【遺跡編完結!】聖国のジルフリーデ 〜勇ましき姫と気高き女騎士と、男勝りな女戦士と妖艶な女盗賊は、媚薬の罠に乱れ喘ぎよがり狂うも、心だけは屈しない〜 作:オリーブドラブ
晴れやかな青空が広がる昼間の城下町。6年間の復興を経たこの街は大勢の人々で賑わっており、かつての惨劇からは想像もつかないほどの活気を見せている。
その中でも一際、多くの客で賑わっている話題のパン屋があった。類稀な美貌とスタイルを活かして絶大な人気を集めている「看板娘」を目当てに、何人もの男性客が連日詰め掛けているのだという。
その「看板娘」ことメイメイには、聖国内に巣食う悪人を闇に紛れて始末する、暗殺騎士としての一面があるのだが――その裏の顔を知る者は、騎士団の仲間達を含めてごく僅かだ。
何も知らない男性客達は話題の看板娘の美貌と爆乳に鼻の下を伸ばし、ウキウキした様子でパンを購入している。可愛らしいウェイトレス姿を披露しているメイメイは、男達の視線を理解した上で華やかな愛想を振り撒き、笑顔でパンを売り捌いていた。
「お買い上げありがとう! また来てねー! ……って、あら? 久しぶりじゃない、あなた達がこの店に来るなんて」
そんなメイメイの前に、2人の「久しい客」が現れた。
彼女達の瑞々しい柔肌から分泌されている極上のフェロモンに鼻腔を翻弄され、思わず前屈みになる男達。彼らはひ弱な逸物を力一杯怒張させ、女騎士達の肉体美に釘付けになっていた。
「やっほーメイメイ! 遊びに来たよ〜!」
「ふむ、なかなかに繁盛しておるようじゃな。メイメイほどの器量良しが看板娘を勤めておるのだから、それも当然か……。どれ、ワシらにも一つ貰おうかの」
「ありがとう2人共、実は最近新作が出来たところなのよ。今度、感想聞かせて頂戴」
「うむ、ワシらも楽しみにしておるよ」
悠然とした佇まいで声を掛けるリリアイナ。天真爛漫な笑顔を咲かせながら、乳房を揺らして手を振っているサーシャ。そして、そんな2人を快く出迎えるメイメイ。
彼女達3人は「表向き」には、騎士とパン屋の顔見知り――ということになっている。彼女達は日常を謳歌するように微笑み合い、「店員」と「客」としての何気ないやり取りを交わす。
「……」
――だが、袋に詰まった「新作」のパンを渡す瞬間。人知れず神妙な表情を浮かべるリリアイナが、そっとメイメイの頬に顔を寄せる。その仕草に「次の任務」を予感したメイメイも、暗殺者としての鋭い表情を露わにしていた。鋭利に細まった2人の目線が、至近距離で交わる。
「……先刻、団長とリリーナから通達があった。例の……国境線付近を根城にしている賊の件じゃ」
「団長達は……何て?」
「やはり、元帝国兵で構成された手練れの集団……と見て間違いないらしい。ジルフリーデ陛下も我々の派遣を決定なされたそうじゃ。じきに出動命令が掛かる、お主も準備しておけ」
6年前、この国を徹底的に蹂躙した忌まわしき帝国軍。その存在に連なる者達に対して憎しみを持たない聖国騎士など居ない。無論、メイメイもその1人だ。義憤を押し殺して「任務」を告げるリリアイナの言葉に、メイメイも殺意を帯びた表情で頷く。
「……分かったわ。これまでは国内の下衆共ばかりが相手だったけれど……どうやらいよいよ、6年前の雪辱を果たす時が来たようね。サーシャも覚悟は良い?」
「……覚悟なら、『出来てる』なんてものじゃない。私は団長達の話を聞いた時からずっと、ウズウズして堪らなかったよ。この刃を一切の躊躇なく振るえる相手が、ようやく現れたんだから」
冷たく研ぎ澄まされた、帝国人に対する鋭利な殺意。その感情を内に秘めているのは、リリアイナとメイメイだけではない。先ほどまで朗らかに笑っていたサーシャまでもが、別人のような鋭い表情でメイメイと視線を交わしている。彼女の白い手指はすでに、腰に隠されたダガーの鞘に触れていた。
――その頃。メイメイが居るパン屋から少し離れた街道では、ある一つの「騒ぎ」が起きていた。
酒場と宿屋の前で声を荒げている爆乳女騎士ことアイシャ・ライネストが、マーマリアとリン・クリューガーの「淫行」を咎めていたのだ。好みの男と女を見つけた2人は、白昼堂々それぞれのターゲットを引っ掛けようとしていたのだが、その現場をアイシャに抑えられてしまったのである。
「マーマリア、リンッ! 貴様らァ……! 2人揃ってこんな真っ昼間から、堂々と男漁りとは何事だッ! 神聖なる聖国騎士団の一員でありながら、破廉恥極まりないッ!」
「ちょっともー、誤解だってばアイシャ! 私はほら、ちょっと良さげな男が居たから声掛けてみただけだし! 至って健全なコミュニケーションだし!」
「そ、そうそう、それに僕に関しては『女漁り』と言ってくれた方が正しい。ちょっとお酒が入ってしまった女の子を、そこの宿屋に
「全く弁明になっておらんわッ! 騎士団の一員としての自覚が無いにも程がある、という話をしているんだぞッ!」
鬼気迫る表情で詰め寄るアイシャに対し、マーマリアとリンはしどろもどろになりながらも弁明しようとする。しかし、この手のトラブルの常習犯である2人の言い分など、堅物のアイシャに通じるはずもない。すでに彼女は愛用のグレイブに手を掛け、臨戦体勢に入っていた。
「騎士団内の問題行動は貴様ら2人に限ったことではないが、今日という今日はタダでは済まさん! 2人共そこに直れッ! 国の威信を背負う聖国騎士としての立場というものを、今度こそ分からせてくれるッ!」
「やっば、アイシャが一度こうなったら疲れ果てるまで止まらないのよねぇ……。リン、ここは逃げるわよ!」
「そうだね! それじゃあ、囮は任せたよマーマリア!」
「ちょっ!? あ、あんたっ!」
「待たんか2人共ぉおおおぉッ!」
自分達を捕え、地獄の説教を始めようとしているアイシャの気迫に慄くマーマリアとリンは、この場から逃げ出すべく動き出したのだが。リンは一足早く宿屋の屋上に跳び上がると、マーマリアを置き去りにして走り去ってしまう。
「リ、リンの奴〜っ! 後で絶対にとっちめてやるんだからっ!」
「待たんかマーマリアッ! お前の淫行は特に目に余るッ! 今日こそは逃さんぞッ!」
「ちょっ、ちょっともー、勘弁してよぉっ! 今度あんたの部屋に置いてあるような、可愛いぬいぐるみ買ってあげるからっ!」
「んなっ!? な、何故それをッ……! しかもこんな往来でよくもッ……! ……絶対に許さんぞマーマリアァア! この恥辱ッ……貴様の命で償えぇええッ!」
「……やっべ、要らんこと言ったかも」
建物から建物へと軽やかに跳び、あっという間に逃走して行くリン。そんな彼女に「囮」を押し付けられたマーマリアに狙いを定めたアイシャは、グレイブを振り上げて街道を疾走し始めていた。往来の前で「可愛い物好き」を暴露された彼女は茹蛸のように顔を赤らめ、涙目になりながら怒りを露わにしている。
どうやら3人共、掃討作戦に向けた「準備運動」は万全のようだ――。
◇
――そして、数日後。海に面した聖国領内の港でもある、レゾリューション辺境伯の居城は、静かな夜を迎えていた。月光に照らされた港の景観を、城のバルコニーから眺めているレゾリューションは独り、聖国騎士団から支給された
長柄の斧を持ち、
「……そこに居るのであろう、フィア。今ここには妾しか居らぬ、近う寄れ」
この月夜に紛れ、人知れず城内に潜入している使者。その存在を察知していたレゾリューションの言葉が、艶やかに響き渡る。次の瞬間、黒の
彼女の肉感的な両脚がふわりと床に着地した瞬間、豊満な爆乳と安産型の桃尻がぶるんっと弾む。軽鎧の上に羽織っている漆黒の外套は、Iカップの巨峰に押し上げられカーテンのようになっていた。
「……さすがですね、レゾリューション辺境伯。気配は完全に消したつもりでいたのですが」
「ふっ、妾を甘く見るでない。……そなたが来たということは、ジルフリーデ女王の要件じゃな?」
自身の潜入を容易く見抜いていたレゾリューションの慧眼に感服し、目を伏せて跪くフィア。そんな彼女に背を向けたまま、得意げに鼻を鳴らすレゾリューションは即座に彼女が来た理由を看破する。フィアの存在を感じていたからこそ、彼女も武装した状態でこのバルコニーに立っていたのだ。
つまらぬ問答は無用と言わんばかりに「本題」に移ろうとするレゾリューション。その意を汲んだフィアは白く豊満な爆乳の谷間に手を伸ばし、その深淵に挟み込まれていた書簡を彼女に捧げる。
「……はい、陛下からの書簡です。大至急、辺境伯に届けるようにと」
「ふむ……確認しよう」
フィアの芳醇な匂いを帯びた書簡。それを受け取ったレゾリューションはその内容に目を通し、自身の直感に狂いは無かったのだと実感する。書簡に記されていた「現状」を目にした彼女は、今まさに戦場に赴かんとする女傑の貌を露わにしていた。
「フィアよ……直ちに王城に戻り、陛下にお伝えするのじゃ。このレゾリューション、喜んで馳せ参じるとな……!」
「……御意」
それは分かり切っていた答えだったのだろう。レゾリューションの参戦表明を目の当たりにしたフィアは彼女の言葉に頷き、瞬く間にその場から姿を消してしまう。
白い乳房と桃尻をぶるんっと揺らして跳び上がり、城の屋上を駆けて走り去って行くフィア。月光を浴びて輝く彼女の柔肌は、その隅々から蠱惑的な色香を醸し出していた。
「……6年前のあの戦争以来。妾達は皆、心のどこかで帝国人への恐れを……それ故の傷を引き摺り続けて来た。だからこそ、この戦いを制することで……この国を、前へと進ませねばならぬ。それが……あの戦いで散って行った人々への弔いとなろう」
月夜の彼方に消えて行くフィアの背中と白い桃尻。その絶景を見届けたレゾリューションは港の方へと向き直り、愛用の長柄斧を握り締めていた。
6年前の戦争で、帝国人により癒えぬ傷を付けられた聖国人は数知れない。祖父と父を殺され、若くして領主を継がねばならなくなったレゾリューションもその1人だ。
同じ苦しみを分かち合って来た騎士団の同胞達と共に、今度こそ6年間に渡る悪夢を斬り払う。その決意を新たにしたレゾリューションは踵を返し、出陣の準備を始めるのだった。
◇
――かくして。ラフィノヴァ団長を筆頭とする新生聖国騎士団は、帝国軍残党との決着を付けるべく、森林地帯の遺跡へと旅立ったのである。この作戦に参加した騎士達は皆、今の自分達が敗けるわけがないと確信していた。必ずや勝てると、心から信じていた。
その先に待ち受けている、凄絶なる快楽の罠を知らぬまま――。
今回は前回に引き続き、遺跡に発つ前のラフィノヴァ達の様子を描いた前日談となりました。まさかジルフリーデも信じて送り出したラフィノヴァ達が種付けされ、デキる寸前になって帰って来るとは思わなかったことでしょう……。最後まで読み進めて頂き、ありがとうございました!m(_ _)m
現在はちいさな魔女先生が、本作の2次創作作品「サーシャ・メイは動かない(https://syosetu.org/novel/330178/)」を公開されております!
【挿絵表示】
遺跡編の後日談に相当する物語であり、媚薬漬けの後遺症を治すための旅に出たサーシャ・メイ(↑のキャラ)を主人公とする、大変えちえちな冒険譚となっております! 機会がありましたら是非ともご一読ください〜!(*'ω'*)
お気に入りのキャラがいましたら教えてくださいませ〜(*´ω`*)
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ジルフリーデ
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ラフィノヴァ
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ベーナゼット
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ロザヴィーヌ
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アリアレイテ