・主人公
【ライダー名】仮面ライダーフューリー
【変身者】鳴瀧カイト
【年齢】18歳
【容姿】長いまつげに大きな瞳、身長もあまり高くなく童顔な為か、よく高校生(もっと酷いと中学生)に間違われる。髪はふわふわとした茶髪。
【性格】主体性がなく内向的で優柔不断。だが、その反面正義感も強く自己犠牲を厭わない優しい性格。
【趣味】映画鑑賞
【特技】家事全般
【司る罪】憤怒
【判決】懲役150年
・2号ライダー
【ライダー名】仮面ライダースペルビア
【変身者】乱獅子アキラ
【年齢】不明(不老不死)
【容姿】透き通るように白い肌、ほんのり赤みを帯びた唇。女性と見間違う程に整った顔立ちをした黒い短髪の青年。
【性格】自身に仇なす者は例え誰であろうと容赦はしない。超鬼畜。だが、揺るぎない信念と優れたカリスマ性。そして、漂う魔性さは老若男女問わず惑わす。
【趣味】花を育てること、甘いものを食すこと
【特技】世界中のあらゆる武術、柔術
【司る罪】傲慢
【判決】不明
・3号ライダー
【ライダー名】仮面ライダーグラ
【変身者】猪鹿月ハヤト
【年齢】26歳
【容姿】短めの黒髪で眼鏡をかけた優男。“歌のお兄さん”的な雰囲気かわ纏っていてマダムに異常にモテる。細身だが、実は大食い。
【性格】一見、穏やかで人当たりも良い。だが、内には底知れない狂気を秘めている。アキラの義父(志藤政義)をとても尊敬している。
【趣味】食べること、料理
【特技】賭け事全般(でも、好きではない)、料理
【司る罪】暴食
【判決】懲役1112年
・4号ライダー
【ライダー名】仮面ライダーアヴァリツィア
【変身者】鼠田キョウスケ
【年齢】22歳
【容姿】目付きが悪くガラも悪い。金髪でその髪は仮面ライダービルドの万丈の如く一部分だけ編み込まれている。万丈程じゃないが筋肉バカ。
【性格】目付きが悪くガラも悪いが、実はお人好し。
【趣味】筋トレ、賭け事
【特技】筋トレ、賭け事
【司る罪】強欲
【判決】懲役688年
・5号ライダー
【ライダー名】仮面ライダールクスリア
【変身者】後藤ユウキ
【年齢】21歳
【容姿】若干あどけなさの残るお人形さんのような可愛らしい顔をしている。胸が大きい。
【性格】男心を擽るテクを網羅した小悪魔。三度のメシよりイケメンが大好きな超ミーハー。だが、実は一途で自身を捨てた男を今でも忘れられないでいる。
【趣味】おしゃれすること、逆ナンすること、Instagram、タピること、甘いものを食すこと
【特技】インスタ映え写真をとること、メイク
【司る罪】色欲
【判決】懲役430年
・6号ライダー
【ライダー名】仮面ライダーアツェディア
【変身者】志熊サトル
【年齢】18歳
【容姿】眼鏡をかけていて、いつもダボついたアニメパーカーを着ている。だが、意外と筋肉質(本人いわく“オタ芸の賜物”らしい)。
【性格】気が弱い。ある一件のせいで長い間引きこもり、家族以外とは会わない時期があったからかいまだに他人と話すことに慣れていない。常にキョドったようなしゃべり方をする。
【趣味】アニメ、漫画、ゲーム等。
【特技】ハッキング、システムのプログラミング
【司る罪】怠惰
【判決】懲役1192年
・7号ライダー
【ライダー名】仮面ライダーインヴィディア
【変身者】蛇ヶ崎アスカ
【年齢】29歳
【容姿】目が隠れるくらいまで前髪を長めにしているが実はなかなかの美人(後に整形美人と判明)。額には整形の失敗跡(小さな切り傷)がある。洋館に閉じ込められてから、謎の頭痛に悩まされている。
【性格】常にちょっとヒステリック。ユウキを嫌っている。
【趣味】特になし
【特技】特になし
【司る罪】嫉妬
【判決】懲役921年
『主文 被告人を懲役150年に処す』
裁判長は判決を下した。
ざわつく傍聴席。
怪しい笑みを浮かべる検察側。
悔しさのあまり握り拳を机に叩き付ける弁護側。
泣き崩れる被告人の母親。
そして、傍聴席にも1人。被った帽子で顔を隠しながら怪しい笑みを浮かべる老人がいた。
『待って.....待って下さい‼ 僕は...僕は殺してなんかいない!! 信じて下さい。 裁判長......裁判長!!』被告人は叫んだ。
しかし、周りの警察官にすぐさま取り押さえられる。
それでも必死に裁判長に無実を訴える続ける被告人。
被告人の名は“鳴瀧カイト”罪状は殺人。
彼は数ヵ月前まで何の罪もない一般市民だった。
真面目で面倒見も良く。母親思いな彼が何故懲役150年に処される事になってしまったのか...。
そう、彼の人生の歯車は“あの日”から狂ってしまったのだ。
都内某所。とある一軒家。
1人の青年が自身の部屋で身支度を整え足早にリビングへ降りていく。
リビングで母親の準備した朝食を早々に済ませ、母親の手作り弁当をバックに詰めて玄関へ向かう。
母親は食器洗いを中断し、玄関へ向かう我が子を送り出す為、後をついていく。
青年は玄関で立ち止まりその場でくるりと母親のほうを向き笑顔で言う。
『母さん。いってきます』
『いってらっしゃい』
『あっ...! ちょっと待って。口にジャム付いてる』
そう言って母親はエプロンのポケットからハンカチを取り出し青年の口に付いたジャムを拭こうとする。
『うわっ!! ちょっ...やめてよ。自分で拭くから』
カイトは赤面し、母親からハンカチを奪い取り自身で口を拭く。
『全く、この子は』
母親は微笑みを浮かべながらそう言った。
『もう付いてない?』
カイトは母親に問う。
『大丈夫よ』
母親は微笑みながら言う。
『よし!!...いってきます!』
カイトは笑顔で元気良くそう言って駅へ向かった。
『いってらっしゃ~い』
母親は微笑みながらそれを見送った。
ーーー最寄りの駅に到着ーーー
ホームにて時刻表を確認するとどうやら人身事故により次の電車は1時間程遅れるようだ。
カイトはポケットから徐にスマホを出したがバッテリーが残り少ない事に気づく。
『あっ...』
リュックのファスナーを開けて携帯充電器を探すも見当たらない。
どうやら自宅に忘れてきたらしい。
『この辺ってコンビニあったっけ...』
カイトはスマホで【最寄りのコンビニ】で検索をかける
『あった...』
カイトは安堵の表情を浮かべる。
コンビニに立ち寄り充電器と漫画雑誌を購入。
コンビニの迎えのスタバにも立ち寄り、抹茶フラペチーノのグランデサイズを購入した。
...そろそろ駅のホームに戻らないと。
そう思いカイトは足早に駅のホームへと向かう。
だがしかし、先程通ってきた道はいつの間にか人でごった返していてスムーズに戻れそうにない。
カイトは近道は無いかと再びスマホで検索をかける。
『....うわ迷いそう。でも、行くっきゃないか』
スマホが示すルート情報を頼りに道を歩いていく。
すると、チラッと横目に壁にもたれ掛かった状態で座り込む男性が見えた。
最初はホームレスか酔っ払いでも寝ているのだろうと思いスルーした。
『...?』
何だか鉄臭い臭いが漂ってきたので気になって引き返した。
『...!?』
その男性の姿を見てカイトは絶句した。
冬用の汚いジャンパーに下は汚れた白いズボン、風呂もしばらく入っていないのだろう。だいぶ匂うその男性は首元から大量の血を流し、絶命していたのだ。
『何...これ』
全身の血の気が引いた。
それと同時に男性の凄惨な姿と血と肉の混じった臭いに吐き気を催した。
思わず自身の口を手で覆う。
『ひっ......人殺し』
『誰か...誰かァァァァァ』
背後から女性の声が聞こえた。
『えっ...違......』
カイトは振り向いてそう言った。
するとすぐさま刑事が駆け付けカイトは数人の刑事に取り押さえられた。
『えっ...だから違』
カイトは困惑し、状況が全く飲み込めない。
『鳴瀧カイトだな。殺人の現行犯で逮捕する』
若い刑事がそう言ってカイトに手錠を掛けた。
カイトは流されるままパトカーの後部座席に乗せられてしまった。
若い刑事が運転席に乗ってこう言った。
『...ねぇ先輩、こいつ捕まえちゃいましたけど、衣服とかに返り血もないですし凶器も無いのに本当に犯人なんですか?』
『いいから黙って運転しろ。...俺ら下っ端は上の命令に従えばそれで良いんだよ』
助手席に乗り込んだ如何にも先輩刑事って感じの男が罪悪感に眉をひそめながら窓の方を見て言った。
『......はい』
後輩刑事は何かを察し、それ以上は聞かなかった。
そして、カイトを乗せたパトカーは走り出した。
...そう、あの日。
大学への初通学の日にカイトの人生の歯車は狂ってしまったのだ。
ーーー刑務所の面会室ーーー
カイトは度重なる取り調べと刑事達による怒号。
『お前がやったんだろう』、『このクソ虫が!早く吐きやがれ‼』『罪を認めれば早く出してやる』『お前みたいな良い子ちゃんが意外とこういう事やるんだよな』.........刑事達に言われた言葉が今でも耳に残っている。
決定的なものは無かったが、胸ぐらを捕まれたり、机を強く叩いたり耳元で大きな声で叫ばれたりと暴力紛いな事もされた。
今まで暴力や暴言とは無縁な生活を送ってきたカイト。
この数ヵ月行われてきた刑事達の彼への言動は彼を憔悴させるには充分だった。
今日は2週間ぶりの母との面会。
だが、カイトはずっと下を向いていた。
『ねぇカイト。何とか言って頂戴......』
母は涙を流しながら必死に訴える。
『...』
カイトはうつむいたまま黙っている。
『やったならやったって素直に言って頂戴......、私、貴方のせいで職場で何て呼ばれていると思う? “犯罪者の母親”よ‼』
『家にだって沢山の嫌がらせがされるのよ...? 昨日なんて“お前の息子は嘘つきだ”とか“嘘つき親子くたばれ”って壁に書かれていたわ』
『一昨日は郵便受けに鼠の死体が入れられていたの......』
『もう...、こんな生活嫌‼』
母は泣き崩れた。
『...!? ...母さん?』
カイトは驚いた表情をして顔を上げた。
唯一の味方だと思っていた母からの一言とそんな母が今置かれている状況に絶望した。
『終了時間です。さぁ、立てますか?』
そんな母を看守が優しく出入り口へと誘導して行った。
『...』
カイトはそんな母の姿を目で追うことしか出来なかった。
ーーーーーー
その日の夜、カイトは壁や床を叩いたり蹴ったりしながら叫んだ。
一通り暴れまわったカイトは涙を流し、床に倒れこんだ。
そして、か細い声で呟く。
『僕はやってない...、やってないのに.........』
『何で...、何で誰も信じてくれないんだ.........』
ーーーーーー
次の日、弁護士が面会に訪れた。
『鳴瀧くん。気を落とさないで、さっき上告の申請をしてきたんだ』
弁護士はカイトを元気付けるように言った。
『もう...いいです』
『僕の事なんて...誰も信じてくれない』
カイトは涙ぐみながら言った。
その目には光がない。
『...そんな事言わないで』
『鳴瀧くんが無実である証拠は僕が必ず見つけ出してみせる...。だから、もう少しだけ待っていてほしい』
弁護士は優しく微笑みカイトにそう言った。
『...』
カイトは顔を上げた。
『お母さんの件......、聞いたよ』
『でも、君のお母さんだって本心ではまだ我が子を信じている筈だよ?』
弁護士は優しく微笑んだ。
『...先生』
カイトは目に涙を沢山ためる。
『一緒に頑張ろ』
弁護士はニコッと笑った。
『....はい』
カイトは涙を溢した。
『立て、1001番。面会時間は終了だ』
看守が来てカイトを連れていった。
ーーーーーー
それから暫くして、カイトは弁護士の言葉を信じ、前よりも考え方が前向きになった。
刑務所に入れられてから今まで半分以上残していた食事も完食するようになり、運動時間や刑務作業もハキハキとするようになった。
幸いな事にここの看守達は受刑者達をきちんと人として扱うもの達ばかり。
今にも自殺しそうなくらい憔悴しきった姿を見てカイトこ事を心配してくれていたのだ。
元々人に好かれやすい体質のカイト。
受刑者に友人(?)のようなものが出来た。
そんなある日。
カイトのみ長期懲役者専門の刑務所に移る事になったのだ。
弁護士は強く反対した。
だが意見が通る事は無く、奇しくもその日を迎えてしまった。
発車した搬送車を全身黒ずくめの女と数人の武装した集団が遠目から見ていた。
黒ずくめの女は何処かに電話をかけた。
『...もしもし、はい了解致しました』
『全ては......、手筈通りに』
電話を切ったその女は自身の傍らに止めた車の中の青年を見た。
ーーー移動中の車内ーーー
辺りを見渡すと如何にも凶悪そうな者ばかり、カイトは今度こそ終わりだと思った。
うつむくカイト。
『...!?』
すると、突然大きな物音と共に何かが車に追突したのを感じた。
車は横転し、受刑者,看守諸とも車外に投げ出された。
『...っ』
カイトはよろめきながらも立ち上がる。
そして辺りを見渡す。
どうやら皆。怪我はしているが生きてはいるようだ。
1人の看守が痛みに耐えながら何処かに電話している。
『...良かっ.........た』
ふと前方に目をやるとそこには二足歩行の狼のような姿をした化け物がいた。
体長は2mくらい。全身が真っ黒な毛に覆われ、怪しく光る赤い瞳、手足の爪は鋭く長い、もう既に人を襲った後なのだろうか口の周りには血がべっとりとついている。
『何...あれ』
カイトは頭の中が真っ白になった。
『おい! 何だよあれ‼』
他の受刑者や看守達も奴の存在に気づいたようだ。
声に気づいた化け物が受刑者に迫る。
足を怪我したのだろう、満足に逃げられない受刑者はすぐに捕まり首元に噛みつかれる。
その化け物は逃げようともがく受刑者に馬乗りになり、更に体重をかけて動きを封じる。
『はっ...放せ!! あァァァァァァ』
...受刑者の断末魔と血飛沫。ミシミシと骨が砕ける鈍い音、他の受刑者や看守達の悲鳴。
『あ...ああっ』
カイトは恐怖で腰が抜けた。
一通り受刑者の肉を貪った化け物は次の標的をカイトに定めたようでじりじりと迫る。
1度動きを止め、四足歩行の体制となり一気に飛びかかってきた。
『くっ...来るなァァァァァ』
カイトは叫び、身構えた。
...殺られる!
化け物がカイトに向かって飛びかかってきた次の瞬間。
突如目の前に現れた何処かライオンにも似た装甲を纏った物体がその化け物を貫いた。
『...!?』
カイトはその光景をみて驚いた。
化け物は苦しそうな唸り声を上げて、ライオンの装甲を纏った物体とカイトに大量の血の雨を浴びせ、その場に倒れた。
『...っ!』
『はぁっ......はぁ...』
カイトはだんだんと意識が遠のいていく。そして遂には意識を失ってしまった。
ーーーーーー
『.........っ!?』
カイトは目が覚めた。
『あっ...お目覚めかい』
超至近距離にニコニコした男性の顔があった。
『うわぁ‼』
カイトは驚いて咄嗟に男性から離れる。
『あはは、大丈夫大丈夫。そっちの趣味は無いよ。僕は猪鹿月ハヤト。こう見えてお医者さん』
『随分と手荒に運び込まれて来てたから君が頭を打っていないか心配でね。 でも、その様子だと大丈夫そうだ』
そう言ってその男性はクスクスと笑った。
『こっ...ここは?』
『...!? あの人達は』
カイトは辺りを見渡して言った。
ふと、自身の体を見ると体にも服にも血は一滴も付いていなかった。
『...っ』
だが、車外に投げ出された際に出来た左肩のアザだけがあれは現実だったという事を教えてくれた。
カイトは再び辺りを見渡す。
そこは中世のお城にあるような長いテーブル、その上にはティーカップが6個、ケーキが6個並べられている。
家具も壁も床も...全てが白で統一された部屋だ。
『あの人達っていうのは僕にはわからないけど。まあ...ここは刑務所ではないって事は確かだね』
ハヤトはそう言って辺りを見渡した。
そして、しばらくすると椅子に座った。
すると、部屋のドアがバンと大きな音をたてて開いた。
『放せよ‼ ぶっ殺されてーのかてめぇ‼』
金髪の青年が自身の両脇を抱える集団にそう叫ぶ。
『ちょっと...!! 放して!』
ブラトップにショートパンツといういかにも目のやり場に困るような格好をした女性が謎の集団に両脇を抱えられながらそう言った。
『あっ...ちょっ......痛い痛い痛い。 ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい』
眼鏡をかけたいかにもオタクって感じの青年が両脇を抱えられながら怯えた様子で言った。
『...何でこんな酷いことするの? 私がブスだから? ねぇ‼ 何とか言いなさいよ‼ この腐れ○○○』
目がすっぽりと隠れるくらいまで長い前髪をした女性が両脇を抱える集団の喉元に噛みつかんとばかりに暴れている。
立て続けに4人の男女が連れてこられ床に無造作放り投げられた。
『皆さん、お揃いのようだね』
車椅子に乗った老人が全身黒ずくめ服に身を包んだ美女にその車椅子を押されながら部屋の奥からやって来た。
そして、こう続けた。
『会えて嬉しいよ。志熊サトル君、鼠田キョウスケ君、蛇ヶ崎ミサトさん、後藤ユウキさん、猪鹿月ハヤト君、そして......鳴瀧カイト君』
老人はカイトを見てニコリと笑う。
パッと見はただの老人。だかニコリと笑ったその瞳の奥には狂気というか殺気というか......何だかそういった危険性を感じた。
『...!!』
カイトはその老人と目が合い、思わず冷や汗をかいた。
『皆さんに集まって貰った理由は他でもない。この老いぼれの研究に協力してほしくてね』
老人は終止笑顔だ。
『勿論、タダでとは言わない。協力してくれた者には刑の軽減や無罪を。望むなら一生遊んで暮らせる金と新しい戸籍も与えよう』
『!?』
急な提案に一同は頭が空っぽになり返答できない。
『貴様らのようなゴミには願ってもないチャンスだろう...早く志藤様の研究に協力しろ』
美女は表情1つ変えずに言った。
『んだとコラ ふざけんじゃねーぞ‼ このクソ女‼』
キョウスケは美女に殴りかかった。
だか、すぐさま美女に蹴り飛ばされ壁に叩きつけられる。
『ぐっ...!』
美女はキョウスケに追い討ちをかけるようにの彼の首に手を掛けて首を絞め始める。
『がはっ...!』
金髪の男性は意識が遠のく。
『やめなさいサトミ! それ以上は死んでしまう』
老人は美女にそう言った。
くるりと老人のほうを見た美女はキョウスケから手を放した。
そして、老人のそばに戻る。
ゲホ... ゲホ......
金髪の男性は喉元を押さえ、苦しそうに咳をした。
『大丈夫かいキョウスケ君。 いゃあ~孫娘が申し訳無い。甘やかして育てたらか一般常識が少し欠けていてね』
老人は苦笑いをする。
キョウスケはギロリと2人を睨み付ける。
そして老人はこう続ける。
『皆さんはもうあの化け物を御覧になったかな。まあ、我々はあれを“ディアーボルス”と呼んでいるんだか私はね...人類があれに対抗する為の兵器の開発をしているんだ』
『化け物...』
5人は口々にそう呟き、中には自身の両肩を抱いて震える者、顔を真っ青にして頭をかきむしる者、震えながら爪を噛む者、キョウスケも冷や汗を一筋流していた。
カイトも身に覚えがある。
『さっきの...』
『そして、私は7本のベルト開発には成功した。だが私の周りにはそれを使いこなせる者がいなくてね。そんな時だ、日本人全員のDNAを調べた結果それを使いこなせるかもしれない君達の存在を突き止めたのは』
『普通に頼んでも承諾してもらえないと思ったからね......少々手荒になってしまった事、許して欲しい』
老人は皆の怯える姿を見て『...ふぅ』と溜め息をつきこう言った。
『...まあ、答えを出すには時間がかかるだろう。部屋は好きに使ってもらってくれて構わないから今日はゆっくり休んでくれ』
『...良い返事を待っているよ』
そう言って老人は再び部屋の奥へと消えていった。
ーーー老人が去ってから1時間後ーーー
カイトは状況が飲み込めない。
ここは何処なんだ?
研究? 化け物に対抗する為の兵器の開発?
刑の軽減? 無罪?
この人達は何者なんだ?
頭が混乱してきた。
『ケーキ食べないの?』
ハヤトはケーキを頬張りながらカイトに尋ねた。
『えっ...ちょっと。何呑気にケーキ食べてるんですか!?』
カイトはハヤトに言った。
『いや...だってお腹すいたし。ねぇ食べないなら僕に頂戴』
ハヤトは言った。
『どっ...どうぞ』
カイトはハヤトにケーキを渡した。
『ありがと~う。いっただっきま~す』
ハヤトは嬉しそうに言った。
そして、急に真剣な表情をしてこう続けた。
『...ここにいる人って皆犯罪者だよね。しかも皆、懲役年数が尋常じゃない』
『...?』
カイトは固まった。
『何でそう思うんですか?』
『いやだって僕...彼らと一緒の車に乗ってたし』
ハヤトは何食わぬ顔でそう言った。
『...は?』
ますますわからない。いったい何を言っているんだこの人は...カイトはそう思った。
『君だってそうなんだろ? 懲役150年の鳴瀧カイト君』
ハヤトはニヤリと笑った。
『ぼっ...僕はやってない‼』
カイトは思わずその場から立ち上がって叫んだ。
『はいはい。落ち着いて落ち着いて』
『ほら、皆見てるよ~』
ハヤトは立ち上がりカイトの両肩を軽くポンポンと叩き宥めて座らせる。
カイトは他4人に見られている事に気付きハッとして。椅子に座り直す。
『ねぇ。 カイト君はあのおじいさんの提案に乗るの?乗らないの?』
ハヤトはカイトに尋ねる。
『乗るも乗らないも...状況が飲み込めない僕にはどうすれば良いのか...』
カイトはうつ向きながら答えた。
『僕は...乗るよ』
ハヤトは言った。
『...!! ダメですよ。 だってあのおじいさん目が...』
カイトは言った。
『カイト君も感じたんだ。あのおじいさんの狂気』
ハヤトは言った。
『志藤政義...遺伝子研究の第一人者なんだ。まさかこんな所で会えるとはな...。』
『僕ね...今は医者だけど後々は研究者になりたいんだ。その中でも志藤先生は僕の憧れでさ』
『生憎、僕はその化け物。なんだっけ~確か“ディアーボルス”。それに襲われた経験もないしね』
『...呑気で羨ましいです』
カイトは言った。
ハヤトの呑気さに自身も気が緩んだのか途端にお腹がぐぅ~となった。
『何だ~。カイト君だってお腹すいてるじゃない。ほら、他の人の分っぽいけど食べなよ』
ハヤトはカイトにその辺に置いてあったケーキを1つカイトに渡す。
ガチャっと奥の扉が開き先ほどの黒ずくめの美女が食事を運んできた。
『貴様ら...食事の時間だ。とっとと食え』
美女はそう言ってテーブルにわざとらしく音をたてながら食事を並べていった。
『...1時間後に下げに来る。残さず食え』
そう言って美女は早々と部屋から出て行った。
戸惑いながらも皆腹は空いている。
自身の分を移動させ隣と距離を置いた状態で個々に食事を始めた。
ーーー薄暗いモニター室ーーー
無数のモニターのあるその部屋で皆が食事をしている様子を志藤と数名の白衣を着た集団、そして黒いジャケット姿の青年が観ていた。
『良かったなアキラ。どうやらすぐにでも新しい“仲間”が出来そうだぞ』
志藤はその青年に笑いかけた。
『......』
そのアキラと呼ばれる青年は返答せずにただモニターを見つめていた。
第1話【冤罪】END