ふと、目を覚ます。
周囲がまだ暗いことに気づいて、さくらは何となく夜の深い時間なのかもしれないと思った。
それから、温かい布団の中で誰かに抱きしめられているのに気付く。それだけで、さくらは満たされて、安心したような表情を浮かべて。愛する人の腕の中に身を寄せた。
(よかった――)
さくらは思わず安堵して、静かに息を吐く。
もし、起きた時に誰もいない部屋を想像したら、それだけで胸が締め付けられる。ひとりぼっちになる寂しさと、優しくて愛しい人の温もりを失う怖さ。そして、大切な人がいなくなる喪失感を考えただけで、さくらの心は張り裂けそうになる。
だから、さくらは愛おしげにあなたを見つめる。
ずっと、傍にくれると約束してくれた大切なひと。
もとより、自分に血を分け与えてくれて、それから愛し合って、肌を重ねて、抱きしめあった仲だ。離れるつもりもないし、離れたくもない。この腕の中にいてくれる限り、ずっと傍にいたいと思う。傍に居続けてほしいと思う。
自分たち夜の一族は同族とは提供しあえない。
だからこそ、一族を愛してくれて命の源を分け与えてくれる人は本当に大切で。
(あったかい――)
だからこそ、こうして腕の中に抱きしめてくれる人の温もりを求めてしまう。
すごく安心できるから。
それを、自分から手放すことなんて出来ないし。もしも、それを失ったりしたらと思うと、さくらは気が狂いそうになる。実際、誰もいない家で待っているときは、不安で泣きそうになってしまうときもあった。
けれど、今は傍に居てくれる。こうして眠っている時も。さくらが不安で泣いていた時も。
傍にいて慰めてくれる。
それがどれほどの安心感をもたらしてくれたか。きっとどんなに言葉を尽くしても足りない。
「ん……」
だから、さくらも同じように態度で示す。寝ているあなたを起こさないように、そっと頬に口づけをして。それから、四つん這いになって上からあなたを見下ろした。カーテンの隙間から見える月明かりに照らされて、静かな夜でもあなたの顔がよく見える。
(あなたのことが大好きです。愛しいあなたのことが大好きです)
(だから、ずっとそばに――)
もう一度、あなたの頬に口づけを。それから首筋に顔を寄せて、安心するように匂いをかいで、自分の匂いをこすり付けて。
それから再び眠りについた。
……筈だった。
(……どうしよう)
(全然、眠れない)
さくらは目を瞑っても、眠ることができなかった。
それどころか徐々に身体が熱くなっていって、股の下が疼いてたまらなくなってくる。
「はぁ……はぁ……んっ!」
隣で眠る愛しいあなたを起こさないように、服の下にそっと手を伸ばす。そして、指で慰めるようにして、ゆっくりと擦る。
「あっ……ああっ、ん……っ」
思わず声が出そうになるのを我慢する。何度も何度も擦ったり、指を浅くちょっと入れたりして動かす。そのたびに快感が背筋を突き抜けていって、頭の中が真っ白になる。何度も何度も指で触れて、愛撫していく。
なのに、全然収まってくれない。それどころか、もっと。もっと。と欲求が高まっていくかのようだった。
「んんっ……はぁ……はぁぁっ!」
慰めれば慰めるほど、身体を包み込む熱が高まって行って、さくらの身体を敏感にさせていく。ブラジャーに隠された胸の先端が勃ってしまって、擦れて痛い。
パジャマのボタンの隙間に手を突っ込んで、乳首を潰すように摘まむ。
「っ―――あああぁっ――」
それだけで頭の中がおかしくなりそうになって、気持ちがよくて、声が出てしまう。秘部を擦り続ける指の動きも激しくなっていく。
なのに快楽は一向に収まらない。収まってくれない。
「だめ……だめぇ……がまん、しないと……」
「っ……あっ、あっ……だめ、だめぇ……」
「ばれ、ちゃう……ばれちゃう、の……」
今日は満月に近くて、人狼と吸血鬼の血を引いているさくらは無性に高まってしまっていた。おまけに、夜の一族にとってのあの日が近くて。欲情しやすくなっている。けれど、頭では分かっていても、身体が無意識に自慰することをやめてくれない。
愛する人との間に子孫を残せと。種族としての本能が、さくらに囁きかける。欲しくて、欲しくて、堪らなくさせる。思わず足りなくなって両手であそこに触れ始める。だんだんと指で擦り付ける速さを強くしていく。
「あっ、あっ、あっ……あああぁぁぁっっ……」
そうして、さくらは絶頂を迎えた。両手で秘部を抑えて。あまりの刺激の強さに声が漏れてしまって。慌てて声を潜めるが、高まった熱は全然収まってくれない。
(声を……がまん、して……起こさないように……でも……)
(たりない……たりないの……)
(ほしくて、たまらないの……)
思い出す。
受け入れてくれて赤い命を分けてもらった時のことを。
とても美味しくて、濃厚で。少しずつ飲み込む度に、さくらの渇きは満たされていった。
そうすると、今度は温もりが欲しくなって。愛おしくて、愛おしくて堪らなくなって。あなたのことを想う度に身体が疼くようになってしまって。我慢できなくなっていった。だから、満たされるために。せめて、自分ができるお礼として、さくらの全てをあなたに捧げて。
とても気持ちが良くて。抱かれているときのことを思うだけで、とってもエッチに気分になってしまって。それくらい気持ちがよくて。
その時のことを考えているだけで、堪らなくなる。
幸せな気分になってしまう。
(やっ……あっ、ん……!)
想像する。自分が抱かれているときのことを。モノを受け入れて、何度も突き入れられた時の快感を。あの熱くて、激しい感触を。
それを考えるだけで、さくらのえっちな気持ちが、さらに高まっていく。あなたの隣で自分で自分を慰めていく。
けれど、何かが足りなくて、気持ちいいのに。全然満足できなくて。
自分の
あなたのがいい。自分を受け入れてくれたあなただからこそ繋がりたい。
エッチしたい。セックスしたい。抱いてほしい。満たしたい。満たされたい。
我慢、できないっ。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「ごめん、なさい……ごめん、なさい……」
口では謝っているのに。さくらの頭の中はエッチなことをするのでいっぱいだった。無意識に隣で眠っているあなたのことを求めてしまう。
さくらは熱くなった身体を冷ますよう、もどかしそうにボタンを外して上着を脱ぎ捨てた。そして、さくらの上半身は綺麗な白い肌と下着だけの姿になる。
そして布団の中にもぐりこむと、あなたのズボンのチャックをずりおろして、そっとずらした下着からそれをむき出しにする。
「あむ、ちゅずるる……ちゅむ、れろ……」
そして我慢できないとばかりに口でして、舐めとって、咥えこんだ。いつもしている時と同じように。まだ、数回だけしか、してあげられてない。それでも、どういう風にすればあなたが気持ち良くなってくれるのか、さくらは知っている。
「あむ……むぐ、ちゅぱ……ちゅうぅ……」
口の中で膨らんでいくそれを巧みに咥えこんで、それの周りや先端の割れ目を、時に舌の先でくすぐっていく。そして、大きくなったソレを何度も口で圧迫して、し続けて。
「―――っ」
小さなうめき声とともに、高まった射精感を吐き出すようにして。あなたのあそこから勢いよく精が吐き出された。
「むぐぅ……!? ん、んぐっ……ごくっ……」
それを、さくらはいつものように喉を鳴らして飲み込んでいく。あなたの味がして、美味しいというように何度も何度も。時に舌を使って唇についた精まで舐めとる。
「ちゅ……ちゅう、れろ……」
それから勢いよく吐き出してくれたあなたの分身に、とても愛おしそうにキスをして。舌でねぶるように何度も舐めた。
けれど、さくらの欲求不満は収まらない。むしろ、ここからが本番というように、あなたのそれを巧みに握って再び勃起させてしまった。そして、自身の邪魔なパジャマのズボンも、下着も脱ぎ捨てて、さくらはその美しい裸のすべてを月明かりにさらしてしまう。
今の季節が夏で良かった。冬はきっと寒さで起きてしまうから。
「また、ほしい……なんど、でも……」
「だから……」
だから、二人で被っていた布団をゆっくりとずらして。二人で月明かりに照らされながら。自分のあそこに、あなたのそれを招き入れるように導いて。
「はぁ……はぁ……」
期待するように荒い息を何度も吐きながら。
「……っ」
ゆっくりと腰を沈み込めるようにして。彼女は大きく膨らんだあなたの分身を、自分のなかに受け入れた。
「……っああああああっ!!」
その、あまりの気持ちよさに我慢していた声を漏らしてしまう。いや、もはや嬌声を通り越して叫び声に近いかもしれない。
「ああっ、はぁっ……っ、むぐっ、むううっ……!!」
だから、咄嗟に両手で口を押えて声が漏れるのを我慢するが。腰をくねらせて動くたびに、あそこから。下腹部から快感が背筋を突き抜けて行って。何度も、何度もさくらの頭の中を真っ白に染め上げる。
「あっあっ、ああっ……!」
膣内で締め付けるあなたのモノを感じるたびに、さくらは気持ちよすぎて、無意識に腰を動かしてしまう。何度も何度も挿入を繰り返す。その快楽を味わって、その全てを飲み込んでしまうために。
「やっ、あっ……んんっ……」
奥を突かれるたびに、激しい快感がさくらを襲ってきて。その度に我慢している声が漏れてしまう。声を抑えようと両手で口を塞ぐけれど。バランスを取るために両手を使って、身体を自分で支えないといけないから、結局漏れ出る声を我慢できなくて。
「だめ……だめぇ……!!」
「たりない……たりない……」
「もっと……もっとぉ……!!」
あなたのを全身で感じながら、さくらは腰の動きを強くしていってしまう。
止められない。止まることができない。あなたと繋がっているのがあまりにも気持ち良すぎて。
「あっ、あっ、あっ……! んっ……!!」
もう、淫らな声を我慢するのも、もどかしかった。
(だめ……おきちゃう……)
(はやく、しない、と……)
(みられちゃう……こんなすがた、みられたら……)
(きっと、嫌われちゃう……ふしだらな、おんなだって……)
はやく、この疼きを納めないといけない。
(でも……とまらない……)
(とまらないのっ――)
でも、気持ちとは裏腹に、さくらを包み込む快楽と熱は最高潮まで高まって行って。
あなたとの結合部からは何度も淫らな水音が響いて、さくらの快感をさらに高めていく。えっちな気分をさらに加速させる。
もう、さくらは自分でも何をしているのか良く分からないくらい自分が止められなかった。あまりの気持ちよさに夢中になってしまうくらいに。
きっと、あなたが目覚めていたら。とても強い違和感と共にあそこから激しい快楽に襲われて。思わず何度も腰を突き上げてしまったかもしれない。それほどまでに今のさくらは淫らで。あなたの前で自分の胸を揉みしだく姿も、一生懸命あなたの分身を締め付けて包み込む秘部も。紅潮した頬も何もかもがあなたを引き付けて止まなかっただろう。
それほどまでに、月明かりに照らされた彼女は美しかった。その表情は普段は見られない姿に染まっていて。桜色の髪の香りも。汗ばんだ肢体も。むせ返る性臭も。熱くなった柔らかい肌の感触さえも。何もかもがあなたを虜にして離さなかっただろう。
けれど、疲れ切っていたあなたは起きる気配がない。あるいは起きていて必死に寝ているふりをしているだけかもしれない。
本当は、その手でさくらの身体を支えてもらって、触れ合う手のひらを肌で感じていたかった。腰を振りながら、自分じゃなくてあなたに胸を揉んで貰って。それから乳首も摘まんでもらったら。きっときっともっと気持ちが良い。でも、寝ているかもしれないあなたを起こすことなんて出来なくて。勝手にこんなことをしている事が申し訳なくて。
「あっ、あっ……あああぁっ! ああっ!!」
なによりもさくらの
さくらは一向に腰の動きを止める気配がなかった。夜の一族の、人狼の底なしの体力で。あなたが精を吐き出すまで淫らに腰を振って、挿入を続けるつもりなのだろう。
「やっ、あっ……きちゃう……いっちゃう……」
「もっ……だめっ、……だめだめっ……!」
そうしてさくらはいっそう激しい騎乗位の果てに。最高潮の快楽を迎えて。
あなたの分身を奥の奥まで突き入れた。
「あっ、ああっ、ああああぁぁぁっ………!!」
激しく、激しく叫びながら絶頂を迎える。
深く沈めた膣の奥の奥で、あなたの分身から激しく吐き出される精を感じながら。それを無意識にぎゅうぎゅうと自分のなかで締め付けながら。
「はあああぁぁっ……ああぁ……っ」
さくらは、最後の一滴まで絞りつくすように。自分の中でそれを受け止めた。
そうして、ふっと中が緩んで、力が抜け。さくらはゆっくりと腰を上げる。結合部から精液とあふれ出る愛液が零れ落ちてゆく。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
荒い息を吐きながら呼吸を整える。気を抜くと全身から力が抜けてしまいそうだった。
「きもちよかった……」
「ん……❤」
そうして満足したさくらは、あなたを起こさないようにゆっくりと動く。
「ん……ちゅ……んん……れろ、れろ……」
あなたの分身についた愛液と精液を綺麗に舐めとって、近くにあったティッシュで涎をふき取る。それから、あなたを起こさないように部屋を出て、洗面所で秘部の周りや下着の処理を済ませる。
本当ならシャワーでも浴びてしまいたいところだけど。行為で疲れたせいか眠くなってきた。それに、どうせならあなたと一緒に入って抱きしめられながらシャワーを浴びたいと思うから。
だから、おとなしく着替えを済ませたさくらは、新しい下着姿であなたと同じ布団に入り込むと。満たされた表情であなたの腕の中に納まるのだった。
(うぅ……ばれてる、かな……)
(でも……すごく、気持ちよかった……)
「うぅぅぅ~~……」
思わず気恥ずかしくなって、あなたの腕の中で静かにうなり声をあげるさくら。
でも、やっぱり、あなたの腕の中はとても暖かくて。その身に身体を寄せると、とても安心できる。
それから愛しい人に、もう一度口づけを。
――だいすきです。あなた。
――この世の誰よりも。
――また、いっぱい愛してくださいね❤