男装麗人は2人の妻と異世界をまったり生きる。 作:オダマキ
獣人の国 冬山 白亜の屋敷ハベナリア 2階 廊下 <8:38>
コツッコツッコツッ
中央に赤く長い絨緞が敷かれた、長い廊下をメイド服を身に纏った少女は絨緞を避けて歩いていた。少女は歩調を乱すことなく歩く。少女の目は一度も瞬きをせず、体制を少しも崩すことはない。
突き当りの少し大きい両開きの扉の前で止まる。何やら中から聞こえる。
???「ついに、ついにコルチカムとキ、キスを...」
???「す、すごく柔らかかった。」
少女は呟く
???「お慶び申し上げます。ご主人様。」
その後、少女は此処にきた目的を果たすために扉に手を近づける。
獣人の国 白亜の屋敷ハベナリア 2階 コルチカムの個室 <8:35>
キスを終え、数分がたった。しかし二人はまだ先ほど感じた大きな幸せと恥ずかしさに慣れることを出来ていなかった。一人は呆然とし、一人は先ほどした体験の余韻に浸っていた。そんな時
コン、コン、コン、コン 誰かがこの部屋の廊下に続く扉をノックした。
それを聞き二人はベットの上で慌てる。
コルチカム「だ、誰か来た。」
イベリス「まさか、オクサリスか?」
コルチカム「オクサリスならこの時間は山を見回っているはずだけど...」
???「お取り込み中申し訳有りません、ご主人様。マーキュリーでございます。」
コルチカム「あぁ、君か、入って良いよ。」
イベリス「ふぅ、良かった。」
マーキュリー「失礼いたします。」
二人は落ち着きを取り戻す。
扉が開き、青い髪の少女が入ってくる。
コルチカム「それで、どうしたんだい?どこかを破損したのかい?」
マーキュリー「いえ、私も妹たちにも現在、破損は確認されていません。この数日間、ご主人様は寝たきりでございました。ですので、昨日までお召し替えを妹たちと行いました。本日もお目覚めになられていないのなら、お召し替えをと思いまして伺いました。」
コルチカム「えっ....」
イベリス「そう、ご苦労様。」
マーキュリー「とんでもございません。私どもご主人様に作られた自動人形にとってご主人様や奥様に御奉仕することが至上の喜びでございますので。」
コルチカム「...な、なんでこんな格好を。」
どこか誇らしげな雰囲気のマーキュリー
コルチカムは今、普段自分が着ない様な袖のない、白いネグリジェを着ている。そのことにコルチカムは初めて気づく。今まで落ち着いていた顔を赤く染め、俯く。
その様子を見てイベリスは胸がキュンとなる。
イベリス(あぁ、コルチカムが恥ずかしがっている姿はやっぱり可愛い!ただのネグリジェを着てるだけで恥ずかしがってる!やばい、今からでも押し倒したいぐらい可愛い)
コルチカム(な、なんで僕がこんな格好をしてるんだ。、露出が多いよ!パジャマとかもっと何かあったろ⁉︎)
マーキュリー「なぜ、恥ずかしがっておられるのですか?よく似合っていらしゃいます。これで、ご主人様も立派なレディーでございま...」
コルチカム「僕は淑女になりたいんじゃない。僕は夫として、二人の妻を娶った身として、ジェントリーに振る舞える男になりたいんだ‼︎。」
マーキュリー「おっしゃる意味がわかりかねます。ご主人様は女性でございます。女性器や陰核に異常な発達も男性器の存在も確認されていません。」
コルチカム「えっ、裸を見たってこと⁉︎」
マーキュリー「当然でございます。下着も変えましたので。もしやご主人様はご自分の魅力に気付かれて居ないのですか?」
コルチカム「えっいや、まぁ...」
マーキュリー「いいですか?ご主人様。ご主人様の体つきはシャープで、胸はCカップ、腰はくびれ、お尻は程よい肉付き、肌は白くハリ・ツヤ共に良く、腰に届く銀髪は髪質・艶も良好です。骨格・筋肉の発達も女性的です。ご主人様は間違いなく非常に美しく、魅力的な女性でございます。」
コルチカムはこの自分で作り上げた人形が自分の裸を見ており、自分の体について、妻の前で話している状況に耐えられなくなって着ていた。
コルチカム「だから、そういうことじゃなくて!うぅー」
イベリス「クスクスクス」
コルチカムは仰向けに寝そべり掛け布団で頭まで隠してしまった。
イベリスはそろそろ助け舟を出す事にする。
イベリス「着替えは、私がしておくから良いよ。コルチカムの裸を私も見たいからね。他に用はあるかい?」
コルチカム「えっ?」
マーキュリー「いいえ、ございません。」
イベリス「じゃあ持ち場に戻って良いぞ。」
マーキュリー「承知しました。ご用の際は呼鈴をお使いください。」
イベリス「あぁ、分かった。」
マーキュリー「それでは失礼致します。」
マーキュリーは一礼し部屋を出て言った。
イベリスはコルチカムが被っている布団を剥ぐ。そして自分に向けられる赤い瞳、まだ赤い顔にニヤっとした笑みを向ける。
イベリス「さぁ人形は出て行ったぞ。着替えをしようか。それとも私がしてあげようか?」
コルチカム「自分で着替える!だから出てって!」
イベリス「そう、残念。見てるだけなら良い?」
コルチカム「ダメだ!終わったら呼ぶから出てって」
イベリス「分かった、分かった出てくよ」
そういってイベリスはベットから降りて、部屋から出て行く。
コルチカム「ふぅ、こんな恥ずかしい格好でファーストキスを体験したのか。これじゃあ普通の女の子じゃないか。」
そう言ってベットから降り、クローゼットに行き、着替えを始めた。
<8:50>
コルチカムは着替えを終え、今は白いYシャツ黒いスラックにベストを着て、黒いネクタイを締めている。
コルチカム「もう良いよ。」
そういうとイベリスが部屋に入ってくる。
イベリス「いつもと変わらんな。お前は少し女性ものを着たらどうだ。」
コルチカム「やだよ、君たちの夫として、格好だけでも男として振る舞いたいんだ。」
イベリス「ふふふ、お前は格好以外は乙女だからな。」
コルチカム「なっ、そんな事ない。格好以外も男っぽいだろう?」
イベリス「はい、はいそうだな。」
コルチカム「むっ」
イベリス「そんな事より、この後はどうする?散歩でもするか?」
コルチカム「そうだね、色々変わってないかスキルとか試したいことがあるし。」
イベリス「分かった行こうか。」
コルチカムは黒いオーバーコートを着て、顔を白い狐のフルフェイスマスク(顔全体を隠す仮面)で隠し、金色の腕輪を手首にする。サイズの合わなかった腕輪は手首に会う様に収縮する。
イベリスは着ていた黒いバックレスドレスの上にローブを羽織る。
獣人の国 冬山 ハベナリア 玄関前 <9:00>
廊下であった赤毛の人形メイド、マーズに出かけることを告げ屋敷を出る。そこには一面、銀世界が広がっている。地肌や木のほぼ全てを雪が覆っており、そこに足を踏み入れれば足は深く埋もれてしまう。
コルチカム「意識を失うまで、少し寒く感じていたのに、全く寒くない。寒さを軽減する装備はしていないのに。」
イベリス「幻獣は天使や悪魔、上位精霊と同じ、肉体はあるが、ほかの種族より霊的に傾いた存在だ。だから食事や睡眠、排泄などの行為は必要ない。温度にも影響されない。まぁ肉体はあるから生殖も食事も睡眠も可能だ。食べた物は全て分解され、魔力生成や身体の修復に補正がかかる程度で生命維持には関係ない。生殖以外はほぼ、娯楽だな」
コルチカム「そうだったのか。っていうか僕たちには、子供が出来ないからあまり意味はないのかもね。」
イベリス「ん?何故、子供が出来ないんだ。」
コルチカム「え?だって僕たちは女同士だろ。」
イベリス「あー、あまり知られて居ないことだが、天使族は全て両性だ黒天使、白天使、関係なくな。」
コルチカム「えっ?そうなの?じゃ、じゃあ...その...おち...あれは生えてるのかい?」
イベリス「いや、普段は女と同じだ。だが、女性を相手にする時だけ男のが生える。」
コルチカム「そ、そうなんだ。オクサリスもそうなのかい?」
イベリス「あぁ、そうだ。」
コルチカム「そうか...僕が君たちを受け止める側なのか。」
イベリス「あぁそうだな。あ、脅すわけではないが覚悟しておけよ?天使は絶倫なことが多い。まぁ、まだ私もオクサリスも経験がないから分からないがな。」
コルチカム「そ、そうなんだね。頑張らなくちゃね///」
イベリス「フフフ、なんだ、怖くなったのか?」
コルチカム「...ちょっとだけね、けど、君たちと子供が作れるなら、すごく嬉しい。だから頑張るね。」
イベリス「そうか。さぁ、こういう話は夜にしよう。で、スキルを確認しておきたいんだろ?」
コルチカム「ああ、そうだった。ちょっと後ろ向いて居て。」
イベリスは疑問に思いながら後ろを向く。
コルチカムはイベリスが後ろを向いたのを確認し、周囲を見回し、誰も居ないことを確認した上で、金の腕輪「獣人の腕輪」の効果を使い、腕輪と結婚指輪以外のものをインベントリに仕舞い全裸になる。そしてスキル『獣化』を使う。
コルチカムのシャープな体は全体に銀の毛が生え、筋肉などが膨れ上がる。歯が全て牙に変わり、頭は3つになり、竜の尾が生える。
コルチカム「ヴァウ」
イベリスは大体想像がついて居た。振り返ると、そこには、赤い6つの瞳でこちらを見てくる、巨躯の銀の毛が美しい獣が目の前に立って居た。
ケルベロス、それがコルチカムの種族である。
イベリス「その姿を見るのは久しぶりだ。美しいぞ、コルチカム、...撫でても、いいか?」
返事の代わりにを撫でやすい様に寝そべる。
イベリスは真ん中の頭に近づき、優しく撫でる。目尻を下げ、気持ちい感触に心が落ち着く
コルチカムは真ん中の頭は気持ち良さそうに目を細める。だが左右の頭は物欲しそうにイベリスを見つめ続ける。そろそろ我慢できなくなってきたのか、左右の頭から催促の声が発せられる。
コルチカム「キューン、キューン、キューン」
イベリス「ふふふ、待ってろ、今撫でに行くからな。」
その時遠くから、怒鳴り声と、悲鳴が聞こえる。
???「待ちやがれー!クソ、お前ら、さっさとしろ、この山にはやべーのが住んでるって言う噂だ。」
???「誰か助けてー、誰でもいいからー」
この小説を読んでくださり、誠にありがとうございます。どうせ誰も読まないだろうと思って居ましたが、この短期間に思っていたより、多い方に読んでいただけているのに驚いている、オダマキでございます。
なかなか、小説は書くのが、難しいものですね。書きたいこと、伝えたいことを文章化すること、どこで、どのくらいの情報を書いて良いのか等々、本当にむずかしいです。(泣き)ですが、これを読んで好きと思ってもらいたいので、下手ではありますが、何とか読みやすい様に自分なりに書いて居ます。
まぁ、愚痴はここまでにして、今回からこの、後書きに裏設定やアイテム・種族説明、一言など載せていこうと思っています。
天使族
・白天使 人間などの知的生命体への神からのお告げを伝える事や、神から神への伝言を任せられるなどのお使いと神の護衛を主な勤めとしている者達。非常に整った外見、白い翼、金色の毛髪が特徴。穏やかな性格の者が多い。剣や槍、盾の扱いを得意とし、基本、飛行しながら戦闘するが地上でも戦えないわけではない。また、結婚は神の許しが有れば可能。あまり、他種族に嫁ぐことも、女性と結婚することもないため知られて居ないが両性。
・黒天使 神の命に従い神を冒涜する者や世界を破壊しそうな者などを殲滅することと神の護衛を主な勤めとしている者達。非常に整った外見と黒い翼、銀髪、赤い目が特徴。敵と判断した者には攻撃的で冷徹。しかし、神には一途で忠誠心がある。鎌や斧、大剣などの一撃で相手を殺せる武器を得意とし、基本飛行して戦うが、地上での戦いも得意。また、結婚は神の許しが有れば可能。白天使と同じく両性なことがあまり知られていない。