男装麗人は2人の妻と異世界をまったり生きる。 作:オダマキ
獣人の国 冬山の麓 カケラ村
幻獣が住まう山、冬山の麓には|雪狼(せつろう)族という銀の髪に狼の耳と目、尾を持つ亜人が住まう村がある。
その村の入り口に狩りに出かける、少女の姿があった。少女は弓を手にし、矢筒を斜めがけしている。
???「気を付けて行くんだよー。スーラ」
スーラ「はーい。夕方には戻るから、熊肉、楽しみにしててねー!」
そう行って少女は山の方に駆けて行く。
雪の解けない山に入る。背の高い木々が生えており、視界はあまり良くない。
スーラ「今日狙うは熊一択。さぁ、出ておいで、クマチャーン。」
スーラ「っと、あれは。」(小声)
少女の視界にここでは見慣れない者を捉える。人間だ。10人ほどいる。距離は100ぐらい。
そのまま人間を尾行する。ないとは思うが、念のため迷い込んだかを判断する為。
この冬山は幻獣が所有する、つまりは購入された山。ここに立ち入ることは原則許されていない。だが、幻獣がこの山を購入する際の獣人の国側の条件により、雪狼族の者は例外とされている。
この山で取れる魔獣の肉や皮、脂は好評だ。特に脂はあまり他の場所では取れない為需要が高い。環境に適応した魔獣は脂肪を蓄えるため、量が取れる。この脂は獣人の国で、料理の際によく使われており、また、ランタンなどの明かりの燃料の材料など、用途は多い。皮は防寒具に、肉は雪狼族が食べている為、あまり出回らないが、特に熊肉が美味しいと言われている。雪狼族は魔獣の皮と脂を主な収入源にしている。
その為、雪狼族は、自分たちの収入源を守る為、何より縄張りを守る為、侵入者に容赦しない。対処としては侵入者を殺すこともあるし、遠吠えをし、魔獣や幻獣などを呼び、撃退してもらうこともある。
また、この山には幻獣の他に、幻獣の娶った天使が2人おり、よく、山の上空を飛んでいるのを見かける。許しを得ずにこの山に立ちいれば、この山の魔獣はまぁまぁ強いので殺されることもある。また、近年、侵入者が多い為、今まで、追い払っていた幻獣や天使は攻撃的になっていると言う噂も聞く。あの2人と1匹に殺される時も、そう遠くはないだろう。
獣人の国 冬山 中腹
???「どこかいねーかな、熊野郎。」
???「あれは、高く売れるからな。何としても捕まえてーな。」
???「狐の方も毛皮がたけーんだよな?」
???「あぁ、確かな。」
???「だけどよーめっちゃヤバいのいるって聞いたぜーこの山。」
???「あぁ、人間を真似てるけだもの共がここらに出るって話だな。」
???「それだけじゃねーんだよ。天使様がいるとかでよ...」
???「いるわけねーだろ、こんなとこによ。」
スーラ(なるほど、密猟者か...命知らずな、幻獣様も容赦しなくても良いのに)
スーラは姿勢を低くして、木の近くに移動し、獲物を狩る時と同じ様に弓に矢を番え、狙いをつける。そして放つ。
矢は一直線に木の間を縫って飛んで行き、弓矢を持った人間の頭に命中する。
密猟者a「狙撃だ!木に身を隠せ、あっちの方からだ」
密猟者b「ちっ!雪狼族か。」
密猟者c「ヤベーよ!ロバースの頭に刺さってる。」
密猟者d「ありゃ助からん。」
密猟者a「おい、回り込め。お前なら、見つからねーだろ?」
斥候「わかった。」
密猟者a「俺らは隠れながら近づくぞ。」
密猟者達『おう』
人間たちは自分たちを囮にしながら近づく。斥候系職業の1人を回り込ませて一撃食らわせ、体制を崩したところで、全員で仕留める。そう言う作戦に出る。
スーラは自分が打った方向を掴まれている事と作戦を聞きその場を離れる。
スーラはもう一人殺す為に奴らが歩いている方向で、射線の通る場所を探し、恐らく通る場所でまた矢を番え、放った。
今回は胸に命中した。そこで、スーラは別行動しているはずの一人の足音がしないことに気づく。
スーラ(この位置まで、まっすぐ来た。足跡もここに続いてる。やばい、早く離れないと。っつ!)
その時、気配を感じ、飛び退く。だが肩に傷を負い、矢筒を落としてしまう。
その間に他の人間も合流し、囲まれる。
斥候「よくも仲間を殺してくれたな、楽には死ねねーぞ。この雌犬が」
スーラ「マジか。もうここまで来るとは思わなかったな。」
密猟者b「クソ!このアマ、2人も殺しやがって。グッチャグッチャに犯して、犯して、ぶっ殺してやる‼︎」
密猟者a「へへへ、まぁ待てや。まさか、女だとはな、奴隷として売りゃ、こんな仕事やらなくても良くなグガッ」
スーラは隙だらけな男を腰につけていたナイフで首を斬りつけ、そのまま逃げる。
密猟者「待ちやがれー!クソ、お前ら、さっさとしろ、この山にはやべーのが住んでるって言う噂だ。」
スーラ「誰か助けてー、誰でもいいからー」
獣人の国 冬山 中腹
イベリスを真ん中の頭の首に乗せ、コルチカムは、その巨躯で木にぶつかる事なく駆ける。上に乗るイベリスに負担がかからぬ様、しなやかに。
コルチカムは複数の足音、呼吸音、怒鳴り声を耳で察知し、それを基に、それを追う。
イベリス「あともうちょっとだ。さて、どこの誰だ、この山に侵入した馬鹿は。」
コルチカム(足音の間隔が早い。まだ走ってる。生きていてくれ。)
イベリスはインベントリから、黒く大きい鎌を取り出し、イベリスは冷笑を浮べる。
そして、ついに雪狼族を視界に収める。まだ追いつかれていないようだ。
密猟者b「来た!なんかでけーの来た!」
密猟者e「逃げるぞ!」
密猟者g「どこにだよ!」
密猟者h「そn...グギャァッ」
そう密漁者達が騒いでいる間にコルチカムは二人を噛みちぎり、一人を尾で突き刺す。
イベリスはコルチカムに斬りかかって来た男を真っ二つにする。
残り4人
密猟者b「やってられっか、俺は逃げるぞ!」
密猟者g「なんでこんなとこに堕天使がいんだよ」
密猟者e「死にたくない!死にたくない!」
密猟者達は今更、逃走を開始する。
それをコルチカムは追わない。いや...
コルチカム「...」
イベリス「どうした?コルチカ...っつ!」
コルチカムの目は血走り、牙を剥き、尾が激しく地面を叩く。魔力や殺気が爆発的に膨れ上がる。
イベリスはヤバいと思い。すぐに獣人の方に全速力で飛び、抱き上げて、空に避難する。
次の瞬間コルチカムはとても鈍く、恐ろしい、咆哮をあげる。それと同時に、首や背から大量の白蛇が顔を出す。
コルチカムは逃走している者たちに近寄り、尾を横に回転しながら振るう。
木々と一緒に全員の体が二つに分かれる。濃厚な血の匂いと赤色が辺りに散らばる。二つに分かれていても生きている者や内臓が飛び出ている者、倒れた木に潰されてる者など、悲惨だ。
そして、コルチカムは堕天使とほざいた男の体に近づく。後ろ足で立ち、全体重を乗せ、一気に前足を叩きつける。
爆発音と共に衝撃波があたりを揺らす。そこにはコルチカムを中心にクレーターが出来上がる。
地肌が露出し、木々の雪は吹き飛び、その細身を晒す。
イベリス「コルチカム...何をそんなに...はっコルチカム逃げろ!!」
イベリスは気絶した獣人の少女を抱え、叫ぶ。
ゴゴゴゴゴォォォ
その時、頂上付近から、雪の波が押し寄せて来た。
コルチカムはそれを避けることはしなかった。波に打たれてもその場から全く動くことはなく、むしろ気持ち良く感じていた。暑くなりすぎた、頭を冷やすのには丁度いい。そう思っていた。
イベリスは心配そうに見ていたが、全く、動じない姿に安堵する。
雪崩が収まった後、獣人が目覚めるまで待ち、山の麓近くまで送った。
コルチカムの首に乗るイベリス。もう蛇の姿はどこにもない。
スーラ「あ、あの、本当にありがとうございました。幻獣様と天使様が来てくれなかったら、私、死んでいました。」
イベリス「まぁ自分の分を弁えることだな。一人で出来る事など微々たる物だ。」
スーラ「は、はい。心に刻みます。」
イベリス「ではな。」
コルチカムは歩く。イベリスとの時間を少しでも味わいたくて、今回はゆっくりと。
この小説を読んで下さり、誠にありがとうございます。書いてる途中は平気だけど、自分の小説を読んでると恥ずかしさに悶えてしまうオダマキでございます。
今回は書いてる途中ネットで、ケルベロスの鳴き声は、青銅の声と書かれており、どう表現すれば良いの?っとちょっと涙目になりました。擬音って表現難しいですね。w
魔物 魔族や悪魔の下位互換。体に黒い模様がない。人間や亜人、天使などに敵対的。知能、社会性、スキル、ステータスが魔族、悪魔に劣る。魔物<魔族<悪魔となっており、進化により、悪魔になって行く。
・魔人 人型の魔物や魔族、悪魔を指す。知能は魔獣より、高い事が多いが、個体による。また、魔物は一部を除き、高位になると魔法などを使いこなすことで知られている。
・魔獣 獣型の魔物や魔族、悪魔を指す。魔人に比べ知能は低いことが多いが、本能的で、ステータスが高い。高位になると身体能力が高く、ステータスが偏ることが多い。
・魔族 魔物の上位互換 体に個体で異なる黒い模様が1〜5つまである者を指す。魔物に比べ、確実に強く、スキルやステータスが多く発現する。知能や社会性も発達しており、街や国で働くなどができるようになる。長命である事が多く、一部は寿命がない事もある。
・悪魔 魔族の上位互換 体に個体で異なる黒い模様が6以上ある者を指す。この模様が多いだけ強いと言われている。寿命がない者がが多く、魔族と比べ、とても強く、とても攻撃的。しかし、魔族、悪魔を纏め上げ、魔王を頂点にした国を形成している。基本的に排他的であるが、貿易などもしている為、世界を敵にしているわけではない。有名な悪魔はドラゴンや、魔王ベルゼブブなど。