志藤の息子とは、カイトの隣に住むあの口の悪い美男子だったのだ。
名はアキラ。
彼は、父(志藤)のもとで幼い頃から学校にも通わさず、ずっと研究とディアーボルスの討伐に身を投じていたらしい。
その為か友人もおらず、他人に興味を持つこともあまりないのだと言う。
今更ながら後悔していると話す志藤。
だが、そんな彼がどうやらカイトには興味を持っているらしい。
今までの彼からの扱いをから考えるとにわかには信じられないカイト。
しかし、何故かカイト自身も彼の名を聞くと彼の姿を思い出すと、どうも彼の事をもっと知りたくて知りたくて仕方がなくなってしまう。
部屋に戻り、ベランダに出ると再びアキラに会ったカイト。
意を決して話しかけてみたが、また案の定冷たくあしらわれてしまった。
...翌朝、カイトへの皆の態度が変わっていた。
カイトは以前(獄中)にも同じような経験が有ったことを思い出す。
そんなカイトに怖じけず話しかけてきた男がいた。
彼の名は鼠田キョウスケ。
一見、ガラの悪い印象を受けるが、話してみると意外と気さくでとても弟思いの兄であることがわかった。
キョウスケとの会話を楽しんでいると後方から任務を終えたアキラとハヤトが現れる。
アキラは重症を負っていた。
思わず駆け寄るカイト。
すると、突如任務の連絡が入る。
カイトはこのままではアキラが死んでしまうと隊員に必死に訴えるが、隊員もアキラ自身もカイトの訴えに全く耳を傾けようとはしなかった。
訴えている最中。カイトは不思議な感覚に襲われる。
そんなカイトをアキラは冷たくあしらい、その状態のまま再び任務へと向かってしまった。
夜となり、屋上で1人あの感覚は何だったんだろうと考えるカイト。
そして、やって来たキョウスケに先程見掛けたアキラには傷ひとつ残っていなかった事を告げられた。
不可解に思いながらも安堵するカイト。
だが、それと同時に何故そこまで自身が彼に執着するのかと疑問に思った。
何故ライダーになったのかと尋ねてくるキョウスケ。
だが、手術を受けた覚えの無いカイトは上手く返答が出来なかった。
ここにいる限りはいずれならなければならないのかと少し迷った様子のキョウスケ。
カイトは待ってくれている人でもいるのかと尋ねた。
キョウスケは今は女もいないし、待ってくれている人もいないと話す。
弟がいるじゃないかと話すカイトにキョウスケは弟の話をし始めた。
ーーー回想 今から10年前ーーー
『あんたなんか......産まなきゃ良かった!! 死ね‼ 死ね‼ 死ね‼』
『早く死んじまえ‼』
1人の女性が1人の少年にそう言って何度も何度もその少年を叩いた。
『お母さん...!! もうやめてよ』
叩かれている少年よりも2~3歳年下と思われるもう1人の少年が駆け寄ってきて非力ながらその女性の服を引っ張り叩かれている少年から引きはがそうとする。
この少年には口元にホクロがある。
『嗚呼...シンスケ。可愛い我が子。私には貴方だけよ』
『さぁ...こっちにいらっしゃい』
服を引っ張る少年に気づいた女性は少年を叩くのをやめ、後ろを振り返りその少年をひしりと抱き締めた。
『......母さん』
叩かれていた少年はか弱い声でそう呟きその女性に手を伸ばす。
それをギロリと鋭い眼光で睨み付ける女性。
『......っ!?』
その鋭さに恐れをなした少年は手を伸ばすのをやめた。
ーーーーーー
『それって...!!虐待じゃないですか!』
カイトは言った。
『俺って...。親父に似てるんだってよ』
『だから...年々自分を捨てた親父に似ていく俺をお袋は許せなかったみたいでさ...』
『叩く、殴る蹴るは当たり前...。飯は.........こっそりシンスケがくすねてきたからなんとか食ってたけど』
キョウスケは言った。
『でも、不思議と...。お袋の事は嫌いにはなれなかったし、俺はいつしかそれを“自分が悪いんだ”“こうされるのは当たり前なんだ”って思うようになってた』
『そんなの...!! 当たり前じゃないですよ!! 自分の子を虐待する母親なんて...信じられない』
母親に愛されて育ってきたカイトには世の中にはそんな家庭環境もある事が信じられなかった。
他人事ではあるが、怒りと悲しみすら込み上げてきた。
『そうだ!! 誰か助けてくれる人はいなかったんですか!?』
カイトはキョウスケに尋ねる。
『いたよ。親父の義兄弟......いわゆる“ヤクザの組長”って奴だけどな』
キョウスケは答えた。
ーーー再び回想 10年前ーーー
今日も母親から殴る蹴るの虐待を受けたキョウスケは母親に首根っこを掴まれ押入れにぶちこまれる。
そして、その戸をピシャリと閉められた。
キョウスケは少しだけ押入れの戸を開け、茶の間の様子を見る。
そこには笑顔でシンスケの茶碗にご飯を盛る母親と暗い顔でそれを待つシンスケの姿があった。
親父さえいなくならなければ......以前のようにこの狭い茶の間で家族4人楽しく食卓を囲めていたのだろうか。
そう考えるとキョウスケは涙が出てきた。
すると、突然玄関のドアが勢いよく開けられて1人の男の怒号が響いた。
『このクソ女ぁぁぁぁぁ‼』
その男性は母親の胸ぐらに掴みかかりこう言った。
『キョウスケは何処だ!!』
『...あんた何しに来たのよ‼ あの男に頼まれでもしたの!!』
母親も負けじと言った。
『うるせぇ!! とっととキョウスケを出しやがれ‼』
そう言ってその男性は母親の胸ぐらから手を離し部屋中をくまなく探し始めた。
...怖い。
あんな人に、もし見つかりでもしたら自分はどうなってしまうのだろう。
キョウスケは恐怖で体が震えた。
遂にキョウスケのいる押入れを開けたその男性は、先程までの恐ろしい形相が嘘のような優しい顔でキョウスケにこう声をかけた。
『...よう坊主。 迎えに来たぜ』
『おじさん...、誰?』
キョウスケはただその男性を見つめることしか出来なかった。
『...ん? お前の親父の義兄弟だ』
その男性はキョウスケに微笑んだ。
『こんなに傷だらけになって...、辛かったな坊主。 だが、もう大丈夫だ。 これからはお前の親父さんに代わって俺が守ってやるからな』
キョウスケの目から涙がこぼれた。
その男性はキョウスケを優しく抱き抱えて母親にこう言った。
『この坊主は貰っていくぞ‼』
『勝手にしな‼ 私には要らない子だ...!! 煮るなり焼くなり好きにすれば良いさ』
母親は男性にそう言い返した。
『...本当なら今ここでぶっ殺してやりてーくらいだが、腐っても1度は俺の義兄弟が惚れた女だ...。見逃してやる』
キョウスケを抱き抱えてその家を出た男性。
家の前に止めてあった黒い車に乗り込んで運転手にこう伝える。
『病院に向かってくれ』
運転手はキョウスケの姿を見て一瞬ハッとして一筋の涙を流す。
『...キョウイチロウさんそっくりだ』
『それにしても、こんな小さなガキになんて酷い事を』
『...ああ、すいません兄貴。すぐに病院に向かいますね』
運転手は流れてきた涙を自身の袖で雑に拭いて車のエンジンをかけた。
ーーーーーー
『ヤ......ヤクザ!?』
カイトは驚いた。
『俺の親父もさ...。ヤクザだったんだよ』
『けっこうその界隈では有名だったらしいんだけどよ。いなくなるまで全然わかんなかった...』
キョウスケは言った。
『その人に家から連れ出されてからはさ......まあ、それなりに良い暮らしさせてもらってたんだけど』
『その人も“抗争”...ってやつか? それに負けて組の奴皆バラバラになっちまった』
『んで俺はそんな世界しかわかんねーから今更一般人にも戻れねーし。別な組の下っ端になったんだよ』
ーーー回想 今から3年前 昼下がりーーー
『あークソ‼ 』
キョウスケは自販機を一蹴りした。
『腹へったなぁ...』
空腹と借金の取り立てに失敗した事にイライラしながら町中を歩いていた。
突然1人の少年とぶつかる。
『いてっ...』
『たくっ.........何処見て歩いてんだよ‼』
キョウスケは言った。
『ご...ごめんなさい』
その少年は怯えた声で言った。
制服を着ている。見たところどうやら中学生のようだ。
これは私立の制服だ。って事はコイツはいわゆる“お坊ちゃん”
キョウスケはそう思った。
『あー痛い痛い。こりゃあ骨折れたかもしんねーわ』
キョウスケは棒読みで言った。
『なぁ...慰謝料くれよ。100万』
キョウスケはニヤリと笑う。
『えっ...慰謝料!? 僕...そんな大金持ってないですよ』
少年はキョウスケを見上げて言った。
『......っ!?』
キョウスケはその少年の顔を見て驚いた。
口元のホクロ.......弟と同じ位置だ。
『シンスケ......?』
キョウスケは思わず呟いた。
『...!?』
『何で僕の名前知ってるんですか?』
少年は恐る恐る聞いてきた。
『やっぱり、シンスケなんだな......!!』
『俺だよ‼ キョウスケだ‼』
『お前の兄貴のキョウスケだよ‼』
キョウスケは言った。
『兄ちゃん...なの?』
シンスケは驚いた様子で言った。
『大きくなったな...シンスケ。一目でわかった』
そう言ってキョウスケはシンスケを抱きしめた。
『えっ...ちょっ!! 兄ちゃん!?』
シンスケは戸惑った。
ーーー近くの公園 夕暮れ時ーーー
『...はい、これ』
シンスケはキョウスケにメロンパンを渡す。
『何か...悪りぃな。ありがとう』
『...てか、お前は本当にメロンパン好きだな』
ベンチに座るキョウスケはフっと笑いメロンパンを受け取った。
『だって...美味しいじゃん』
シンスケはフフっと笑った。
隣に座ったシンスケはもう1つのメロンパンを袋から出して1口食べた。
しばらく沈黙が続いたがシンスケが喋りだした。
『......久しぶりだよね。今まで何してたの?』
『まあ...色々な。 お前は何してんだよ』
キョウスケはシンスケに尋ねた。
『私立の中学に通ってるんだ。友達も沢山出来て......その』
シンスケはもじもじしながら答えた。
『お前...昔っから頭良かったもんな』
しかし、あの母親1人で私立なんて通わせられる筈は無い...。
キョウスケはこう言った。
『お袋...再婚でもしたのか?』
『うん...。クラブで出会った人と良い感じになってね』
シンスケは答えた。
『やっぱりな...』
母親は俺に対しては狂気的ではあったが、他人様から見ればなかなかの美人。以前からキャバクラで働いていたのだ。
あの人から聞いた話だが親父との出会いもそこだったらしい。
ふと、シンスケの右手が目に止まった。
その手は少し赤く晴れていた。
キョウスケはシンスケの右手を掴みこう言った。
『あのクソ女‼ 今度はお前に......!!』
『ちっ...違うよ! これは......その』
シンスケはキョウスケの手を振りほどき自身の左手で腫れている箇所を隠した。
すると、後方からシンスケと同じ制服を着た数人の少年が声を駆けてきた。
『あっいた!! シンスケく~ん』
『お前も塾帰りだろ? 一緒に帰ろうぜ』
『わかった。今行くよ』
シンスケはその少年達にそう言ってまたキョウスケを見た。
急いで自身の電話番号をメモしキョウスケに無理矢理それを握らせた。
『これ...僕の番号。 僕、明日休みだから13時にまたここで会おう。 約束だからね』
そう言って微笑んだシンスケはその少年達と共に帰っていった。
翌日の13時。キョウスケは公園にいた。
予定時間になっても現れないシンスケ。
キョウスケはメモされた番号に電話してみた。
『もしもし、シンスケか。 予定時間過ぎてんだけどよ。何かかあったのか?』
『ごめん兄ちゃん。ちょっとバスが遅れちゃっててさ。もうすぐ着くからもうちょっと待ってて』
『あっ......もうバス停見えてきたよ』
シンスケは言った。
すると直後電話越しに女性のひめいが聞こえた。
『おい! 今のなんだ!? シンスケ! おい!シンスケ!』
キョウスケは言った。
シンスケとの通話も途絶えてしまった。
嫌な予感がしたキョウスケはバス停まで走る。
『...シンスケ! 無事でいてくれ!』
バス停に着いたキョウスケは自身の目を疑った。
『...!?』
そこには横転したバスと逃げ惑う人々......それを1人ずつ捉えて食らう二足歩行のワニのような化け物がいたのだ。
黒くゴツゴツとした皮膚に大きな口...、その大きく強靭そうな顎で人間をくわえて真上に投げ飛ばす。
そいつは落下してきた人間をとても旨そうに次々と丸飲みしている。
『何なんだよこれ......』
キョウスケは言った。
先程まで人間を食らっていた化け物はキョウスケに気づいてきた。
『くっ...来るな‼』
キョウスケは足元に落ちていた鉄パイプでそれを殴った。
だが、鉄パイプはそいつの強靭な肉体の前にポッキーの如く簡単に折れた。
『...嘘だろ』
...喰われる!?
そう思って身構えた次の瞬間。その化け物の背後から二足歩行の針ネズミのような化け物が現れ、それに噛みついた。
そいつはそれを自身の背中から引っ剥がし横転したバスに投げつけた。
だが、投げられたそれはめげずに再びそいつに襲いかかる。
『...』
化け物と化け物の戦いをキョウスケはただ見ていることしか出来なかった。
激しい闘いの末。針ネズミのような化け物が勝利し、その化け物の死体をズルズルと横転したバスの中へと運んでいった。
『...』
一瞬だが、針ネズミのような化け物がこちらを見た気がした。
しばらくその場から動けなかったキョウスケだが、自分はシンスケを助けに此処へ来た事を思い出し、辺りを探し始めた。
『...シンスケ!!』
キョウスケは辺りを探し回った。だが、シンスケは見つからない。
キョウスケは横転したバスに目をやる。
『そこ...、なのか?』
キョウスケは勇気を振り絞って横転したバスの中に入った。
バスの中は食い荒らされた死体だらけだった。
バスの後方に目をやるとそこにはシンスケがいた。
『シンスケ!!』
キョウスケはシンスケに駆け寄ろうとした。
『...!? 兄ちゃん』
『来ないで...‼』
シンスケは怯えた様子で言った。
『...?』
キョウスケは足を止める。
突然、窓ガラスが割れる音がした。
キョウスケは思わず音のなるほうを見た。
そこから救急隊が入ってきてキョウスケにこう尋ねた。
『もう大丈夫だよ。 ケガはないかい?』
シンスケとキョウスケは救急車で病院に運ばれた。
勿論、キョウスケは無傷だ。
シンスケの様子が心配になったキョウスケは看護師に尋ねる。
『すいません。俺と一緒に運ばれてきた中学生......、俺の弟なんスけど。具合どうですか?』
『あら、お兄さんだったんですね』
『弟さんは対した傷じゃありませんよ。ですが、今は誰にも会いたくないって仰っていまして......』
看護師は答えた。
『そうっすか...』
あんな事があったんだ...落ち着くまでは誰にも会いたくないよな。
『弟の事、宜しくお願いします』
キョウスケはナースに一礼し、帰ろうとした。
すると、昨日シンスケと一緒に帰っていた少年達がシンスケの病室の前にいた。
『お前ら、昨日の』
『あっ...昨日シンスケ君と一緒にいた人』
『実はシンスケ君.....事故に巻き込まれたらしくて。僕達お見舞いに来たんですけど、入るなって言われちゃいました......』
その中の1人がこちらに気づいて声をかけてきた。
『...そっか、実は俺もなんだよ。』
『まあ...、事が事だからな。そっとしておいてやってくれ』
『てか、お前らシンスケの友達なんだよな? 何て言うかその...、兄貴つっても会ったのは久し振りでさ。メシ奢るからちょっと最近の様子とか教えてくんね?』
キョウスケは申し訳なさそうに頭をかきながら言った。
『はっ...はい』
少年達は互いを戸惑った様子でしばらく見合ってからそう言った。
ーーーファミレスーーー
...よく食うな。
キョウスケは少年達の食欲の良さに少し引いた。
『お兄さんも強いんですか?』
1人の少年が口にデミグラスソースをつけた状態で言った。
『...強い? まあ、喧嘩はそれなりにするけど。 てか、口拭けよお前』
キョウスケは尋ねた。
『マジか~、いや、実はシンスケって普段あんなんだけどケンカめちゃくちゃ強いんですよ‼』
もう1人の少年がハンバーグをナイフで切りながら言った。
『でも、お礼を言いに言ったら毎回“記憶に無い”って言うんだよね~』
もう1人の少年がジュースをストローで混ぜながら言った。
『そうそう。強い時のシンスケ君ってまるで別人みたいだったよね。一人称が“俺”だし、口調も荒々しくて』
もう1人の少年がフォークを口にくわえたまま言った。
『“二重人格”ってやつなのかな?』
もう1人の少年がパフェをスプーンでぐちゃぐちゃにしながら言った。
『“二重人格”...?』
キョウスケは言った。
...てか、なんでぐちゃぐちゃにしてんだ?
『....教えてくれてありがとな。 あっそうだ! これ俺の番号な。 まあ、病院から連絡あったらお前らにも連絡すっから』
キョウスケは言った。
『はい、僕らも何か進展あったらご連絡しますね』
少年達は言った。
『ああ、頼むよ』
キョウスケは言った。
ーーー...それから1週間ーーー
毎日、シンスケに電話をかけてみるが繋がる事は無かった。
その2日後。
キョウスケはシャワーからあがり何気無くテレビをつけ、そのニュース内容に絶句した。
なんとシンスケが母親と義父を道連れに無理心中をはかったらしい。
その結果、母親と義父は死亡。
シンスケは意識不明の重体となった。
ーーーーーー
『それからの俺....何か自暴自棄になっちまってさ。毎日酒飲んで毎日喧嘩して』
『最終的には刑事殴ってこの有り様だよ』
『捕まったのは傷害罪だけどさ。やっぱ.....色々してたからな。最終的には懲役688年食らっちまった』
キョウスケは寂しげにフッと笑って言った。
『だからさ...。お前見てると“二重人格”だったっていうシンスケの事思い出してつい構いたくなっちまうんだよな』
『キョウスケさん...』
カイトは涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにして泣いていた。
『ちょっ...!! 泣くなよ!!』
『言っちまってからこんな事いうのもなんだけど、出会って2~3日の奴にいう話じゃなかった‼ 本当ごめん!! だから泣くなって』
キョウスケは焦った。
『おい、お前達...いつまで起きてるんだ』
『早く寝ろ...。明日はお前達も出動するんだぞ』
サトミが屋上に上がってきた。
サトミは泣いているカイトを見てキョウスケに尋ねる。
『007...お前が泣かしたのか?』
『いや、違っ......くわねーか。でも、虐めた訳じゃねーからな!!』
キョウスケは焦った。
『......とにかく。部屋に戻って寝ろ』
サトミは溜め息をついてそう言った。
『はっ...はいィィ!!』
『ほっ...ほ~らカイト君お部屋に戻りますよ~。 アハハ...』
キョウスケは泣くカイトを部屋まで送っていった。
ーーー深夜の都内病院ーーー
その頃、シンスケが眠る病院では消灯時間となり各病室の電気が消されていた。
シンスケが突如、目を開いた。
第5話【弟】END