※この作品はR-18です。

仮面ライダーフューリー   作:あまぞん特撮系物書き

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第十九話【約束】

アキラの部屋がノックされた。

『誰だ』

返事がない。

 

『...?』

 

 

アキラが部屋のドアを開けると目の前に真っ赤な薔薇の花束が現れた。

『...!!』

 

『...何の真似だ』

アキラは不機嫌そうに言った。

 

 

 

 

 

『何って、見ればわかるでしょ? 薔薇だよ。 ......“あの日”の君のような怪しくも美しい真っ赤な』

サトルはその花束の横からひょっこりと顔を出してニコッと笑った。

 

 

 

 

 

『志熊サトル? ...いや、アツェディアか』

アキラはいつもと違うサトルの気の流れを感じ取り、すぐに乗っ取られたのだとわかった。

 

 

 

 

 

『...バレたか。さすがは俺っちの旧友だね』

サトル...いや、サトルの意識を乗っ取ったアツェディアがクスクスと笑う。

 

 

『まずは完全体おめでとう。......でも、男の子なのはちょっと残念』

 

『でもまあ...、君は男の子でも女の子でも......、綺麗だ』

そう言ってサトルはアキラの頬に触れようとした。

 

 

 

 

 

 

『触るな。気色悪い』

アキラはサトルの手を払い除けた。

 

 

 

 

 

『冷たいなぁ...。 まあ、そんなところも好きだけど』

サトルは払い除けられた手を1度見てから再びアキラのほうに視線を戻してニヤリとした。

 

 

 

 

 

『ねぇ...。俺っちと一緒に来ない?』

サトルはアキラの右手を優しく取り、手の甲にキスをしようとした。

 

 

 

 

 

『...断る』

アキラはその手を再び振りほどいた。

 

 

 

 

 

『鳴瀧カイト...だっけ? あいつに君は守れない』

 

『あいつは...フューリーとしては弱すぎる』

サトルは鼻で笑った。

 

 

 

 

 

『守って貰おうなんてこれっぽっちも思っていない』

 

『それに、...お前の主だってお前ごときに意識を乗っ取られている時点で長くは持たないと思うがな』

アキラは鼻で笑った。

 

 

 

 

 

 

『実はそうでもないんだよね~』

サトルはニヤリとした。

 

 

 

 

 

『どういう意味だ?』

アキラは言った。

 

 

 

 

 

『ふふっ...。教えるのは君にだけだよ? 実は...』

サトルはアキラに耳打ちしようと近づいた。

 

次の瞬間、サトルは自身の背後に殺気を感じピタッと動きを止めた。

『...誰?』

サトルは背後を見ながら苛立つ表情を浮かべた。

 

 

 

 

 

そこには拳銃を持った篠原が冷ややかな表情でサトルの後頭部にそれを突きつけていた。

『アキラ様から離れなさい。志熊サトル......いいえ、アツェディア』

 

 

 

 

 

 

『何だぁ......。まだ生きてたんだ』

サトルは両手を上げて花束を床に落とした。

 

『篠原ちゃん......いいや、それとも“フューリーもどき”ちゃん?』

『いや、......“ヒロキもどき”が一番しっくり来るかな』

サトルはヘラヘラしながら言った。

 

 

 

 

 

『...黙って自室に戻ったほうが身の為ですよ。貴方だって折角手に入れた“入れ物”をみすみす殺されるは本意ではないでしょう?』

篠原はそう言って拳銃の引き金に力を込めた。

 

『...それとも。貴方には銃殺より焼死のほうがお似合いですかね』

篠原は左手を鋭い爪のある龍のような姿に変化させて言った。

 

 

 

 

 

『...教育が行き届いてるね。スペルビア』

 

『最初のうちは頼りなかったけど、今では姫をお守りする立派なナイト様だ...』

サトルはそう言いながらも冷や汗を1筋流した。

 

 

 

 

 

『...選びなさい。 大人しく部屋に戻るか、ここで死ぬか』

篠原は冷ややかな表情で言った。

 

 

 

 

 

 

『あーはいはい。 戻るよ』

 

『...フラスコに逆戻りするのはごめんだからね』

サトルは不満そうにそう言った。

 

『じゃあね、スペルビア。また近いうちに会いに来るよ』

『俺っちの“可愛い可愛いお姫様”』

サトルはそう言ってアキラに耳打ち向かって投げキッスをし、部屋へと戻っていった。

 

 

 

 

 

『アキラ様、お怪我は...!?』

篠原は拳銃をしまってそう言った。

 

 

 

 

 

 

『...ああ、大丈夫だ』

アキラは言った。

 

 

 

 

 

『...良かった』

篠原は安堵の表情を浮かべた。

 

 

 

 

 

『...』

アキラは床に捨てられた花束を拾った。

 

『あの日の君のように......か』

アキラは悲しげな表情をして呟いた。

 

アキラの脳裏には白いタキシードを真っ赤に染めて倒れる新郎とウエディグンドレスを真っ赤に染めて泣き叫ぶ新婦の姿が浮かんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーAM11:36ーーー

 

商店街のお肉屋さん前。

 

『あら、ヒイロちゃんいらっしゃい』

店主のおばちゃんが笑顔で女性に話しかけてきた。

 

 

 

 

 

『こんにちはおばさん。いつもの2つお願いします』

ヒイロと呼ばれたその女性は笑顔でそう言った。

 

 

 

 

『はいよ。メンチカツ2つね』

店主はプラスチック容器にメンチカツを2つ入れ、それをビニール袋に入れて女性に渡した。

 

『あっ...そうだわ! ポテトサラダ作りすぎっちゃったから持っていって。今持って来るわね』

店主は何かを思い出したかのように両手を叩いてから店の奥へと向かっていった。

 

 

 

 

 

『いつもすいません』

女性は嬉しそうに言った。

 

 

 

 

 

しばらくすると店主が紙袋を持って出てきた。

『良いのよ気にしないで。どうせ家は旦那との2人暮らしだし、それにヤスヒロちゃんポテトサラダ好きでしょ?』

 

 

 

 

『ありがとうございます。ヤスヒロさんおばさんのポテトサラダすっごく大好きだから、きっと喜びます』

女性は笑顔で言った。

 

 

 

 

『もう。そんな事言われたらますます作りすぎちゃうじゃないの~。でもねヒイロちゃん。貰ってばっかりじゃダメよ。 今度、作り方教えてあげるからヤスヒロちゃんに作ってあげなさい』

おばちゃんはニコニコしながら言った。

 

 

 

 

 

『はい』

女性は笑顔で言った。

 

 

 

ーーーーーー

 

ヒイロは工事現場に立ち寄った。

沢山の作業員達が雑談をしながら休憩をしている。

 

1人の作業員がヒイロの存在に気づいて笑顔で手を振ってきた。

『お~い。ヒイロちゃ~ん』

 

 

 

 

『田中さ~ん』

ヒイロは笑顔で手を振り返した。

 

 

 

 

 

『おい、ヤスヒロ。ヒイロちゃん来てるぞ』

田中は隅に座って黙々と弁当を食べるボサボサ頭で無精髭の男性を呼んだ。

 

 

 

 

 

 

『...どうした?』

ヤスヒロはヒイロの前まで来て言った。

 

 

 

 

 

『ううん。特に何かある訳じゃないんだけど......近くを通ったから来ちゃった』

ヒイロは微笑みながら言った。

 

 

 

 

 

『...メンチカツ』

ヤスヒロはヒイロの持つビニール袋を見て呟いた。

 

 

 

 

 

『うん。それにポテトサラダもあるわよ』

『おばさんがくれたの』

ヒイロは紙袋の中をヤスヒロに見せた。

 

 

 

 

 

『...旨そう』

端から見れば無表情だが、ヒイロにはわかる。

 

今のヤスヒロはめちゃくちゃ喜んでいると。

 

 

 

 

 

『...気に食わねーな』

1人の金髪の作業員が言った。

 

 

 

 

 

『ヤスヒロさんにあんな可愛い彼女がいる事がっすか?』

隣の茶髪の作業員が言った。

 

 

 

 

 

 

『だってよ、無精髭にボサボサ頭。背は高いが猫背だし、おまけに無口』

 

『女に好かれる要素が1つもねーんだぞ?』

金髪の作業員はムッとした表情をして言った。

『俺のほうが100倍良い男なのによ...』

 

 

 

 

 

 

『おい、佐々木。取ろうだなんて思ってるんじゃないだろうな』

田中は呆れた様子で言った。

 

 

 

 

 

 

『...まさか。そんな訳無いじゃないですか』

佐々木はヘラヘラしながら言った。

 

『...な訳無いじゃないてすか』

そう言った佐々木はヒイロを邪な目で見ていた。

 

 

 

ーーー志藤邸 19:58ーーー

 

アキラは自室で読書。

 

 

 

カイトは演習場で稽古。

 

 

 

ハヤトとキョウスケはリビングでポーカー。

 

 

 

ユウキとアスカはユウキの部屋でファッション誌を見ながら雑談。

 

 

 

サトルは謎の激痛で自室のベッドから動けないでいた。

 

 

ーーー演習場ーーー

 

 

一心不乱に竹刀を振るうカイト。

脳裏には昨日の自身の不甲斐ない姿が浮かんだ。

『はぁっ...。はぁっ.........』

 

『こんなんじゃっ.........ダメだ!』

『もっと...、強くならなくちゃ!!』

 

 

 

ーーーユウキ自室ーーー

 

ユウキの部屋で2人はベッドに寝転がり、ファッション誌を沢山広げて雑談をしている。

『ねぇアスカ。これとか似合うんじゃない?』

ユウキは服を指差しながら言った。

 

 

 

『むっ...無理よ! そんな綺麗な服......私には似合わないわ』

アスカは雑誌から目をそらして言った。

 

 

 

 

 

『そんな事無い! 』

ユウキは立ち上がって大きな声で言った。

 

 

『 ほっ...ほら、アスカって美人だし、スタイル良いし...』

『それに......、その...』

ユウキは赤面しながら言った。

 

 

 

 

 

『何であんたが顔赤くしてるのよ』

アスカはクスクスと笑った。

 

 

 

 

 

『えっ...!! あたしったら何で』

ユウキは自身の頬を触り、驚いた。

 

 

 

 

『...』

アスカはそんなユウキを愛おしそうに見た。

 

『ユウキ...、いらっしゃい』

アスカはベッドを軽くポンポンと叩いた。

 

 

 

 

『えっ.........? うっ...うん』

ユウキはアスカにピタッとくっつくようにベッドへと戻った。

 

 

 

 

アスカはユウキに抱きついて、自身の頬をユウキにすり寄せた。

 

 

 

 

『えっ...、ちょっと! どうしちゃったの?』

そう言うわりに、ユウキは逃げようとはしなかった。

 

 

 

 

 

『...ありがとう。そんな事言ってくれたのはあんたで2人目よ』

アスカは悲しげに微笑んだ。

 

 

 

『...アスカ?』

ユウキは不思議そうに言った。

 

 

ーーーリビングーーー

ハヤトとキョウスケがポーカーをしていた。

 

 

『フルハウス』

ハヤトはそう言ってトランプをテーブルに置いた。

 

 

 

『うっ...嘘だろ』

キョウスケは落胆した。

 

『また、俺の負けかよ~。 一応、これ(ギャンブル)で食ってた時期もあんだぜ俺......』

キョウスケは悔しそうに頭をかいた。

 

 

 

 

 

『僕、昔からこういうのは得意なんだ』

ハヤトはニコッとした。

 

 

 

 

 

 

『...へぇ。 じゃあ、あれか? 医者として稼いだ金を元手にカジノでガンガン稼ぐ的な......』

キョウスケは言った。

 

 

 

 

『ううん。僕、賭け事はあまり好きじゃなくてね。ポーカーとかのルールは『大人のたしなみだ』とか言われて嫌々父さんに叩き込まれたんだ』

ハヤトは言った。

 

 

 

 

 

『...へぇ。てか、お前の親父って何してんだ?』

キョウスケは言った。

 

 

 

 

 

『大学病院の院長だよ』

ハヤトは言った。

 

 

 

 

 

 

『親も医者なら子も医者か......。やっぱり男ってもんは親父に似るんだな』

キョウスケは悲しげにな表情をして言った。

 

 

 

『キョウスケ君のお父さんは確かヤクザの組長さんだっけ?』

ハヤトは言った。

 

 

 

『......昔の話だけどな』

 

『......軽蔑するよな』

キョウスケは悲しげに微笑みながら言った。

 

 

 

 

 

『ううん。軽蔑なんてしないよ』

 

『お家の事情は人それぞれだもの。それに...君と同じで優しくて素敵な人なんでしょう?』

ハヤトは微笑んだ。

 

 

 

『...!?』

『俺...お前のそういうとこ、.........嫌いだ』

さりげなくだが、突然褒められてしまったのでキョウスケは照れている。

 

 

 

 

 

『もしかして....照れてる?』

クスクスと笑うハヤト。

 

 

 

 

 

 

『...うるせぇ』

キョウスケは恥ずかしそうにハヤトから目を背けて言った。

 

 

 

 

 

『それにしてもキョウスケ君って若いのに苦労してるよね...』

ハヤトは悲しげな表情をして言った。

 

 

 

 

 

『...若い? お前も対して変わんねーだろ』

キョウスケは言った。

 

 

 

『ちょっとキョウスケ君!! 二十歳過ぎてからの5歳差を舐めてもらっちゃ困るよ』

 

『体力だって、性欲だってグングン落ちていくんだからね‼ ...そう、グングンとね!!』

ハヤトは椅子から立ち上がって全身を使って下がっていく様を表現した。

 

 

 

 

 

 

『やっ...やめろって。...わかったから』

キョウスケはちょっと引いた。

 

 

 

 

 

 

『...? そう?』

ハヤトは椅子に座った。

 

 

 

 

 

『...!?』

 

『...よっしゃ! 俺はフルハウスだ!』

キョウスケはテーブルにトランプを叩きつけてドヤ顔をした。

 

 

 

 

『...ごめん。ストレートフラッシュ』

ハヤトは申し訳なさそうにトランプをテーブルに置いた。

 

 

 

 

『だぁぁぁぁ!! チクショー!! また負けた』

 

『こうなったら俺が勝つまでやるからな‼ ...寝かせねーから覚悟しとけ!!』

キョウスケはムキになった。

 

 

 

 

 

『...はいはい』

ハヤトは呆れながらも何処か嬉しそうに言った。

 

 

ーーーサトル自室ーーー

 

サトルはベッドの上でもがき苦しんでいた。

『はぁ......はぁ......』

『痛い...痛いよ.........』

 

あの悪夢(黄色い瞳をした自分に会った)以来。サトルは全身がとても痛い。

 

 

 

 

 

部屋のドアがノックされた。

『志熊君、入っても良いかい...?』

 

『いや...返事が出来る状態では無いか』

 

 

 

 

部屋の中に志藤とサトミ、そして複数の白衣を着た人が数名入っていた。

『可哀想に...君の中で“彼”が暴走しているんだね』

 

『やはり、直接継承者とはいえ......急に変身させるのは不味かったかな』

志藤は困ったような表情で言った。

 

『...彼に制御装置を』

志藤は隣にいた白衣の男性に言った。

 

 

 

 

 

『...はい』

 

『さぁ、腕を貸してごらん』

その男性はサトルの左腕の袖を捲った。

 

男性はサトルにハヤトと同様の制御装置を装着した。

 

 

 

 

 

制御装置を装着された途端に先ほどまで自身を苦しめていた痛みは消え、サトルはゆっくりと起き上がった。

『はぁっ...はぁ......』

 

 

 

 

『...水だ。ゆっくりと飲め』

サトミはペットボトルのキャップを開けてサトルに手渡した。

 

 

 

 

 

サトルは水を飲み始めた。

半分程飲んでから志藤にこう言った。

『僕はいったい...』

 

 

 

 

 

 

『まだ安静にしていなきゃダメだ』

志藤はサトルの両肩を優しく押してベッドに再び寝かせた。

 

布団を整えてあげてから子を優しく寝かしつける父親のような優しい表情でこう言った。

『ゆっくりと休みたまえ......“黄色い英雄”君...』

 

 

 

 

『......はい』

サトルは何だか急に眠くなってきて、そのまま死んだように眠り始めた。

 

 

 

 

ーーー20:11 ヒイロとヤスヒロが同棲するアパートーーー

 

『遅いな...』

ヒイロは2人分の夕食を準備してヤスヒロの帰りを待っていた。

...早くヤスヒロさんに抱かれたいのに。

 

 

 

だが、ヤスヒロの帰りを待ちきれないヒイロは、テーブルの角に自身の性器を擦り付け始めた。

『あっ... あっ...』

瞳を閉じて、よがるヒイロ。

 

 

 

...あたしって最低だ。彼が帰ってくる前はいつもこうしてしまう。そう、彼にいつ抱かれても良いように。

ヒイロは思った。

 

だが、ヤスヒロという男を知ってしまったヒイロは性欲が抑えられない。

その罪悪感すらもヒイロにとっては興奮する材料でしかない。

 

 

 

 

 

玄関のドアが開く音がしたのでヤスヒロが帰ってきたのだと思いヒイロは擦り付けるのをやめた。

 

そして、笑顔で玄関に向かう。

 

 

 

『お帰りな.........さ......』

だか、そこにいたのはヤスヒロではなく見知らぬ金髪の男だった。

 

 

 

 

 

『だっ...誰ですか貴方‼』

ヒイロは身構えた。

 

 

 

 

 

『すっ...すいません。インターホン押したんですけど返事が無かったから...』

 

『俺、ヤスヒロさんの同僚で佐々木って言います。ヤスヒロさんの忘れ物届けに来たんですけど、いないみたいなんで帰ります』

佐々木は申し訳なさそうにそう言ってヒイロに背を向けた。

 

 

 

『そっ...そうだったんですか』

 

『こちらこそすいません。うちのアパートボロいからインターホンとか全然直してくれなくて』

ヒイロは頭を下げた。

 

『良かったらお待ちになりますか? その...安いコーヒーとかしかありませんけど...』

『何て言うか...その。 警察につき出そうとしちゃったお詫びも込めて』

ヒイロは頭を上げて申し訳なさそうに言った。

 

 

 

帰ろうとして既にドア側を向いていた佐々木はニヤリと笑った。

そして、ヒイロの方を向き笑顔でこう言った。

『じゃあ、お言葉に甘えて』

 

 

 

 

佐々木をダイニングのテーブルに誘導してから佐々木に背を向けながらコーヒーを探し始めた。

『今、コーヒー入れますね。あっ...そうだ! 佐々木さんはコーヒーにミルクとかお入れになります?』

 

 

 

 

...それにしても、この女は本当にいやらしい体だ。

あの男はこんないやらしい体を毎晩抱いているのか。

 

嗚呼...、ダメだ。想像しただけでアレが固くなってきた。

佐々木はそう思いながらズボンごしに自身のアレに触れた。

 

...もう、我慢できない。この女を犯してぇ‼

 

 

 

 

佐々木が急に後から抱きついてきた。

『......っ!? 何するんですか‼』

『離して‼』

 

『やっ...やめて‼』

ヒイロは必死に抵抗した。

 

 

 

『やっぱ思った通りだ...。君、胸大きいね。 おまけに......良い匂いだ』

佐々木はヒイロの匂いを嗅いだ。

 

『ヤスヒロの奴...。毎晩こんな良い女抱いてんのか』

佐々木は右腕でヒイロを抱き締めなから左手で胸を手荒に揉みだした。

 

そして、ヒイロをそのままベッドまで運び、押し倒す。

 

 

 

 

ヒイロは逃げる間もなく佐々木に馬乗りになられて服を破かれた。

『いやァァァァ』

小さめのブラジャーに窮屈そうに収まる豊満な胸が露になった。

 

恐らくヤスヒロがつけたのだろう胸の周りには数ヵ所キスマークが残っている。

 

 

 

 

 

...たまんねぇ。

佐々木はそう思い、ブラジャーからその豊満な胸を解き放ち、一心不乱に乳首を吸い始めた。

 

 

ブチュー

 

 

 

『いや...、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ』

泣きじゃくりながら悲鳴をあげ抵抗するヒイロ。

だが、女の腕力では男の腕力に抗える筈もない。

 

 

挙げ句の果てには黙れと言わんばかりに佐々木に何度も殴られ意識は薄れていった。

 

 

 

佐々木はスカートの下に手を入れてヒイロのパンツを脱がせる。

そしてガチャガチャと音をたてながら自身のズボンのベルトを外し、パンツを下げた。

 

 

ヒイロの性器は濡れていた。

 

 

 

 

 

『こんなに濡れやがってよぉ...、実は嬉しいんだろう?このど淫乱が!』

佐々木は笑いながら言った。

 

 

 

意識が薄れ、ほぼ脱力したヒイロの両足を両腕で抱え股を開いた体勢にする。

 

 

『ぶっといの入れてやるからな~。...ヤスヒロなんて忘れさせてやるよ』

佐々木は息を荒くして言った。

 

 

 

 

佐々木がヒイロの性器に自身の男根を入れようとした瞬間、蜘蛛の糸のようなものが佐々木の首を絡めとった。

 

 

 

『...ヒイロから離れろ!』

そこには蜘蛛のような姿をした化け物がいた。

 

 

 

 

 

『うわぁぁぁぁ! 化け物!』

佐々木は叫んだ。

 

 

 

 

 

『ヤ...スヒ......ロ...さん』

ヒイロはか細い声で言った。

 

 

 

 

 

その化け物は佐々木をそのまま引っ張り上げて自身の方を向かせる。

 

そして、背中から生える6本の足で佐々木を串刺しにした。

 

 

 

『...!?』

ゴバァ...

佐々木は口から大量の血を吐き出した。

 

ボタ...ボタ.........

 

 

 

 

佐々木の死体を無造作に床に叩きつけた化け物は変異を解いた。

 

その正体はヤスヒロだった。

 

 

 

 

 

ヤスヒロはベッドに顔中アザだらけで服もビリビリに破かれ無惨に横たわる恋人を抱き起こしこう言った。

『ヒイロ...!! おい、しっかりしろ‼』

 

 

 

 

 

『ヤ...スヒ......ロ...さん』

ヒイロは目を覚まし、泣きながら言った。

 

 

 

 

 

『ヒイロ...、ごめんな。怖い思いさせちまって』

ヤスヒロは涙を流した。

 

 

 

 

『殺し......たの...?』

ヒイロは佐々木の死体を見て言った。

 

 

 

 

『...ああ、殺した。 人間と共存するための約束......破っちまったな...』

ヤスヒロは泣きながら笑った。

 

 

『...でも、お前が犯されてたんだ。仕方ねーよ』

 

 

 

 

 

 

『ごめんなさい...、私のせいで』

ヒイロはうつむいた。

 

 

 

 

 

『お前は悪くないっ』

ヤスヒロはヒイロを抱きしめた。

 

『でも、もう此処には居られないかもしんねー...』

 

 

『2度と会うことも...、できねーかもしれねぇ』

ヤスヒロは顔を涙でぐしゃぐしゃにした。

 

 

 

 

 

 

『......じゃあ、最後にもう一度。 抱いて...?』

ヒイロは涙を脱ぐって、真剣な眼差しで言った。

 

 

 

 

 

『...!?』

 

『...良いのか。こんな人殺しに抱かれて』

ヤスヒロは動揺した。

 

 

 

 

 

ヒイロはヤスヒロの唇を奪った。

 

 

クチュ...... クチュ...

 

 

 

『...!?』

ヤスヒロは驚いた。

『...』

 

 

 

クチュ... クチュクチュク......... チュ

 

 

 

双方の口の中で互いの舌を這わせ合う2人。

 

しばらく、舌を這わせ合った2人は互いを熱っぽく見つめあった。

 

 

 

 

 

『...わかった』

ヤスヒロは寂しげに笑って、自身の男根をヒイロの性器に入れた。

 

 

ブチュ... ブチュ.........

ゆっくりと自身の腰を動かした。

 

 

そして、だんだん動きを激しくしていく。

 

パンパンパンパン...

 

 

 

 

 

『あっあっあっあっ......』

 

『あんっ.........あっ...』

ヒイロは喘ぐ。

 

 

 

 

 

『...』

まだ辛うじて息のあった佐々木は2人の激しい性交を薄れいく意識の中で見ていた。

 

 

 

...俺との行為はあんなにも泣いて嫌がっていた女がヤスヒロと行為に及んでいる今はただの淫乱女だ。

 

 

 

 

揺れる豊満な胸。

 

漏れる吐息。

大きな喘ぎ声。

 

天高く舞う潮。

 

 

 

ヒイロは甘い声で言う。

『ヤスヒロさん......、もっと。 ああっん!』

 

『あっ...あっ......ああっ!』

 

 

 

 

 

...そんじゃそこらのAVより断然抜ける。

だが、今の佐々木には抜く力は残っていない。

 

 

 

『最後に......、良いもん見れた...ぜ』

そう呟いてヒイロにもヤスヒロにも気づかれぬまま佐々木は息を引き取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第19話【約束】.....END

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