【注意書き】
今回の第11話は色欲の罪“後藤ユウキ”の過去回。ぶっちゃけ濡れ場描写あります。
そういうの苦手という方は閲覧注意です。
全然大丈夫だよって方だけ読んでください。
(あと、『全然エロくねーじゃん‼』等の苦情は受け付けません。所詮私はアマチュア小説家です、完成度は求めないでください)
ーーーユウキの回想シーン 今から2年前ーーー
友人に絶対ハマるからと誘われて半信半疑で訪れたヴィジュアル系バンドのライブ。
『あたし...こういうのには興味ないんだけど』
ユウキは困った様子で言った。
『まあまあ、そんな事言わないでさ。とりあえず観るだけ観よ? ね?ね? お願い~』
友人はそう言って強引にユウキをライブハウスの中へと引っ張っていった。
その場にいるのは女性ばかり、格好は様々でパンクな格好の子もいれば甘ロリやゴスロリ...。
今日ライブをするバンドメンバーのコスプレ(?)のような格好の子もいる。
メンバーがステージに登場した。
歓声が飛び交った。
中には泣きながら『○○~愛してるゥゥゥゥ』等と推しの名を叫ぶ子もいる。
ボーカルが右手を天にかざすと女性達の歓声は一斉に止んだ。
『今日は俺たちの5周年記念ライブに来てくれてありがとう』
『始めましての子もいるかもしれないから......自己紹介するね。まず、俺はボーカルのタクヤです』
ボーカルの男性は笑顔で言った。
メンバーの自己紹介の度に『○○好きィィィィィィ』『かっこいい』『かわいい』等と騒ぐ女性達。
『ギターのヒロムです』
ギターの男性は決め顔で言った。
『ベースのミユで~す♥』
ベースの女性(?)が笑顔で言った。
『ドラムのタカハシで~す』
白塗りの男性は笑顔で言った。
ユウキは友人に尋ねた。
『ちょっと待って、ベースの人って......男だよね?何で女の子の格好してるの?』
『うん、男だよ? あれ言ってなかったっけ? V系って女形の文化があるんだよ?』
友人はドヤ顔で言った。
『女形ねぇ....やっぱりこの界隈はわかんないや』
ユウキは呆れた様子で言った。
再びステージに目をやるとボーカルの男性と目が合ったような気がした。
ボーカルはユウキに優しく微笑んだ。
『...!?』
ユウキはキュンとした。
ライブが始まった。
首を上下や左右にブンブンと振り乱す子や『かかってこいやァァァァァ』と叫ぶ子、この世ものとは思えない声(デスボイス)を出してる子もいる。
だが、ユウキにはそれらの声は全く気にならなかった。
ボーカルの歌声、表情、マイクを触る綺麗な手......。それにしか意識がいかない。
無事にライブが終わり、ユウキと友人はライブハウスの前で感想を語り合った。
『ねえねえユウキ!! 初ライブはどうだった?』
友人は嬉しそうに尋ねる。
『うん、楽しかった。 何て言うか、その......ボーカルの人かっこいいし...』
ユウキは頬を赤らめた。
『そっかぁ~‼ ユウキはタクヤ様推しね。 ちなみに私はヒロム推し~』
友人はワクワクした様子で言った。
『よし! じゃあ続きはファミレスで語り合おうじゃないか~‼ エイエイオー‼』
2人は駅に向かい歩き出した。
1人の男性がユウキの事を呼び止めた。
『...ちょっと待って』
『...?』
ユウキは振り返った。
『タタッ.........タクヤ様ァァァァァ!?』
友人は驚いた様子で叫んだ。
『しー‼ ちょっと君、声が大きい』
タクヤは困った様子で言った。
『急に呼び止めてごめん。ライブで見掛けた時に可愛かったからちょっと気になって......』
タクヤは照れ臭そうに言った。
『えっ...? かかかかわいい!? あっ...あたしが!?』
ユウキはますます顔を赤らめた。
『......』
友人は驚きすぎて声が出ない。
『本当はファンの子に手を出すなんてタブーなんだけど......気持ちが抑えられなくて』
『勿論...急に付き合ってほしいなんて言わない。まずはその...連絡先を聞きたいな......、なんて』
タクヤは照れながら言った。
『えっ...でも』
ユウキは戸惑った。
『交換しちゃいなよユウキ。 こんな機会滅多に無いよ‼』
友人はワクワクした様子で言った。
『おっ...お願いします!!』
タクヤは恥ずかしそうに言った。
『じっ...じゃあ、お願いします』
ユウキは恥ずかしそうに言った。
ユウキとタクヤは連絡先を交換した。
2人を見送ったタクヤは楽屋に戻った。
『あれがタクヤの新しいATM?』
ミユが呆れた様子で言った。
『まあね~』
タクヤは鼻で笑ってソファに腰掛けた。
『本当、あんな急なナンパ(?)が成立するのはタクヤだけだよね~』
『でも......、何かムカつく』
ミユは妖しい笑みを浮かべタクヤの上に股がった。
『おっ! なんだよミユ~。妬いてんのか?』
タクヤはヘラヘラしながら言った。
『そうだよって言ったら ....どうする?』
ミユは誘惑するような表情で言った。
『......バーカ。どんなに見た目がかわいくても男には興味ねーよ』
タクヤは笑いながら言った。
ミユは舌打ちをし、その場から離れて言った。
『つまんないの...』
『ATM? ...お前またかよ。ほどほどにしとけよマジで』
『今度こそ刺されて死ぬぞ~』
ヒロムは笑いながら言った。
3人はゲラゲラと笑っていた。
『....』
タカハシは右手でメイクを落としながらテーブルの下に隠した左手を握りしめた。
それからというものユウキはライブに足繁く通い、身体にバンドのロゴをタトゥーし、CDやグッズ購入。ビラ配りに楽屋への差し入れ等。タクヤの為になるならと何でもした。
そして、タクヤに尽くし続けて半年。
タクヤからの告白で2人は晴れて付き合う事となった。
同棲も始めた。
お金は無かったがそれなりに幸せな日々を送っていたある日。
ユウキはタクヤに多額の借金がある事を知る。
『いっ...1000万!?』
ユウキは驚いた。
『うん...楽器買ったり、メイク道具買ったり.........他にも色々と出費がね』
タクヤは苦笑いしながら言った。
『でも、これは俺の問題だから。ユウキには関係無いんだよ?』
タクヤは慌てた様子で言う。
『俺...バンド辞めて働くし』
タクヤは悲しそうな表情で言った。
『あたしが...』
ユウキは真剣な眼差しで言った。
『えっ...?』
タクヤは驚いた。
『あたしが働いて返済する』
『バイト掛け持ちすれば何とかなるよ!』
ユウキは笑顔で言った。
『だからタクヤは..、バンドを続けて。 ね?』
ユウキは優しい笑みを浮かべ言った。
『いや、でも......』
タクヤは戸惑った。
ユウキはタクヤの両手を握る。
『あたしは、バンドしてるタクヤか大好きなんだもん。だから辞めるなんて言わないで』
ユウキは笑顔で言った。
『ユウキ....ごめん。 ありがとう』
タクヤはそう言ってユウキを抱き締めた。
そして、優しくキスをする。
一度離れたタクヤの唇は再びユウキの唇に触れ、今度は吸い付くように激しいキスをした。
クチュ... クチュクチュ...
タクヤの舌がユウキの口の中へと入ってきた。
クチュクチュ.........
ユウキは初めての体験に頭がボヤ~っとする。
何だか身体か熱い。
再び唇を離したタクヤはユウキに熱っぽい声でこう言った。
『ユウキ....俺、もう...』
『タクヤ...良いよ。 しよ?』
ユウキは熱っぽい声で言った。
タクヤはユウキを押し倒した。
ユウキとタクヤは互いを貪り合うように激しく身体を重ねた。
ブチュ... ブチュ......... ブチュブチュ
『ん... 』
ユウキの声が漏れる。
ユウキの性器から愛液が溢れ出した。
『...痛い?』
タクヤは不安そうに尋ねる。
『わ...から....ない』
『何か........変な感じ』
『...ああっ』
ユウキは痙攣を起こした。
『...すぐ気持ち良くなるよ。 ......じゃあ、動くからね 』
タクヤは腰を前後に動かし始めた。
パンパンパンパン......
『あっ...ああっ!』
『タク.........ヤ...!』
『あっあっあっ.........』
ユウキは喘いだ。
『はぁ......はぁ...』
『ユウキ...、出しても......いい?』
タクヤが熱っぽく囁く。
ユウキは快楽には溺れたトローンとした表情で頷く。
『ああっ...!』
ユウキは絶頂に達した。
ーーーーーー
自身はタクヤに愛されている。
その気持ちを糧にユウキは沢山のバイトを掛け持ちし働いた。
朝早くから働き、夜遅くに帰る。
最近はタクヤの寝顔しか見れていないが、ユウキにはその寝顔がとても愛おしく、また明日働く大きな活力となった。
そんなある日。夜遅くに帰ると珍しくタクヤが起きていた。
『すいません。今月分はまだ......!!』
タクヤが大柄な男性2人に土下座していた。
殴られたのだろうか頬には大きなアザができ、口角からは血が出ている。
『タクヤさ~ん。俺達大分待ったよね? これ以上待たせるなんてちょっと人が悪すぎるんじゃないの?』
右の男性がケラケラ笑いながら言った。
『こうなったら臓器でも売って貰わないとね...』
左の男性がケラケラと笑う。
『やっ...やめてください‼』
ユウキはタクヤを守るかのように両手を広げて目の前に立ちはだかった。
『... ? 誰だいアンタ』
左の男性がサングラスを外して、言った。
『タクヤの...彼女よ!!』
ユウキはその男の眼光にビビりながら言った。
『タクヤさ~ん。 随分とかわいい彼女がいるじゃないの。この子に身体でも売ってもらったら?』
右の男性がユウキを足元からゆっくりと舐めるように見て言った。
『ねぇ彼女さん。知ってる? この色男1000万も借金あるんだよ~』
右の男性がケラケラと笑いながら言った。
『かっ...身体を!?』
ユウキは動揺した。
『ダメだユウキ!! 聞くな!!』
タクヤは必死に叫んだ。
『色男君は黙っててくれる? 俺達彼女さんと話してんの』
左の男性がタクヤを蹴る。
『...やめろ。 お前が蹴ったら内臓が売り物にならなくなる』
右の男性が呆れた様子で言った。
『...滞ってるよね? 返済。 彼女さんはさ、どう思ってんの?』
右の男性が気だるげにユウキに尋ねた。
『あたしは......』
ユウキは蹴られた痛みにうずくまるタクヤを見て戸惑っている。
『こいつに内臓売らせる...? それともアンタが身体売る?』
右の男性がケラケラ笑いながら言った。
『あたしは...!』
ユウキは口を開いた。
ーーーーーー
ホテルの一室。
ユウキはシャワーを浴びていた。
顔と身体を拭いて、服を着たユウキはシャワールームを出る。
鏡越しにユウキの姿を確認したサラリーマン風の男性がネクタイを締めながらこう言った。
『ユウキちゃ~ん。めちゃくちゃ良かったよ。今度また指名しちゃおうかな』
男性は満足げだ。
『あっ...そうだ代金はベッドの上に置いといたから、10万円』
『じゃあ、またね』
その男性は笑顔でそう言ってユウキの肩を軽くポンと叩き、部屋を出ていった。
『...ありがとうございました』
ユウキは暗い表情でその男性にお辞儀をし、見送った。
...ユウキは身体を売った。
1回10万。自身の手取りは4万だがそれは全て借金の返済に当てられる。
好きでも無い男に身体を売り続けてもう1ヶ月が経った。
身体を売ると決めたあの日。タクヤはユウキに泣いて謝っていた。
正直、好きでも無い男に身体を捧げるなど地獄でしかない。
だが、全ては愛するタクヤの為...。
今日はクリスマスイヴ、本当はタクヤと過ごしたいけれど、客の相手をしていたらこんな時間になってしまった。
タクヤは寝ずに待ってくれているだろうか。
コンビニで間に合わせ程度のご馳走を買って出るとそこにはタカハシが立っていた。
『また、貴方ですか』
『本当、いい加減にしてください。警察呼びますよ?』
ユウキは溜め息をついて言った。
『呼びたければ呼べば良い...。捕まるついでにタクヤの悪行も公表できるからね』
タカハシは真剣な眼差しで言った。
タカハシはユウキが身体を売り始めた直後から『そんな事はやめろ』『今すぐタクヤと別れろ』としつこく言ってきていた。
何度も警察に通報しようとしたが、タクヤのバンドメンバーという事もあってなかなか通報出来ずにいた。
『君はアイツの本当の姿を知らないんだ! このままじゃ君も“あの子達”のようになってしまう...。僕はもうアイツのせいで傷つく人は見たくないんだ』
タカハシは必死に訴えた。
『はいは~い、ご忠告ありがとうございま~す。これからタクヤとクリスマスパーティーなので、失礼します』
ユウキはタカハシを軽くあしらい、足早にその場を去った。
自宅アパートのドアを開けた瞬間ユウキは膝から崩れ落ちた。
タクヤは他の女と寝ていたのだ。
『....ユウキ!?』
タクヤは動揺している。
『ねぇタクヤ~、この女誰?』
『まさか、この人がタクヤが言ってたATM?』
女はケラケラと笑う。
ユウキは怒りの表情を浮かべ、女に平手打ちを食らわした。
『何すんのよ‼』
女は叩かれたほうの頬を自身の右手で抑えて泣いた。
『タクヤ...誰よこの女!!』
『それに...ATMってどう意味!?』
タクヤに掴みかかって言った。
『いや、これはその...』
タクヤは動揺している。
『...いいから答えて!!』
ユウキは泣きながら言った。
タクヤは急に笑い出した。
『...じゃあ、教えてやるよ』
『そのままの意味だよ。俺にとってのお前はただのATMなの。...てか、帰ってくんなよな。もう2~3人相手して来いよ。このクソ女』
『....』
ユウキはあまりのショックに言葉が出ない。
そんなユウキを尻目に再びイチャイチャとし始めた2人。
ユウキはたまらずアパートを飛び出した。
ユウキは泣いた。沢山泣いた。
そして、同時に自身の中のリミッターのようなものが外れた気がした。
ユウキは店の店長に電話をする。
『もしもし店長ですか? ユウキです。実は折り入ってお話したい事がありまして......今からお店に言っても大丈夫ですか?』
それから1週間後。
ユウキは“デリヘル界の女神”,“援助交際の申し子”等と呼ばれその業界でカリスマ的存在となる事になった。
ーーー回想シーン 終わりーーー
『...っ!?』
『ユウキさん!? ......変身!!』
カイトは走りながら叫び、変身した。
『その人から離れろ‼』
カイトはユウキからタクヤを引き剥がした。
取っ組み合いになるカイトとタクヤ。
『...変身!!』
キョウスケも変身しカイトに加勢する。
『なんつー力だよ。 クソ!!』
斬りかかろうにも見た目はただの人間。カイトもキョウスケも何だか気が引けてなかなか武器での攻撃は出来ない。
後方から矢が飛んできた。
カイトはそれを手で掴んでタクヤを守った。
『...アキラさん!? やめてください‼』
『何をする。そいつは敵だぞ‼』
アキラは言った。
『でも......!! 見た目は人間です‼』
カイトは言った。
『そんなもの俺には関係ない。俺はただ殺すだけだ‼ 邪魔をするならお前も...!!』
アキラは2発目を放とうと構える。
すると途端にタクヤの身体は変異し大きな鯰のような姿になり、カイトの襲首元に噛みついた。
『があぁぁぁぁぁぁ』
カイトはその痛みに思わず叫んだ。
『......!? カイト!?』
キョウスケは叫んだ。
第11話【色欲】END......