※この作品はR-18です。

仮面ライダーフューリー   作:あまぞん特撮系物書き

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第二十三話【復讐】

ーーー都内某所ーーー

仁王班、坂本班はディアーボルス蟻型(下級)の討伐に向かっていた。

 

 

 

 

『クソっ...!!』

仁王は悔しそうにヘルメットを地面に投げ捨てた。

 

 

 

 

 

『仁王、落ち着きなさい』

坂本は呆れた様子で言った。

 

 

 

 

 

『うるせぇ!! 落ち着いてられるか‼』

仁王は怒っている。

『志藤の野郎、最近俺らに雑魚の討伐ばっかりさせやがって......。今、こうしてる間にもアイツはアキラさんに‼』

 

 

『アイツの存在自体が...、アキラさんを苦しめてるってのに』

仁王は悔しそうに言った。

 

 

 

 

 

坂本はクスクスと笑った。

 

 

 

 

『...何がおかしいんだよ』

仁王はを睨み付けた。

 

 

 

 

『いや、...仁王は今も昔もアキラ様の事が大好きなんだなと思ってね』

坂本は微笑んだ。

 

 

 

『なっ...!?』

仁王は赤面した。

 

『そっ...そりゃあ、俺の師匠みたいな人だからな』

仁王は少し照れながら言った。

 

 

 

 

 

ーーー仁王 当時12歳ーーー

 

『稽古つけてよ~‼』

『ねぇってば~‼』

仁王はアキラの背中に必死にしがみつきながら言った。

『稽古つけてくれるまで離さないからな‼』

 

 

 

 

『...離せクソガキ。 俺は花の手入れで忙しい』

アキラはそんな仁王を冷たくあしらった。

 

 

 

 

『ちょっとくらい良いじゃない。やってあげたら?』

カノンは言った。

 

 

 

 

『カノン...、お前他人事だと思って』

アキラは呆れた様子で言った。

 

そして、自身の背中に必死にしがみつく幼き仁王の姿を見た。

何だか自身の幼い時代を思い出した。

...そういえば、俺もこのくらいの時『稽古をつけてくれ』と必死にトウマさんにしがみついていたっけ。

 

 

アキラは溜め息をついた。

『あーもう、わかった。やれば良いんだろ、やれば』

 

『お前のしつこさには負けたよ』

アキラは呆れながらも少し嬉しそうに言った。

 

 

 

 

 

『...本当!!』

仁王はアキラから体を離す。

その瞳は嬉しそうにキラキラ輝いていた。

 

 

 

 

 

アキラは仁王と目線が合うようにしゃごみ、真剣な眼差しでこう言った。

『言っておくが、子供だからって手加減はしない......、それでも文句は無いな?』

 

 

 

 

『うん!』

仁王は笑顔で言った。

 

 

 

 

『...』

アキラは優しく微笑んでそんな仁王の頭を撫でた。

 

 

ーーーーーー

 

『...仁王? どうかしたのかい?』

坂本は不思議そうに言った。

 

 

 

 

『なっ...何でもねーよ』

仁王はハッとした。

 

『ほら、さっさと終わらせて帰るぞ』

仁王は誤魔化すように強めの口調で言った。

 

 

 

 

 

『...はいはい。 いっぱい倒してアキラ様に褒めて貰おうね』

坂本はニコニコしながら言った。

 

 

 

 

『...うるせぇ』

 

『...!?』

仁王はそう言って蟻型を銃で撃ち抜いた。

 

 

 

 

 

ーーー志藤邸 医務室ーーー

 

アスカは治療を受けていた。

 

 

『アスカは、...大丈夫ですよね! 目を覚ましますよね!』

ユウキは白衣の男性に必死に訴えた。

 

 

 

 

『...今は原因を求明中だ。 すまない、現時点では断言できないんだ』

白衣の男性は困った様子で言った。

 

 

 

『...そんな』

ユウキは言った。

 

 

 

 

『アスカさん...』

サトルはベッドに横たわるアスカを心配そうに見つめた。

 

 

 

 

別の白衣の男性がやって来てこう言った。

『真壁先生、これを見てください!』

その男性は慌てて書類を持ってきた。

 

 

 

『これは...!!』

真壁は驚いた。

 

 

 

 

 

『やはり...、インヴィディアの毒ですよね』

書類を持ってきた男性は冷や汗をかいた。

 

 

 

 

『どっ...毒!?』

サトルは驚いた

 

 

 

 

『多量出血に激痛、痙攣を伴いながら1週間後には必ず命を落とすというとても恐ろしい毒だ...。』

 

『まあ、彼女はインヴィディアの有資格者だからそこまで苦しまずに済むとは思うんだが......』

 

 

 

『...解毒剤は!? 解毒剤とかは無いんですか!?』

ユウキは言った。

 

 

 

 

『あるにはある......だが、それもインヴィディア自体が持っているからな』

『だが、現時点ではこの世にインヴィディアは存在していないはずだ....それなのに何故』

真壁は頭を抱え悩んだ。

 

『萌木君、何とか“アイツら”から解毒剤を作れないか?』

 

 

 

 

『...さぁ。手は尽くしますが恐らく全員から搾り取っても1人分の解毒量になるかどうか......』

萌木は言った。

 

 

 

 

『そんな...』

サトルは言った。

 

 

 

『アスカ...』

『ごめんね......私、守るって言ったのに』

ユウキは泣き出した。

 

 

 

『ユウキさん...』

サトルは悲しそうな表情を浮かべた。

 

 

ーーー志藤邸 屋上ーーー

キョウスケは屋上で煙草を吸っていた。

『俺のせいで...』

 

 

 

『こんなところで何してるの?』

そう言ってハヤトが隣にきた。

 

 

 

『...んだよ。何か用か』

キョウスケは言った。

 

 

 

『...』

『弟くんの事...だよね』

ハヤトは言った。

 

 

 

『...テメーには関係ねーだろ』

キョウスケは言った。

 

 

 

『...』

ハヤトは溜め息をついた。

『ダメだね...僕、こういう時どう声を掛けていいか全然わからないや』

 

 

 

 

『...誰も励ましてほしいなんて思ってねーよ』

キョウスケは煙草を一吹きした。

 

 

 

 

『ただ...これだけは言わせてほしい』

ハヤトは真剣な眼差しで言った。

 

 

 

 

『...!?』

ハヤトがあまりにも真剣な眼差しで見るのでキョウスケはギョっとした。

『...っんだよ』

キョウスケは言った。

 

 

 

 

『...一人で抱え込まないで』

ハヤトは言った。

 

 

 

 

『...っ!?』

キョウスケはハッとした。

 

 

 

 

『君にはカイト君やアキラ坊っちゃん、ユウキさんやサトル君』

 

『そっ....それに、ぼっ...僕もいるんだから』

ハヤトは恥ずかしそうに目をそらした。

 

 

 

 

『...っ!?』

...まさか、励まそうとしてるのか?

それにしてもなんて余裕の無さそうなリアクションしてんだコイツ。

 

普段の立ち振舞いとは正反対の姿にキョウスケは少し可愛いと思ってしまった。

 

キョウスケは急に笑い出した。

 

 

 

 

『なっ...何で笑うの‼』

『こっ...こっちは本気で心配したのに』

ハヤトは言った。

 

 

 

 

『お前、友達いねーだろ』

キョウスケは言った。

 

 

 

 

『なっ...!?』

『そっ...そんな事、 ....無いよ』

ハヤトは言った。

 

 

 

 

『図星だな』

キョウスケは笑った。

 

 

 

 

『キョウスケ君のバカ!! もう、心配して損した...』

ハヤトは言った。

 

 

 

 

『...ありがとな』

『ちょっと元気出たよ』

キョウスケは急に優しい表情を浮かべて言った。

 

 

 

 

『...!?』

『どういたしまして』

ハヤトはその表情に気づき微笑んだ。

 

 

 

 

ーーー21:00 志藤邸 リビングーーー

 

 

『アスカさんが毒に侵されてる!?』

カイトは驚いた。

 

 

 

『はい、今はかろうじてあったていう抑制剤を射ってもらって寝ています』

『でも、それもいつまで効くかわからないって...』

サトルは言った。

『それが切れたら...』

 

 

 

『あたしのせいだ...、守るって言ったのに』

ユウキは泣いている。

 

 

 

『ユウキさん、自分を責めちゃダメだ』

カイトは言った。

 

 

 

 

『...でも』

ユウキは言った。

 

 

 

 

『なぁ、ヤブ医者。お前はどう思う?』

キョウスケは言った。

 

 

 

 

『そうだな...。僕の予想だと今日会ったあの5人組......彼らが怪しいと思うんだ』

ハヤトは言った。

『特にアスカさんを担いでいた白髪メッシュの彼』

 

 

 

『...だよな。俺もそう思う』

キョウスケは言った。

 

 

 

『...やっぱり、皆さんもそう思いますか』

サトルは言った。

 

 

 

『でも、原因がわかったところで僕らは何をすれば良いのか...』

ハヤトは言った。

 

 

 

 

リビングのドアが開いた。

『...貴様ら集まっていたのか』

サトミがアキラを連れてリビングに入ってきた。

 

 

 

『...サトミさん‼』

カイトは言った。

『あっ...アキラさんも』

 

 

 

アキラはカイトの方を一瞬チラッと見てすぐに目をそらした。

 

 

 

『蛇ヶ崎アスカの件について新たな任務の報告に来た』

サトミは言った。

 

 

 

『にっ...任務!!』

サトルは言った。

 

 

 

『ああ、蛇ヶ崎を蝕む毒の解毒成分調達だ』

サトミは言った。

 

 

 

『解毒成分の調達ですか! ...でも、お医者様はインヴィなんちゃらがどうとか言ってましたよ?』

サトルは言った。

 

 

 

 

『ああ、その医者が。...まあ厳密に言うとうちの研究員だがな、そいつの言った通り毒もその解毒成分もインヴィディアからしか取れない』

『だが、現時点で仮面ライダーインヴィディアはこの世に存在していないはずなんだ。それなのに、何故この毒が存在しているのか......』

サトミは言った。

 

 

 

 

『...あの5人組ですか?』

ハヤトは言った。

 

 

 

 

サトミはフっと笑ってこう言った。

『...003、察しが良いな』

 

『そうだ。我々“オリジナル”としてはまだ存在していないが“アナザー”としてのインヴィディアは既に存在していたんだ』

 

 

 

 

『アナザー?』

『...!? そう言えばあの人達自分達の事を“アナザー”って名乗ってましたよね』

カイトは言った。

 

 

 

 

『この研究ってあのじーさん以外にもやってたのかよ』

キョウスケは言った。

 

 

 

 

『...来栖日南子』

アキラは言った。

 

 

 

 

『...来栖日南子? ...来栖ってまさか!?』

キョウスケは言った。

 

キョウスケはライダーの適合手術前に志藤と話した内容を思い出した。

 

 

 

 

『アイツのしてた人体実験って...!?』

キョウスケは言った。

 

 

 

『ああ、それこそが貴様らのアナザーを作る実験だったんだ』

サトミは言った。

『...ちなみに、貴様らは自身が何のライダーか熟知しているか?』

 

 

 

 

『たぶん僕は、顎に大きな牙があるから“猪”ですよね』

ハヤトは言った。

 

 

 

『僕は“熊”...かな?』

『たぶん...、ユウキさんは“ヤギ”ですよね?』

サトルは言った。

 

 

 

 

『僕は...“ドラゴン”なんですかね』

カイトは言った。

『そして、アキラさんは...“ライオン”』

 

『...!?』

カイトは自身の幼少期を思い出した。

そう言えば自分は昔からとにかくライオンが好きだった。

 

幼い頃は何をするにもライオンのぬいぐるみと一緒だった。

そう、まるでまだ見ぬ“大切な誰か”と会えない寂しさを必死に埋めるように...。

 

もしかして僕が長年求めていたまだ見ぬ“大切な誰か”って...!?

 

 

カイトはアキラの方を見た。

 

 

 

 

 

『007、貴様は自身が何のライダーかわかるか?』

サトミは言った。

 

 

 

『えっ...。なんだ、えっ...と』

キョウスケは考えた。

『プっ...プレ』

 

 

 

『...』

サトミはキョウスケを蹴っ飛ばした。

 

 

 

 

『...いって! 何すんだよ‼』

キョウスケは言った。

 

 

 

 

『プレデターじゃない! 針ネズミだ‼』

サトミは言った。

 

 

 

 

『いやいや、俺が言い終わる前に言っちまうとか...ぶっちゃけお前もプレデターだと思ってたって事じゃねーか!!』

『いてっ...!! だから蹴るなって!!』

ハヤトは言った。

 

 

 

 

『...サトミ、話を戻せ』

アキラは言った。

 

 

 

サトミはアキラの言葉にハッとして慌ててアキラの側に戻り咳払いをした。

『...決行は明日の午前10:00だ。詳しい作戦等は明朝に説明する』

『今日のところは皆、自室で休むように......わかったな』

 

 

 

 

『...はい!!』

サトルは言った。

 

 

『...わかった』

ユウキは言った。

 

 

『...了解』

ハヤトは言った。

 

 

『...しゃっ! やるしかねーな』

キョウスケは言った。

 

 

 

 

サトミはリビングを出ていった。

 

 

 

 

『...』

アキラもリビングを出ていった。

 

 

 

 

『アナザー...』

そう呟いてカイトは拳を握りしめた。

 

 

 

 

ーーー23:00 高層マンションの1室ーーー

 

イスに上半身裸でくくりつけられたリョウヘイは1人の女に折檻されていた。

 

鞭打ち、爪剥ぎ、殴る蹴る......あらゆる方法でされている。

『このバカ息子‼ 何故あっちのインヴィディアに毒を盛った‼ 答えなさい‼』

『人間や他の有資格者に盛るならまだしも、インヴィディアの有資格者に毒を盛るなんて“直接継承”と何ら変わらないのよ!?』

 

 

 

 

『...』

リョウヘイは何も言わない。

 

 

 

 

『しらばっくれるつもりね...』

『自身の愚かさを、その体に叩き込んでやるわ!』

 

『...ケンセイ‼ ペンチはまだなの!?』

女は言った。

 

 

 

 

『待ってよ母さん、まだ消毒中だよ...』

ケンセイは言った。

 

 

『...消毒なんて良いから‼ 早く持ってらっしゃい‼』

母さんと呼ばれたその女は声を荒げた。

 

 

 

『そんな...。感染症なんかになったら大変だもん。ヘタなのに感染されたら僕らが死んじゃうよ』

ケンセイは言った。

 

 

 

『その辺にしときなよ、来栖先生』

『きっと、リョウヘイだってもう充分反省してると思うよ?』

シンスケはその部屋の中に入ってきた。

 

 

 

『...シンスケ君、何でこんな子を庇うの?』

来栖は言った。

 

 

 

『...』

『ねぇ、先生。 あの男がもっと絶望する方法を教えてあげようか?』

 

 

 

 

『もっと...絶望する方法?』

来栖は言った。

 

 

 

 

『簡単さ。上げて落とすんだよ』

シンスケは言った。

 

 

 

 

『上げて...落とす?』

来栖は言った。

 

 

 

 

『...あの男、志藤政義はちょっとやそっとの敗北じゃ絶望しないと思う。 それは先生が......。元愛人の貴女が一番わかっているんじゃない?』

シンスケは言った。

 

『ああいう男には、希望からの絶望。...まあ要するに相手に勝てたなって思わせてからの僕らの大逆転...みたいな?』

『それが一番効くと思うんだよね』

 

『それにはまず、7人対7人。同じ土俵に立たないと...でしょ?』

 

 

 

 

『確かに...そうかもしれないわね』

『何で気づかなかったのかしら。私ったらドジ』

来栖は言った。

『ケンセイ、リョウヘイを離してあげなさい』

 

『そうと決まれば、私は増強剤でも作ってくるわ』

来栖は部屋からルンルン気分で出ていった。

 

 

 

 

ケンセイはリョウヘイの縄をほどいた。

 

 

 

 

縄をほどかれた瞬間。リョウヘイは床に倒れこんだ。

『ありがと...、リーダー』

リョウヘイはか細い声で言った。

 

 

 

 

『...お疲れ様』

シンスケはリョウヘイの前にしゃごんで言った。

 

 

 

 

『本当...ママの癇癪には毎度毎度困ったもんだよ』

リョウヘイがそう言うと先程まであった無数の傷はみるみるうちに消えていった。

 

そして、起き上がったリョウヘイはこう言った。

『あー、体が血でベタベタだよ...。シャワー浴びてくる』

 

 

 

 

『うん...、いってらっしゃい』

シンスケは微笑んだ。

 

 

 

 

『ママの癇癪をあんなすぐに止めちゃうなんて』

『やっぱり君は凄い人だ』

ケンセイは言った。

 

 

 

『当然でしょ? 僕はいずれこの組織を...“アナザー”を統べる者なんだから』

シンスケはニコッと笑った。

 

『いつまでもあの癇癪ババアとスペルビアの夢女子には居座らせないよ』

シンスケはニヤリと笑った。

 

 

 

 

ーーー志藤邸 医務室ーーー

抑制剤が効いているのだろう。

アスカは眠りについていた。

 

 

眠るアスカの左手を握りながらユウキはこう呟いた。

『アスカ...、もう少しだけ待っててね。必ず解毒成分を手に入れてみせるから』

 

『だから...、だから絶対に死んじゃダメだからね』

 

 

 

ーーー高層マンション リョウヘイ自室ーーー

 

リョウヘイはアスカとの2ショット写真を眺めながらこう呟いた。

『早くライダーにならないかな。 そうしたら君と俺は......』

 

 

 

 

 

第23話【復讐】...END

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