狩人にとって、血の興奮と性欲は似ている。
血を浴びれば身体は熱を帯び、意識は曖昧になり、脳はふらつく。それでもなお血に飲まれぬからこそ、狩人は狩人と呼ばれるのだ。
では、血に飲まれたら?
そんなもの……“獣”に決まっているだろうよ。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
ごり、ごり、と獣の身体に抉り込んだノコギリ鉈を引き剥がす。その度に血が噴き出し、若き狩人の身体にへばりつく。
マスク越しでも分かるくらいに濃い血の香り。
激しく動いた後に喉奥よりせり上がる、あの独特の血のような香り。
外と内より手招きする血の誘惑に、狩人は唇を噛んで抗おうとする。しかしそんなもの、気休めにもならない。
「うぐっ、うぅ……!」
ようやく取り返したノコギリ鉈を取り落とし、若き狩人はヤーナムの道端で、己の身体をかき抱いてその場にうずくまる。
溶けた鉛のように熱く、触れれば破裂してしまいそうなほどの欲望。それは若き狩人の内より生まれ、肥大し、そしてまたぐらへと集まっていった。
「ぅあ……っうぅ」
カチャカチャと、おぼつかない手付きで腰のベルトを外す若き狩人。血を弾くヤーナム特有の狩装束は脱ぐのに苦労し、数十秒ほどかけてようやく腰からずり下がる。
「はぁ……っあ!?」
彼の怒張した肉棒はひんやりとした外気に触れた瞬間、暴発した。敏感になりすぎたそれは温度にも過剰に反応してしまったのだ。
吐き出された精液が獣の死体にかかり、血と混ざってピンク色に変色する。
カルキ臭と鉄臭さが混ぜこぜとなり、若き狩人の脳を、再び性欲が犯してゆく。
「ふぅ、ふぅ、ふぅ……」
若き狩人は周囲を見渡す。
そこにあるのは獣の病に侵され、変異したヤーナム民の死体ばかり。老若男女問わず、病を発症した者は全て彼に襲い掛かり、そして殺されていった。
そんな中であっても比較的綺麗な死体があった。それは女の死体で、年の頃は三十代前半くらいか。頭部を変形させたノコギリ鉈で唐竹割りにされ絶命しており、とろけた瞳が夜空に浮かぶ月を見上げていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
若き狩人は立ち上がり、その死体の元まで歩いてゆく。ズボンなどすでに脱ぎ捨て、生まれたままの下半身をヤーナムの街に晒す。
はたから見れば滑稽にも程があるが、そんな考えは彼の脳内には存在しなかった。あるのはただ一つ、この性欲をあの死体にぶちまけたい、と言う浅ましい欲望だけ。
倒れ込むように女の死体の元へとやって来た若き狩人は、邪魔な衣服を破り捨てた。生前は家政婦でもやっていたのか、血に汚れたエプロンが布切れとなって地面に落ちる。
彼と同様に下半身を露出させられた女の死体。その両足をがばりと開かせると、震える手で自らの肉棒を、死体の膣へとねじ込む。
「ぉう……っ!」
先程殺したばかりのせいか、死体の膣はまだ微かに温もりがあった。濡れてはいなかったが、出血と思われるぬめりがいい具合に彼の肉棒に絡みつく。
若き狩人はひたすらに腰を打ち付ける。自らの手で殺した女の死体、その膣に。
月が照らす夜、血の臓物と死体が溢れる道端で腰を振る男。振るう対象は死体。どこまでも冒涜的な光景が広がっていた。
「ぁぁ、ぁ……!」
再びの射精。
もはや命を宿す事のない子宮へと吐き出された白い欲望は、死した女をなおも辱める。
そんな冒涜的な背徳感に酔いしれる若き狩人は、知らず口の端を吊り上げていた。
―――ああ、そうだ。俺は狩人だ。俺が狩った獲物なら、それを好きにする権利がある―――
若き狩人の脳に、血に濡れた欲望が甘く囁く。
殺せ。犯せ。酔え。
殺せ。犯せ。酔え。
聖女を犯せ。老婆を犯せ。娼婦を犯せ。少女を犯せ。
全ての雌を殺し、犯し、その血を身体に浴びて酔いしれろ。
腰より生じ、脊髄を這い上がり、脳髄へと広がった
崩れ、解け、とろけてゆく。
頬が緩む。涎がたれる。
若き狩人は死体にへばりついた残りの衣服を乱暴に剥ぎ取り、同じく自身のマスクも脱ぎ捨てた。温もりを失いかけている乳房を鷲掴み、溢れ出る涎を垂らしつつ、がぱりと大きく口を開く。
―――これが最初の一口目。狩った獲物をたべるのは、捕食しゃのぎむだから―――
混濁する意識の中、若き狩人は満面の喜色を張り付け、眼前の死肉を頬張ろうとして―――――そこで。
「何してるんだい、あんた」
「ッ!?」
頭上より降りかかった声に、勢いよく顔を向ける。
そこにはよく知った顔―――――鴉の仮面をした、一人の女狩人が立っていた。
狩人狩りアイリーン。
血に酔った狩人を殺す、狩人狩り専門の狩人。鴉を模したその装束には鳥葬の意味があるのだと、若き狩人はかつてした質問の答えを思い出していた。
鳥に遺体を食わせ、天へと送り届けてもらう。血に酔った狩人に対してもそんな気遣いをする彼女の事を、若き狩人は尊いと感じた。そして出来る事ならば、いつか彼女のような狩人になりたいとも。
しかし、現実は違う。
血に酔ったのは自分の方だった。しかも性欲を駆り立てられて死体相手に盛るという、最悪の形で。
それを彼女に見られた。
若き狩人の脳を絶望の二文字が蹂躙する。あれだけ昂っていた肉棒も死体の中で縮こまり、生暖かい精液がへばりつく気色悪い感覚だけが後に残った。
「………」
アイリーンの無言の視線が突き刺さる。
下半身を露出させて項垂れる若き狩人は羞恥と絶望、そして何よりも血に酔ってしまったという途方もない嫌悪感に苛まれた。
これでは彼女に狩られても文句は言えない。むしろ今すぐ狩ってくれ……これだけの言葉が口に出せない程、若き狩人の顔は青く染まっている。
「………ふぅ」
やがてアイリーンは溜め息をつくと、どういう訳か若き狩人を立ち上がらせた。
頭に疑問符が浮かぶ彼を尻目に、彼女は彼の手を取ってづかづかと街を歩いてゆく。
「全く、あんたが血に酔うなんてねぇ」
呆れたような、憐れむような彼女の声。
狩らないのか、と、若き狩人は思わず声が出た。
「もちろん狩るさ。それがあたしの役目だからね」
若き狩人の問いを、彼女が振るう得物のごとくばっさりと斬り捨てる。そのあまりの軽さに、狩ると言われた彼も目を丸くしてしまう。
そんな若き狩人の事などお構いなしにアイリーンは歩き続け、そしてとある建物の前で立ち止まる。
「ただ最後に……少しだけ、いい夢を見せてやろうと思っただけさ」
建物の横。倒れた立て看板には、『娼館』と書かれていた。
「中々いい場所だろう。娼館ってのがアレだけれどね」
成すがまま、成されるがままにやって来たのは娼館の、とある一室だった。アリアンナがいた場所とは違う、別の娼館だ。
部屋にある小タンスには蝋燭が取り付けられており、ゆらゆらと小さな火が揺れている。アイリーンは呆然とする若き狩人を前に、慣れた手付きで懐のあるものを取り出した。
「獣避けの香さ。やむを得ずに休息する時なんかに使うのさ」
火を付けると、すぐさま香は部屋中に充満した。香は閉ざした扉の隙間から外へも漂い、この部屋を起点としてしばらく獣はやって来る事はないだろう。
「これから数時間は安全だが、早く始めるに越した事はない。さっさと服を脱ぎな」
そう言うとアイリーンは、自らの狩装束に手をかけた。
そこでようやく、若き狩人は動き出した。彼はアイリーンの手を掴むと、当然の疑問をくちにする。
すなわち、これはどういうつもりなのだ、と。
「……はぁ。あんたはまだ分からないのかい?」
やはり呆れたような声で彼女はそう返した。何が?と言う若き狩人は、下半身が丸出しにも関わらず真剣な瞳でアイリーンを見つめる。
「血に酔った狩人は内に秘めた欲望に従順になる。大抵はもっと血を、もっと狩りを……となる所なんだがね、あんたは別だったんだよ。つまり、性欲に突き動かされる質だったって事さね」
その言葉を受け、若き狩人の顔に改めて羞恥の色が差す。尊いと感じていた女性から、お前は盛った猿だと言われれば、誰だってそうなるだろう。
俯く彼を前に腕組みし、アイリーンは続ける。
「もちろん危険な事に変わりはない。あんたを野放しにしちゃあ、いつガスコインの娘や娼婦のお嬢ちゃんに手を出すか分かったもんじゃないからね」
だから狩る。けれどその前に……と言い、アイリーンは皮手袋に包まれた右手で、するりと若き狩人の肉棒を包み込む。
「!?」
「こんな酷い夜なんだ……あんたみたいな若い奴は、死ぬ前くらい良い夢を見たっていいじゃないか」
思わず腰を引いてしまうも、アイリーンの手がそれを離さない。
先程吐き出した精液に濡れた肉棒が彼女の皮手袋を汚し、にちゃりと湿った音を奏でる。すり、と彼女が軽くこすれば、それだけで再び硬さを取り戻した。
「こんなババアで悪いが……まあ、頑張るとするさ」
そう言って、空いた左手で仮面を外すアイリーン。
初めて目にした彼女の顔は、想像よりもずっと綺麗だった。
「ほら、動くんじゃないよ」
若き狩人は現在、ベッドに座らされていた。服も手袋もない、まさしく生まれたままの姿である。
アイリーンもまた、その肌を惜しげもなく晒している。ただ一部、彼の希望で皮手袋だけは外さずに。変な奴だねぇ、と呆れるアイリーンだったが、彼の要求を飲んでくれたのだった。
蝋燭の明かりに照らされた彼女の身体は細く、そしてしなやかだった。鴉羽の狩人という異名とは裏腹に、まるで豹のようだと若き狩人は素直に感じた。
彼女は現在、ベッドに座っている彼のまたぐら……怒張し、硬くそそり立っている肉棒を、その手でしごいていた。使い込んだ皮手袋の絶妙な固さ、そして確かな体温が一体となり、なんとも言えない刺激を与え続ける。
「全く……最初は手で、なんて贅沢言ってからに。あたしにこんな事させるのなんて、あんたしかいないだろうよ」
小言のように愚痴るアイリーンだったがその肌は僅かに赤みを帯びていた。彼女も彼女なりに興奮しているのだろうと理解し、若き狩人もまた興奮を高めてゆく。
若手袋に包まれた両手は肉棒をしっかりと握っている。左手で上下にしごき、右手は亀頭を刺激する。傘の部分を指先でなぞり、表面を掌で撫でる。絶えず降りかかる性的刺激の波に、彼の脳内は快楽に支配されつつあった。
やがてその時が訪れる。
昇りくる白い欲望を察知した若き狩人は、咄嗟にアイリーンの頭を掴んだ。後頭部をがっちりと押さえ、そのまま亀頭の先端で彼女の口を割り開く。
「んぶっ!?」
がっぽりと、根本まで咥え込まれた肉棒。口腔内の熱を直に受けた瞬間、彼の我慢は呆気なく終わりを告げた。
びゅびゅっ!!と、勢いのある射精。本日三度目になるにも関わらず衰えないその勢いに、アイリーンは目を白黒させて身体を硬直させる。
「ん……んごっ……っ」
痙攣する肉棒から断続的に吐き出される精液は、一滴残らずアイリーンの胃の奥へと流れてゆく。生理的反応とはいえ、涙目になって不服そうにこちらを見上げるその顔に、若き狩人は再び昂る。
陰毛に鼻をうずめ、荒い鼻息が彼をこそばゆくさせる。股間を中心にじんわりと広がる熱は緩い波のようで、ふわふわとした快感が浮上してくる。
「うっ!?」
ああ、いつまでもこうしていたい。と思った直後だった。
アイリーンの口腔内に突っ込んだ肉棒に、新たな刺激が走った。発信源は先端部、未だ少量の精液を吐き出し続けている亀頭だ。
なんとアイリーンは、舌の付け根付近を使ってしごいているのだ。そして磨き上げるように、包み込むように、舌全体を使って彼の肉棒をしごき上げる。
「はぁっ、は、っあ……!」
ぎゅっと目を瞑り快楽の荒波に耐えていると、不意にその波が消え去った。はっ、として目を開け、自らの股間を見てみれば、そこには不敵な笑みを浮かべるアイリーンの姿が。
「ふふ……やってくれるじゃないか。このあたしを溺死させようって腹かい?」
つ、と口の端から滴り落ちる精液。それは細いラインの下顎を伝い、ぽたりと彼女の胸へと落ちてゆく。
そしてすっくと立ち上がると、急に彼女は若き狩人を押し倒した。
存外に強い力に成すすべなくベッドに仰向けに倒れた彼の身体に、柔らかな女の身体が覆いかぶさる。アイリーンが彼の上に倒れ込んできたのだ。
「また喉奥に吐き出されたら溜まったもんじゃないからね。こうさせてもらうよ」
若き狩人の胸板に自らの乳房を押し当て、真正面から見つめる。二人の吐息が互いの顔にかかり、淫靡な熱が部屋全体に広がってゆく。
どっ、どっ、どっ、と。若き狩人の心臓が早鐘を打つ。
血の通う暖かな、そして柔らかい乳房を押し当てられて興奮しない男などいないだろう。控えめだが確かな弾力のある二つの膨らみ、その中心にある乳首は硬く勃っており、こりこりとした感触を彼の身体に与えていた。
「ふふ……可愛い反応をするねぇ」
そう言ってアイリーンは上体を起こす。
伸びをする猫のように、皮手袋に包まれた両手で彼の腹に触れたアイリーンは、僅かに腰を浮かす。
若き狩人は見た。彼女の秘所、そこからしとどに溢れる粘液を。
「……っ!」
「いやらしいだろう?笑える事に、あたしもまだまだ女だったって事さね」
天井を指す肉棒の先端を、自身の膣の入り口へとあてがう。そこから垂れてくる粘液が亀頭に注がれ、一足先に二人の粘液が合流を果たした。
「さて、おあずけをする理由もない……食っちまうからね」
赤い舌で唇をぺろりと舐めた彼女は、ゆっくりと腰を下ろしてゆく。
ずぷっ……、と、まずは膣が亀頭を飲み込んだ。
続いて傘。徐々に太さを増してゆく肉棒を、しかし彼女の膣は柔軟に対応してゆく。
脈打つ血管が浮かんだ肉棒は全て膣内へと収まった。淫靡な涎を垂らしていた彼女の口は、ついに若き狩人の己自身を丸呑みにしたのだった。
「っあ……あぁぁ」
普段からは考えられないような艶声がアイリーンの口から洩れる。
それはアリアンナのような気品のある色気ではなく、彼女自身が言っていたような“いやらしい”色気だった。
「ふぅ……ふぅ……ふ、ぅ」
全体的に細い彼女の身体。その下腹付近……ちょうど子宮がある位置をぽっこりと膨らませた彼女は、やがて背を伸ばして若き狩人を見下ろしてくる。
俗にいう“騎乗位”の体勢である。
「ふぅ……どうだい、全部食っちまったよ」
「……!」
ぱくぱくと、喘ぐように息をする若き狩人。
アイリーンの膣内は想像以上だった。粘液に塗れた細かなひだが絡みつき、肉棒を刺激してゆく。隙間もないほどに締め上げられ、気を抜けばまたすぐ暴発してしまうそうなほどだ。
「我慢しなくても良いんだ……存分に吐き出しな」
ぎし、と彼女が体重を僅かにずらし、ベッドが小さく軋む。
それだけでも果ててしまいそうなのに……そこから彼女は、本格的に動き始めた。
ずんっ!
「ッ!!?」
腰を真下に落とし、ベッドの柔らかさを使って跳ね、また落ちる。
何てことのない一連の動作。しかしそれは若き狩人にとって非常に強く働き、とてつもない快感を叩き込んでいた。
粘液に塗れたひだが肉棒を上下にしごく。それは先ほどの口技とは比べ物にならない程に濃厚で、ねっとりと絡みつく熱を伝えてくる。
「はっ、はっ、っあ」
ずんっ、ずんっ、ずんっ。
ベッドで跳ねる子供のように、アイリーンは夢中で腰を上下させる。
髪を暴れさせ、玉の汗を飛ばし、艶声を響かせる。今の彼女は淡泊な鴉などではない、さしずめ“色の獣”か。
「ふっ、はぁっ、んあっ!」
動きは次第に激しさを増してゆく。いつしか二人の身体には無数の汗が浮かび、蝋燭の火がてかてかとしか輝きを映し出していた。
水っぽい音が断続的に響き、ついにアイリーンは若き狩人の胸板に倒れ込んだ。
再び密着する二人。全身が汗にまみれ、陰部を結合させたまま、互いに互いの身体を抱きしめ合う。
「はっ、はっ、はっ、はぁっ!!」
「んっ、はぁっ、っあぁあ!!」
そのままベッドの上で転がり、二人の位置は逆転。アイリーンを己の下に敷いた若き狩人は、欲望の赴くままに激しく腰を打ち付け始めた。
「あっ!?」
速く、重く、途切れず。
歯を食いしばって腰を振る若き狩人に、アイリーンは困惑を孕んだ艶声を上げた。その力強い動きに、彼女の中の“女”は服従を選んでしまう。
「ふぁっ、んあっ、あんっ!!」
いやいやするように首を左右に振り、髪を乱れさせる。そんな彼女の首もとへ舌を這わせた若き狩人は、そのまま耳の裏まで舐め上げてゆく。
「ひっ……~~~~~っっ!!」
ぞくぞくと、ナメクジが這い上がってくるような感覚に肌は泡立ち、そしてそれ以上の快感がアイリーンの脳を埋め尽くす。
絡み合う二人。互いの汗が、涎が、粘液が混じりあい、互いの身体を汚してゆく。
もはやどちらが“獣”か分からない。“最後に良い夢を見せてやる”と言ったアイリーンの言葉も、今となっては弱い。ばちゅばちゅと肉を打ちつけ、それを貪欲に受け入れる二人の様は、まさしく“獣”そのものなのだから。
しかし、それすらも今の二人には関係ない。
今この瞬間だけは、快楽に身を委ねると決めたのだから。
「! ぅお、お、おぉっ!?」
やがてびくり!と若き狩人の腰が、小さくはねた。射精が近いのだ。
互いの粘液を激しく絡ませ続け、白く泡立った結合部。細い両足を目いっぱいに開き、相手の腰をがっちりと拘束したアイリーンは、色にとろけた瞳で見上げてくる。
「はぁっ、はあ、はぁぅ」
荒い息のまま舌を突き出し、何かをねだるようにちろちろと動かす。まるで雛鳥のような仕草であったが、若き狩人はその意図を正しく理解した。
「んむっ」
若き狩人はアイリーンの舌に吸い付いた。舌を甘く噛み、そしてそのまま唇を重ねる。唾液を貪るように甘く噛みあい、ぐちゃぐちゃと卑猥な音を立てる。
その間も休むことなく打ち付けられる腰。
様々な汁が飛び散る中、ついにその時が訪れた。
腰の動きがせわしくなってゆく。大きく抉るような動きから、小刻みに、広げるような動きに。
“獣”らしい本能に基づき、目の前の雌の確実に孕ませようとしているのだ。
「あっ、あっ、あぁっ、あんっ!!」
アイリーンもまた腰を動かしていた。
吐き出される精液を全て子宮の中に収めようと、擦り付けられる亀頭を己の子宮口で吸い付かせている。
互いの思惑が一致している事を本能で感じ取った二人は一層その力を強くし―――――そして、ついに精液が吐き出された。
それはとても熱く、しかし儚かった。
ごぽり、と、立ち上がったアイリーンの股から精液がこぼれ落ちる。
「んっ……全く、まだ残っていたのかい」
汗やら何やら、様々な体液でぐちゃぐちゃになった裸体のまま、彼女は自分の持ち物を手に取る。
それは『慈悲の刃』。仕掛けにより二枚の刃に分かれる武器を手に、彼女はベッドへと戻る。ベッドの上には安らかな寝息を立てている若き狩人がいた。
あの後、アイリーンの膝の上で眠りについた若き狩人は、そのまま起きる気配はない。『感覚麻痺の霧』を少量使い、簡単には眠りから覚めなくしたのだ。
「安心しきった顔で寝ちまって、まぁ……」
刃を手に、アイリーンはもう片方の手で若き狩人の頭を撫でる。普段の彼女が浮かべないような、何とも優しい顔つきで。
しかしそれもつかの間。
瞳を閉じ、次に開いた時には、いつも仮面の下で浮かべている顔つきに変わっていた。そして仕掛けを解き放ち、両手に歪んだ刃を携える。
「それじゃあね、あんた。次こそはしっかりするんだよ」
そう言って、若き狩人の首もとで二つの刃を交差させ―――――。
「さて……次はどこに行こうかねぇ」
鴉の仮面を被り、アイリーンは獣に溢れた街を征く。
夜はまだ、明けない。
深夜テンションって怖いですね(笑)。
初めてR18小説を書いてみました。何故かブラボはエロと相性がいい気がする……なんでだろ。
皆さんはどんな話を考えているのでしょうか。もし宜しければ感想とかで教えて下さい。