「トモダチ」とは…フレンズと言う言葉ではわかってるつもりだったが、僕はフレンズを無意識のうちにただの動物の象徴として捉えていた。彼らはそれぞれ考えて生きているのに、僕は考えながら部屋に向かっていると、隣でも考え事をしているリョコウバトがいた。
「どうしたの?リョコウバト!」
「私いままでキュルルさんのことフレンズと思ってなかったんですわ」
「ま、まあそうだね」
「でも考えてみたら私がキュルルさんが嫌いなのは「人」だからなんですの」
「そうなの?」
僕はリョコウバトが何故嫌いなのか知らなかった。
「はい。それで、いままでのキュルルさんの印象を考えてみたんですが…」
「別にキュルルさんのこと、私は嫌いではないと気付いたんですの」
「それは…」
え?じゃあ僕のことは嫌いじゃないってことなの?
「ですからあの改めて私もトモダチになってくれませんか?」
「……!!本当?」
「はい!」
「そういえば絵を描くことを了解しましたけど、なんでそこまで描きたいんですの?」
「え、えーとそれは…その…」
前回はぼかしたが、ここで婉曲な言い方をするとよくない気がする。
「えーとそれは…リョコウバトのことが好きだからだよ」
「すき?ですの?」
僕は正直に白状した。
「あとでみせようと思ってるんだけど僕」
「リョコウバトと出会った時、最初に出会った時、初めてちゃんと納得できる絵が描けたんだ」
「そうなんですの?」
「キュルルさんと出会ったとき、あのときはなんでこんなところに「人」がいるんだろうと思ってましたわね…」
「僕は絵が描けることだけが生きがいだから…」
「だから僕の中でリョコウバトは女神であり恩人なんだ」
「だから好きなんですの?」
「うん…」
リョコウバトは恥ずかしいそうに「うふふ」と笑う。僕も釣られてなんだか笑ってしまう。
「そこまで言われると恥ずかしいですわね」
僕は続きを話す。
「それで、リョコウバトさんは旅をするフレンズでしょ?」
「はい」
リョコウバトは笑いをやめて真剣に聞いている。
「もしどこかにいってしまって戻って来なかったらたぶん一生会えない」
「……はい、そうですわね…」
「だからここで描いて目に焼き付けておきたいんだ…」
リョコウバトは納得して頷いていた。
「…あーそうだったんですね、なるほどなるほど」
それから僕の部屋にリョコウバトがきた。僕は締め切った薄暗い部屋の電気をつける。
ライトが暗がりの部屋とリョコウバトを照らす。リョコウバトはカーテンを開けた。
「今日は月が綺麗ですわ」
「そうだね!僕あまりここのカーテン開けないから知らなかった」
「道具がありますわね…それにこの立て掛ける台、いかにも画家って感じでいいですわね」
「いいでしょ?」
「はい、これで支えてこのペンで絵を描くんですのね?」
「よくわかったね」
「私も画家のフレンズさんにもあったことがありますから」
リョコウバトはキョロキョロしている。周りを見渡してから何かを発見するたびに何か歓声をあげていたが、一つ部屋のすみっこにある絵を見つけた。
「これいいですわね?」
色とりどりに塗られた鳥の絵をもってリョコウバトはいった。それは「ニジのトリ」だった。昔、博士がいっていたニジの色の羽をもった鳥を想像して描いたものだった。でも何か足りない。なにか彩が足りない。それは何の色なのか僕にはわからなかった。僕はさんざん悩んだ末に部屋の隅に置いた。
「それは完成してないんだ」
「でもすごい綺麗がですわ…」
そうなのかな。僕は苦々しく笑う。僕は他人の絵の見方にケチをつけられるほど知識はない。でも確かに改めてみるとそれなりに形にはなってる気がしてきた。
「もしよかったらあげるよ?」
「ほんとですの!?貰いますわ!」
あ、そうだ!せっかくだから僕が前に描いた絵もあげておこう。
「あ、あとこれもあげるよ!」
「これは?私?」
「うん…リョコウバトに出会った夜に描いたんだ!どう?」
「あ、これが!ありがとうございます!」
リョコウバトは嬉しそうだった。僕はその笑顔が見られただけでなんだか嬉しかった。
「あっそういえば」
リョコウバトがここに来た目的を思いだした。
「では!キュルルさん始めましょうか?」
「うん!お願い!」