくわかってたけどさぁ....」
太田「まあ、佐久間にしろ林にしろそういうのは得意ではないからな」
林「そう言うこった。
一応坂元も居るから隠れられそうなところは見て回るつもりだが、
範囲重視だから深くは見ねぇ」
坂元「あ、なるほど......それで俺こっちに居るんすね」
中村「頼りにされてるみたいでよかったね」
坂元「ここいらで俺の本領、発揮しちゃいますか!」
浦川「じゃあ、そろそろ?」
林「ああ。じゃあ行くぞ」シュバッ
佐久間「オーライ!」シュバッ
坂元「またねー!」シュバッ
浦川「.....じゃ、私たちもじっくり行きますか」
太田「よろしく頼む」
中村「うん。よろしくね遥さん、佳奈ちゃん」
- Side 林チーム 9:39 -
林「坂元、お前は聞き耳立てながら甲木を探せ。
佐久間は俺と一緒に目視で索敵だ。いいな?」タンッ
佐久間「オーライッ!」タンッ
坂元「あいよー」タンッ
佐久間「いやー、それにしてもさ。
こんな風に木から木へ飛び移るとか、俺ら忍者か何か?」タンッ
林「AF細胞様様だな。普通の人間のままなら、こんなこと出来もしなかったろうさ」タンッ
坂元「地元いた時には似たことはしてましたよ? 俺」タンッ
佐久間「武彦それマジか? お前スゲェな」タンッ
林「道理で身体能力高いわけだ......ある意味納得だ」タンッ
坂元「それほどでも.....あるんすけどね! あっはっはっは~!」後ろ向きで木から木へ
林「だがまあ、今や潜在的なものは皆同じだろ?
すぐ追いついてやるからな」木に掴まり1回転して加速
坂元「おっ? 負けねぇっすよぉ!」上下の木を蹴り上げ加速
佐久間「......俺を忘れてんじゃねぇぇぇぇぇぇぇ!!!」着地した木を折れる勢いで蹴り上げ加速
甲木「随分と余裕だな?」タンッ
林「!?」
佐久間「あぅえっ!?」
坂元「おっと隊長見っけ!」トリガー起動
甲木「おっと」木々の影に紛れ込む
坂元「逃がさねぇっすよぉっ!」抜刀し前方に見える木々5本をバラバラに両断
佐久間「不意を突かれたけど行くぜ新技ァ!
リフレクゥ! バァァァァァァァストォォォォォォォォ!!!」
ハニカム構造の光のバリアが5mほど障害物を押しのけながら前進する。
甲木「うおっ」スタタタタタッ シュバッ
林「お前ら.....」スタンッ
坂元「逃がしちまったっすねぇ....」スタンッ
佐久間「くぁあああああああああっ! 惜っしいなぁ!」スタンッ 頭カキカキ
林「いや、惜しくも何んともねぇからな。
捕まえなきゃなんねぇのに追い立ててどうすんだこの単細胞」ゴチンッ
佐久間「アダァッ!?」
坂元「あはは~、やっちゃったすね~」ポリポリ
林「お前もだボケ」ゴチンッ
坂元「ウギャッ!?」
佐久間「イッテェ........にしても、流石早いなぁタイチョー.....」サスサス
林「伊達に俺らの指導役やってねぇってことだろ。寧ろ安心してるわ」ハァ
坂元「アダァ~.......」サスサス
林「はぁ。まあ、俺は浦川達に連絡を入れるから、ちょっと黙ってろよ?」ピッ
- Side 浦川チーム 10:20 -
浦川「ん? 理から通信だ.....」キョロキョロ
太田「何かあったのかもしれないな.....警戒はこちらで担う、早々に出るべきだろう」ガサガサ
中村「そうだね。早い方がいいと思うよ」木の上から周囲を索敵
浦川「じゃ、よろしくね?」ピッ
浦川「お待たせ~。どったの理ぅ?」
林『おっせぇよ! いつまで待たせんだこの淫乱女ッ!』ザザッ
浦川「あっ! ひっどぉ~いっ! 私別に淫乱じゃないしっ!」
林『週1で甲木の部屋に忍び込んでんの知ってんだぞこのアマァッ!』
浦川「未遂だもん! 夜這いかけてもすぐ追い出されるもんっ!」
林『本性表したな? まあそれは措いといて....』
浦川「措いておかないでよぉ!? 私には死活問題なんだからぁ!」
中村「(何の話してるんだろう......)」苦笑い
太田「(浦川が弁護のしようもない大馬鹿だということはよくわかった.....)」
林『で、話っツウのはな。さっき甲木を見つけた』
浦川「それ早く言えしぃっ!?」クワッ
中村「うわっ!?」グラッ
太田「どうしたぁっ!?」ビクッ
浦川「理が燈君見つけたって!」
太田「話を続けさせろ。連絡を寄越すということは高確率で取り逃がしているはずだ」
中村「うわ佳奈ちゃんバッサリィ......」苦笑
浦川「とと.....それもそうだよね......で、どうなの?」
林『あぁん? 佐久間と坂元の阿呆がイキって兵装ぶっ放して逃がした』
浦川「うわぁ......しっかり手綱握らないとダメでしょ理ぅ.....」
林『俺を聞かん坊の飼い主にすなや。今拳骨食らわせたけどよ....』
浦川「ほぉら飼い主じゃん」
林『ダァーッ! ウルセェなぁお前は! 報告はこれだけだから切るぞ』ザザッ
浦川「あっ ちょっ.....切れちゃった.....」
太田「で?」
浦川「見つけたけど逃がしたって~」肩竦め
中村「佳奈ちゃんの予想が当たっちゃってるんだね.....」
太田「隊長がそう易々と捕まる訳がなかろう。
おそらくはメリハリを持たせるためのチョッカイの様なものだ」
甲木「そうだとも。よくわかっているな太田」ナデナデ
太田「ハウァッ////」ビクンッ
浦川「いいなぁ佳奈ちゃん.....私も撫でられたい.....」モジモジ
中村「.........え?」キョトン
中村「いや羨ましがってる場合じゃないでしょ!? 捕まえないと!?」狙撃体勢
太田「はっ! 気持ち良くて一瞬忘れていた!」ハッ
甲木「お? やるかい? かかって来い」距離あけ挑発
浦川「それだけじゃなんかモチベーションあがらないよねぇ?」チラッチラッ
甲木「ほぉ~ん? じゃあ何だったらヤル気が出るんだ? 言うだけ言ってみろ」
浦川「ん? 今なんでもって.....よし。じゃあ捕まえたら引ん剝いて逆レの刑ね!」ビシッ
太田「引ん剝....逆レ........?」
中村「あ~~~~~~! あ"~~~~~~~~~~っ!?」
甲木「じゃあ死ぬ気で逃げねぇと.....じゃあな!」シュバッ
浦川「ウッシャアアアアアアアアアアアッッッ!!!!
やったるぜぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」カチンッ ドチュッ
中村「ちょっ!? ま、待ってよ遥かさぁぁぁぁんっ!!?!?!?」飛び降り撤退
浦川「樹海ごとぉぉぉぉぉぉぉぉ!! 一網打尽っだあああああああああああああ!!!!」
浦川は兵装の可動域を50mほどへ広げ、自身の居るところまで木々を巻き込みながら手繰り寄せた。
甲木「んなぁっ!?」迫りくる木々に流石にたじろぐ
浦川「つ~かま~えたっ♪」ニタァ.....ペロリ
中村 ポカーン
太田 ポカーン
何本の木々を巻き添えにしたのだろう。
前方の木々半径50m分を片っ端から巻き込みながら引き寄せ、結果的に密度が4倍になった天然の木牢の中に、甲木はいるはず。
いや、というかその密度では潰れてはいないか?
少なくとも圧迫されて身動きが取れるか怪しいレベルにはなっているだろうが......
浦川「ぐへへへへ.......どう引ん剝いてやろうかなぁ.....?」じゅるり
中村「遥さん涎、涎....」
太田「いや......それより中村.......
隊長は大丈夫なのだろうか......あの密度で怪我をしていないといいのだが.....」
浦川「ん~........?」思案中
- 木の牢の中 -
すっかり勝った気になっている彼らを余所に、甲木は割と余裕であった。
確かに現在進行形で天然の牢獄に囚われてはいる。だが持ってきている兵装を用いれば割と簡単に出れるのも事実なのだ。
甲木「(うーむ.....正直ここまでやるとは.......
冷静さを欠いているようで、行動は実に合理的だ....)」牢の中で胡坐
甲木「(俺が移動しきる前にその先の方から障害物を全方向から巻き込みながら追い込む.....
ふむ....捕縛法としては理にかなった方法だ。それに彼女の兵装も良く活かされている)」
甲木「だがこれは.....なかなかどうして.......ククッ」ニヤニヤ
甲木は年甲斐なく、悪戯を思いついた子供の様な笑みを湛えていた。
- 牢の外 -
浦川「さて、それじゃあ.....佳奈ちん、一本だけ切って~」
太田「りょ、了解した......」スパパパパッ
中村「一応、入り口を見ておきます....」照準を入り口に合わせ
浦川「え? ハジメん私と燈君のズッコンバッコンみたいのぉ~?
このムッツリ~♪」ウリウリ~
中村「え? えぇ? ち、違うけど?
というか! 早く行かないと隊長逃げちゃうでしょ!?」グリングリン
太田「あっ」
浦川「大丈夫だ____」チラッ
甲木「やべっ、気付かれた」シュバッ
太田「.........」
浦川「.......って...」
中村「.......だから言ったのに.....」ハァ
- Side 林チーム 11:02 -
<あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!
<落ち着け浦川ああああああああああああああああああああああああああああ!!!?!?!?!?!?
林「.....アンの馬鹿....」額押さえ
坂元「角いただき」●×ゲーム中
佐久間「うげっ」●×ゲーム中
林「俺らも捜索再開すんぞ。浦川達が捕まえ損ねたみてぇだ」
坂元「あ、はーい」スクッ
佐久間「こことここを......んぇ?」
甲木 コソコソ..... チラッ
甲木「(余裕かコイツら.....)」ジー
坂元「(なんか視線を感じる.....)」クルッ
甲木「あっ」
坂元「あっ」
佐久間「どった......居った....」
林「どしたー?」木の上
佐久間「タイチョーが居たぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
甲木「やべっ」シュバッ
坂元「逃がさねぇっすよ!」進行方向へ抜刀
甲木「危ねっ!?」バク転回避
林「貰ったああああああああああああああああああ!!!」甲木の直上で鎌を振りかぶり
甲木「うわあああああああああああああああああああああああああ!!?!?!?!?」
林「死ねや甲木ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」
甲木「なぁ~んつって」ニヤリ
林「!?」
甲木 背中の直刀を抜刀し受け流し
林「クソがぁっ!!」
受け流され地面に突き刺さるが即座に血刃を消滅させて切っ先を上向きに再構成
甲木「アブネェアブネェ。危うく下半身とさよならするところだった.....」
佐久間「今死ねって.....」
坂元「余所見してて良いんスかぁ!?」飛来する血刃の嵐
甲木「おっ? いい着眼点だ!」木の陰に跳躍
佐久間「逃がすかよっ!」回り込み
甲木「やるようになったじゃあないか佐久間ぁ!」ヒュゥ..
佐久間「さっきは外したが、ここからなら外さねぇ.....!
リフレクバァァァァストォォォォ!!!」ブゥンッ バァンッ
甲木「うぐぅっ!? (な、何ツウ速さに硬さだ.....!)」バシュンッ
林「貰ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」大鎖鎌振りかぶり
坂元「直上! 取ったぁ!!」抜刀準備
甲木「チィッ!」左もものホルスターより拳銃を取り出し坂元を散弾で牽制
坂元「グアァッ!!!」抜刀失敗しながら落下
林「それで避けたつもりかよォォォォォ!!!!!」大鎖鎌を水平に薙ごうとする
甲木「甘いんだよ!!」落下中の坂元を掴み林に向かい蹴り飛ばす
林「なっ!? グオッ!?」坂元をモロに食らう
甲木「ふぅ.....流石に危なかった...」
佐久間「俺を忘れんじゃねぇ!!!」
甲木の懐へ滑り込むように侵入し、顎へ向かい右手の兵装を突き上げる
甲木「のぉおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!?!?!?」
顎先に掠ったが紙一重でバク転しながら、足を佐久間の右手に絡ませて拘束
佐久間「しまっ!?」
甲木「舐めんなああああああああああああああああ!!!」
半身を捩じってそのまま佐久間をうつぶせに倒す
佐久間「アゴゥッ!」ズサァッ
甲木「ははは....参ったか?」ハァ ハァ
佐久間「完敗だよ......俺らはな」ニヤ
甲木「んん......?」肩が叩かれ振り返る
浦川「燈君、みーっけ♡」ムギュゥッ
甲木「!!!!?!?!?!?!?!?」Eカップに顔面が埋もれる
中村「観念してください隊長」甲木に照準合わせ
太田「勝負あり、です」槍の切っ先を甲木の首筋に宛がう
甲木「(........最高だ。やっぱりお前たちは最高だ.....)」クククッ サムズアップ
浦川「~~♪」相変わらずの胸押し付け
坂元「お~イッテェ.....」軍服払いながら近づき
林「腰が.....」腰押さえながら近づき
中村「.....じゃあ、鉢巻いただきますね?」シュル....
太田「.....これで、今日の訓練は終了......か....」フゥ
浦川「あ、先帰ってていいよぉ? 私は燈君とゆぅ~~~~~~~っくり帰るから♪」
佐久間「その前に俺を助けて。
腕捻りあげられたままだから外れそう......!」左手を地面に叩きつけてる
坂元「ツウか、隊長の反応なくねぇっすか?」
林「んぁ? 言われれば......手を上げた状態で固まってんな....」
太田「........、.......!?
浦川! 隊長を離せぇ!!!?!?!? 酸欠を起こしてる!?」
浦川「へっ?」離して顔を見る
甲木 白目+泡拭き グデェン
浦川「.............」
浦川の脳内
『燈君が泡を吹きながら気絶している→しばらくは起きない
→あれ? これって据え膳という奴では....→ここで襲わずしていつ襲う? 今でしょ!』
浦川 キュピーン(`・ω・´)
中村「(あ、嫌な予感.....)」
浦川「や~んっ やりすぎちゃったぁ☆
こうなったらぁ、起きるまで介抱してあげなくちゃねっ☆」
林「ド阿呆」ゲシッ
浦川「アニサキスッ!!」ズサァッ
佐久間「ヴォー.....やっと解放された....」右腕グルグル
太田「隊長は自分が.....
と、言いたいところだが、自分では引き摺ってしまうな....」ウーム
坂元「俺でも若干引き摺るっすよ~?」
中村「僕は......イケるかな.....?」
林「あー、俺が持って行くからいい。
どうせ担ぐなら、そっちで伸びてる阿呆を担げ」ガシッ
中村「........あぁ....」
浦川 チーン
佐久間「ああ、なら俺が背負っていくよ」ヨット....
坂元「.....ふぅ~ん....?」ニヤニヤ
佐久間「な、なんだよ......」ジリ...
坂元「い~やぁ? リューちゃんも、やっぱりお年頃だなぁって思っただけっすよぉ?」ニヤニヤ
中村「た、確かに.....遥さん、大きいもんね.....」チラッ
浦川 ムチィッ
佐久間「んなぁっ!?////// そんなんじゃねぇっての!/////」
坂元「そんな顔真っ赤にして説得力皆無っすよぉ?」ニヤニヤ
太田「..........」スカッ スカッ .......ジワッ
中村「.......小さい方が好きな人もいるよ!」グッ
太田「!?//// セクハラか貴様ァ!!!?!?!?///////////」バキッ
中村「なしてぇぇぇっ!?」ズサァッ
林「......なぁにやってんのお前ら」呆れ顔
坂元「AHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA☆」
佐久間 ガルルルルルルルルルッ
林「( あ ほ く さ )」
__________________________
_______________________
_____________________
- 14:00 本栖湖駐屯基地厨房 -
坂元「いやぁ、楽しかったっすねぇ」野菜剥き剥き
佐久間「柔らかかった.....(小並感)」鍋見張り員
林「そこ邪魔だ」手の上で豆腐切りながら近づき
佐久間「ん、りょーかい」スッ
浦川「ホント痛かったんだからね理ぅ!」川魚焼きながら
甲木「それを言うなら俺は苦しかったがな.....」ほうれん草を鍋から取り出し
太田「顔が青くなっていた時は正直焦りました.....」海苔千切り
中村「あははは.....大事にならなくてよかったし、多少は.......ね?」茶碗を人数分取り出しながら
太田「大体、浦川は日頃から隊長に対するスキンシップが過ぎるのだ!
もう少し上官と部下という認識をだな!」
坂元「まあまあまあ......佳奈っちも落ち着くっすよぉ。
折角こうしてみんなで料理作ってるんだから、ね?」金平牛蒡作ってる
浦川「佳奈ちんこわぁ^~い」焼けた川魚をさらに取り分け
佐久間「そーそー。大体佳奈はいつも気が短すぎだぜ? 上官とか部下とかわかるけどよぉ?」
太田「ぐぬぬぬぬ.....!」
甲木「.........よし。お浸し出来たぞ」
坂元「もう少し季節が早かったら山菜でも美味しいんすよ。わらびとかゼンマイとか」
林「タラの芽の天ぷら食いてぇなぁ」乾燥わかめを鍋に投入
佐久間「天ぷらならエビだろ。そこは譲れねぇ」
中村「天ぷらかぁ.....今の季節ならナスとかでも美味しそうだよね」
浦川「この川魚でもいいんじゃない? 岩魚だっけ」
坂元「岩魚の天ぷら......いいんじゃないっすか? 小骨多そうっすけど」冷蔵庫から浅漬け取り出し
甲木「ほぉ~ん.....山にそんな食べ物が.....」
中村「病院でも極稀に出ましたね。お年寄りなんかが好きみたいで....」ご飯よそい
林「ズズッ.......よし。味噌汁も出来たぞ」
太田「出来たのは大方机に並べて置いたぞ」
甲木「後は金平だな」
坂元「ちょ~~~~っと待ってくださいねぇ?
後醤油入れて軽く炒りあおるだけなんで....」サッサッ
坂元「んぐんぐ......うん。上出来っすね」
浦川「大皿でい~い?」
坂元「OKっす」
甲木「では、いただきます」手を合わせて
小隊『いただきます(ま~す)』
~本日の献立~
*岩魚の塩焼き
*ほうれん草と椎茸のお浸し
*金平牛蒡
*豆腐とわかめの味噌汁
*ご飯
*浅漬け
甲木「ズズズ......うむ。椎茸がいい仕事をしている...」味噌汁啜り
林「今日使っただし昆布はどうする気だ?」岩魚頬張り
坂元「ん~~~....シンプルっすけど、やっぱり佃煮っすかねぇ。
おにぎりに使えるし」お浸しモグモグ
佐久間「お前田舎で何してたんだよ.....料理ほぼ何でもできるじゃねぇか....」謎の敗北感
太田「いいことではないか。レーションばかりよりこういう楽しみは必要だぞ」ご飯モグモグ
浦川「(金平牛蒡美味すぎぃ!)」モグモグ
中村「お出汁がぁぁ^~~~......」おじいさんの顔
甲木「まあ何にせよ、皆いい動きをするようになったよ。
その点においては俺が言うまでもないけど」岩魚からの白米コンボ
太田「そんな....自分なんてまだまだです......!? か、かりゃい....!」金平パクッ 涙目
坂元「嘘でしょ!?」
林「いちいちオーバーリアクションな奴だな......別に普通だろこれくらい...」金平モグモグ
佐久間「一味入れ過ぎたとかじゃねぇのぉ?」味噌汁啜り
中村「唐辛子に弱いのかな......この間の麻婆豆腐の時もそうだったよね?」
浦川「アレ結構甘口だったよね?」浅漬けポリポリ
坂元「山椒も唐辛子も控えめに作りましたからねぇ......
苦手な人っているじゃないですか。こんな風に.....」
太田 プルプル.....
林「これは論外だろ。極端すぎる」お浸しモグモグ
甲木「.......甘味は好きみたいだがな.....」
太田「羊羹がいいです.....」
佐久間「うわぁ.....渋いお茶ねぇと俺無理だぁ」
林「俺も」
中村「単純に食べたことない....」
甲木「俺もだ」
浦川「あんなに美味しいのに......あ、そうだ」ピコーン
太田「どうした浦川....ゲホッ」一味で咽る
浦川「今日はおやつも食べよう。うん、そうしよう」
坂元「おやつかぁ......いいんじゃないです?」味噌汁啜り
甲木「おやつ........」
中村「どら焼きがいいなぁ.....」
佐久間「俺なぁんでもいいやぁ。ごっつぉさん」パチンッ
林「俺もどうでも.....ごちそうさん」
甲木「........おやつって.....なんだ?」キョトン
佐久間「は?」
林「あぁん?」
中村「え?」
太田「...........」
浦川「嘘ぉ....」
甲木「......な、なんだよ.....?」
坂元「(あ、このお浸し美味しい....)」モグモグ
食堂<えええええええええええええええええええええええええええええええええっっっっ!!?!?!?!?!?
甲木「ぁぅ~...........耳イテェ........!」ピクピク
坂元 突然の大音量に鼓膜大破撃沈
浦川「燈君!」ガバッ
甲木「近い近い揺らすな昼飯戻しそう.....!」グワングワン
中村「流石におやつを知らないというのは......」
佐久間「じょ、冗談.....だよな....?」
林「子供の一大イベントが......」
浦川「お姉さんに言ってみなさい! 怒らないからぁ!」ムギュゥッ!
甲木「ムガァッ!? グモモモモモッ!?」ジタバタ
太田「(甲木燈......被検体、No.0001。
この人には、一般的な人間と同じ経験が圧倒的に欠落している.....。
出生を含め分からないことが多すぎる彼は、
私たちとこうして共同生活をするまでの間
研究所でサンプルを提供するという役割があった。
彼の血液、髄液を培養して作られたAF細胞。
それを打ち込んで適合、吸収しきれたのが我々だったというだけの話だが....
.......やはり、解せないな.....。
子供として、親から受けるべきものが欠落し、
社会から受けるべきものを何一つ得られていない。
.............いや、だから自分は.........)」グ.....ッ
中村「佳奈ちゃん....?」
太田「! ああ、いや....何でもない」目逸らし
中村「そう...?」
坂元「ハッ!? あまりの音量に鼓膜が破れてた......」ビクッ
浦川「ねえ燈君? お姉さんに何でも言って良いんだよ....?
何なら今日添い寝する? 添い寝しよ?」ズイズイッ
林「落ち着け浦川」浦川の襟首を掴み上げる
浦川「ニャーン.....」
甲木「ゲホゲホッ! ウゥゥゥゥエッホッエッホ!」致命傷
佐久間「あらら~.....大丈夫タイチョー....」背中サスサス
坂元「........何事?」
- 閑話休題 -
坂元「あぁ、おやつの話まだ続いてたんすねぇ」納得
林「そしたら甲木が、おやつの習慣を知らねぇだの言いだしやがるもんだからな」
甲木「.........」目逸らし
浦川「なんかもう.....キュンキュンするんじゃ^~」くねくね~
太田「少しは自重という言葉を覚えるべきだろう浦川」
林「それについては同意だ。いちいち煩い」デコピン
浦川「あぅっ!」
中村「あはははは......でもおやつ......いいんじゃない? 今日は後予定なかったよね?」
佐久間「俺は聞いてねぇぞ」
太田「私はこの後本を読みに行くつもりだったが...」
甲木「.......たかが間食の話が、ここまで大きく膨れ上がるとは....」
坂元「折角だし、なんか作ります? この時期だしわらび餅とか?」
中村「あ~、いいねぇ」
林「好きにしろ......俺眠ぃから寝るわ....」ギシィ...
佐久間「俺は付き合うぜ。わらび餅作るとかそうそうねぇしな」
浦川「私は当然参加しまぁ~っす!」
坂元「決まりっすね」
甲木「(俺の意見はガン無視なのね.....)」
- 15:00 厨房 -
坂元「わらび粉なんて酔狂なもの、よく軍の食糧庫に有りましたよね~」
浦川「言ってもみんな好きでしょわらび餅~♪」
中村「こう.....トゥルンってしてるから食べやすいよね。きなこと黒蜜で食べるのが好きだなぁ」
佐久間「俺はきなこだけでもいける口だ。きなこでも十分甘いし」
甲木「で、どうやって作るんだ? クッキーみたいに混ぜて焼くわけでもないんだろう?」
坂元「おっとそうでした.....ではまず材料の計量から」
~わらび餅(5~6人分)~
わらび粉:150g
水:700㏄
砂糖:100g
これにお好みできなこや黒蜜をかけて食べる^~
坂元「では調理工程っすね。わらび粉と水、砂糖をフライパンに入れてよく混ぜてください」
浦川「OK~♪」混ぜ混ぜ
坂元「混ざってきたら中火にかけて.....火点けるっすよ~?」カチッ
佐久間「変わるぜー」サササ
浦川「わ^~」くるくる~
坂元「その状態から透明感が出るまで只管混ぜ続けてください」
佐久間「あいよ~」混ぜ混ぜ
坂元「その間に、こっちでは黒蜜でも作ってしまいましょう」
中村「了解。先に黒砂糖と水の計量は終わらせてるよ」
坂元「お? 分かってる感じっすかね? 今回は砂糖の代わりに、コレとコレを使うっす」ドーン
甲木「.....水あめと......ハチミツか?」
坂元「That's right!」パチンッ
中村「これを使うとトロトロの状態で食べられるんです。ついでに保存も出来るし」
坂元「そうそう。どうせならちょっと多めに作って、後々にも活用しちゃいましょう!」
坂元「じゃあ分かってそうなハジメちゃん。鍋に全部入れて~」
中村「はいはい。適量ね....」ポチャポチャ....
甲木「案外雑なんだな」
坂元「黒蜜はこんな感じっすね~。問題なのは食べる時にトロトロかですし~.....点火!」カチッ
佐久間「坂元~、透明になって来たぞ~」混ぜ混ぜ
坂元「んぉ? じゃあ火ィ止めてもらって....
ハル姐さんバットに水入れてもらっていいっすか?」
浦川「もう準備済みなのだよ....!」ククククク...
坂元「流石っす。じゃあリューちゃん、こっちのバットにその中身流し込んでくださいな」
佐久間「お~」たらぁ......
甲木「.......コレが冷えて固まってわらび餅に......昔の日本人も考えたものだな...」
中村「ペロ......よし。黒蜜も出来たよ。あとは粗熱取れたら食べられるね」
<ガチャ
太田「何やらいい匂いが....」スンスン
甲木「丁度いいな。もう少しでわらび餅が出来るぞ」
太田「それはそれは.....自分も、いいんですか?」
甲木「構わんさ。甘いもの、好きだろう?」
太田「いやはや.....それを言われると弱いです....///」テレテレ
佐久間「熱いっ! 熱いし....アツゥイ!」平らに伸ばす作業
中村「普通に鍋掴み使えばよくない?」
坂元「ちょっ! 面白いから敢えて言わなかったのにぃ!」
浦川「さっくんアホの子可愛いなぁ~♪」ニヤニヤ
佐久間「アホの子じゃねェェェェェェ!!!」
坂元「と、いうわけで.....完成です!」
浦川「わぁい♪」パチパチ
佐久間「美味そう」小並感
中村「黒蜜もいい感じにトロトロだよ」
太田「コレが手作り.....やるな坂元」
坂元「いやぁ、それほどでもあるんすけどね? AHAHAHAHAHAHA☆」
甲木「では食べるとしよう。いただきます」
5人『いただきます(ま~す)』
甲木「むぐむぐ.......」もきゅもきゅ
浦川「ん~~~~~んっふ~~~~♪」くねくね
佐久間「甘さ控えめなのが嬉しい......美味い!」
坂元「でしょう? ハチミツと黒砂糖の自然な甘みが優しく絡んで......ん~~~♪」
中村「こういう味、僕は好きだな」
太田「うむ。とろみのある黒蜜がよく絡んで美味しいな」もきゅもきゅ
甲木「ああ。しつこくない甘さだ.....
間食と言えば昔食べたアメリカのチョコレートの印象がどうしても抜けないが、
こういうのなら毎日でもいい」
浦川「アメリカのチョコ~?」もきゅもきゅ
佐久間「ああ、なんか海外のお菓子って大味感あるよな」
太田「そうか?」
中村「確かに、日本のとは少し違う感じするよね」
坂元「最近知ったんすけど、ステーキに生クリームかけるってマジっすか?」
浦川「あ~、友達と食べたなぁ.......戻しそうになったけど...」目逸らし
林「あんなもん豚の餌だ」ぬらぁ
中村「理さん起きたの?」
林「ああ。お前ら大分うるさかったからな......」ポリポリ
太田「それは.....すまなかった」
林「いいよ別に....ほっとかれたら朝早ーく目ぇ覚めて暇を持て余すとこだった」
坂元「別に朝飯の準備してくれててもいいんじゃねぇっすか?」
林「やぁだよメンドイ.....」
佐久間「おいおいそりゃあねぇぜ......いつも坂元か俺らに任せやがって....」もきゅもきゅ
浦川「さっくんいつも見てるだけじゃ~ん」ツンツン
佐久間「うっ! ウルセェよ!?」
坂元「不器用なんで、料理はさせないことにしてるんすよ」
甲木「(そう言えば以前食べた卵焼きが異様に苦かったのは.....そう言うことか)」
太田「包丁も満足に扱えんのは調理するうえでは致命的だろう」
佐久間「畜生.....! お前ら好きかって言いやがって.......!」涙目
甲木「ふぅ......まあ、誰しも得手不得手はあるだろう。
佐久間は偶々料理が不得手だったというだけのこと.....深く気にする必要もないだろうさ」
佐久間「タイチョー........!」
浦川「燈君優しいなぁ~」
佐久間「タ"イ"チ"ョ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"!!!!」ビエーン!
林「(騒々しいのが輪をかけて騒々しく......)」
甲木「よしよし......」ナデナデ
中村「(隊長が聖母に見える......)」
坂元「ま、何でも小器用に熟せる隊長が言うんじゃ説得力皆無っすけどね~」
太田「坂元.....」
坂元「.....なんすか? 本当のことじゃないっすか....」
太田「(確かに、隊長は何でも小器用に熟せる上に、
誰に言われたわけでもないのにああも優しい......
それは彼の美徳であると同時に......最大の欠点でもある) ......はぁ...」眉間押さえ
甲木「さ、泣くのはそこまでだ佐久間。君の最大の魅力は溌溂とした性格だろう?
俺自身君の気丈さは好ましく思っているから、
こんなことでそれを捨てるべきじゃあない」ナデナデ
佐久間「!」ゴシゴシ
太田「(気付いてますか隊長.......
貴方は残酷なまでに優しいですが、
それは同時に貴方自身を苦しめることになるということに....)」
浦川「料理無理ならぁ、他の掃除とか頑張ればいいんだよぉ?」ツンツン
佐久間「わ、わぁってらぁ! いろんなバイト巡ってた俺に任せろってんだ!」ドーン
中村「立ち直り早いね佐久間君......まあ、そこがいい所なんだろうけど」
林「ふぁ~.....中途半端に寝たから眠ぃわ....」
甲木「.........」はにかむ
もしもの話。俺に兄妹が居ればこんな感じだったのだろうか。
周りにはいつも会話があり、他愛のない話が宙を飛び交うそんな当たり前になっていたのだろうか。
まあ、今となってはコレが俺の日常。
俺はこの中で呼吸をし、この日常に帰るために戦おう。
だから今は........
太田「隊長。まもなく交戦予定地点へ到着します」
甲木「ああ.......」
- 1か月後 東京湾沿岸部 -
甲木「ここが、俺達遊撃部隊初の戦場だ........
君たちは強い。少なくとも、かつて死に喘いでいた頃より強くなった」
佐久間「当たり前だ.......」
中村「いよいよ.....だね」グッ
坂元「フゥ........」
甲木「我々の使命はこの国を蹂躙せしめんとする不届き者を八つ裂きにすることだ。
この身は既に死人。蘇ったのならば生きる者のために薪としてくべよう....
国を守れ。国民を守れ。そして.........」
甲木は静かに背に掛けていた弓を手に取り掲げる。
甲木「敵を殺し、この国の盾は獰猛だということを教えてやれ!」
掲げた弓のトリガーを引き兵装を起動する。
傷によりAF細胞が活性化され、マスクで隠れた瞳が徐々に赤い閃光を宿し揺らめく。
それを確認した部隊員らは各々の兵装を展開し、搭乗したアパッチから身を乗り出した。
甲木「降下開始___」パッ
甲木が呟きその身を投げ出す。
眼下に広がるのは血に染まった浜と岬。
うごめく黒点は恐らく敵。
甲木「(三式装填.....)」ググググ.....
甲木「甲木遊撃部隊!
状況開始ィィィィィッッッ!!!!!!」バシュッ____パッ......
遊撃部隊総員『了解!!!!』
呼応が早いか、弾着が早いか。
甲木が放った三式矢による無差別のAF針の雨が浜に降り注ぐ。
パラシュートを身に着けていない部隊はその身で猫のように浜に砂の飛沫を上げ降り立ち、水平線まで伸びる黒点の群れへと突撃を敢行した。
- To be continued in Part.2 -
『対AF特殊部隊 甲木小隊の隊員プロフィール』
*甲木 燈(カブラギ アカリ)
年齢:18(19) 性別:男 誕生日:不明 血液型:AB
身長:170㎝ 髪色:白 瞳の色:青
軍服:右無のワンショルダー+右エルボーカバー
セミロングの白髪の癖毛をポニーテールにしてる女顔。
二重ではあるが常に半開き程度しか目を開けていない。
最近小さい観葉植物を育て始めたらしい。
*佐久間 龍之介(サクマ リュウノスケ)
年齢:17(18) 性別:男 誕生日:11月20日 血液型:B
身長:175㎝ 髪色:黒 瞳の色:灰
軍服:長袖を肘まで捲った状態
短く刈り上げた短髪が活発さな印象を与える小隊のムードメーカー。
情に厚く冗談をよく飛ばすが、その度に軽く流され弄られるまでがテンプレ。
筋肉の付き方はこの小隊の中では最も高い密度を叩きだしている。
*太田 佳奈(オオタ カナ)
年齢:16(17) 性別:女 誕生日:8月31日 血液型:A
身長:160㎝ 髪色:アッシュブロンド基調の黒のメッシュ 瞳の色:茶
軍服:長袖
質実剛健を体現したような性格のBカップ少女。
治験の呼びかけが始まった頃、父が自衛隊士官であった手前いち早く深海棲艦の存在を知っていた彼女は、真っ先にAF兵へ志願するほど強い正義感の持ち主である。
治験中にお忍びで来ていた甲木にチョコバーを貰ったことがある。
*中村 朔(ナカムラ ハジメ)
年齢:18(18) 性別:男 誕生日:5月18日 血液型:O
身長:173㎝ 髪色:アッシュブロンド 瞳の色:黄
軍服:長袖のロングコート
病院生活が長かったせいか小隊中最も貧相な体をしていることがコンプレックス。
性格は温厚で喧嘩などがあると仲裁役になることが多い。
その性格からかよく誰かしらの相談を受けることも。
*林 理(ハヤシ オサム)
年齢:19(19) 性別:男 誕生日:4月3日 血液型:B
身長:185㎝ 髪色:黒基調のアッシュブロンドのメッシュ 瞳の色:赤
軍服:ノースリーブのロングコート
身長だけなら小隊中一番高い。
苦学生だった経験からかいろんな物事に対して達観した性格をしている。
達観してはいるが佐久間に負けず劣らず情に厚い方で、年齢が上なこともあり兄貴肌である。
*浦川 遥(ウラカワ ハルカ)
年齢:18(19) 性別:女 誕生日:12月24日 血液型:AB
身長:164㎝ 髪色:アッシュブロンド 瞳の色:青
軍服:半袖+ロングインナー
ゆるふわ系愉悦部のEカップお姉さん。
少しナルシストなところがあり、自分と見た目が似ている甲木に好意を寄せている。
週一のペースで甲木に夜這いを掛けるが、相手にしてもらったことは今のところない。
*坂元 武彦(サカモト タケヒコ)
年齢:17(17) 性別:男 誕生日:5月20日 血液型:B
身長:168㎝ 髪色:アッシュブロンド 瞳の色:灰褐色
軍服:半袖
食い意地が張った天才肌。
小隊中甲木と同率の移動速度を誇り、陸上なら180㎞/hを瞬間的に叩き出せる。
実家は田舎の山中にある農家だったが、私有地であることを利用して害獣駆除の一環で狩猟をしていた経験がある。
『本栖湖駐屯地』
深海棲艦の出現に先立ち設立された甲木小隊のために急造された海上自衛隊の内地演習用の駐屯基地。
存在自体が機密の甲木小隊が駐留する手前、小隊以外に駐留する士官は延べ20名と小規模で、
観光用の道路などを爆破したりなどして寸断した挙句に作り上げられた経緯がある。
自衛隊は表向き『最先端の軍事兵器による自衛』を国民に発信していたということもあり、
治験と称して生体兵器を量産していた事実を隠蔽しておきたかったという背景もあるが、
実際に防衛のため攻撃を試みた際に全くと言って良いほど効果がなかったため、AF兵の量産に多額の資金を投入することが決定した。
『治験』
甲木の髄液から培養されたAF細胞の移植によるAF兵量産のカモフラージュとして、治療機関でのみ極秘に広められたものである。
公布内容としては『新たに確立された人工組織による肉体欠損の回復』という触れ込みであった。
大本は自衛隊だが、日本各地の大学病院を仲介して生存が絶望的な患者に対してのみ知らされるという形がとられていた。
この治験に単純に参加したのは太田以外の隊員である。
浦川は『普通のJK脱却』を理由にしていたが、彼女自身も末期の白血病で生存が望み薄であった過去を持っていて、直接の参加理由はそれである。
治験の結果成功した隊員たちの身内には多額の口止め料が支払われており、常に自衛隊から派遣された工作員により見張られている。
成功した本人らは1年の観察期間の後、状態が安定したと見込まれたものは1年半程軍人として教育を施される。
『固有AF兵装』
フルオーダーメイドの特注品で、兵装1つで最新の高層マンションが建つほどに値が張る。
というのもまずは材料がAF兵量産計画で発生した転化した被験者からしか取れないという希少性、
それに加えて同材料の食い合いを利用した特殊な工作法でのみ加工が可能という技術面の問題もある。
深海棲艦の装甲を用いていることもあり、見た目は総身黒塗りのように映るが、
トリガーを引くなどして発動する起動状態では攻撃に用いる部分が赤く発光する。
発動には相応のAF細胞が必要になるため、過度な起動は自身の体を徒に傷つけるだけだが、
感情が高ぶった状態ではAF細胞もそれに呼応して増殖するため、平時の倍以上の効果を期待できる。
半年と少し振りの投稿ですが、覚えてる方いますか?()
月に3回有るか無いかの公休で体がボロボロになってたり
それが半年以上続いて自律神経が完全にぶっ壊れて無断欠勤が続き仕事辞めたり
ここ半年、踏んだり蹴ったりな筆者ことhayaoでございます。
本作ですが、Twitterで言うところの『Part.1&2』の統合版となっています。
Twitterで上がっているのと順番が違うとは思うのですが、作品として追うのであればこちらの方がいいかと思い、順番が 本編→過去編→本編 と時間が行ったり来たりすることになりました。
そうなると必然的に、どこかしらのタイミングで投稿が遅延するんですが()
そんな投稿事情はさておき、転がり始めた絶望へと向かう物語を楽しんでいただければ幸いです。相変わらず拙い文章ではありますが、よろしくお願いします。