セリアの元に駆けつけるのが1年遅れてシャルルとのボテ腹セックスに堕ちてた世界 作:猪熊夜離
原作:精霊幻想記
タグ:R-18 精霊幻想記 セリア=クレール NTR 寝取られ ボテ腹
その場所は死の臭いに満ちていた。
何日も身体を洗っていない人間の汗や垢のすえた臭い、部屋の隅に置かれたトイレ代わりのバケツから臭う排泄物の悪臭、窓ひとつない空間で換気が不十分なため大量発生したカビ臭さ。
悪い空気は人間の寿命を縮める。現にここへ収監された罪人の多くが、肺を病んで最期は咳き込みながら苦しんで衰弱していく。
ベルトラム王国で重罪を犯した人間が入れられる地下牢、そこが数ヶ月前からリオの暮らす場所だった。
劣悪な環境にもリオは何も感じなかった。臭いのはスラム街で過ごした少年時代に慣れっこだ。あのころは年長の兄貴分に「お前くせぇんだよ」と家から追い出されるまで、何日も身体を洗わずに過ごしていた。
そこから人生が目まぐるしく動いて、現在では人並みの生活を送れている。
少年時代に出会った恩師のおかげで、リオはこの世界で生きるために必要な知識を学べた。
「リオ」
そう言って微笑む銀髪の彼女。年齢よりも幼く見える小柄な体躯で、こちらを見上げてくる姿は男の保護欲をそそるが、十二歳で王立学院高等部を飛び級卒業した魔術の才媛である彼女を守れる男など、そう多くはないだろう。
それでも自分なら、とリオは王都に来るまで思っていた。それでもいまの自分なら、セリアを守れる男になったはずだと。
とんだお笑いぐさだ。
リオは数年ぶりに王都へ舞い戻った日のことを思い出す。
セリアがアルボー公爵家のシャルルと結婚したと聞かされた日だ。
両親の出身地を目指す長い旅の中で研鑽を積み、大きく成長したリオは、その姿を王立学院初等科時代の恩師であるセリアに見せるべく、彼女のもとを訪ねた。
だが学院にあるはずのセリアの研究室はもぬけの殻。
聞き込みの末に判明したのは、リオが帰国する一年前にセリアとシャルルの結婚式が執り行われ、ふたりが夫婦になったことだ。
ベルトラム王国では王家の力が弱まり、シャルルの実家であるアルボー家が実権を握っていた。貴族社会で微妙な立場に立たされたセリアの実家クレール家は、アルボー家からの要求に逆らえず、その庇護を受ける代わりにセリアをシャルルの第七夫人に差し出した。
完全な政略結婚だった。
怒り心頭に発したリオは、セリアが住むというアルボー家の屋敷に忍び込んだ。
厳重な警備を掻い潜ってリオはセリアとの再会を果たす。だが、そこで彼が見たのは、全てが手遅れだった現実。
彼女は妊娠していた。無論、相手はシャルルだ。
「リオ……リオ、リオ、リオ――!」
大粒の涙を流しながら抱きついてくる彼女を受け止める。彼女の小さな身体に不釣り合いなほど突き出たお腹がリオの腹部に当たる。羊水が詰まった、子供を育てるために変化した、母親の身体だった。
「リオ! 本当にリオなのね!」
セリアは手を伸ばして懐かしい教え子の――片時も忘れたことがない、かつての想い人の顔に触れる。
彼はだいぶ成長して身長もすっかり自分を追い抜き、まるで大人の男の人のようになってしまったが、骨格には少年時代の面影が残っている。手で触れれば懐かしい日々の記憶が次々に蘇る。
「セリア先生」とリオは言った。
喉に物が詰まった人のように息苦しく、やっとの思いで絞り出した声だった。
「そのお腹は」
そこで初めてセリアは自分の置かれた状況に気づいたようだった。
「見ないで!」
セリアは己の身体を腕で抱いてリオから隠す。
新たな生命の誕生は寿がれるべき慶事だが、下卑た物の見方をすれば、その女性が固く尖った男のイチモツを突き挿れられ、最奥に精を放たれた証左でもある。
また、セリアは己の格好も恥じていた。
妊婦である彼女は人一倍体調管理には気を使わなければならない。身重の身体を冷やすなどもってのほか。それなのにいまの彼女は素肌が透けて見える薄いベビードール一枚。
平たい話が、男を誘うスケスケの寝間着姿だった。
これが新婚の初夜に、夫を奮い立たせるための装いならよくあること。だが結婚して一年が経ち、出産も近い妊婦にさせる格好でないことは、貴族のしきたりや男女の睦言に疎いリオでも分かる。
「俺が……もっと早くセリア先生に会いに来ていれば」
後悔がリオの口をついて出る。
それに慰めの言葉をかけようとしたセリアだったが、ドアの外に人の気配を感じ取る。
「こっちよ」
セリアはリオを控えの間に押し込んだ。
「いい? 絶対にここから出てきちゃダメだからね。何があっても絶対よ」
そう言って彼女は平静を取り繕い、何食わぬ顔で訪問者を出迎える。
「お待ちしておりました。旦那様」
僅かに開いたドアの隙間からリオは寝室の様子を覗き込む。そこにはふたりの人間が立っていた。
ひとりはセリア。
もうひとりは金髪で背の高い男。
(シャルル!)
その横顔には見覚えがあった。
まだリオがスラム街で暮らしていたころ、彼は王女誘拐犯の一味と間違われ、尋問とは名ばかりの拷問を受けたことがある。そのときリオの身体を打ち据えたのがシャルルだ。
当時のシャルルは近衛騎士団に所属していた。王族の身を守る近衛が王女を誘拐されたなど大失態。汚名をすすぐため、シャルルは独断専行に走り、スラムで暮らす小汚いガキが小遣い欲しさに王女誘拐に加担したとの見立てでリオを拷問したのだった。
「二人きりの時は余所余所しい呼び方はやめてくれ。さあ、愛情を込めて『あなた』と」
シャルルはセリアの手を取り、彼女の顔に自らの顔を近づける。ふたりの身長差によって、シャルルが上から威圧している風にリオには見えた。
「ようこそお越しくださいました、あなた」
その答えにシャルルは満足して頷く。
「今宵も美しいなセリア。そなたの美しさは子を宿しても変わることがない。それどころか妖艶さが増したぞ」
「お褒めに預かり恐悦至極に存じます。今宵も精いっぱい務めさせていただきます」
腕を組んでふんぞり返るシャルルの前に跪き、セリアは彼のズボンを下着ごと引き下ろす。早くも半勃ちといったペニスが顔を見せた。
「失礼いたします」
セリアは肉棒の先端に淑女の礼たる口づけを捧げ、彼女の身体には不釣り合いに大きすぎると思われる幹を咥える。
「ふっ……ん、んぅ……」
やはり彼女の身体には過ぎた代物らしい。その小さな口を目いっぱいに開いても大部分は飲み込めず、亀頭を唇でマッサージする控えめなフェラチオが続いた。
己の奉仕が不完全であることを自覚しているセリアは、剛直を飲み込めない代わりに、肉棒の先端や裏筋に舌を這わせ、子種が詰まっている玉を口に含んで刺激する。
その献身的な舌技が一朝一夕で身につくものでないことは、童貞のリオにも分かった。
「はむ、はちゅっ、ちゅるっ……はぁ❤ あなたのチンポ、また女を犯す形になってきました」
セリアの言うとおりシャルルの陰茎は勃ち上がり、交接に支障ない状態まで硬度を増している。
薄暗い部屋の明かりを反射して、唾液で濡れた肉槍が妖しく光る。
「こんなので満足か。セリアはもっと硬いほうが好きなんじゃないのか」
嘲笑を含んだ下品な笑い声。
それに気を悪くした様子もなく、セリアは再びシャルルの陰茎を舐める。
「んんっ……ちゅっ❤ ちゅっ❤ ちゅる、れろ、んちゅっ、れろろっ❤」
右手で肉棒の根本を押さえ、反対の手は陰嚢を揉みしだき、突き出した舌で裏筋を根本から先端まで丁寧に舐める。
その間も絶えずセリアは上目遣いでシャルルの目を見る。彼の反応を確かめながら責めを調節するためだが、男を挑発する仕草であることも人妻は理解していた。
いまの彼女は、ふたりきりのお茶会を楽しみ、理想の恋人の条件を話題にしただけで赤面する
いまさらながらに離れていた期間の長さが身にしみる。
リオは袖口を噛んで叫びだしたくなる衝動を堪える。その身は怒りと焦燥感に震えていた。
「もういいだろう」
シャルルが言った。
彼は足に引っかかっていた衣類を脱ぎ捨て、ベッドの縁に腰掛ける。
リオから見て正面。彼はドアの隙間越しにシャルルと向き合った。まずいと頭を引っ込めるが気づかれた気配はない。セリアを抱くことに気が向いているようだ。
セリアはベビードールの下のショーツを脱ぐ。着脱のし易さからか、彼女の下着は俗に言う紐パンだった。腰の紐を解いた下半身から、陰部を隠していた布が落ちる。
セリアは後ろ向きでシャルルの肉棒を掴み、己の膣口にあてがう。背面座位。大きくなったお腹がつっかえて、対面では密着しづらいのだ。
先端が滑り込むように埋まると、そのままセリアは一気に腰を下ろした。
「うっ……んんっ……ふうぅ、ふぅっ……」
口元を抑え、漏れ出そうになる声を塞ぐ。
「どうした。普段は挿れただけで悦ぶのに、今日は馬鹿に静かじゃないか」
「そんっ、なっ、ことはぁぁぁ……ん、あっ❤ ふぅ、んっ❤」
当然だ。今日はリオが見ている。彼の前ではしたなく乱れるなどできない。そんなことと露知らないシャルルは、我慢されれば我慢されるほど啼かせたくなると腰を振る。
一年に及ぶ結婚生活で既にセリアの弱点は知り尽くされている。
シャルルは突き込みの角度を変えながら、膣ヒダに満遍なく己の勃起を味わわせる。
熟達した責めの前にセリアの我慢など、濡れ紙を突き破るようなものだ。
「旦那様っ❤ ん、あぅっ❤ あ、んあっ❤ そこ、当たると、ひぅんっ❤」
「当たると、なんだ? 言葉にして言ってみろ!」
ベッドを軋ませてシャルルが腰を強く突き出す。胎内で眠る赤ん坊まで、肉槍の先端が届いたのではと心配になる突き挿れ方だった。
およそ常識のある人間なら妊婦相手にしないだろう激しいセックス。己の欲望だけで動く身勝手な性行為は、シャルルの性格をよく表していた。
そんな愛情の欠片も感じられない独りよがりな抽送でも、男に求められて悦ぶことを覚えたセリアの肉体は官能を貪る。
「そこ、当たると、んっ、あぁっ❤ あっ、すごぃ、んっ❤ あああっ❤」
彼女は白く細い裸体を反らし、夫に身を寄せながら自分でも腰を振る。
夫婦の正面に潜むリオからは、セリアの陰部にシャルルの剛直が出入りする様子がはっきりと見えた。
「答えろセリア」
シャルルは妻の胸を背後から鷲掴みにし、その頭頂部にある桃色の突起を指で弾きながら問うた。
「お前を気持ちよくしてやってるのは誰だ」
「シャルル=アルボー様です」
「お前の夫の名を言ってみろ」
「私の旦那様は、シャルル=アルボー様です」
「お前が愛する男の名前は」
ほんの一瞬。
瞬きするほど短い時間の中で、セリアとリオの視線が絡み合う。
「……私が愛するのは、シャルル=アルボー様です」
リオは胸が詰まり、息苦しさを覚えた。早鐘を打つ心臓を握り潰さんばかりに服の上から胸を掴む。手のひらに長い距離を走り終えたあとのような拍動を感じる。
「あふっ、あっ、あぁっ……イクっ❤ イッちゃう❤ 下から、そんなに大きなおちんぽで突き上げたら、んきゅぅっ❤」
休みなく送られる快感の波に流され、自分の肉体も支えられなくなったセリアは、完全にシャルルの胸に身体を預けてなすがままにされ、ただただ嬌声をあげて快楽を貪る。
「好きっ❤ んはぁっ❤ 愛してます、シャルル様っ❤」
この寝室で何度シャルルに抱かれ、何度彼の精をその身で受け、そしてどれだけ愛の言葉を言わされたのか。
国境を越える長い旅だった。王都から遠く離れてベルトラム王国の情勢は耳に入らなかった。
知らなかった。
だから仕方なかった。
それで済むのか?
それでお前は本当に自分を許せるのか。
一緒だ、とリオは奥歯が悲鳴をあげるまで噛みしめる。
みーちゃんを「死んでも守る」と誓いながら、何もできなかった天川春人と違わないじゃないか。
お前は無力なままだ、と誰かが囁いた。
前世で武術の心得があっても、現世で精霊術を覚えても、結局は一緒だ。
お前に
女は
守れない
「~~~ッ! ひぃっ、あっぐぅっ……んっ❤」
暗い思考の迷路にハマっていたリオだが、女の切羽詰まった叫び声で我に返る。
ただでさえ身体の小さなセリアは膣洞が浅い。出産に備えて子宮が降りてきているいまはなおさらだ。それにもかかわらず、シャルルは有無を言わせずに最奥まで捩じ込み、妻の悲鳴を内臓ごと押し潰す。
「この感触! 出産を間近に控えたいまでなければ味わえない、ごく限られた時期だけの美味! 赤子には私が手ずからミルクを与えてやろう。ザーメンミルクをな!」
母子の安全を脅かしながら己の快楽だけを追求する。その独善的な行為にふつふつと怒りが湧く。
ここでシャルルを殺し、セリアを連れて逃げる。
大騒ぎになるだろうし、身重のセリアを連れて逃げ切れるかは賭けになる。だがシャルルとの因縁を断ち切り、彼女を解放するにはそれしかない。
頭の中で何度もその場面を想像する。いける。シャルルの騎士としての腕前は知っている。セックスに夢中で、襲われる可能性など想定してもないいまなら、より確実に勝てる。
殺るしかない。
己を鼓舞してリオは剣に手を伸ばす。だがシミュレーションを何度繰り返しても、それが実行に移されることはなかった。
「シャルル様、シャルル様、愛してます」
苦悶に呻き、切れ切れになりながらも、セリアはシャルルへの愛を叫び続ける。
「す、すごい……このおちんぽすごい……いっぱいズボズボされてるぅ!」
セリアもまた、我が子を顧みず己の快楽だけを追求する、浅ましい獣の様相を呈していた。
掻き混ぜられた膣から漏れた愛液で絨毯を汚し、自ら陰部に手を伸ばして敏感な肉の芽を指先で転がす。
「あああっ❤ シャルル様……もっと、もっとしてください!」
セリアの淫らな嬌声が部屋に響き渡る。
そこにリオが知る聡明な少女はいなかった。
リオの前でシャルルに抱かれ、改めて夫に愛を誓ったことにより、彼女の中では少女時代の淡い想いに一区切りついたのだろう。
リオは、自分がセリアの中で、完全に過去の存在になったと感じた。二度と戻れない過去から現れた者。いわば亡霊。亡霊がいまの生活に介入して壊してよいのか。その判断がつかない。飛び出すつもりで溜めた膝のバネから力が抜ける。
「ああ、してあげるとも」
魔術の才媛と呼ばれたセリアをチンポ狂いの牝マンコに堕としたシャルルは、彼女の乱れっぷりに気をよくする。
「んぁぁあっ❤ イッてしまいます……こんなの、すぐにイッちゃううッ❤」
「遠慮しないでイケ! 夜はまだ始まったばかりだ。私が一回だけで終わらないことはセリアが分かってるだろう?」
「イ……ィッ! クゥゥっ! ……イィ゛本当っ! にいぃ! イッちゃうぅ゛!」
セリアがひときわ甲高い声を発した瞬間だ。ぶしゃっと結合部からイキ潮が迸り、リオが隠れているドアのすぐ傍まで飛んだ。ぷんと牝臭い臭いがした。性交経験のない彼には初めて嗅ぐ臭いだった。
それでも前世の知識で理解した。
この液体は女が
セリアはシャルルとの行為に心から感じて絶頂したのだ。
シャルルの一回で終わらない宣言は正しかった。彼はイキ疲れでグッタリするセリアを起こし、立て続けに二回目を要求した。拒む様子を見せずセリアも応じる。
夫婦の交わりは夜を徹して続いた。
部屋に充満する淫臭が濃くなっていくのを感じながら、リオは隠れた場所から一歩も動けず、セリアの身体が隅々まで開発済みであることを見せつけられた。
そこから先はどこをどう歩いたかも覚えていない。
夫婦は快感を貪った気怠い疲労感に従って眠りに落ちる。その横を音もなくリオは通り過ぎた。外に出て夜が明けてない街をめちゃくちゃに歩く。あてなどない。何も考えず足だけ動かし続けた。
まだ暗いうちから貴族街を徘徊する不審な男。そんな報告が白の兵に行ったのだろう。数名の兵士に取り囲まれる。
その気になれば逃げられる戦力だ。
その気がリオにはなかった。
未だセリアの痴態が頭の中をぐるぐる回っている。耳の奥に発情した牝の嬌声がこびり着いていた。
「どうでもいい」
リオは無抵抗で拘束を受け入れた。
掴まえてみて驚いたのは城の兵士のほうだった。ちんけなこそ泥の類か、それにしては身なりが上等だがと不審に思いながら尋問を進め、身につけているものを全て取り外させた。そうすると魔導具で髪の色を変えていたことが分かったのだ。
高度な魔導具を持ち、姿かたちを変えている。
一気に兵士たちの警戒レベルが上がった。
そのうち兵士の中から数年前、王女暗殺の嫌疑で捜索されたが見つからず、国内情勢のゴタゴタのうちに忘れ去られた少年の特徴に似ていると気づく者が現れた。年格好も一致している。
当時のリオを知る者が呼ばれ「間違いない」と証言した。
リオも反論しなかったことで彼は重罪犯が収監される地下牢に繋がれた。無論そこにはリオを疎ましく思うシャルルの働きもあった。
自暴自棄になったリオは変化のない地下牢での生活を受け入れ、ゆっくり衰弱していく己の死を受け入れながら過ごした。
その生活に今日は僅かな変化があった。
看守たちの夕食に一杯だけぶどう酒がついたのだ。彼らは「こんな悪臭だらけの場所じゃ、ぶどう酒も不味く感じる」と文句を言いながらも、嬉しそうに口をつけた。
「ところで今日は何かめでたい日だっけ?」
「アルボー家の坊っちゃんが新しく子供を授かったんだと」
「はー、さすがは大貴族様。それで振る舞い酒ね」
「いまや実質この国を仕切っているのはアルボー家だからな。庶民にぶどう酒の一杯くらい奢るのはわけないんだろ」
「あの坊っちゃんて第何夫人だかまでいたよな」
「今回は第七夫人が懐妊らしい」
リオは寝返りを打って彼らに目を向ける。すっかり痩せこけた身体はところどころ骨が浮き出し、石でできた硬い床に当たって痛みを発した。
「第七夫人っていうと、あのお嬢ちゃんか。あんな娘にのしかかって犯した挙げ句に子供を産ませるなんて絵面が犯罪的だな」
「一人目を出産したばかりなのに、すぐに二人目の種を仕込んだんだな」
「やっぱ小さい娘はアソコの締まりがキツくていいもんなんかね」
「立場は第七夫人だが、家格で言えば伯爵家の娘だった彼女が一番上だ。優秀な魔術師でもあったらしいし、血を継ぐには適しているんだろう。貴族様の考えなんて俺には分からんがね」
それを最後に看守は話題を変えた。興味を失ったリオは再び彼らに背を向ける。
暗い地下牢で目を閉じる。目蓋の裏にセリアの白い裸体が浮かぶ。
リオを控えの間に隠したことなど忘れ、シャルルの上で一心不乱に腰を振る彼女は、もう彼の知るセリア=クレールではなかった。
「セリア先生」
そんなものは枯れ果てたと思っていた涙が一滴、リオの頬を伝い落ちた。