奥手の霊夢と魔理沙を紫がくっ付けようとする話です。

 感情を押し殺していた分だけ、霊夢さんが爆発してしまいます。

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後悔はしていない!!!!!!!!!!!!(満面の笑み)

いつもシリアスな物を書いているので、エロ成分が足りず、我慢できずに爆発しました。


R-18のイチャイチャなので、原作のイメージを大きく壊していると思います。なので自己責任でお願いします!


基本的に魔理沙が受けです。


エッチな部分だけ見せろという方は、中盤に行くか行かないか程度まで飛ばしてください。


レイマリにゃんにゃん

「……」

 寒い。ガタガタと震えながら神社へ続く参道を歩く。石でできた道には、先日降った雪の残りか、雪かきのやり残しが所々残っている。

 雪かきで左右に除けられている雪は、私の腰の辺りの高さまで積まれている。これを一人でやったというのであれば、相当苦労しただろう。

「…」

 雪がまた降り始めたようだ。手のひらを差し出してみると、その上に一センチ程度の氷の結晶がゆっくりと落下して来た。

 手袋をしていなかった肌に触れると、発生している体温を氷が吸収して、雪の大きさと比べて少量の水へと変わる。

 水を含んでおり、降れば積もるタイプの雪だが、水は氷になる際に体積を増やす。降って来た雪に対して、水が少ないのはそう言うことだ。

 当たり前の知識を披露しているように聞こえるかもしれないが、学術等が発展していない幻想郷で、こういった科学的なことを知っている人間はそう多くない。

 それよりも、博麗神社へ向かっている途中では低温に晒され続け、指先が悴んで肌が赤く変色している。早く温まりたいところだ。

 参拝客がくぐるのを待っている赤い鳥居が、最初に私をお出迎えしてくれる。そこの上まで雪かきすることはできなかったのか、一番上に位置する笠木と呼ばれる部分には雪が十センチ程積もったままだ。

 風に乗り、やって来た雪が鳥居の壁面についてしまっているようで、身長の五倍ぐらいの高さがありそうな門をくぐってから、振り返ってみると白い鳥居が現れる。

 普段はどちらの方向から見ても同じ色であったため、物珍しい景色に思わず足を止めた。何年も博麗神社には通ってきたが、冬にこんな風景を見れたのは初めてだ。

 面白くはあるが鳥居は赤色という先入観があり、真っ白なのはそれなりに違和感がある。だが、それもそれで風流という物だろう。

 変わった物が見れて少し上機嫌になった私は、軽い足取りで神社へと向かって行く。

 靴の裏が石のタイルと接触するごとに、コツコツと音を立てる。乾いた音は建物や木々に反響して、タイルを踏んだタイミング以外で小さな足音が聞こえてくる。

 自分が歩いているタイルを見ながらふと思う。この建物が作られたのは何百年も前だと聞いたことがあるが、当時の技術でも巨大な岩からタイルの形へ、正確に切り出すことが出来ていたとは凄いとしか言いようがない。

 賽銭箱には雪が積もった跡が少々みられるが、参道や鳥居よりはきちんと雪が払い落とされていている。雪かきの最中で雪が溶けたのか、木製の賽銭箱に水の染みが出来ていた。

「……」

 スカートのポケットに手を突っ込んでまさぐってみると、家を出る前に入れて置いた青銅板に悴んだ指が触れた。

 熱した青銅から作り出された正円の十円玉には、細かな模様とそれが十円であることを示す10の文字が刻まれている。

 使い古された物ではなく、作られてからまだそこまで月日の経っていない銅は、光を軽く反射するほど真新しい。

 右手で握り拳を作り、人差し指の内側へ親指を軽く入れ込んだ。その親指の爪の上へ、4~5グラム程度しかない硬貨を置いた。

 賽銭箱へ向け、親指で軽く弾いた。キンっと小気味いい金属音がすると、光と反射する銅板は回転しながら前方へと進み、私の頭と同じ程度まで上昇する。

 今は周りの雑音を降っている雪が吸収してくれているおかげで、回転している銅貨が空気を押しのける微かな音さえも聞こえた。

 長方形の賽銭箱の入り口には長い辺と長い辺をつなぐ形で、垂直にひし形をした棒がつっかえ棒のように、隙間を開けつつ何本も伸びている。

 銅貨はその棒に一度当たって跳ねると、今度はうまく間に入って賽銭箱内部へ落ちた。

 賽銭箱の底へ真っ逆さまに落下する前に、斜めに取り付けられた板に硬貨が落ちると、その上を転がって行く。

 木製の板の上を硬貨が転がる水気のない音は、離れていくと勢い余って斜めの板から飛びだした。賽銭箱の壁へ茶色の銅貨がぶつかると、跳ね返って見えなくなってしまった。

 賽銭箱の中身を取り出していないのか、私の入れたお金が底に着くと、金属同士でぶつかった甲高い音が転がり落ちて行った板の裏から聞こえてくる。

 特に何かお願い事があるだとかそう言ったことではなく、そういう気分だったから入れただけであったので、手を合わせることなく私は神社の裏手へと回る。

 こちら側は参道と違って雪かきをする気力も湧かなかったのか、朝に霊夢が通ったであろう足跡しか残っていない。

 履き口部分の背が高い靴を履いてきておいてよかった。いつも通りの靴で霊夢が寝泊まりしている場所まで歩いていたら、靴と足がびしょ濡れになっていたところだ。

 霊夢が歩いたであろう足跡に、ぴったりと靴を合わせて歩いた。雪など関係なく歩けば早く行けるが、帰りも考えると濡れたくは無い。多少遅くても濡れない方法で行くとしよう。

 抜き足差し足忍び足で歩いているが、忍者か盗人にでもなった気分だ。まあ、何かを盗むだとか、誰かを殺すのが目的ではないから、そこまででもないが。

 膝ほどの高さまで積もっている雪に足を突っ込まないように気を付け、踏み固められている穴の底にしっかりと靴を付けて踏ん張った。

 ここで転んだりしたら今までの苦労が水の泡になってしまう。雪を更に踏み固める音を聞きながらもそちらには意識を向けずに、バランスを取って歩き続ける。

 参道を歩いていた時の半分以下の速度でようやく、霊夢が住んでいる長屋へ着いた。腰の高さよりも少しだけ高い縁側には、雪は積もっていない。

 だいぶ前に落としたのか、濡れてもいない。それは都合がよく、悴んでいても冷たさを感じるほどに冷え切っている縁へ手を付け、体を持ち上げた。

 縁側へ座り込み、ブーツにこびり付いている雪を叩き落とした。完全には落としきれず、雪まみれの縛られた靴ひもを解いた。履き口を緩め、踵を傾けて足を出した。

 もう片方も同様に雪をできるだけ落としてから靴ひもを解き、脱いだ。久々に外気に晒された足はその気温の低さにどんどん体温を奪われていく。

 今の時間帯はコタツに入ってゴロゴロしているはずだから、私もそこにさっさと入れさせてもらうとしよう。

 一度玄関へ向かうことにした。縁側を歩いて向かい、取っ手を捻って扉を引き開けると、薄暗い玄関が映った。

 ついてはいないが雪が溶けた影響で、濡れた霊夢の靴が端の方にきれいに並べて置いてある。

 反対側の壁には、雪かきに使われたスコップが立てかけれられている。こちらにはまだ少しだけ雪が残っているが、大部分は溶けて石のタイルの上へ水の染みを作っている。

 その隣にできるだけ雪を叩き落とした私のブーツも並べて置き、神社に来るまでに使った箒を立てかけた。

 縁側に再度戻り、霊夢がいるであろう部屋の前まで戻ると、閉めきられてはいるが襖には中に人がいることを示す光が映っている。

 襖に手をかけ、勢いよく横へスライドさせて中へと飛び込んだ。外よりも若干温度が高い程度の寒い室温が、まずは私を迎えてくれた。

「霊夢!魔理沙さんが来てやったぜ!」

 元気よく挨拶を決め込むが、部屋の中にいる彼女は予想通りコタツに入ったまま、顔をこちらにも向けようともしない。

 いつもの巫女服の上に厚着をしていて、霊夢はコタツの机の上へ突っ伏している。その傍らには暑そうな湯気を上げている湯呑み椀には、お茶が並々と注がれている。

 お茶を入れてからそこまで時間は経過していないようだが、眠ってしまっているのだろうか。

「…魔理沙、おはよう……来た報告は挨拶じゃあないわよ」

 そう思って静かにコタツに着こうとするが、机に突っ伏したままの彼女は疲れ切って覇気のない返事を返してくれる。

「雪かきで疲れたのか?」

「…。そんなところ」

 あれだけの面積を一人で雪かきしたのか。もっと早く来て手伝いでもすればよかっただろうが、私よりも数時間早く彼女は起きているから、早く起きた今日でも手伝うのは無理だっただろう。

 霊夢が座っている対角線上に座ろうとする前に来ていた上着を脱ぎ、棚から自分がいつも使っている湯呑み椀を取り出した。

「大丈夫か?」

「…ちょっと疲れたわ…」

 机の上を見てみると急須と湯呑み椀しか置いていない。先日まで台所に箱一杯のミカンが置いてあったはずだが、今もあるだろうか。

「ミカンってまだ残っているか?」

「…うん」

「食べるか?」

「…うん」

 しゃべる気力もないのか、突っ伏したまま彼女は短くそう答えた。

 流石に階段は軽くしか雪かきはされていなかったが、参道の分も合わせると相当な面積霊夢は雪かきしたことになる。

 彼女がここまで疲れている理由もわからないでもない。現在時刻は時計を見ると九時を指している。どれだけ前から雪かきしていたのだろうか。

 座らずに台所の方へ向かうと、霊夢のいる広間よりも気温が一度か二度低い。そこでも外から来たばかりの私からすれば、温かい方ではある。

 整理された机の上に、ミカンが半分ほど入った箱が置かれている。気温のせいで冷たくなっているが、コタツに入れば体温も上がるからちょうどいいだろう。

 しばらく博麗神社にいる予定だし、両手に合わせて十数個のミカンを持ち上げて茶の間へと向かった。

「…ありがとう」

 放っておけばこのまま寝てしまいそうな霊夢は顔を上げると、机の上に置いたミカンの一つに手を伸ばした。

 その半分閉じた眠気眼から、もしかしたら私が来るまでは寝ていたのかもしれない。もう少し静かに入ればよかったな。

「大丈夫か?だいぶお疲れのように見えるぜ?休むなら布団で休んだ方がいいんじゃないか?」

 コタツに入りながら、机の上に置いた冷たいミカンを一つ手に取った。まだ指先は冷たいが、それでも冷えた皮のつるっとした感覚は感じる。

 上から見れば円形だが、横から見れば平べったい楕円のミカンの中央には、オレンジ色とは対称的に緑色のヘタが付いている。

 ミカンを裏返すと下手の丁度反対側に凹みがある。そこに爪を立ててゆっくりと皮を剥いた。

 皮にもそれなりにミカンの匂いはあり、それを裂いたことで柑橘系の独特な酸っぱい匂いが鼻に付く。

 霊夢をミカンを握ったまま、突っ伏している。こちらからは見えないが、おそらく目は閉じているだろう。

 寝てしまっている彼女に変わって、ミカンの皮を剥いてあげることにしよう。最外のオレンジ色の皮を剥くと、その下にある果実を包んでいる薄皮に包まれた本体が出てくる。

 果実自体もオレンジ色であるが、覆われている薄皮によってあまり色は見えない。丸くはあるが、スイカを上から八等分したものがくっ付いた形をしているので、食べる際には半分に割ってからの方が食べやすい。

 オレンジ色の皮の裏側は、白色の繊維のような物が埋め尽くしているが、その一部が果実の薄皮にもついてしまっている。

 それを丁寧に一本ずつ剥がすこともできるが、霊夢は関係なく食べてしまうため、それを剥かずにミカンを握ったまま眠っている彼女に握らせた。

 手を開かせて皮を剥いていないミカンを貰い、剥いたものを代わりに置いてあげると、流石に霊夢は目を覚ましたようで眠い目を擦って顔を起こした。

「………ごめん、……ありがと」

 また寝ないようにするためか、寝かせていた上半身を持ち上げて、壁に寄りかかる。コタツに足を入れているから、その熱で体が暑いのか頬が赤い。

 相変わらずいつ見ても綺麗な顔立ちだ。幼少期の童顔の可愛さは抜け、大人の綺麗さというのがにじみ出ている。

 サラサラな前髪を揺らして、彼女は大きく体を伸ばした。赤と白の巫女服は今の時期には寒いが、上着を着ているから彼女自身は寒くはなさそうだ。

 けだるさはまだ表情に残ってはいるが、体を伸ばしたことで目が覚めたらしく、眠そうだった瞳はもうほとんど開いている。

 柔らかさは残しつつもすらっとした輪郭や大きな瞳、高い鼻とピンク色の唇は見ていて飽きるものではない。それぞれの配置もよく、美しいという一言が合う女性だとつくづく思う。

 細く、柔らかそうな腕や豊かな胸元は、上着に隠れてしまっているが、スタイルも抜群すぎる彼女は、私には不釣り合いな気がする。

 不釣り合いと言えば、言い忘れていた。皆には言っていないが、私は彼女と交際中である。(時間があれば付き合うきっかけの話もしたい)

「…どうしたの?人の顔をじろじろ見て」

「いや、何でもないぜ」

 もう一つのミカンの皮を剥き、中身を取り出した。彼女と同様にまずは半分に割るとしよう。薄皮と薄皮がくっ付いているが、そこまで強い接着ではない。

 少し力を入れてみると、すぐに剥がれて半分に割れた。片方を剥いた最外のミカンの皮の上に置いた。

 手に持ったままの束から、一つ剥がして口へ運んだ。歯で噛むと薄皮が破れて中の果実が噛み砕かれると、酸っぱいミカンの味が口いっぱいに広がった。

 噛み砕いた果実と薄皮も一緒に飲み込み、次の物に手を伸ばした。冬にコタツに入って、冷たいミカンを食べ始めるとなかなか止まらない。

 おいしい物を食べると、自然と口が綻んでしまう。しばらく夢中になって食べていると、いつの間にか皮の上に待機させていた半分も無くなっている。

 霊夢はお茶を飲みながらチビチビと食べているのか、そこまで減っているようには見えない。

 急須の取っ手を握ると、中に入っているお茶はまだ熱いらしく、取っ手まで熱が来ている。

 自分の湯呑み椀に、薄く緑がかかったお茶を注ぎ込んだ。

 霊夢の湯呑み椀を見ると、ほとんど残っていない。急須の口をそこへ傾けると、湯気の立つ熱湯がコポコポと音を立てて注がれていく。

「…ありがと」

「おう」

 八割ほど入れたところで傾きを戻し、傍らへ置いた。自分の湯呑み椀を持つと、熱湯の持っている熱が器越しに手に伝わって来る。温かい。

 しばらく手に持ったまま指先を温めていると、ミカンを頬張っていた霊夢と目が合った。もぐもぐと口を咀嚼していた物を飲み込むと、口を開いた。

「…どうかした?」

「付き合い始めてから、どのくらい経ったけ?」

「…ちょうど三か月ね」

 寝起きで頭がまだ回らない彼女は、ボーッとこっちを見つめたまま返答してくる。

「この三か月さ、異変とかで忙しくて何かをする暇もなかったし、今度…どこか遊びに行かないか?」

「…うーん。そうね…」

 難しそうな顔をしているが、博麗の巫女という仕事上、あまり神社を留守にできないというのもあるのだろう。それはわかる。何の準備もなしにどこかへ出かけていて、その間に異変が起きてしまえば大変なことになってしまうからな。

 でも、この三か月間、本当にどこにも行っていない。来てもこうして何時間も駄弁っているだけで終わってしまい、進展がないのだ。

 もちろんそれも承知で付き合い始めたが、博麗の巫女という大事な存在であるため常に神社に居なければならないのはわかるが、ずっと神社に缶詰の状態では気が滅入ってしまうだろう。

 だから、たまにはそういった仕事のことなどを忘れて、気分転換をしてもらいたいのだ。

 誰かと話すだけでも気分転換になるだろうが、咲夜や早苗はこの頃あまり神社に顔を出さないから、気分を変えようとしてもできないだろう。

「…ありがと、考えておくわ」

「……そっか」

 遊びに行けるのはいつになるだろうか。例え行けたとしても、それまでにどれだけ彼女との距離を詰めることが出来ているだろうか。

 あまり彼女は表情を表に出さないから、時々距離を感じることがある。この調子ではこの先心配である。

 そう思いながら、手に持っていた湯呑み椀を口元に運ぼうとすると、部屋の中央付近に何かが形成された。

 視界の端にギリギリ映る場所だったため、そちらに顔を傾けると空中に黒い線のようなものが浮かんでいる。

 天井から糸でも垂らされているかに見えたが、上とはつながっていない。私が顔を傾けたことで、霊夢もそれにつられて線の方向へ視線を向ける。

 何だろうかと首をかしげていると、線はその面積を増やし、左右に大きく開いた。瞳をあけるように開いたそれは、紫が移動によく使うスキマだ。

 ラグビーボールを縦に置いた形に似ているスキマから、私と霊夢の身長を軽く超える女性が現れた。

 鮮やかな金色の長髪に、レミリアがつけているような淡い紫色のハットをかぶっている。濃い紫色の洋服を身を包み、手には肘ほどまである白くて長い手袋を着けている。

「…貴方がここに来るなんて、何かあったのかしら?」

 紫が動くときには、ロクなことがないと相場は決まっている。私も異変が始まったのかもしれないと身構えているが、彼女の表情的に急いでいる様子は無い。

「用が無ければ来ちゃいけない、なんて決まりなんてあったかしら?」

「…ないけど、経験的にあんたが来るとろくなことなかったし」

 オブラートに包むこともせず、霊夢は紫にばっさりとそう伝える。言いすぎな気もするが、あながち間違いでもないから、黙っておこう。

「酷いわねー。まあ、用はちゃんとあるから、それを伝えに来ただけ」

 彼女はスキマを閉じると、座っている私たちの方へ傘を片手にゆっくりと歩み寄って来る。

「…何かしら?」

 紫は言いながら手袋をしたまま、お茶を飲んでいた私の頬をツンツンと触って来る。吐き出してしまうほど強くは無いが、飲みずらい。

「ヘタレなあんたたちに、前から言ってあげようと思ってたことよ」

「「へ?」」

 霊夢だけでなく、いきなり矛先が私にも向いたことで、一緒になって紫の方へ顔を向けた。

「隠してるつもりだろうけど、もうみんなにばれてるからね?」

「ごほぉっ!?」

 霊夢は少し驚いている程度だが、私は盛大に飲んでいるお茶を吹き出してしまった。咳き込む私に、紫はスキマの中からティッシュを取り出して、お茶をふき取ってくれる。

「…だ、誰にも言ってないのになんでわかるのよ」

 私も知りたかったことを、喋れる状況じゃない私の代わりに聞いてくれた。

「だって前まで二、三日に一回程度しか通ってなかったくせに、三か月ぐらい前からほぼ毎日通うようになってたじゃない。そりゃあ、誰だって気づくわよ」

 言われるまで気が付かなかった。私ってそんなに神社に通ってたっけ?

「…じゃ、じゃあ……他の人たちがあんまり神社に来なくなったのって……」

「そりゃあ、あなたたちがイチャ付くのを邪魔しないようにじゃないかしら?」

 紫の返答に霊夢は何かを言い返すことは無いが、尋常じゃないぐらい目が泳いでいる。でも、言われてみれば彼女たちが来なくなったのって、私が告白して少したってからの様な気がする。

 もしかして、隠せていると思っていたのは、私達だけなんじゃ……。

「…」

 私が視線を彼女に向けると、まったく同じことを考えていたのか、同じタイミングで目が合った。

「……」

 やばい、紫が来るまで寒いぐらいだったのに、今では服を脱ぎたくなるほど体が暑い。汗が滲むほどに、暑い。

「あらあら、このぐらいで顔を赤くしちゃって、可愛いわね」

 なんか言ってやりたいが、鏡を見なくてもわかるぐらい顔が暑いし、霊夢は頬を耳まで赤くしているから何も言い返せない。

「ほら魔理沙も、反対側なんかじゃなくて、恋人らしくとなりに座りなさいな」

 そんな私たちを置いてきぼりにして、紫の暴走は続く。私の腰回りに手を回すと、持ち上げて霊夢のすぐ横に座らせられた。

 力づくで移動させられ、霊夢に押し付けられると、彼女のいい匂いがふわりと鼻先を漂う。それだけで心臓が高鳴って、紫に言おうとしていたことが頭から抜け落ちてしまう。

 座らせた紫は、先ほどまで私が座っていた位置に腰を下ろす。

「別にそこまで、博麗の巫女っていう概念に縛られなくてもいいのよ?」

 さっきの話を紫は盗み聞きしていたのか、机の上に転がっているミカンを一つ手に取った。

「…でも」

「でもじゃないわ。息抜きだって仕事の内よ?…息が詰まっていざって時に力を出せない方が、私としては困るもの」

「……」

「それに、早く関係を進展させたいって魔理沙がうずうずしてるんだから、待たせた分いろいろしてあげなさいな」

「ちょ――――――っ!?なんで知ってるんだよ!?」

 私が叫ぶと紫はくすくすと楽しそうに笑い、霊夢は少し恥ずかしそうに眼をそらす。

「そりゃあ、見てれば分かるわよ」

 こいつの観察眼を舐めていた。だてに数百年生きてはいないということか。というか恥ずかしすぎる。

「ち、違うからな、その…あの…これは…」

 口ごもりながらも霊夢に弁解しようとしていると、紫が横から口をはさんでくる。

「違うの?」

「違くないけど…!追い打ちをかけるな!」

 このまま紫のペースで話されたら、玩具にされてしまう。流れを変えなければならないと閃くが、どう流れを変えたらいいのかわからず悩んでいると、声色を変えた紫はさっきから何も言わない霊夢へ声をかけた。

「霊夢、見てのとおり…この子は良い子よ。怖がってないで、気持ちを伝えてあげたら?」

「へ?」

 一人でバカみたいに焦っていたが、紫はそれだけ言うと手に持っていたミカンを机に置き、コタツから立ち上がる。未だに頭が付いて行っていない私だけ、首をかしげている。

「…わかってるわよ……」

 か細い声で、彼女は立ち上がった紫に言った。

「わかってるならいいわ」

 彼女はそう言いながら、真後ろに出していたらしいスキマの中へと消えていった。お騒がせ要因がいなくなると、部屋は再度静寂に包まれた。

「……」

 霊夢はうつむいたまま黙ってしまい、紫にいろいろとばらされた私もなんて声をかけていいのかわからず、しばらくお互い何も言わずに時が過ぎた。

「…魔理沙」

 十分か二十分か経過したころ、不意に霊夢が口を開いた。自信のない寂しげな声だ。

「なんだ?」

 普通に返答したつもりだったが、どうだろうか。裏返ってしまっただろうか。そんなことを思いつつも、霊夢に耳を傾けた。

「…私ね。ずっと怖かったの」

 霊夢は反らしていた視線を、まっすぐ私の顔へと向けた。ふざけている感じではない真剣な表情に、ただ見返した。

「怖かった?」

「…昔から、魔理沙のことが好きで仕方がなかった」

 正面からそう言われると恥ずかしさが込み上げてきたり、口角が上がってくるが、何とか抑え込んだ。

「…魔理沙がそんな人じゃないってわかっていても、裏切られたらと思うと怖くて仕方がなかった。だから、ずっと自分から告白することが出来なかった」

「…でも、あなたから告白してくれた時、すごく嬉しかった。やっとの思いで返事を返せたけど、自分の根底は何も変わっていなかった」

「…存在が近くなった分だけ、自分の気持ちが大きく膨らんだ分だけ、裏切られたときの恐怖が大きくなってしまった。だから、関係を進めたくても、進めることが出来なかった」

 昔、というのはいつの頃からかはわからない。でも、もしかしたら、私に好意を抱く前に、一度彼女は誰かに裏切られているのかもしれない。

 だから、ここまで恋愛や人付き合いに臆病になってしまったのだろう。

「…ごめんなさい。だから、私はどこかに一緒に行こうっていう魔理沙のお誘いにも乗ることが出来なかった…」

「仕方がないぜ。私だって同じ境遇、同じ立場に立たされたら同じような気持ちを抱くと思う。でも、一つ許せないのは、私の気持ちを嘘なんじゃないかとずっと疑ってたってところだぜ」

「…そ、それは……」

 私が強い口調でそう言い放つと、霊夢は不安が入り混じった表情で口ごもる。

「だから、私の気持ちが本気だって、一緒に証明していこう」

 私は向き直っている彼女に、手を差し出した。霊夢が手を取ってくれるのを待っていると、彼女は泣きそうな顔で顔を横に振る。

 やはり、私のことは信用できないのだろうか。そう思うと、悲しさが込み上げてきて、自然と涙腺が緩むと、涙が瞳に溜まって視界が歪む。

 差し出していた手を下ろそうとした時、

「…大丈夫……だって、もうわかったから」

 私の予想を覆す答えが返ってきた。私に勢いよく飛び付いて来た霊夢に押され、後ろに倒れ込んでしまう。

「うあ!?」

 後ろに倒れた私に霊夢はのしかかって来ると、温かい両手で頬を包まれた。何が起こっているかわからず、目を白黒させていると、彼女は頬に触れたままゆっくりとこちらに顔を寄せてくる。

「れ、霊夢?」

「…魔理沙、大好きよ」

 困惑している私にそう言うと、彼女はこちらの返答を待たずに、唇を重ねた。

 熱を持っているが、心地のいい温かさではある。指先で自分の物に触れたことはあったが、ここまで気分のいいものではなかった。

 予想の斜め上を行く唇の柔らかさに、私は驚愕を通り越して夢中になりつつあった。しっとりと水気を持ち、重ねているだけだというのにその感触に没入する。

「んっ……んんっ……!」

 もっと彼女を感じたい。私はキスをしながら背中に手を回し、力強く抱きしめた。霊夢もそれに答えてくれるのか、重ねた唇がいやらしく動かされる。

 粘膜と粘膜を合わせる水気のある音が何度も鳴る。息を吸わずにしていることで苦しいはずなのに、止めたくない気持ちの方が大きい。

「ぷはっ……」

 霊夢も苦しさを感じたらしく、唇をゆっくりと離した。彼女の熱が無くなったことで、唇が名残惜しさを感じる。

「はぁ……はぁ……」

 お互いに肩で息をして、酸素が足りていないのにもかかわらず、もっとキスをしていたい、もっと感じたいという欲求を押さえることが出来ない。

 きちんと息を整えられていないというのに、彼女はキスを再開した。さっきと同じように官能的な唇に唇を塞がれた。

 初めてのキスは甘酸っぱい味がした。

 

 

 あれから何時間も霊夢とキスをしたり、手を繋いで座っていたりした。言葉を交わすことは少なかったが、言わなくてもわかっていた。

 初めて彼女と気持ちを共有でき、私はこれまでにないほどに愛情を感じていた。しかし、そう言う時に限って時間は経つのが速い。気が付けば五時を回り、辺りはすっかりと暗くなってしまっている。

「……霊夢……もう、帰らないと」

 何十回目かのキスかわからないが、お互いの唾液で濡れた唇が離れた時、壁に立てかけられている置時計が目に入った。

 短い針が5と6の間を指している。十一月ともなれば、この時間では辺りはもう真っ暗闇だ。気温も下がって帰るのに苦労しそうだ。

 でも、ここを逃すとさらに寒い中帰ることになるだろうから、帰りたくない気持ちを今は押し殺して、帰宅することにした。

「…そう……」

 今までにない、もっと一緒に居たいというオーラがヒシヒシと伝わってくるが、ここは心を鬼にしないといつまでも続けてしまう。

「大丈夫だぜ。また明日来る」

 上体を起こした私は、太ももの上に座っている霊夢の頭を優しく撫でた。身長が高いのも、大人びているのも彼女だが、嬉しそうな顔をして、子供っぽく頷いた。

 私の上から降りると、脱いでいた外着を拾って着るのを手伝ってくれた。彼女よりも頭一つ分小さいため、顔を少し上げると唇が目に入ってしまう。

 口にはまださっきまでの感触が残っていて、それを思い出すだけで心臓がドキドキと鼓動を速める。

「さんきゅう」

 手伝ってくれた彼女の礼を言って、玄関へ向かった。短い距離ではあるが、手を繋いで歩いた。

 握ってくれる霊夢の指は、触れているだけでも優しさや愛情が伝わって来る。温かい彼女の手を私も握り返す。

「…」

 床に一度座ってブーツの履き口に右足を入れ、靴ひもをきっちりと結んだ。左足も同様にブーツを履いて、立ち上がった。

 後ろに立っている霊夢と向き合うと、肩を引かれて軽くキスをした。身長差や立っている床の差から、彼女はしゃがんで唇を重ねた。

 子供っぽい扱いだが、本当に小さいから仕方がない。

「っは………じゃあ、また明日」

 十秒程度の長いキスが終わり、私は霊夢から顔を離した。

「…ん…うん……また、明日ね」

 残念そうではあるが、また明日も来てくれるということで、嬉しそうに霊夢は笑ってくれた。

 扉を押し開けると、来る時と同じ風景が映し出されるが、一部違うのは積雪の厚さと、降っている雪の強さだ。

「おおう……」

 十数メートル先にあるはずの神社すらも、その輪郭が見えない程の吹雪が降っている。風自体はそこまでないが、雪の量が異常に多い。

「…魔理沙、大丈夫…?」

 外の様子を見ていた私に、後ろから聞いてくる。

「ああ、多分」

 一応魔法は使えるし、時間はかかっても遭難してしまうことは無いだろう。

「…ねえ、魔理沙」

 いつの間にか靴を履いていたのか、隣に歩み寄ってきた霊夢は、立てかけていた箒に伸ばそうとした手を握った。

「ど、どうした?」

 頭一つ分高い霊夢を見上げると、外を見回したまま呟いた。

「…魔理沙が良ければだけど、今日…泊まってく?」

「でも、何の準備もできてないぜ?」

 さっきのこともあり頬を朱色に染める彼女を見上げたまま、何も言えずに固まりかけていたが、何とか声を絞り出した。

「…大丈夫……古いけど前の服はあったはずだから」

「そ、……それじゃあ…。お願い…します?」

「…なんで敬語?」

 そう呟く彼女に手を引かれ、私は開いた扉を閉めた。茶の間からの光はあまり来ておらず、後ろの扉も締め切られたことで真っ暗な闇が支配する。

 向き合っていた彼女の吐息が首元に息が吹きかかった。彼女は悪気があるわけではないが、さっきしたキスが効いているらしく、ゾクリと体の奥で何かが疼いた。

「…それじゃあ、ご飯にする?」

「霊夢でお願いします」

 私の手を引いている彼女は笑いながら履いていた靴を脱ぐと、一段高くなっている家の床に上がった。冗談を言ったつもりだが、こちらを振り返ると、悪戯っぽい笑みを浮かべて呟いた。

「…それは、後で……ね…?」

 

 

 

 

 やばい。流れでここまで来てしまったが、二人とも歯止めがきかなくなっていないだろうか。

 霊夢がお風呂に入っている最中、私はコタツに入って湯冷めしないようにし、どうにかして落ち着こうとしていた。

 しかし、そういう時に限ってキスのことばかりが頭を過ってしまう。私は落ち着くためにさっきまであったことを整理することにした。

 

 ご飯を食べて、一人でお風呂に入っている時、急に私は冷静になってしまった。

 二十歳で年頃のカップルで、三か月の月日があれば、一夜を共にするぐらいのところまでは来るだろう。人にもよるだろうが。

 でも、私たちに関すれば、付き合った時から関係があまり進展してこず、今日初めて関係が急激に進んだのだ。この流れでは行き過ぎてしまわないだろうか。

 そう思ってお風呂から上がり、寝る際には霊夢とは違う布団で、という旨を伝えようとしたが、台所にいなかったため寝室に向かってみたところ。

 布団を敷こうとしている霊夢の姿があった。いつも自分が使っているやつは敷いたままだったのか、部屋の隅で畳んで置いてある。

 これから私の分を敷こうとしていたようで、来客があったときに使う布団を取り出そうと霊夢が襖を開くが、そこには何もなかった。

 あるはずの布団は一組も残っておらず、代わりに何かが書かれた一枚の紙切れだけが置き去られている。

 達筆でなんて書いてあるかはわからないが、文章の一番最後の紫という字だけは読むことができた。

 あの野郎。煽るだけ煽って行きやがったと思っていたが、用意周到にこんなことを企てていたとは思ってもいなかった。

 霊夢も夕飯の片付けの最中に冷静になってしまったのか、どうしようと紙切れを握ったまま動揺してしまっていた。

 彼女を落ち着かせるために、今日何もなければいいのだということを言ってその場を収めたが、いざ一緒に寝る時間が近づいてきていると緊張してしまう。

 そうして今度は霊夢がお風呂に入ったが、ここの寝室にはあまり入ったことがないから、そこで待っていようにも落ち着かずに出てきてしまった。何度も出入りしているこの茶の間が何気一番落ち着くのだ。

 という流れがあって現在だが、吐きそうなほど緊張しております。

「ふう…。落ち着け私よ……あとは布団に入って朝まで寝るだけだー」

 そう何度も自分に言い聞かせているのに、心臓の鼓動は早まるばかりだ。一緒の布団でなければまだそこまで緊張しなかったのだろうが、一緒に寝ることになってしまった流れもあって、もしかしたら人生で一番緊張しているかもしれない。

 うーんと考え込んでいると、浴室の方から霊夢が出てくる音が聞こえてきた。身なりを整える時間を考えると、あと五分もすればここに来るだろう。

 全く、紫の奴…やってくれたな。

 しかし、感謝はしている。霊夢の気持ちを知ることが出来たし、彼女の信用から得ることが出来た。

 それに、あのままぐだぐだと同じ関係性を続けていれば、おそらくはどちらかが別れを持ちかけていただろう。私であれば距離を置かれていることに関して切り出し、彼女であれば信用していないことでの罪悪感から。

 だから、紫には感謝こそすれ、恨みまではいかないが文句を言うのは間違いという物だ。まあ、何かムカつくから今度会ったら怒ろう。まあ、おそらくは馬の耳に念仏だろう。

 そんなことを考えていると、髪を乾かすドライヤーの作動音が止まり、寝間着に着替えた霊夢が浴室の方から現れた。

「…あれ、ここにいたの?寝室はストーブで温かくしておいたのに」

 頭にリボンをつけていなかったり、もみあげに装飾を付けていない髪を下ろした彼女が新鮮で、聞かれたことにこたえられず、何秒か見入ってしまった。

「………。っとあれだぜ、気分転換だぜ」

 何に対しての気分転換なのよと言いたげな表情を霊夢はしていたが、こちらに歩み寄ってくると手を差し出した。

「…それじゃあ、寝ましょうか」

 普段とはまた違う雰囲気を纏っている彼女が綺麗で、差し出された手を握るのが遅れてしまったが、待ってくれていた彼女に引き上げられた。

 お風呂から上がったばかりで、じっとりと熱を帯びている彼女の手を握っていると、緊張はするが幾分か気分が落ち着いた。

 電動で温まるコタツのスイッチをオフへ切り替え、部屋の電気も消して手を繋いだまま、暗闇の廊下を通って寝室に向かった。出てくるときに電気を消しておいたため、襖を開けた先も真っ暗だ。

 真っ暗で何も見えないが、霊夢に手を引かれるがまま部屋の中へ入ると、ストーブの稼働している音と、それが排出している熱が出迎えてくれる。

 今は暑すぎるぐらいだが、ストーブを止めればどんどん寒くなる。寝るまでの間は暖かくて眠りやすいだろう。

 部屋の中央に霊夢は歩いて行くと、暗闇の中で何かしようとしている。服が擦れる音がすると、カチリと天井から何かを作動させた音がする。

 電球を弄ったらしく、円を描いている蛍光灯の真ん中に小さい豆電球がつけられており、それが弱々しい光を放つ。

 電球が小さいのと、発光が弱すぎて立っている霊夢の顔ですら、うっすらとしか映し出していない。

 その光で映し出される霊夢の表情が妖艶で、あまり見過ぎるとさっきまで悩んでいたのが水の泡になってしまいそうだ。

 砂の壁並みに弱い理性という名の壁で、留めなく溢れてくる本能を抑え込む。残った全ての体力を使う勢いで、何とか彼女から目を反らせた。

「そ、それじゃあ、寝ようか」

 やばい。暗闇の霊夢が凶器的だ。直視すれば理性をすべて抉り取られるだろう。

「…ええ」

 霊夢はストーブの電源を切ると、布団の中に入り込んだ。私も布団の中に潜り込み、ちゃんと二つ用意されていた枕に頭を乗せた。

 知らない天井が視界に映る。顔を傾けて真横で寝ている霊夢の方を見ると、目を閉じて寝ようとしている。

 私と違って緊張していないのか、見た限りでは落ち着ている。一人で心臓をバクバク言わせているのがバカみたいじゃないか。

 なら、私もさっさと寝てしまうとしよう。霊夢とはまた違ったいい匂いが、枕や布団から漂ってくる。いい夢がみれそうだ。

 こういう時に限って、置時計の針が時を刻む音がやたらと大きく聞こえてしまう。寝るのに集中できない。

 目を閉じて、私も早く眠ろうとすると、伸ばしていた手に霊夢の指がちょこんと触れてくる。

「っ!?」

 もう眠りにつこうとしているのかと思って油断していた。驚いて彼女の方をチラリとみると、体を傾けて顔をこちらに向けている。

「…ねえ、魔理沙」

 ゆっくりと私の指をなぞると、彼女は指を絡ませて手を握って来る。さっきまでの手の平と平を合わせただけものではなく、自分とこちらの指を交互に入れ込んで握り込むやり方で、私の緊張を加速させた。

「な、なんだぜ?霊夢」

 平然を装って霊夢に返事をするが、自分でもわかるほどに声が上ずっている。彼女には緊張しているのはバレバレだろう。

 仕方ないじゃないか。この二十年、こんな風な雰囲気になることなんか無かったんだから!初体験なんだから!

 つないでいる手から心臓の鼓動が伝わっていないかが心配なほど、激しく活動している。呼吸が荒く乱れないよう、気を付けながら彼女の方を見る。

「…今日は、いろいろとごめんなさいね」

 紫のことなどを言っているのだろう。

「大丈夫だぜ。それのおかげでこうして一緒に居られているわけだし」

 さっきも言った通り、彼女には一応感謝している。身内だからというのもあるだろうが、謝ることは無い。

「…そう言ってくれるなら、良かった」

 彼女はそう言うと、握っていた手を離す。両手を私の首元へと伸ばす。ぐるりと手を背中側に伸ばして引き寄せられた。

 顔を傾けて逃げられないように、片手は私の後頭部を支え、待ってと制止を促す前に口を塞がれた。

 体温が高い彼女の唇が触れると、その感触を最大限愉しもうとしているのか、自然とゆっくりと左右に顔を傾ける。

 シットリ濡れている唇の合わさる感覚は、それだけで私の中に残っていた理性を瓦解させる。

 彼女のことを私も力強く抱きしめ、こちらからも柔らかく滑らかな唇を貪る。さっきまでうるさくて仕方のなかった時計の音など、もう聞こえない。

 静かな部屋の中に粘膜と粘膜が優しく合わさる、水気の強い音が響き渡る。それと合わせて、二人分の吐息が入り混じる。

「っん……」

「…はっ…」

 ひと際水気の強い音がして、合わさっていた唇が離れた。反響するほど大きくは無いが、その後には荒々しい二人分の呼吸音が漂う。

「はぁ……はぁ……」

 息がかかるのを気にしていられない程、霊夢の中で興奮が勝っているのか、漏らした吐息はミントのいい香りがする。

「霊夢……このままして、いいのか?」

 これ以上続ければ、本当に歯止めがきかなくなる自信しかない。彼女の腰に手を回したまま私は聞いた。

 それに返答はなく、代わりに唇が重ねられた。

 

 

 

「んっ……んう……」

 私の吐息がキスをしながらも漏れてしまう。興奮が高まり、緊張していた時以上に拍動が早まる。

 血液の循環が早まり、酸素の消費が激しくなったことで、息を止めていると呼吸が続かない。

 それは彼女も同じようで、キスをしながら荒々しく呼吸をしている。どれだけ口を合わせていたが分からないが、私はそのまま無意識のうちに霊夢の口へ舌を伸ばしていた。

「…んっ…!?」

 まじかにある霊夢の表情が驚いたものになるが、上にのしかかっている彼女はすぐに目を細めると、私のに舌を絡ませてきた。

「…ふっ……んっ…」

 ちゅっちゅと唾液で濡れた唇と舌を、霊夢は官能的かつ刺激的に蠢かせ、私の余裕をごっそりと削いでく。

 以前にした彼女との会話によって、キス等はしたことがないと言っていたが、嘘なんじゃないかと思えるほど上手すぎる。

 混ざり合った唾液が唇を濡らし、溢れ出した体液は顎まで垂れて容赦なく肌を汚していく。

 興奮の高まった私たちはそんなことは気にならず、むしろ、キスや肌を合わせることが出来ないことの方が気になった。

 何分経ったかわからないまま、しばらく時間が過ぎた。キスで脳がマヒしている私から、ようやく唇を離してくれた。

 濃厚すぎるキスにより、混ざり合った濃い粘液は、離れた後でも私と霊夢の唇をつなぐ懸け橋となる。

 その中央付近が最初に重力の影響を受け始め、下方向へ湾曲し始めてある程度経つとプツリと切れて無くなった。

 今自分がどんな顔をしているか分からないが、霊夢は少し惚けた表情をしている。今の状態を愉しんでいる彼女は、もう一度こちらへ頭を落としてくる。

 今までの濃厚なキスではなく、優しく丁寧に舌や唇を絡ませる程度のキスであるが、口の中で温められたトロトロの唾液を纏っている。

 先よりも軽く、優しくて温かみのあるキスのはずなのに、刺激は同じぐらいある。ざらついた舌に、大量の唾液が乗るだけで信じられない程快感が増す。

「あふ……んんっ…」

 厭らしく舌を刺激し続けていた霊夢は、ゆっくりと口を離した。最後の最後まで舌で舌を絡んだ後、軽く唇をなぞった。

「ふぅ…ふぅ…」

 もうどちらの吐息が聞こえているのかわからない。激しく運動を行った後のように、肩で大きく息をしている。

「…魔理沙……」

 彼女は何か言うわけでもなく、首に回していた手を離すと腰に手を回してくる。何をするのか待っていると、引っ張り上げられた。

 上半身を起き上がらせられ、太もも乗っている彼女は、キスをするわけではないが顔を寄せてくると耳元で囁いた。

「…もっと、魔理沙としたい」

 その甘ったるく、性的興奮を刺激する彼女の声で囁かれれば、完全に麻痺している私の脳は従わないわけがない。

「…………うん…」

 彼女のことを抱き寄せたまま呟き、私は服が乱れて露わになっている鎖骨にキスをする。不意打ちになったのか、彼女は可愛らしい声を上げる。

 お風呂から上がった直後というのもあって、少し汗ばんでいるようだ。塩気の強いしょっぱさを舌が感じ取る。

「…ひゃっ…!?」

 それでも首筋に舌を這わせるのを止めようとしない私に、彼女は抱きしめていた手を離して下半身の方へ手を伸ばしてくる。

 目的がわからず、そのまま首筋にキスしていたが、彼女に貸してもらった寝間着の上から、局部を撫でられた。

 これまでに第三者に触られる経験のなかった私は、不意を突かれた霊夢と同様に驚いてしまったのだが、驚いた要因はそれ以外にもある。

 弄られた局部から感じたことがないほどの快感が、電流のように一瞬だけ体の中を走り抜けた。

「ふぁぁっ…!?」

 自然と体がビクリと震えてしまい、熱い何かが体の奥でくすぶり始めた。触れられた局部の奥がゾクゾクと疼いて、彼女を求めている。

「はぁ…はぁ…」

 自然と呼吸も荒くなり、足の上に座っている彼女の胸に顔をうずくめた。柔らかく、弾力のある霊夢の胸は、私が顔を傾けるとその造形に合わせて形を変化させる。

 一部顔を覗かせている肌は、お互いに程よく汗ばんでいるおかげで、彼女の胸に肌が吸い付き、キスとはまた違った心地よさに襲われる。

 服の上からでもわかるその柔らかさに、胸とはここまで柔らかいのかという衝撃に感動していると、霊夢の手が私の顔を両側から挟み込んだ。

 顔を上に傾ける様に誘導され、その通りに傾けると顔をこちらに落としてきていた霊夢と唇を重ねた。

 考えることを放棄している頭は、唇と舌を絡ませる快感に促されて、自分から求めに行っている。

 目はとっくに闇に慣れていたが、時間を見ることや他のことを気にすることには使われず、彼女のことしか捉えていない。

 また、長いキスが始まり、私の予想とは違う動きに合わせ、お互いに唾液をたっぷりと含んだ舌で交わる。

 自分の物を飲んでいるのか彼女の物を飲んでいるのか、もうわからない。それに溺れてしまいそうになるほど、口の中は満たされている。

「はっ…んっ…」

 音も声も気にしなくなってきた。粘膜が絡み合う卑猥な音が部屋中に響き、それらが耳から脳を機能させなくしていく。

「ぷはっ……」

 彼女は一度顔を離すと、そのまま私の着ている服に手をかけた。普段から相手の服を脱がすなんてことはしないことで、寝間着のボタンを取れずに四苦八苦している。

「大丈夫……自分で、脱げるぜ」

「…そう……」

 少し残念そうではあるが、私は上に座っている彼女にはどいてもらい、背を向けて上着を脱ぎ始めた。

 彼女も後ろで着替えを始めたらしく、服を脱ぐ布の擦れる音が聞こえてくる。暑くてたまらなかったから丁度いいが、部屋自体も暖かいから涼しさというのは感じない。

 上の上着と一緒に下着も脱いでしまうとしよう。背中側で止めているホックを外し、腕に通して肩にかけていた輪っかを取り、膨らみなどほとんど皆無の胸を覆っている布を外した。

 誰かに胸を見られるなんて、ずっと前に絶縁した家族以来だろう。それも幼いころだから、十年以上前のことだ。十数年ぶりというやつだ。

 汗をかいていて布が肌に張り付いて脱ぎづらかったがズボンを脱ぎ、局部を覆っている下着に手をかけようとしていると、後ろから霊夢が私のことを抱きしめた。

 

 

 私は先に脱ぎ終わってしまったが、魔理沙はズボンを脱ごうとするのに時間がかかっている。

 こちらに背を向けているからどんな表情をしているのかわからないが、弱い電球の光で映し出される彼女の背中からは、幼い容姿なのに色っぽさがにじみ出ている。

 黄色の髪で見え隠れしている背中や、髪に隠れている熱っぽい表情に吸い寄せられるようにして、私は彼女に近寄っていた。

 座っている所に後ろから腰回りに手を伸ばし、彼女が下着を脱ぐ前に抱き寄せた。驚いて初めは体をビクつかせたが、すぐに私の動きに合わせてくれる。

 後ろから彼女の首筋に軽くキスをして、舌を這わせる。一応感じてくれてはいるのか、安定した呼吸が若干乱れる。

「はっ……うっ……」

 汗がしょっぱいが、今は興奮の要因にしかならない。腰で抱きしめていた腕を持ち上げ、ぷっくりと膨らんでいる小さな二つの山を指先で優しく摘まんだ。

 薄暗さで色などはわからないが、興奮してくれているようで血が充血して硬く膨らんだ乳首に触れているだけで、気分が盛り上がる。

「んっ……んんっ…!」

 肩が震え、艶やかな声を漏らす。首元から顔を離した私は、彼女にこちらを向かせ、艶めかしく膨らんでいる唇にかぶりつく。

 荒々しくならないよう注意を払っているが、体温で加温された舌や唾液がエロチックに私を誘ってくる。

 気を抜けばそれを忘れて、彼女に襲いかかっているところだ。キスばかりに夢中になって、忘れかけていた胸への刺激を再開した。

「っあ……ん…」

 このまま続けて行ったらどうなるのか、非常に気になるところだが、私も私で我慢の限界へ差し掛かっていた。

 服の上から軽く触っただけで、かなり敏感に反応していた。あそこに手を伸ばしたくて仕方がなかった。

 少しの間、乳首を摘まんだり、小さな乳輪を優しくなぞっていたりしたが、片手を離してまだ下着を身に着けたままの下半身に伸ばした。

 彼女が嫌がるようならやめようかと思っていたが、受け入れてくれているようで、目標がわかりやすく移動させたが抵抗するそぶりは無い。

 手始めに下着の上からゆっくりと、彼女の秘部があるであろう場所を、指で優しく優しく撫でた。

「ひっ……んあっ…!」

 布越しでも彼女にとっては刺激となるのか、私の劣情を煽る淫靡な音色を奏でる。体がビクリと震え、胸を刺激してる私の手に片手を伸ばして握って来る。

 汗をかいていてもわかる程、魔理沙の下着はじっとり水気を帯びている。秘部の大体の場所はもうわかっているため、そこに狙いをつけて指を上下に運動させた。

「…魔理沙…凄く、濡れてる」

 ワザと彼女に言うと、薄暗い部屋の中でもわかるほどに頬を朱色へ染めて行く。潤んだ瞳がまた私の欲情を駆り立て、指の動きを速めて刺激を高める。

「あっ……んっ……っひぁ…っ!」

 指の動きに合わせて肩を震わせ、私の手をキュッと握る。それは何とも淫猥な姿だろうか、彼女をもっと乱れさせたい思いが強まる。

 でも、今はそれを押し留めて焦らすのに集中するとしよう。彼女が高ぶると声のトーンが変わり、声も抑えられなくなる。そうしたら一度休ませ、また再開する。

 それを何度も何度も繰り返していると、下着の湿り気が増してきた。さっきまでは少し湿っている程度だったが、今では濡れているのがわかるほどにしみ出してきている。

 唾液よりも粘り気の強い粘液が溢れて来たようで、布の滑りが一層良くなり、スムーズな指使いで彼女を刺激する。

「霊…夢……!」

 完全に雌の表情をしている魔理沙は、胸に触れていた手を握って私の名前をか細い声で呼ぶ。

 何十分も焦らされ続けて、もういい加減イキたいという表情をしている。でも、それを自分から言うのが恥ずかしく、名前を呼ぶことしかできていない。

 その妖艶な声と表情に、私の嗜虐心的な部分に軽くダイレクトアタックしてくる。でもこれ以上はかわいそうなため、口を塞ぎ、下着に這わせている指を持続的に一定の速度で刺激を加えてあげる。

「んっ…んあ…っ……ふっ……んんっ…」

 服の上からだというのにこの感じよう、彼女は感じやすい体質なのだろうか。それとも女性はみんなこのぐらいは感じる物なのだろうか。

 舌と胸と局部、同時に三か所責め立てると、ずっと屑ぶっていた薪にいきなり火が付き、勢いよく燃え盛る。

「~~~~~~~~~っ!?」

 私がキスをしていて口を塞いでいるからか、魔理沙は声にならない厭らしい声を私の頭の中に響かせ、絶頂を迎える。

 彼女の予想以上の反応に、驚いて秘部や乳首に触れていた手を離しかけてしまう。体を大きく反らした彼女は、そのまま後ろにいる私に寄りかかった。

「はっ……はっ……はっ…」

 体を何度も痙攣させ、短い呼吸を何度も繰り返している。この時点でかなり疲弊しているのか、続けられなさそうなほどぐったりしているが、私は自分の欲望に従って震える彼女にキスをしていた。

 絶頂の影響か彼女は放心しているが、キスを迫るときちんと私に合わせて舌で蠢かせる。彼女の様子から、無意識であるだろうが、私の手に触れていないもう片方の手が自然に股間に向かって伸びている。

 彼女のもっとしたいという気持ちに答えて、履いていた下着を脱がしてあげた。思っていたよりも大人っぽい下着を脱がすと、見えていなかった局部が現れる。

 彼女も毛が薄い人らしく、縦に伸びている細い割れ目周辺には、薄い産毛しか生えていない。

 ここからでもわかるほどに、彼女の秘部は溢れて出た愛液でぐちゃぐちゃに濡れている。お漏らしだと言われても違和感はないだろう。

 下着があれだけ湿るわけだ。留まることを知らない彼女の愛液は、未だに溢れ続けている。局部に留まることが出来なくなった粘液は、肌を伝って落ちて行き、シーツに染みを作る。

 一度達したことでトロットロに熟成されている彼女の秘部へ、指を伸ばした。溢れんばかりの愛液が指先に着いた。その熱過ぎる粘液から魔理沙がどれだけ興奮しているのかわかり、私は自分の中で欲望が爆発した。

「ひぐっ…!」

 割れの中にある比較的感じやすい陰核を、優しく指の腹で撫でまわした。乳首よりも小さい突起を刺激してすぐ、小さな体は反応する。

「ひあっ!?んあああっ!?」

 ビクビクと面白いほど反応する霊夢の局部からは、粘液がクチュクチュといやらしい音を立てているが、そんなのを気にする暇もないのか体をのけ反らせるとあっさりとイってしまう。

 一度達しているから、イきやすいのだろう。ほんの十数秒で二度目を迎えてしまった彼女は、今度は前に倒れ込みそうになり、私は慌てて支えた。

 ぐったりとしているが、荒々しい呼吸を彼女は続けていて、小さな胸を膨らませている。

 その姿に少しの間見入っていたが、彼女の陰部から漂ってくる扇情的過ぎる愛液の独特の香りは、私の辛うじて残っていた理性を取り壊すと、容赦なく局部を責め立てた。

「~~~~~~~~~~~っ!!」

 声にならない声を上げ、魔理沙は三度絶頂する。胸と一緒に刺激すると、なんだか早い気がする。乳首を軽く摘まんだまま、下半身の刺激を強めた。

 片手で数えられなくなるほど彼女が絶頂を迎えた頃、私は次のステップに行くために中指を彼女の膣口に添えて、その中に押し込んだ。

 愛液で十分すぎるほど濡らした膣は、驚くほど簡単に中指を飲み込むが、そのきつさから第一関節までがギリギリ入る程度だ。

「ふっ……んん~~っ!」

 だいぶ濡らしていたことや陰核への刺激で痛みは感じないようだが、いかんせんきつすぎる。

 もう少し指を滑り込ませてみると、上を向いている指の腹に、膣壁がやたらとざらついた部分に触れた。

 実際に触ったことは無いが、知識としてはある。ここが触れられると気持ちよくなれる部分という奴だろうか。

 試しに軽く圧迫してみると、呼吸をしようと喘いでいた魔理沙の声色が変わり、目を見開いて体を震わせる。

「んあああ!?さっきと……全然…違っ……!?」

 目を白黒させている魔理沙に更なる刺激を与えるため、胸に触れていた指で陰核をなぞる。

「んくっ……ああああっ!」

 二つの性感帯を同時に責め立てられた彼女は、我慢できずに押し殺した声で喘ぎ、長い絶頂を迎える。

 陰核で達した時よりも、長く、深いピークに本当に声が出ていない。パクパクと酸素を求めて口を閉じたり開いたりしていたが、強張らせた四肢を投げ出してこちらに倒れ込む。

 体温が上がり、汗の滲んでいる皮膚に黄色い髪の毛が張り付いている。瞳には涙が零れそうになるほどに溜まっていて、形のいいふっくらと柔らかな唇の奥には、唾液が絡んで怪しく舌が覗いている。胸も控えめではあるが、形や乳輪の大きさは丁度良く、それがむしろ性欲を掻き立てる。腰や足回りにも程よく肉がついていて細すぎず、体系にも文句の付けどころは無い。普段は雰囲気や童顔が相まって非常に子供っぽいが、スイッチが完全に入っている今は、大人の雰囲気を醸し出している。

 その蕩けた顔や、イきすぎて弛緩している身体をもっと滅茶苦茶にしたい。一度彼女のことを上向けに寝かせ、閉じている足を開かせて股の間に体を滑り込ませた。

 状況が理解できていない魔理沙に濃厚なキスをし、のしかかる。キスをしたまま指を膣口にあてがい、押し込んだ。

 指についていた物と膣から溢れた愛液によって、押し返されることなく指の第二関節まで入り込んでしまった。

 それ以上押し込もうにもかなり抵抗が強くて指が入らなさそうだ。奥を刺激するのはやめ、膣壁にあるざらついた性感帯を優しく撫でた。

「あっ!?…ひあっ!?」

 絶対に人前では見せられない、蕩けた顔をしている魔理沙の唇を奪ったまま、静かすぎる部屋に官能的な女の声が響き渡る。

「ああ~~~~~~~~っ!!」

 刺激や絶頂した快感に慣れていない彼女が七変化させる表情や、私を感じてくれるのが嬉しくて、喘ぐ彼女の声をまじかで聞きながら何度も至らせた。

 絶頂しては弛緩を繰り返し、中と外で何度達したのかを数えるのがバカらしくなってきた頃、ようやく私の中でひと段落が付いて、惚けてしまっている女性から顔を離した。

 唇等に名残惜しさは残しつつ、もっとして居たい欲望を押さえて顔を上げると、彼女の舌と自分の舌を、細い唾液が繋いでいた。例の通りすぐにそれは途切れてしまうが、キスをしていたという証明にもなるそれに、興奮を覚える。

 私の下にいる魔理沙はというと、イかし過ぎたのかボーッと私を見つめている。意識はあるようだ。

 途中で何度か彼女の声が途絶えていたが、もしかしたら気を失っていたかもしれない。彼女が可愛すぎて、止めている余裕がなかった。

 今日はこれで終わりとなるだろう。壁に立てかけられた時計に目を向けると、十二時に近い。三時間以上もぶっ通しで行為に至っていたようだ。

 それだけの時間ずっとしていれば疲れもする。途中から魔力等で疲れをごまかしていたが、それを解除すると朝の雪かきも重なって強い疲労感に襲われた。

「…魔理沙、寝ましょう?」

 下で時折体をビクつかせていた魔理沙にそう言うと、小さな手で私の頬を優しく挟んだ。

「霊夢が……まだ、いってない」

「…へ?」

 返答が帰って来ただけでも驚いたが、まだ予想と違う答えに少しびっくりした。

「最後に……一緒にいこうよ」

 彼女の囁く声はどうしようもなく、ゾクリと私の劣情を駆り立てる。疲れ切っているはずだが、自然と私は彼女に身を寄せていた。

 開いて露出している彼女の陰部に、愛液でドロドロに濡れている自分の秘部を押し合わせた。

「んんっ…」

 感度の高まっている魔理沙はそれだけで淫妖で魅惑的な吐息を漏らした。痛くならないよう、優しく自分の陰核を彼女の物へすり合わせる。

「ひっ…んあっ!」

 私も少し来ているが、物の数十秒で彼女は絶頂を迎える。腰を上下に動かすごとに、自分の中にあった余裕は、燃え上がる興奮の薪に使われて消えて行く。

「…くっ…ふっ…んっ…!」

 愛液まみれの接合部からは、粘膜と粘膜の合わさるいかがわしい音が発せられる。それすらも気分が上気する一因にしかならず、私がイク前に魔理沙が先にイってしまう。

「ん~~~~~~~~~っ」

 彼女の両手に自分の両手の指を絡ませて握り込み、優しくキスをする。自分の中でもくすぶっていた何かが高ぶり、魔理沙に次いで爆発した。

 局部から電流でも流れ始めたのではないかと勘違いするほどの快感は、脳を焦がし、判断を鈍らせる。

 体が言うことを聞かず、自然と魔理沙の上に覆いかぶさってしまう。ビクビクと体を震わせ、抑えようとしても声が漏れてしまう。

「~~~~~~~~っ!!」

 実際のところ絶頂を体験したのは初めてで、しばらくの間放心してしまっていたが、彼女がキスをしてくれたおかげで戻ってこれた。

 一緒にイこうと言ってくれたため、再度腰の動きを再開し、彼女を刺激する。

 しかし、魔理沙は達するのが速く、私は遅いため、中々タイミングが合ってくれない。

「れ、霊夢…!…んあ…っ……また…!」

 彼女の絶頂が近いのか、調節できない大きな声で私に言った。今回はタイミングが良く、私ももう少しで達しそうだ。だが、彼女の方が足が速そうだ。

「…魔理沙…!少しだけ…我慢して…!」

「ああっ……わかっ……っあ……た…」

 彼女は歯を食いしばっていってしまうのを我慢する。私は激しく彼女を責め立て、自分の中の快感も増幅させる。

 いくら我慢しようとしても、限界があるらしく彼女の体の痙攣が大きくなってくる。

「霊夢…!!……ふっ…ああっ…もう……だめ……!!」

 でも、その甲斐あって、私の中の快感が破裂寸前まで膨れ上がる。

「…イって、魔理沙…!一緒に……!!」

 最後に力強く局部を押し付け、膨れ上がったものを爆発させた。彼女と一緒という部分が影響しているのか、今までで一番気持ちのいいものだった。

「「あああ~~~~~~~~~~っ!!!」」

 体を何度も痙攣させたのち、私は意識が遠のいてしまうのを感じた。疲れた体がついに限界を迎えてしまったようだ。

 真下に魔理沙が居るというのに、体から力が抜けて行くのをとめることが出来ず、倒れ込んでしまった。

「霊夢……?」

 快感の余韻に浸りながらも、魔理沙は私のことを案じてくれる。しかし、それに答えることが出来ず、私は眠りへと落ちて行く。

「霊夢……」

 また、魔理沙が私の名前を呼んで、何かを言ってくれたが、脳にそれを処理できるだけの知能は残されていなかった。

 睡眠を求めている脳が機能を低下させられ、意識を保つこともできなくなり、そのまま無意識の深い海に落ちて行った。

 

 

 どうやら疲れて寝てしまったようだ。彼女に声をかけても、ゆっくりと深い呼吸をしている。

「霊夢……大好きだぜ」

 私は彼女の耳元で囁いた。

 頬に優しくキスをして、私も寝てしまおうとするが、行為の最中にどこかに蹴飛ばしてしまった布団が手の届く範囲にない。

 ストーブも消してしまっているし、このままでは朝方には気温が下がって体が冷えてしまう。

 霊夢をどかそうにも身長的に私よりも体重があり、上に乗っている状態ではどかすことは難しい。

 それでも何とかならないかともがいてみるが、まったくの無意味だった。そうしているうちに、私も眠気に手を引かれ始めた。

 行為自体も結構体力を使うらしく、今日はあまり動いたわけでもないのに、体には疲労感が溜まっている。

 せめて布団をかぶりたいと、もがこうとする努力もむなしく、彼女と一緒になって眠りへ落ちてしまった。

 

 

 今まで、霊夢のことを考えて、もしかしたら別れるかもしれないという不安を抱きながら床についていた。

 今はその不安は無く、私は久しぶりにぐっすりと眠った。

 




 最後までご閲覧していただきありがとうございました!!

 2人がイチャイチャするのをにっこりして読んでいただけたのであれば、幸いです!


 エロ成分が足りなくなったらいつか現れると思いますので、その時はこいつまたやりやがったなと手に取ってみてください!!



誤字等がございましたらすぐに修正いたしますので、ご報告ください。

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