※この作品はR-18です。

仮面ライダーフューリー   作:あまぞん特撮系物書き

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前回までのあらすじ

支給された部屋は意外にも綺麗でシャワーまで付いていた。テーブルにはスマホが用意され机にはパソコンまである。どうやらネット環境も整っているようだが、何故か家族への連絡は出来なかった。

部屋で休めとは言われたものの今日の事をどうしても思い出してしまって眠れないカイト。
何気なくベランダに出てみると隣のベランダには満月も霞むほどにとても美しい美男子がいた。

『こんなに綺麗な男ってこの世にいるんだ』カイトは不覚にもみとれた。
しかし、この美男子はとても口が悪い。“天は二物を与えない”というのはどうやら本当のようだ。


謎の美男子に心を傷つけられながらもいつの間にか眠っていたカイト。
翌朝、リビングにて他の者達と軽い自己紹介をしあった

そして、カイトは思う『あの金髪の人とヒステリックな人は兎も角、キャミソールの子とオタクっぽい子はいったいどんな犯罪を犯したんだろう』と。


そんなカイトらの前にライダー手術を受けた状態で現れたハヤト。
確かに昨夜、あのお爺さんの話しに乗るとは言っていたが、まさか本当にライダーになってしまうとは。




カイトらが唖然としていると、突然出撃命令が出る




『えっ...!? 僕らも行くんですか‼』戸惑うカイト。
しかし、有無を言わさず。僕らも現場に連れていかれた。


そこには昨夜の“口の悪い美男子”もいた。
そして、変身した姿を見たカイトは彼が昨日自身を助けた獅子のライダーである事を知る。


ハヤトの数々のヘマで苦戦する美男子。
そんな苦戦する彼を見ていると、カイトは急に呼吸が苦しくなった。


第三話【再会】

扉に“ICU”と書かれたとある一室。

扉の向こうにはベットの上で眠る志藤の姿。

その傍らには志藤の手をしっかりと握りしめて不安そうな眼差しで志藤を見つめるサトミの姿があった。

 

 

廊下から男性の声が聞こえた。

『アキラ様いけません‼ 今、志藤様は...!!』

 

 

 

『うるさい...。どけ‼』

アキラはその白衣を着た男性の制止を遮り“ICU”と書かれた扉を足で蹴って強引に開けた。

 

 

 

『......アキラ様!?』

サトミは思わず椅子から立ち上がる。

 

 

 

部屋の中に入ってきたアキラはベットの上で眠る志藤の胸ぐらに掴みかかりこう言った。

『おい...起きろ! この腐れジジィ!!』

 

 

 

『...!? アキラ様お止めください!の』

サトミは止めに入る。

 

 

 

『ずいぶん手荒な起こし方だね......アキラ』

志藤はそう言って目をゆっくりと開いた。

 

 

 

 

『...答えろ。 あいつは何者なんだ!! 何故“フューリー”に変身出来る!!』

 

『お前は俺にまた......!』

アキラの脳裏に過去の記憶が甦る。

 

 

 

“冷たい床”“白衣の男達”“少女”“指切り”“遺体”“少女の泣き顔”......。

過去の記憶がまるで走馬灯のように駆け巡った。

 

 

『...っ』

アキラは志藤の胸ぐらから手を離した。

 

 

 

『落ち着きなさいアキラ。まあ、変身者こそ違うがお前にとっては“愛しい者”との再会......気持ちはわからなくもないよ』

志藤はアキラに言った。

 

 

 

『...ふざけるな! 質問に答えろ!』

アキラは言った。

 

 

 

『いゃあ~。実は私もよくは知らなくてね』

志藤は笑う。

 

『そうだ。そんなに気になるなら本人に聞けばいいじゃないか』

『歳もお前と近い。きっと良い友人に......』

 

 

 

 

『それ以上言うな。殺すぞクソジジィ......』

アキラの目は本気だ。

 

 

 

『アキラ様.....、お止めください。お願いいたします』

サトミはアキラの手を掴み今にも泣きそうな表情で言う。

 

 

 

 

『....サトミ』

アキラはサトミを見る。

そして、その掴まれた手を振りほどきICUをあとにした。

 

 

『アキラ様...!!』

追おうとするサトミ。

 

 

だが、志藤はそんなサトミにこう言った。

『良いんだサトミ。それよりも手を...私の手を握ってくれないか。 あと、人払いもね』

 

 

 

『...! 承知いたしました』

サトミはハッとして志藤の側へ戻り手を握る。

 

そして、周りの白衣の男達にこう言った。

『ご苦労だったな。お前達はもう下がって良いぞ』

 

 

 

『はっ...はい、承知いたしました』

白衣の男達は戸惑いながらもそう言って2人に一礼し、ICUをあとにした。

 

 

 

 

 

 

ーーーカイトが眠る医務室ーーー

戻ってきたハヤトがカイトのベットの側でウトウトと今にも眠ってしまいそうな様子だ。

 

 

 

カイトは夢を見た。

 

そこは真っ白な空間。

足元には血塗れでほぼ原型を留めていない死体が数体転がっていた。

真っ赤に染まってしまってはいるが、どうやら皆。白衣を着ているようだ。

『......!?』

カイトは腰を抜かす。

 

ふと見た自身の衣類と両手には大量の血がついている。

『僕が...やったのか?』

カイトは吐き気に襲われた。

 

 

すると、場面は急に綺麗な花が沢山育てられている植物園に変わった。

そこには顔形の大変美しい黒髪の少年が階段に腰掛けて本を読んでいた。

カイトはその美貌に思わず息を飲んだ。

 

その少年はこちらに気付くとハッとした顔をした。

だが、すぐにそれは可愛らしい怒り顔へと変わりカイトに迫る。

『遅い! いつまで待たせるんだ!』

怒った顔すら可愛らしい。

 

 

 

『えっと...、君は?』

カイトは言った。

 

 

 

『ほら、行くぞ!』

少年はカイトの手を引く。

 

 

 

『えっ...いやちょっと待って‼ 今、僕...』

カイトは慌てる。

 

 

『......っ!?』

カイトは目が覚めた。病院の天井が目に飛び込んできた。

『...ここは?』

 

 

 

 

『ああ、カイト君。目が覚めたんだね』

 

『大丈夫? 僕の事わかる?』

ウトウトしていたハヤトはハッとしてカイトに言った。

 

 

 

 

『...ハヤトさん』

カイトは言った。

 

 

 

 

『良かったぁ~。このまま起きなかったら僕どうしたら良いのかわからなかったよ』

ハヤトは涙ぐみながら言う。

 

 

 

『えっ...!? 僕そんなに危ない状態だったんですか‼』

カイトは飛び起きる。

 

 

 

『...嘘。 しばらく寝てれば目を覚ますだろうって言われた』

ハヤトはニコッとして言った。

 

 

 

『もう...、脅かさないでくださいよ~』

カイトはそう言って恥ずかしそうに布団の中に潜る。

 

『...痛っ』

右手に痛みが走った。

 

 

 

 

『でも、右手は全治3週間だって』

ハヤトは言った。

 

 

 

 

『...通りで痛いと思ったら』

カイトは自身の右手を見た。

 

 

 

 

『若いって良いよね~。何でも治りが早くて』

ハヤトは言った。

 

 

 

 

『何で怪我なんて...、て言うかいつの間に?』

 

 

 

 

『そんなのディアーボルスを素手で殴ったからでしょ』

 

『....もしかしてカイト君、覚えてないの?』

ハヤトは言った。

 

 

 

『はい...、全く』

 

『急に胸が苦しくなって意識を失った事までは覚えてるんですけど......僕何かやったんですか?』

カイトは不安そうにハヤトに尋ねる。

 

 

 

『何かやったも何も...あの牛型倒したのカイト君だよ?』

ハヤトは答えた。

 

 

 

『えっ...そんな!?』

『あのライオンの人じゃなくてですか?』

カイトは驚いた。

 

 

 

『何でカイト君が驚くの? 驚きたいのはこっちだよ』

 

『何か、いつも......と言っても昨日今日の付き合いだけどさ。何て言うかちょっと怖かったし...』

ハヤトは言った。

 

『一人称も“俺様”だったし、僕の事“おデブちゃん”とか言うし』

 

『...て言うか。嘘でも僕が倒したんじゃないかとは言ってくれないんだね』

ハヤトは悲しそうに言った。

 

 

 

 

『いや......だって。ハヤトさんはライオンの人の足手まといになってたし』

カイトは言った。

 

 

 

『...カイト君ってさ。 意外と辛辣なんだね』

 

『さっきも同じような事言われたんだよ?。...僕、泣くよ‼ そろそろ泣いちゃうよ‼』

ハヤトは今にも泣きそうな顔で言った。

 

 

 

『ハヤトさ~ん。ご飯持ってきたわよ』

『あら、カイト君も目が覚めたのね。今、お食事暖めてくるわね』

看護師が入ってきてそう言った。

 

 

 

『ちょっと聞いてよ糸村さん。カイト君まで同じ事言うんだよ~』

ハヤトは泣きそうな顔で言った。

 

 

 

『事実でしょ。 早くご飯食べなさい』

糸村はハヤトをそうやって軽くあしらうと暖め直した食事をカイトの前に持ってきた。

 

そして、カイトの右手を見てこう続ける。

『えっ~と...その手じゃ無理よね。わかった私が食べさせてあげるわ』

糸村は箸と茶碗を持った。

 

 

 

 

『いっ...いや、そんな!! そうだ、スプーン下さい‼ 自分で食べますから』

カイトは慌てる。

 

 

 

『そんな遠慮しなくても良いのに。可愛いライダーさん......フフッ』

糸村は笑う。

 

 

 

『糸村さん。じゃあ、僕にアーンてして』

ハヤトは言った。

 

 

 

『わかった。じゃあこれで満足かしら?』

そう言って糸村はハヤトの頬に箸をねじ込む。

 

 

 

 

『痛い痛い痛い。思ってたのと違う。思ってたのと違う』

ハヤトは半泣きで言った。

 

 

 

 

 

ーーー志藤邸 螺旋階段ーーー

アキラは階段に腰掛け昨夜の出来事を思い出していた。

 

 

 

あの日の夜。アキラは自室で本を読んでいた。

すると突然部屋のドアがノックされドアの向こうから声が聞こえた。

『アキラ様、志藤様がお呼びです』

 

 

『...わかった。今行く』

アキラは本をテーブルに置き、部屋のドアを開ける。

 

そして、ドアの前で待っていた執事と共に手術室へと向かった。

 

 

 

手術室に付くとそこには右上腕をしきりに気にする男性がいた。

 

 

 

『ジジィ...。そいつは誰だ?』

アキラは志藤に尋ねる。

 

 

 

『紹介しよう。彼は猪鹿月ハヤト』

『...お前の相棒になる男だ。挨拶なさい』

志藤はアキラにそう言った。

 

 

 

『先生......? アキラって事はまさか』

ハヤトは志藤に言った。

 

 

 

『嗚呼、私の息子だ。 母親似でね、可愛いだろう?』

志藤はニコリと笑った。

 

 

 

『なんと...!? ご子息でしたか』

ハヤトは背筋をピッとさせて気を付けの姿勢になった。

 

『おっ......お初にお目にかかります。それにしてもお噂通り....いやそれの以上の美男子ですね。 男である僕も心を奪われてしまいそうです』

ハヤトは照れながら言った。

 

 

 

『......』

アキラは何も言わずにさ、ゴミを見るような目でハヤトを見ていた。

 

『...用件は何だ』

アキラは志藤に尋ねた。

 

 

 

 

『お前には少し、ハヤト君との手合わせをお願いしたくてね』

『だが、お手柔らかに頼むよ。彼もライダーになったばかりだからね』

志藤はニコリと笑った。

 

 

 

『お願いいたします‼』

ハヤトは変身して構えた。

 

 

 

『......』

アキラは一つ溜め息をついてから変身して構えた。

 

 

 

『......始め‼』

執事が言った。

 

 

 

 

ハヤトから仕掛ける。

 

それを避けて蹴りを入れるアキラ。

 

ハヤトはそれを避ける。

 

アキラは間髪入れずに2度目の蹴りを入れるがそれは受け止められてしまった。

『...!?』

 

 

アキラは手合わせをしながら思う。

 

この男は本当に手術後か?それにこの身のこなし...。

ハヤトから放たれた拳を受け止めた時のこの重み......その辺のチンピラとは違う。

 

 

 

そして、直感的にわかる......こいつはアイツ(志藤)と同じだと。

 

 

 

 

『...止め!!』

執事は言った。

 

 

2人は手合わせを止め変身を解除した。

 

 

 

『ありがとうございました。いゃあ~。やはりお強い 』

ハヤトは笑顔で言った。

 

 

 

『.......そりゃあどうも』

アキラはハヤトの目を見ずに言った。

 

 

 

志藤は拍手した。

『素晴らしいよハヤト君。君ならすぐにでもアキラの“相棒”として共に奴等(ディアーボルス)の脅威となるだろう』

 

 

 

 

『ありがとうございます‼』

ハヤトは志藤のほうを向き一礼した。

 

 

 

そして、再びアキラのほうを向いて握手を求める。

『よろしくお願いします。アキラ坊っちゃん』

 

 

 

 

『....用件は済んだよな。俺は部屋に戻らせてもらう』

アキラは握手に応じす。部屋へと戻っていった。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

『......ふぅ』

アキラは溜め息をついた。

『......!?』

突然シャッター音が聴こえ、アキラはハッとした。

 

 

 

『イケメンの困り顔ゲット~』

そのシャッター音の主はユウキだった。

どうやらスマホで撮影をしたようだ。

 

 

 

『...何だ?』

アキラはユウキを睨み付ける。

 

 

『別に~。ただ撮っただけ~』

『あと、新しいのだから試し撮りも兼ねて』

そう言ってユウキはアキラの隣に座る。

 

 

アキラはユウキから距離をとる。

 

 

 

『それにしても待遇良すぎだよね~此処。新しいスマホは貰えるし、部屋は良いし、シャワーだって毎日浴びれるし、ご飯は美味しいし』

 

『ちょっと...あんなのと戦うのはごめんだけどね』

ユウキは言った。

『ねぇ君って名前何て言うの? 歳は?見た感じ同じくらいに見えるけど』

ユウキは詰め寄る。

 

 

 

 

『...まずは自分から名乗るのが礼儀じゃないのか?』

アキラは言う。

 

 

 

『そうだよね、ごめん。私は後藤ユウキ。まあ...ユウキとでも004とでも好きに呼んで』

ユウキはニコリと笑った。

 

 

 

『...乱獅子アキラ』

アキラは言った。

 

 

 

『えっ...志藤じゃなくて?』

ユウキは言った。

 

 

 

『...っち』

アキラは舌打ちをした。

 

 

 

『...フフッ。ごめんごめん。実はさっきメイドさんに聞いたんだ。ねぇ何で志藤って名字を名乗らないの?』

 

『乱獅子ねぇ......変な名前』

ユウキは言った。

 

 

 

『.....今すぐ撤回しろ』

アキラはユウキに掴みかかった。

 

 

『ちょっと!! 急に何?』

ユウキは言う。

 

 

『撤回しろと言ったんだ......後藤ユウキ』

 

『...そして、その薄汚れた体で2度と俺に近付くな』

アキラはそう言ってユウキから手を離した。

 

 

 

『...何よ‼ そっちだって知ってんじゃない。 顔良いし、何か女知らなそうでチョロそうだからヤれると思ったのに‼』

ユウキはそう吐き捨ててその場を去った。

 

 

 

『...お前のような女。こっちから願い下げだ』

アキラは呟いた。

 

 

 

 

執事がやって来てアキラにこう言った。

『アキラ様。鳴瀧さんがお目覚めになったそうです』

 

『.....お会いになられますか?』

 

 

 

『......!?』

『いや...、止めておく』

アキラはそう言って螺旋階段を降りていった。

 

 

 

 

ーーー医務室 カイトのベットーーー

食事を終えて今朝の一連の出来事をハヤトから聞かされたカイト。

どうしても自分がやったとは信じきれずにいた。

 

 

『...こちらです』

扉の向こうから声が聞こえた。

 

するとドアが開き車椅子に乗った志藤がサトミと共に医務室に入ってきた。

 

 

『志藤先生...!!』

ハヤトは言う。

 

 

『あっ...貴方は』

カイトは言った。

 

 

『急な面会ですまない。だがしかし、英雄の目覚めにいてもたってもいられなくてね』

志藤はニコリと笑った。

 

 

 

『英雄だなんて...そんな』

カイトは言った。

 

 

 

『折れているんだってね。全治3週間か....』

志藤はカイトの右手を見て言った。

『しばらくはディアーボルスの討伐作戦には参加させられないね......』

 

 

 

『...何か。ご迷惑お掛けしてしまってすいません』

カイトは志藤の悲しそうな表情を見るとつい申し訳無くなってそんな言葉が出てしまった。

 

 

 

『いや、君を責めてるつもりは無いんだ。そう思わせてしまったのなら謝るよ』

志藤は言った。

『ただ...今日はちょっとお願いがあってね。せめて右手が治るまでの間で良いから“特殊任務”に携わってもらいたいと思って...』

 

 

 

 

『“特殊任務”...?』

カイトは尋ねる。

 

 

 

 

『私の息子の友人になって欲しいんだ...』

志藤は言った。

 

 

 

 

 

 

『...は?』

カイトは戸惑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第3話 【再会】END

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