※この作品はR-18です。

仮面ライダーフューリー   作:あまぞん特撮系物書き

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第十三話【どうせ死ぬなら貴方の胸の中で】

ユウキはベッドからむくりと起き上がった。

 

 

『気分はどうだい?』

志藤は言った。

 

 

 

 

『...別に。何ともない』

ユウキはそう言ってテーブルに置いていた自身の上着を着た。

 

 

 

 

『ああ、そうだ。これを受け取りたまえ』

志藤はユウキにベルトを手渡した。

 

 

 

 

『...』

ユウキはベルトを受け取った。

『...変なマーク。何これヤギ?』

 

 

 

『ああ、ヤギだよ。 七つの大罪で色欲の罪を司る動物でね。あっ...ちなみに“ルクスリア”っていうのもラテン語で“色欲”って意味なんだよ?』

志藤は言った。

 

 

 

 

『...七つの大罪? 何それめっちゃ厨ニ臭い。......でも、色欲か。 皮肉なくらい今のアタシにピッタリだね』

ユウキは寂しげに笑った。

 

 

 

 

ーーーカイトの自室 5:00ーーー

部屋に目覚ましの音が鳴り響いた。

カイトは目覚ましを止めてベッドからバっと起きる。

 

そして、シャワーを浴び、ジャージに着替え髪にドライアーをかける。

そして入念に歯磨きをする。

部屋を出る前にもう1度鏡で自身の姿を確認した。

『寝癖良し! 鼻毛良し! 目脂良し!』

カイトは足早に演習場へと向かった。

 

 

演習場ではもう既にアキラが弓道着姿でいた。

篠原が仕上げの着付けをしている。

 

 

 

『アキラさん‼ 篠原さん‼ おはようございます‼』

カイトは言った。

 

 

 

 

『おはようございます。鳴瀧さん』

篠原は微笑みながら言った。

『...ああ、そうだ』

篠原はそう言って奥の部屋から弓道着一式を持ってきた。

 

 

 

 

『これは...?』

カイトは言った。

 

 

 

『鳴瀧さん用の弓道着です。仕立てさせて頂きました』

篠原は言った。

 

 

 

 

『そんな。僕なんてジャージで十分なのに...』

カイトは言った。

 

 

 

 

『何を仰います。こういうもの(鍛練)はまず形から入らないと』

『さあ、どうかお召しになってください』

篠原は言った。

 

 

 

『でも、僕着方なんてわからないし......』

カイトは言った。

 

 

 

『それに関しては私がお手伝い致しますのでご安心下さい』

『さあさあ、着替えますよ。どうぞこちらに』

篠原はそう言ってカイトを無理やり隣の部屋へ連れて行った。

 

ーーーーーー

『...』

カイトは鏡の前で弓道着姿の自身を見る。

『...やっぱり僕みたいなのは似合わないですね』

 

 

 

『そんな事ありません。よくお似合いです』

『イケメン度が2倍...いや10倍になっていますよ』

篠原はニコニコしながら言った。

 

 

 

『あっ...ありがとうございます』

この人絶対お世辞で言ってるな......カイトはそう思った。

 

 

 

すると部屋のドアが開いてアキラがこう言った。

『いつまで掛かっているんだ。早く始めるぞ』

 

 

 

『はっ...はい。今行きます』

カイトは言った。

 

 

 

カイトが演習場へ戻るとアキラが竹刀を手渡した。

『今日は剣術の稽古をつけてやる』

 

 

 

『まずは自由に打ち込んで来い』

アキラは言った。

 

 

 

『えっ...自由に?』

カイトは戸惑った。

 

 

 

『...。 お言葉ですがアキラ様、まずは型とかからじゃありませんか?』

篠原は言った。

 

 

 

『篠原。お前は知らないだろうがこいつにそれは不要だ。何せ蜂型をあれだけ切り殺していたんだからな...』

アキラは言った。

 

 

 

『いや...でも、僕あの時の記憶があまり無くて......』

カイトは言った。

 

 

 

『そんなに勿体ぶらなくてもいいだろう。...それとも竹刀とはいえ守りたくて仕方がない相手に打ち込んでくるのは嫌か? 鳴瀧カイト君』

アキラはニヤリと笑った。

 

 

 

『...!?』

『えっ...いや、その』

カイトはますます戸惑った。

 

 

 

 

『...本当、性格悪いですね。貴方様は』

篠原は溜め息をついて言った。

 

 

 

『...ならば、こちらからいくぞ』

そう言ってアキラは攻撃を仕掛けてきた。

 

 

 

カイトは攻撃を咄嗟に竹刀で受け止めた。

 

 

 

『...ほう。防いだか』

『ならば...これはどうだ?』

アキラは攻撃を畳み掛ける。

 

 

『ちょっ...アキラさん‼』

『やっ......やめて下さい‼』

カイトはそれを必死に防ぐ。

 

だが、その動きは段々と素人のものとは思えない俊敏なものになっていった。

 

 

 

『...』

篠原は2人の手合わせを固唾を飲んで見守る。

 

 

 

俯いて急に笑いだすカイト。

 

 

 

『...? 何がおかしい』

アキラは言った。

 

 

 

『いや...何だか懐かしいなと思ってな』

『お前と手合わせをするのは』

カイトはそう言って顔を上げた。

 

 

 

『...!?』

 

『...!?』

アキラと篠原はカイトの放つ気配が変わったのを感じた。

狂気を帯びつつもどこか懐かしい気配だ。

 

 

カイトは尋常じゃない力でアキラの竹刀を持つ手首を握りその竹刀を自身の胸に突き立てた。

『なぁ、覚えてるかアキラ...。あの日もこうやって俺の心臓を』

 

 

 

『...!?』

アキラは掴まれた手首に力を入れて必死に振りほどこうとするが掴む力が強すぎてなかなかそれが出来ない。

 

 

 

『けどなアキラ。 俺はお前を...』

カイトはそう言った。

カイトのもう一方の手が怯えた表情を浮かべるアキラの頬に優しく触れる。

 

 

 

 

 

アキラは“あの日”を思い出していた。

 

ーーー回想シーン あの日ーーー

床を這いつくばりながらやっとの思いで無線機に手を伸ばした志藤。

 

『全隊員及び仮面ライダーに尽く、フューリーを......カノンを見つけ出して殺せ!!』

志藤は無線ごしに叫んだ。

 

 

 

『こちら藤咲班、フューリーを発見し、ただ今戦闘中。 .........ぐあぁぁぁぁぁ』

 

 

『こちらルクスリアとグラです。カノンさっ......。フューリーを見つけました』

 

 

『ぐあぁぁぁぁぁ』

 

 

 

 

 

アキラは教会で1人。それらの無線内容を聞いた。

すると、突如教会の扉が開き血だらけのカノンが入ってきた。

『はぁ...はぁ......アキラっ』

 

 

 

『...カノン』

アキラは悲しそうな表情でカノンを見た。

『...ごめん』

そして、アキラはライダーに変身した。

 

 

 

『...っ!?』

『そっか......』

カノンは悟ったように悲しげに微笑んだ。

『...じゃあ、私も本気出さなきゃ死んじゃうね』

カノンもライダーに変身した。

 

 

 

互いに力をぶつけ合う2人。

だが、アキラの方にはまだ少し迷いがあるようだ。

 

 

 

『何を迷っているの“囚われのお姫様”。 私は人間を殺したのよ? 禁忌を犯した者を始末するのが貴方の最大の役目でしょ』

カノンは言った。

 

 

 

『囚われのお姫様だと?......お前はこんな状況下でもそんな冗談を言うのか!!』

アキラは言った。

 

 

 

『ええ、言うわ。 それに私にとってこれは“でも”じゃない“だからこそ”よ』

『...いつまでもそんな風に迷っているのなら貴方を細かく切り刻んでアタッシュケースに詰め込んで連れ去っちゃうわよ』

カノンは言った。

 

 

 

『...いっその事、連れ去ってくれ』

アキラは攻撃をやめ、武器を投げ捨ててそう言った。

 

 

 

『...っ!?』

カノンも攻撃をやめた。

『......私だって出来る事ならそうしたいわよ』

カノンはそう言って膝から崩れ落ちて泣き出した。

 

 

 

 

突如、教会のドアが開いた。

『見つけたぞカノン‼ アキラ様から離れろ‼』

サトミの怒号が教会全体に響いた。

 

 

ぞろぞろと隊員達も入ってきて銃を構える。

少し遅れて仮面ライダーアヴァリツィア、仮面ライダーアツェディア、仮面ライダーインヴィディアの3人も入ってきてそれぞれ戦闘体勢に入った。

 

 

 

『...』

カノンは立ち上がり、サトミ達のほうを見た。

『ここに向かってるってよくわかったわね』

 

 

 

『貴様が行くとしたらアキラ様の所しか思い浮かばないからな』

サトミは言った。

 

 

 

『フフっ...大正解。さすがは私の恋敵ね』

カノンはわざと悪役ぶった。

 

 

 

『貴様は...私が殺す!!』

サトミはそう言って黒い刀身の剣を引き抜いた。

 

 

 

『悪いわねサトミ。 私...死ぬ時は恋人の胸の中って決めてるの』

カノンはそう言ってアキラの胸に飛び込んだ。

 

その瞬間...アキラに自身の武器を無理やり持たせて。

 

 

『...カノン!?』

無理やり持たされたその剣はカノンの胸に刺さっていた。

 

 

カノンはアキラにだけ聞こえるように耳打ちした。

『アキラ...。私ね.........』

『だから..............』

 

 

 

『...わかった』

アキラはそう言ってその剣を心臓に貫通させた。

 

 

 

『......!?』

その光景に驚く一同。

 

 

変身が強制解除されたカノンはアキラの口にキスをした。

『さよならアキラ...。愛してるわ』

 

そしてカノンは倒れ、その体は階段を転げ落ちた。

その体にすかさず銃を構えた状態で集まる隊員達。

サトミはカノンの脈を確認した。

『...』

 

 

サトミは無線機に向かってこう言った。

『こちらサトミ班。たった今カノンの死亡を確認いたしました』

 

 

 

アキラは膝から崩れ落ちる。

それをすかさず仮面ライダーインヴィディアが支えた。

『アキラ君...!! 大丈夫かい?』

 

 

 

 

『......ああ』

アキラは言った。

 

 

ーーー回想シーン 終わりーーー

 

篠原はカイトの首を背後からストンと叩き気絶させた。

篠原は倒れるカイトを1度受け止めてから床にゆっくりと寝かせた。

『さすがにお痛が過ぎますよ。...鳴瀧さん』

 

 

 

『しっ...篠原、お前』

『......何が知っているんだな』

アキラは言った。

 

 

 

『今まで隠していた事...お許し下さいませ』

篠原はその場にかしづいて言った。

 

 

 

『...話せ』

アキラは言った。

 

 

 

 

『...はい。 ですが少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか』

『このまま床に寝ていて頂くわけにもいかないですし、鳴瀧さんをお部屋に運ばなければ』

篠原は言った。

 

 

 

 

『...わかった。早く済ませてこい』

アキラは言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第13話【どうせ死ぬなら貴方の胸の中で】END...

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