※この作品はR-18です。

仮面ライダーフューリー   作:あまぞん特撮系物書き

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第二十話【触れたい、触れられたい】

ーーー今から3年前ーーー

花村ヒイロ、当時26歳。

都内でOLをしている彼女は彼氏いない暦=年齢。

特に趣味もなければ仕事帰りに飲み会などにも参加しない。

仕事は出来るが、愛嬌もあまりある方では無かった。

 

 

 

 

デスクワークをするヒイロに長身のイケメン同僚が恐る恐る話しかけてきた。

『お疲れさま~。 あっそうだ花村さん、これから飲みにいくんだけど良かったら一緒に...』

 

 

 

 

『...結構です。まだやらなきゃいけない仕事が残ってるので』

ヒイロは同僚のほうを見ず、真顔でデスクワークを続けた。

 

 

 

『えっ...? ...ああ、そうなんだ。じゃあ、また今度ね』

イケメン同僚は苦笑いをして去っていった。

 

 

 

 

『...』

ヒイロは席をたちコピー機へと向かった。

 

 

 

イケメン同僚は他の同僚の側に向かい。残念そうに肩を落としこう言った。

『...ダメでした』

 

 

 

 

『そりゃそうでしょ。だってあの人は仕事大好きさんだもん』

フツメン同僚はそう言って鼻で笑った。

『声かけるだけ無駄無駄』

 

 

 

 

『でも...、やっぱ美人とはお近づきになりたいじゃないっすか~』

 

『そんでもってベロンベロンに酔ってくれさえすれば......』

イケメン同僚はワクワクした様子で言った。

 

 

 

 

『お前ってさ...、顔はイケメンだけど性格はめっちゃブサイクだよな』

フツメン同僚はそんなイケメン同僚を軽蔑の眼差しで見た。

 

 

 

 

 

...またか。だから私は男は大嫌いだ。

ヒイロは横目で彼らを睨み付けながら思った。

 

美しい顔に太すぎず細すぎないメリハリホディー。

そんな彼女を世の男共はそんな目でしか見ない。

 

 

私は仕事で評価されたいのに、ここもそろそろ潮時かもしれない。

コピー機から書類を取り出したヒイロはそれをデスクに叩きつけるように置いた。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

今日も飲み会を断り、終電ギリギリまで働いたヒイロ。

近所のコンビニに足早に向かった。

 

趣味が無いヒイロだが、そんなヒイロの唯一の楽しみが“宅飲み”なのだ。

 

『...あった』

いつものビールとおつまみを買ったヒイロは自宅であるボロアパートに向かった。

 

 

 

帰り道の途中。ヒイロは電柱にもたれ掛かって座り込む1人の若い男を見つけた。

 

...酔っぱらいかしら。

ヒイロは思った。

 

 

『...』

1度は通りすぎたが、何だか無性にあの男が気になって引き返してきた。

 

普段ならスルーするのに、自分でも不思議でしかたがない。

『あの...大丈夫ですか?』

 

 

 

 

こちらを見た男の額からは血が一筋流れていた。

 

 

 

 

『...!? 大変!今救急車呼びますね』

ヒイロは慌ててバックからスマホを取り出した。

 

 

 

 

『...やめ......て...くれ』

男はスマホを持つヒイロの手首を掴んで弱々しい声で言った。

 

 

 

『...でも!?』

ヒイロは動揺した。

 

 

 

 

そう言った男は次の瞬間。意識を失ってしまった。

 

 

 

 

 

『...大丈夫ですか!? しっかりして下さい! ねぇ!ねぇってば!』

ヒイロは男の体を揺すり必死に声をかけた。

 

 

 

 

ーーーーーー

 

男は目を覚ました。

目の前には部屋の天井が見えた。

『...』

 

 

 

 

『...目が覚めました?』

ヒイロは男に声をかけた。

 

 

 

 

『...ここは?』

男は言った。

 

 

 

 

『私の部屋です。 下手だけど...手当てもさせてもらいました』

ヒイロは言った。

 

 

『...?』

男は自身の額を触った。

 

ゆるゆるだが、そこには包帯が巻かれている。

男はベッドから起き上がる。

『...っ!?』

だか、全身に激痛が走り再びベッドに倒れ込んだ。

『はぁっ...。はぁ......』

 

 

 

 

 

『無理はしないほうが良いですよ。 ...貴方、身体中ボロボロだから』

ヒイロは男に布団をかけ直した。

 

 

 

 

『...何で俺なんか助けた』

男はヒイロを睨み付け言った。

 

 

 

 

『...自分でもわかりません。でも、何だか放っておけなくて』

ヒイロは伏し目がちに言った。

 

 

『...!?』

...この町には優しい人間もいるってことなのか?

男は思った。

 

『...ありがとう』

男は伏し目がちに言った。

 

 

 

 

『...』

 

『私は花村ヒイロ。......貴方は?』

ヒイロは優しい表情で言った。

 

 

 

 

 

『...澤田ヤスヒロ』

ヤスヒロは優しい表情で言った。

 

 

 

 

 

それを期にヒイロとヤスヒロの奇妙な共同生活が始まった。

 

 

 

 

 

ヤスヒロは器用な奴だ。

料理も洗濯も、裁縫も...全て器用にこなした。

 

 

ーーーーーー

 

 

『...お帰り。ご飯出来てるよ』

ヤスヒロは仕事から帰ってきたヒイロに微笑みかけた。

 

 

 

 

『うん、ただいま』

ヒイロは微笑み返した。

 

 

自身と比べてもヤスヒロは若く、ヒイロも最初はペットでも飼っているような気分だった。

 

...まあ、ペットにしては器用過ぎるけど。

 

 

 

 

 

無精髭にボサボサ頭。背は高いが猫背なヤスヒロ。

 

だが、それでいて何とも言えない色気を兼ね備えたヤスヒロにヒイロはいつしか邪な感情を抱くようになっていた。

 

...この感情は、何?

 

 

 

 

ヤスヒロの手が、指が、首筋が......ヒイロの心をかき乱した。

あの男に触れたい...あの男に触れられたい。

 

いい歳こいたおばさんが年下相手にこんな感情を抱くなんて本当にはしたない。頭ではわかっていても体は本能に忠実だ。

 

その欲望は日に日に増し、ヒイロは遂に自身の体を慰め始めた。

 

 

 

 

...こんな事をしてはダメだ。私は最低だ。

そう考えれば考える程に体はますます熱を帯びた。

 

 

 

この頃からヤスヒロは『ヒモはごめんだから』と話し、日雇いではあるが仕事を始めた。

 

 

 

今日のようにヤスヒロが仕事でアパートにいない日。

ヒイロは下着姿となり、ヤスヒロが脱ぎ捨てていったTシャツを嗅ぎながら熱っぽい声でパンティーごしに何度も何度も自身のクリトリスを中指で刺激するのだ......。

 

『あぁっ...! ヤスヒロさ......ぁんっ』

 

クチュ... クチュクチュ............

 

 

 

 

 

『はぁっ...。はぁ』

 

ヒイロは自身のバックから男根のような形のゴム製の製品を取り出した。

 

 

 

 

『...』

熱っぽい視線でそれをしばらく見つめたヒイロはそれをいやらしく舐め回し始める。

 

クチュ......... クチュ...

 

 

舐め回しながらヒイロは思う。

...あの男のアレはいったいどのくらいの大きさなのだろうか。

これよりも大きいのか、はたまた小さいのか。

 

正直、自身にとっては大きいくても小さくても関係ない。私はただ、あの男のアレを自身のここにぶちこみたい....!!

 

 

 

 

ヒイロは自身のパンティーを下ろす。

 

そして、その製品を自身の性器に入れた。

 

 

 

 

そして、ゆっくり上下に動かしてみる。

『んっ...。ああっ!』

 

ブチュ...

愛液が溢れ出してきた。

 

 

 

 

『ああんっ...!』

ブチュ...... ブチュチュ...

 

 

 

『はぁ...。ああっ...!!』

ブチュ ブチュブチュブチュブチュ.........

 

もう止まらない。

 

 

 

 

 

 

...自分でも笑えてくる。

 

これではまるで以前、弟が家族に隠れて観ていた“自慰系のAV”そのものだ。

あの時は『こんなのあり得ない』と鼻で笑ってやったのに。今はそれができそうにない。

 

 

『ああっ...! ヤスヒロさっ......ん』

 

 

 

ブチュ... ブチュ... ブチュチュ............

ブチュブチュブチュブチュブチュブチュブチュブチュブチュ

その製品を上下に動かす手が、より激しくなった。

 

 

ヒイロは何度か痙攣を起こす。

 

 

 

『ん...んんっ』

 

『ああぁぁぁぁぁぁぁ!』

ヒイロの性器は天高く潮を吹いた。

 

 

 

 

『はぁ... はぁっ............』

ヒイロは股を広げ、製品を挿入したたまま。しばらく放心状態になった。

 

愛液がじんわりとカーペットに染み出した。

 

 

 

 

 

忘れ物を取りにアパートに戻ってきたヤスヒロは運悪くそれを窓から目撃してしまった。

『...っ!?』

 

 

『ヒイロさん...!』

ヤスヒロは驚いた表情で自身の口を押さえた。

だが、すぐさま暗い顔をしてそのまま足早に仕事場へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

ーーー21:55ーーー

 

帰宅したヤスヒロはヒイロに真剣な眼差しでこう言った。

『花村さん...大事な話がある』

 

 

 

『...大事な話?』

ヒイロは不思議そうに言った。

 

 

 

 

 

『...』

 

『...』

ダイニングにテーブルを挟んで向かい合わせに座った2人はしばらく沈黙した。

 

 

 

 

 

『俺...見ちゃったんだ。花村さんが俺で......その............あれをしてるところ...』

ヤスヒロは恥ずかしそうに言った。

 

 

 

 

 

『...っ!?』

ヒイロは顔を真っ赤にした。

 

だが、その顔は急に青ざめてこう言った。

『...幻滅したでしょ』

 

 

 

 

『...ごめん』

『...俺、花村さんの気持ちには答えられない』

ヤスヒロはうつむきながら言った。

 

 

 

 

 

『...だよね。こんなおばさんから勝手に欲情されて.........気持ち悪いよね』

ヒイロは泣き出した。

 

 

 

 

 

『...違う!! そういう意味じゃない‼』

 

『...俺は化け物だから! 花村さんの気持ちには答えられないって意味だ‼』

ヤスヒロは立ち上がって言った。

 

 

 

 

 

『...化け物?』

ヒイロは言った。

 

 

 

 

 

『...』

 

『...見てて』

そう言ってヤスヒロは深呼吸し、蜘蛛のような姿に変異した。

 

 

 

 

 

『...っ!?』

 

『ヤスヒロ...さん?』

ヒイロは驚いた。

 

 

 

 

 

ヤスヒロは言った。

『俺だって...。俺だって花村さんが好きだ!』

 

『正直、俺なんかでやってくれてるって知った時は嬉しかった.........でも!!』

 

 

 

 

 

ヒイロは変異したヤスヒロにキスをした。

『....っ!?』

 

 

 

 

『...綺麗な瞳』

 

『その瞳には私の裸はどう映るのかしら......』

ヒイロは蜘蛛特有の無数の目を熱っぽい表情で見つめながら言った。

 

『こんなゴツゴツした手で触られたら......私は壊れちゃうのかな』

ヒイロは言った。

 

今のヒイロの中では恐怖より両思いだったという喜びの方が勝っている。

 

 

 

 

 

『...花村さん』

 

『.........優しく出来るように努力する』

ヤスヒロはそう言ってヒイロにキスをした。

 

 

 

 

 

 

そして次の瞬間。ヤスヒロはヒイロにテーブルに両手を付かせた。

 

そして、ヒイロにこちらに尻をつき出させ履いていたスカートを脱がし、うっすら湿るったパンティーを露にする。

尻はまるで茹で玉子のように白く艶やかだ。

 

 

 

あの行為をヤスヒロ帰ってくるギリギリまで行っていたのだろうか、この湿りは恐らく愛液によるものだろう。

 

 

 

 

 

その艶やかさと美しさにヤスヒロは思わず固唾を飲んだ。

 

 

 

 

 

『早く入れて...、ヤスヒロさん』

ヒイロは熱っぽく囁く。

 

『準備は...、出来ているから.......』

 

 

 

 

 

その一言でヤスヒロは獣と化した。

 

次の瞬間。パンティー横にずらし、ヒイロの性器に自身の男根を入れて激しく突き始めた。

 

 

 

パンパンパンパン.........

 

 

 

『あっあっあっ.........』

 

突かれる度にヒイロからいやらしい声が漏れる。

 

 

 

『...もっと............。 もっと...気持ちよくしてぇ.........』

ヒイロは熱っぽく甘え出した。

 

 

 

 

 

ヤスヒロは後ろから突いたまま、自身の両手でヒイロの豊満な胸を揉み出した。

 

 

 

 

『...!?』

...気を抜いたら全て搾り取られそうだ。

...これが、セックス。 これが...、人間。

ヤスヒロは思った。

 

 

ヒイロの胸を揉んだ瞬間。ヒイロの性器の絞まりは強くなり、より強くヤスヒロの男根を捕らえる。

 

『ん......ああっ』

ヤスヒロはつい声を出した。

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

ベッドに裸で横たわる2人。

ヤスヒロは人間の姿に戻っていた。

 

 

 

 

 

『ディアーボルス?』

ヒイロは離れがたそうにヤスヒロにしがみ付いたまま言った。

 

 

 

 

 

『ああ、皆は俺たちの事をそう呼んでる。...ちなみに俺は上級体って奴で今みたいに人間の姿になれるんだ』

ヤスヒロは優しい笑みを浮かべヒイロの頭を撫でながら言った。

 

 

 

 

 

『...上級体。 ねぇ、いつもつけてるこれって何?』

ヒイロは右手首についたブレスレットを指差した。

 

 

 

『これは制御装置。これがあれば月明かりに照らされても真の姿は浮かび上がってこないから夜でも人間と同じ生活が出来るんだ』

 

『人を殺さない事を条件にある人が俺にくれたんだ』

ヤスヒロはブレスレットを見ながらフフっと笑う。

 

 

 

 

 

『ある人って......、もしかして女?』

ヒイロはムッとした様子で言った。

 

 

 

 

 

『違う違う。男』

ヤスヒロは笑った。

 

『俺みたいな人間と共存して暮らしたい奴の手助けをしてくれてる人で』

『昔っから“人間とディアーボルスは共存出来る”って言っててさ、最初は俺も半信半疑だったんだけどさ......』

ヤスヒロはヒイロを愛おしそうに見つめた。

 

 

 

 

 

『ねぇ、今は?』

ヒイロは上目遣いで言った。

 

 

 

 

『“全信無疑”......だな』

ヤスヒロは微笑んでヒイロの額にキスをした。

 

 

 

 

ーーー回想シーン 終わりーーー

 

別れを惜しみ、いつもより激しく行った性交のせいで疲れ果てしばらく眠っていた2人。

 

 

 

『ヤスヒロさん...』

ヒイロは目を覚ました。

 

 

 

『...っ!? ヤスヒロさん! 手首が!』

ヒイロはヤスヒロの右手首を見て言った。

 

 

ヤスヒロの右手首は制御装置に強く締め付けられ真っ青になっていた。

 

 

 

『...』

 

『ごめんなヒイロ。 俺、もう行かなくちゃ...』

ヤスヒロは悲しそうな表情でそう言って、ヒイロの頬にキスをした。

 

 

 

『やっぱり嫌...、嫌よ‼』

 

『行かないで‼ ......ヤスヒロさん!』

ヒイロはヤスヒロに抱きつき、泣いた。

 

 

 

 

『ありがとう。......でも、行かなきゃ』

 

『...元気でな』

ヤスヒロはそう言ってヒイロの頬に再び優しくキスをしてから服を着る。

 

 

 

そして、佐々木の死体を担いで部屋を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

外に出たヤスヒロはヒイロの部屋の窓を見てこう悲しそうな表情をして呟いた。

『さよなら...。ヒイロ』

 

『俺が、唯一愛した......。人間の女』

 

 

 

 

ーーーAM4:00ーーー

 

寝室で眠る志藤。

そこに1人の女が忍び寄ってきた。

右手には小さなナイフを手にしている。

...そして、布団に左手をかけた。

 

 

 

 

『...夜這いかい? サトミ』

志藤は目を瞑ったままそう言った。

 

 

 

 

 

『...』

 

『...澤田ヤスヒロが人を殺しました』

サトミはスカートの右側を捲し上げ、ナイフをしまった。

顔こそ真顔だが冷や汗をかいている。

 

 

 

 

 

『そうか...殺してしまったか』

 

『.........残念だが、死んでもらうしか無いようだね』

志藤はゆっくりと目を開いた。

 

 

 

 

 

 

ーーーAM5:00ーーー

 

カイトは寝ずに竹刀を振り続けていた。

 

『はぁ...。はぁ......』

カイトは床に倒れ込んだ。

 

 

 

 

 

演習場の電気がつけられた。

『...?』

『誰かいるのか』

声の主はアキラだった。

 

 

 

 

『はぁ...。はぁ......アキラさん』

カイトは起き上がり言った。

 

 

 

 

『...っ!? すごい汗だな』

 

『お前...いつからここにいる』

アキラはカイトに駆け寄って言った。

 

 

 

 

 

『えっと...。何時からだったかな?』

 

『すいません......覚えてないです』

カイトは苦笑いをした。

 

 

 

 

 

『...とにかく、これを飲め』

アキラは手に持っていたスポーツドリンクをカイトに手渡した。

 

カイトはそれをうけとり一気に飲み干した。

 

 

 

 

『どうしてこんな事を......』

アキラはカイトを心配そうに見つめる。

 

『......まあ、そんな事はどうでも良い。とりあえずシャワー浴びてこい』

『そのままじゃお前、風邪引くぞ』

 

 

 

 

『...はい』

 

『浴びたらすぐ戻ってきます』

カイトはそう言ったが、立った瞬間に少しふらついた。

 

 

 

 

アキラはそれを受け止める。

『その様子だとまともに寝ていないんだろ。......今日は休め』

アキラは言った。

 

 

 

 

 

『すっ...すいません!』

カイトは赤面しすぐにアキラから離れた。

 

...近い。近いよアキラさん。

 

 

 

 

『...?』

 

『とりあえず...、お休み』

アキラは少しの間、不思議そうにカイトを見てから微笑んだ表情で言った。

 

 

 

 

『...っ!! おっ...お休みなさい』

...微笑だ顔、可愛い。

カイトは思った。

 

カイトは先程までのフラフラとした足取りが嘘のようにシャキッと立って自室に戻っていった。

 

 

 

 

 

...変な奴だな。

アキラはそう思いながらカイトを見送った。

 

 

 

 

『序でに......、篠原。 お前はいつからそこにいた?』

アキラは背後を睨み付けた。

 

 

 

 

『1時間ほど前から見学をさせて頂いていました』

篠原はニコニコしながら窓からひょこりと顔を出して言った。

 

 

 

 

『見ていたのなら何故止めてやらない』

アキラは溜め息をついた。

 

 

 

 

『...全く、鈍いですね』

篠原は溜め息をついた。

 

『アキラ様、何故鳴瀧さんがあんなにがむしゃらに鍛練されていたんだとお思いです?』

 

 

 

 

『...っ!?』

...まさか、俺の為に?

 

『さっ...さぁな』

アキラは少し頬を赤らめた。

 

 

 

 

『...おや? やっとご理解したようですね』

篠原はニコニコしながら言った。

 

 

 

 

 

『...うるさいっ!』

アキラは恥ずかしそうに言った。

『きっ...着替えてくる。 お前は朝食の準備でもしてこい‼』

 

アキラは演習場内の更衣室へ向かった。

 

 

 

 

『はいはい、承知いたしました』

篠原はニヤニヤしながら言った。

 

アキラの姿が見えなくなってから篠原は1人こう呟く。

『最初はあんな言い方をしていたのに。さっきはあんな優しい表情をして.........。 やはり貴方と彼が惹かれ合うのはやはり運命なのですね』

 

『貴方のあんな表情を見られるのは私にとっても嬉しい事.........の筈なのにこの胸の苦しみは、なんなのでしょうね』

篠原は悲しげな表情でそう呟いて自身の胸を優しく押さえた。

 

 

 

 

 

 

第20話【触れたい、触れられたい】.........END

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