ーーー10:30ーーー
『はぁ...。はぁ......』
都内某所の廃ビル。
ヤスヒロは担いでいた佐々木の死体を担いで階段を上っていた。
...とりあえず、ここまで来れば。
ヤスヒロは佐々木を床に寝かせ、その場にしばらく立ちすくんだ。
『...』
そして、ヤスヒロは佐々木の血で染まった自身の左手の匂いを嗅いだ。
今まで、嫌煙しつつも心の何処かでは求め続けていた人間の血の匂い...。
ヤスヒロはその甘美な香りに思わず溜め息混じりの吐息が出た。
次の瞬間、ヤスヒロはその手を一心不乱に舐め始めた。
...美味しい。
ヤスヒロの表情は快楽に溺れる。
人間の血肉は、ディアーボルスにとっては麻薬も同じ。血の1滴、肉の一欠片でも食らったが最後。その美味しさにディアーボルスは理性を失い、ただ血肉を求める獣とかす。
もっと欲しい.....。もっと......!
一旦、自身の左手を舐めるのを止めたヤスヒロは佐々木の死体をじっと見る。
そして、唾を飲み込んだ。
次の瞬間、右手首についた制御装置は壊れヤスヒロはその死体に食らい付き始めた。
ーーー同時刻 志藤邸 リビングーーー
カイト、アキラ、ハヤト、キョウスケ、ユウキ、サトル、アスカの7人は集められた。
『...皆、集まったな。では今回の任務の説明を行う』
サトミが言った。
『はい質問。今回は私も行くの?』
『私、まだライダーじゃないわよ?』
アスカは言った。
『志藤様のご命令だ。異議は認めん』
サトミは見下すような目でユウキを見た。
『...そう言うと思った。わかったわよ行けば良いんでしょ。 行・け・ば』
アスカは半分諦めたような様子で言った。
『大丈夫だよアスカ。 私が守るもん』
隣に座っていたユウキがアスカに抱きついて上目遣いでニコッとした。
『...頼もしいわね』
アスカは優しい表情を浮かべてユウキの頭を撫でた。
ユウキも何だか嬉しそうだ。
『ゆっ...百合』
サトルは赤面しながらそんな2人を固唾を飲んで見た。
『なぁヤブ医者、あいつら...いつの間にあんな仲良くなったんだ?』
キョウスケは不思議そうに言った。
『大丈夫だよキョウスケ。僕が守るもん~』
ハヤトはキョウスケに抱きついてニコニコしながら言った。
『...人の話を聞け。 てか、気持ち悪りー事すんな。殺すぞこの腐れ眼鏡』
キョウスケはそう言ってハヤトの頭を殴った。
『痛っ...!! もう、冗談だよ~』
ハヤトは頭を抑えながらヘラヘラして言った。
『...』
カイトはそんな2人を何してんだこの人達...という目で見ていた。
咳払いをしてからサトミはこう言った。
『...話を戻すぞ』
『今回のターゲットはディアーボルス蜘蛛型、上級体だ』
『上級体ですか...。この前のはだいぶ苦戦させられましたからね』
ハヤトは自身の顎を触って何かを考えるようなポーズをした。
『 まあでも、今回はサトル君が加わってくれてるから楽勝かな』
ハヤトはサトルのほうを見てニコッと笑った。
『いえいえ、そんな...。あれはまぐれですよ』
サトルは謙遜した。
『またまたぁ~。そんな謙遜しちゃって』
ハヤトはニコッとした。
ハヤトやキョウスケ、ユウキがサトルを取り囲んでワチャワチャしている光景をアキラは黙ってじっと見つめていた。
ーーー11:00 ヒイロのアパートーーー
ヒイロの部屋がノックされた。
『...どちら様ですか?』
ヒイロが恐る恐るドアを開ける。
そこには1人の高校生くらいの青年とその後ろに5人の男女が立っていた。
すると青年は慌てた様子で言った。
『お姉さん、ヤス兄の彼女さんだよね!? 早く僕らと一緒に来て‼ ...ヤス兄が......ヤス兄が死んじゃう!!』
『ちょっと...シンスケちゃん! ヤス兄じゃわかんないでしょ。ちゃんとヤスヒロちゃんって言いなさい』
ガタいの良いおネエ口調の男が言った。
『...っ!? ヤスヒロさんが!』
ヒイロは驚いた様子で言った。
『......でも』
ヒイロは暗い表情を浮かべた。
『詳しい話は車の中! さぁ早く乗って‼』
青年はヒイロの手を強引に引っ張った。
『えっ...! ちょっ......、待って‼』
ヒイロは動揺した。
後ろに立っていた5人も次々と車に乗り込む。
ヒイロは引っ張られるがまま車に乗り込んだ。
『出して‼』
青年は言った。
車は発進した。
ーーーーーー
ヒイロは青年に尋ねた。
『君は...ヤスヒロさんとはどういう関係なの?』
『僕の名前は鼠田シンスケ。ヤス兄......いや、ヤスヒロさんとは同じ孤児院で育ったんだ』
シンスケは言った。
『...そうだったんだ。 ...もしかして貴方も......』
ヒイロは恐る恐る尋ねた。
『...僕だけじゃないよ。 ここにいる奴等は全員。ヤス兄と同じく化け物』
『やっぱり......、怖い?』
シンスケは眉を下げて上目遣いで言った。
『ううん。怖くなんてないわ』
ヒイロは優しい表情を浮かべた。
『...お姉さんは優しいね。さすがはあのヤス兄が惚れた人だ』
シンスケは微笑んだ。
『それにしてもお姉さん...。ひどいケガ。折角の美人さんが台無しだよ』
シンスケは悲しそうな表情で言った。
『...ヤスヒロさんの同僚に犯されそうになったの』
『でも、寸でのところでヤスヒロさんが助けてくれて......。もしかしてそのせいで....!?』
ヒイロはハッとした。
『...お姉さんは悪くない。悪いのはその同僚だよ』
シンスケは悲しげな表情で言った。
『ねぇお姉さん。無理矢理連れてきてこんな事言うのもなんなんだけど...。再会したヤス兄が例えどんな姿でも今まで通り愛してくれる?』
『...っ!?』
ヒイロはその返答に躊躇した。
『...こんな事を急に言われても困るよね、ごめん』
『...まあ、ゆっくり考えてよ』
シンスケは悲しげに笑った。
ーーー同時刻 カイト達はヤスヒロが潜伏する廃ビルに到着したーーー
『...ここか』
サトミはPCの画面を確認しなから呟いた。
『なかなか大きな建物だね。...そうだ!ここは作業効率を考えてここからは2人ずつに別れて捜そうか』
『そうだな~。じゃあ、カイト君と僕、アキラ坊っちゃんとキョウスケ君、ユウキさんとサトル君なんてどうかな』
ハヤトは言った。
『僕的には現在の戦闘能力を考えてバランス良く組み合わせてみたんだけど...』
『良いんじゃない? 私バランスとかそういうのよくわかんないし』
『サトル君よろしくね!』
ユウキは笑顔で言った。
『よっ...よろしくお願いします!』
サトルは笑顔で言った。
『俺もそれで良いや』
『そういゃあ、組むのは初めてだよな。よろしく』
キョウスケはアキラに笑顔でそう言った。
『...』
アキラはキョウスケを一瞬チラッと見たが何も言わずにライダーへと変身し、廃ビルへと入っていった。
『...』
...えっ? 無視?
キョウスケは唖然とした。
『なぁ。カイト,ヤブ医者......。あいつっていつもあんな感じなのか?』
キョウスケはハヤトとカイトに言った。
ハヤトとカイトは互いを1度見合ってからキョウスケのほうを向いて苦笑いしなから頷いた。
ーーーーーー
カイト,ハヤトペアは廃ビル内の3階の捜索をしていた。
かつてはオフィスであったのだろう。埃をを被ったデスクには書類やファイルが散乱していた。
『いないね~。 ねぇ、そっちは?』
ハヤトは引き出しを漁りながら言った。
『いいえ、こっちもいません』
カイトはデスクの下を見ながら言った。
『......』
『ねぇ。任務中になんなんだけど、最近どう? アキラ坊っちゃんとの進展はあった?』
ハヤトはデスクに腰掛け、足を組んだ状態で言った。
『しっ...進展って!? そんなものある訳無いじゃないですか』
カイトは動揺した。
『そうなの? 何だかアキラ坊っちゃんのカイト君を見つめる瞳が少し優しくなったように感じたから僕てっきり進展があったものかと....』
ハヤトは驚いた様子だ。しかも、少しイラッとするくらいのオーバーリアクションだ。
『そんな訳無いじゃないですか。僕はむしろ嫌われてますよ。 今日だって......っ!!』
カイトは今朝アキラに『...お休み』と言われた時の彼の優しい表情を思い出した。
『...カイト君?』
ハヤトは首をかしげた。
『なっ...何でもないです!!』
『そっ...そんな事よりいつまでくつろいでるんですか。とっととターゲット探しますよ‼』
カイトはそう言って廊下に出ていった。
『...はいはい』
ハヤトはそう言って廊下に出た。
『本当分かりやすいな~、カイト君は』
ハヤトは呟いた。
ーーーーーー
ユウキ,サトルペアは7階を捜索していた。
かつては託児所だったのだろう。壁には子供が描いた絵が沢山飾られており、床には玩具やぬいぐるみが散乱していた。
『サトル君見て見て。この絵超可愛い』
ユウキは一枚の絵を指差した。
『本当だ。ライオンですかね』
サトルは言った。
『あっ! こっちはヤギ。こっちは...針ネズミかな?』
ユウキは壁の絵を次々と指差した。
『...撮っちゃお』
ユウキはそれらをスマホで撮影した。
『こっちは豚...? いや、たてがみがあるから猪かな。そしてこっちはヘビ』
サトルも次々と指差した。
『...』
『何か1つだけめちゃくちゃ上手いやつあるんだけど。 これは先生が描いたのかな?』
ユウキは言った。
『うわぁ。すごく上手いドラゴンですね』
サトルは言った。
『でも...何だか嫌な絵。このドラゴン、体にめちゃくちゃ矢が刺さってる』
『...まるで痛みに苦しんで叫んでるみたい』
ユウキはスマホでの撮影をやめた。
『...そうですね』
サトルは言った。
ーーーーーー
アキラ,キョウスケペアは10階の廊下を捜索していた。
『...』
『...』
2人はただ黙々と捜索をした。
だが、沈黙に耐えきれなくなったキョウスケは口を開いた。
『...なぁ、お前ってさ。何でライダーになったんだ?』
『...使用人達とかあの暴力女から聞いたんだけどよ。俺たちみたいに犯罪者って訳じゃねーんだろ?』
キョウスケは言った。
『親父の役に立ちたかったとかそんな感じか?』
『アイツと俺に血の繋がりはない。 ...それにアイツを親だと思った事は1度もない』
アキラは辺りを見渡しながら言った。
『お前んとこもけっこう複雑なんだな...。何かごめん』
『でも、何て言うかさ。こんな事言ったら失礼かもしんねーけど...。何かお前ってあんまり戦い好きそうじゃねーし、それなら何でライダーになったんだろうって前々から気になってて......』
ハヤトは言った。
『...っ!?』
アキラは自身の本心がこんな奴に見抜かれていたのかと驚いた。
『...っ!?』
アキラは殺気を感じた。
『...鼠田キョウスケ、避けろ』
アキラはそう言ってキョウスケに向かって矢を放った。
『うわっ...何すんだよ‼』
キョウスケはそれを避けた。
『...ターゲットだ』
アキラはキョウスケの背後を見据え言った。
『ターゲット......?』
キョウスケが後ろを振り返ると口のまわりを血塗れにしたヤスヒロが虚ろな目で骨をしゃぶりながらフラフラと歩いてきた。
『...足りない。 ......もっと食べたい』
『人間.........もっと食べたい』
ヤスヒロの左手には佐々木の生首が握られていた。
『...っ!?』
キョウスケは絶句した。
鼻で大きく深呼吸してからヤスヒロはこう言った。
『お前らは人間.........か?』
『......まあ、良いや』
ヤスヒロは蜘蛛のような姿に変異し、襲いかかってきた。
『くっ...来るなら来い‼』
キョウスケは応戦した。
『オラオラオラァ!』
ヤスヒロにパンチ,キックを絶え間なく食らわせる。
ヤスヒロは少しだが怯んでいる。
『こちらアキラ。10階にてターゲットを発見、直ちに戦闘を開始する』
アキラは無線機にそう伝えた。
『...了解致しました』
『全ライダーに告ぐ。ターゲットを発見。 場所は10階だ!』
サトミは無線機で全ライダーにそれを伝えた。
ーーーーーー
『りょっ...了解!』
カイトは言った。
『...行こう‼ カイト君』
ハヤトは言った。
『...はい!!』
カイトは言った。
ーーーーーー
『お出ましのようね...。行くよサトル君!』
ユウキは言った。
『はい!』
サトルは言った。
ーーーーーー
シンスケ達の車も廃ビルに到着した。
『...リーダー。ヤスヒロ戦闘中みたい。 俺らも加勢する?』
白髪に紫色のメッシュを入れ、右目を眼帯で隠した男が気だるげに言った。
『へぇ、 ...で相手は?』
シンスケは鼻で笑った。
『ちょい待ち。......この気配はたぶんスペルビアとアヴァリツィアだな』
メッシュの男は瞳を閉じ言った。
『....それに』
メッシュの男は小さな声でそう呟いてニヤリと笑った。
『にっ...兄ちゃん! 兄ちゃんが戦ってるの!?』
シンスケは息を荒くした。
『...落ち着きなさいよ。 全く、シンスケちゃんはお兄ちゃんの事になるといつもこうなんだからぁ』
おネエ口調の男は頬を膨らましながら言った。
『...降りて』
青い瞳をした黒髪の少女がヒイロに車から降りるように促した。
『うっ...うん』
ヒイロは車を降りた。
『あの...ここは?』
ヒイロは恐る恐る青い瞳の少女に尋ねた。
『...ヤスヒロさんが隠れてる所。でも、一足遅かったみたい』
青い瞳の少女は眉ひとつ動かさず言った。
『早く助けてあげないとあの人達に殺されちゃうかも』
『そんな...!?』
ヒイロは驚いた。
『人間を殺す快感とその血肉の味を知ってしまった私達みたいな化け物は、あの人達からしたらただの“人類の敵”理由はどうであれ始末される運命なの』
青い瞳の少女は眉ひとつ動かさず言った。
『やっぱり私のせいで...』
ヒイロは膝から崩れ落ち泣き出した。
『ごめんなさい...、ヤスヒロさん』
『泣かないで...。まだ手はあるわ』
そう言って少女は自身の体を青いライオンのような姿に変異させた。
辺りを見渡すと他のメンバーも同じように自身の体をそれぞれ変異させた。
メッシュの男は蛇のような姿に。
おネエ口調の男はヤギのような姿に。
シンスケは針ネズミのような姿に。
先程まで運転をしていた眼鏡をかけた秘書風の女も車から降りてきて熊のような姿に。
『皆、行くよ』
シンスケはニヤリとした。
ーーーーーー
アキラとキョウスケが変異したヤスヒロと戦闘をしている。
『アキラさん!』
カイトとハヤトが加勢した。
『あたし達も忘れないでよね!』
ユウキとサトルも駆けつけた。
ヤスヒロは背中に生えた伸縮自在の足と口からの糸吐きで広範囲に攻撃を仕掛けてきた。
避ける6人。
『あーもう! これじゃ近づけないよ!』
ユウキは言った。
『この糸、切っても切ってもキリが無いです』
サトルは言った。
『おりゃおりゃおりゃあぁぁぁぁ!』
キョウスケは自身の武器でヤスヒロの背中から生えている蜘蛛の足を何度も切りつけた。
『これなら...‼』
カイトは炎で糸を一気に焼き切った。
ヤスヒロは再び糸を発射しようとする。
『させないよ』
ハヤトがすかさず地面を歪ませる。
怯むヤスヒロ。
『...』
アキラが天に放った無数の矢でヤスヒロの動きを封じた。
『鳴瀧...!!』
『カイト君‼』
ハヤトが言った。
『行けカイトォ‼』
キョウスケが言った。
『はい!』
カイトはヤスヒロにライダーキックを放った。
ヤスヒロは生き絶えた。
『ブラボー』
後方から無数の拍手が聞こえた。
カイト達が振り返るとそこにはシンスケ含め6人の男女がいた。
『しっ...シンスケ!?』
キョウスケは言った。
『久し振り』
シンスケは凶器じみた笑みを浮かべた。
『...何者だ貴様ら』
アキラは言った。
『ヒ・ミ・ツ♥』
『それにしても今回の“オリジナル”達は男が多いのね。是非とも素顔が見てみたいわぁ~♥』
おネエ口調の男が言った。
『特に灰色の貴方。シンスケちゃんのお兄さんって事はさぞイケメンなんでしょうね』
『ねぇカオル...殺すよ?』
シンスケは言った。
『もう、冗談よ~♥ シンスケちゃんったら本気にしちゃって......か・わ・い・い♥』
カオルは言った。
『......っ!? アスカ!』
ユウキはメッシュの男がアスカを抱えている事に気がついた。
『アスカから離れて‼』
『...離れてだって? お前アスカのなんなの?』
メッシュの男は眉間にシワを寄せて言った。
アスカは目を覚ました。
『....っ!?』
『貴方、リョウヘイ......なの?』
『...少し見ないうちにまた綺麗になったね。アスカ』
リョウヘイはアスカを愛おしそうに見て言った。
『俺の質問に答えろ』
アキラは言った。
『おー怖い怖い。そんな焦らなくても教えるよ』
『僕らの名は“アナザー”。来栖先生に作られた七つの罪を背負うもの1人の咎人。言わば君達の腹違いの兄弟みたいなものかな』
シンスケは言った。
『兄弟だと...? ふざけるな』
アキラは言った。
カイト達は戦闘体制に入った。
『待って待って‼ 僕らは君らと殺し合いたくて来た訳じゃないんだ』
『今日はそこに転がってる彼に渡すようにってママにおつかいを頼まれてただけだよ』
シンスケは言った。
『でも、受取人が死んじゃったからな~。そうだ! 君達代わりに見る?』
『良かったらそのまま貰ってくれても良いし』
眼鏡をかけた秘書風の女が綺麗にラッピングされた大きな箱を台車に乗せて押してきた。
箱の端からは血が滴っている。
『オープン♪』
箱を開けるとそこには四肢をバラバラに切り刻まれたヒイロの死体が入っていた。
生首には化粧が施されている。
『...!?』
カイト達は絶句した。
キョウスケは吐き気を催し、ユウキとサトルはその場で気絶してしまった。
アスカもリョウヘイの腕の中で気絶してしまった。
『その名も“真のディアーボルスになりました記念 ヒイロ詰め合わせ”で~す。はい拍手~♪』
シンスケは笑顔で拍手した。
『あっ...ちなみに。こいつそいつの彼女なんだ。食糧と付き合ってるなんてマジでウケるよね~』
『...非常食だったのかな?』
『貴方達は人を何だと思っているんだ‼』
カイトは怒り叫んだ。
『えっ...? 食糧としか思ってないけど?』
シンスケは言った。
『食糧...だと』
アキラは言った。
『うん。食糧食糧』
シンスケは言った。
『食糧....か』
ハヤトは小さな声で呟いた。
『...貴方達は間違ってる』
カイトはそう言うと急に無言になり、首をカクンと下に向けた。
その後、ゆっくりと顔を上げたカイトのマスクの下の複眼は怪しく光っていた。
『...!? リーダー、これはヤバいんじゃ.........』
リョウヘイは何かを察知した。
『...へぇ。少し見ないうちにちょっとは成長したみたいだね』
シンスケは言った。
『感心してる場合!? ......逃げるわよ!』
少女は吹雪を発生させて4人とヒイロの死体を連れ去っていった。
『...待て‼ シンスケ‼』
キョウスケはシンスケを追おうとしたが、寸でのところで届かなかった。
『...クソっ!』
カイトは我に帰ってハッとした。
『僕は...今、何を』
『...』
アキラはそんなカイトを見つめていた。
第21話【蜘蛛男への贈り物】......END