たまに、私の気まぐれで視点が入れ替わることがございます。大変申し訳ありません。
私はほむらちゃんから逃げるように、屋上に来ていました。
「ほむらちゃんのばーか…。」
私は怒っていました。一つはほむらちゃんに。
もう一つは、私自身に。
「ううっ…。もっと私とも仲良くしてくれてもいいじゃん…。」
どうしてでしょう。ほむらちゃんがさやかちゃんと、仲良くしてるのを考えると…。
私、おかしくなっちゃったのかな…?会ったばかりのほむらちゃんにこんな気持ちになるなんて…。
ほむらちゃんは、夢にでてくる女の子によく似ています。そこでは私とその子は恋人で…。あとはとても悲しそうな表情をしていました。それ以外よく思い出せません。
夢なのに。とても夢だとは思えません。
まるで、本当のことのようでした。
「ほむらちゃん…。」
「なぁに、まどか。」
「うぇ…!?ほ、ほむらちゃ…!?」
ほむらちゃんはいつの間にか私の後ろにいました。
「えっと…。まどか?どうして怒っているの…?」
「…知らないもん。ほむらちゃんのことなんか…。」
「ずっとさやかちゃんと一緒にいればいいんだよ…。」
私は性懲りもなく、皮肉をいってしまいました。
「さやか…?あぁ、そういうことね。」
ギュッ。ほむらちゃんは私を抱きしめました。
「ほ、ほむらちゃん!?」
何故か、とても心地がいいです。いや、前からこんなことが何回もあったような…。普通はこんなことないはずなのに…。
「まどか、大丈夫よ。私はあなたとも仲良くなりたいと思っているから…。」
「ごめんね…。おかしいよね。今日、初めて会ったばかりの人と友達が仲良くしてるのを見て嫉妬するなんて…。」
「いいえ…嬉しいわ。ありがとう…まどか。」
ほむらちゃんは私の頭を撫でてくれました。
それがとても心地よくて。私は寝てしまいそうになりました。意識が薄れる途中、
「…まどか。大好きよ…。」
という声が聞こえましたが、私の意識は泥の中に沈んで行きました…。
「んぁ…。ふわぁ…。」
私が目を覚ますと…。
「おはよう、まどか。といっても、もうお昼だけど。」
ほむらちゃんの顔がすぐそこにありました。
「ほ、ほむらちゃん…!?どうして…!?」
「あなたが寝てしまったから膝枕をしていたのよ。」
「そ、そうなんだ。も、もう大丈夫だから…。」
私は起きようとしましたが、体がいうことをききません。
「…まどか?起きないのかしら?」
「えっ、えっと…。」
体が動かないなら仕方がないよね…。
「やっぱり、このままでいいかな…?」
「ふふっ、まどかは甘えん坊さんね。いいわよ。」
「ありがとう、ほむらちゃん…。」
なんだろ…。こうしてるとすごく落ち着くっていうか…。安心する…。
「ね、ほむらちゃん。お願い、聞いてくれる?』
「いいわよ。」
「あの、ね。頭、なでてほしいの…。」
私がそういうとほむらちゃんは微笑みながら、私の頭をなでてくれました。
「うぇひひ。ありがと、ほむらちゃん!」
「どういたしまして。」
「あっ!暁美さん!やっと見つけ…って。どういう状況なのかしら?」
「あら、マミさん。見ての通り、私がまどかに膝枕をしていたのよ。」
「あら!じゃあ、この子が!」
「ええ、鹿目まどかよ。」
なんだか、本人抜きで私の話が進んでる気がします。
この人誰だろう…?そう思って見てみると…。
「とっ、とっ、巴先輩!?」
「あらまどか、マミさんを知ってるの?」
「当たり前だよ!巴先輩はこの学校のマドンナなんだから!」
そう。巴先輩は女子生徒全員の憧れの的…。
男子からは毎日のように告白を受けてるって噂…。
「ええ…?マミさんがマドンナ…?本当かしら。」
「ほんとだよ!だってファンクラブだってあるんだから!」
「あらあら。マドンナだなんて嬉しいわね。」
「どうだか。その意地悪い性格でマドンナだなんて。」
「ふふ。暁美さんは私が羨ましいのかしら?」
巴先輩はとっても大きい胸を強調しながらいいました。
「くっ…。そんなものがなくたって…!」
ほむらちゃん…。胸、コンプレックスなんだね。
これからはほむらちゃんの前で胸の話題は避けよう。そう思いました。
「ふふっ。冗談よ。」
「ところで、マミさんはどうしてここに?」
「そうそう。まほ…んぐっ!?んん!」
「マミさん…!駄目よ、まどかがいるんだから…!」
「あっ…!鹿目さん…!そうね。ここではちょっと…。」
え?私?私がいるとなにか問題があるの?
また、そうやってほむらちゃんは私を避けるんだ…。
「ごめんなさい…!私邪魔なんですよね…!」
ほむらちゃんのバカ!嘘つき!
もう知らないもん!
「あ、まどか!」
「あー…。やっちゃったわね。これ。」
「ぐすっ…。ほむらちゃんなんか…!」
あんなに巴先輩と仲良くして…!
またです。ほむらちゃんの周りの人に嫉妬して…。
「なんでなの…!?なんで、ほむらちゃんのことを考えると…。」
こんなにも胸が熱くなるの…?
おかしいよ…!辛いよ…!
『やぁ、苦しんでいるようだね。鹿目まどか。』
聞き慣れない声がしました。顔を上げると。
『僕の名前はキュゥべえ!よろしくね!』
白い猫…?喋ってる…。
「キュゥべえ…?あなた、猫なの?」
『いいや。僕はキュゥべえ以外の何者でもないよ。君たちのいう、猫という種類ではないよ。」
「ふーん…。じゃあ、キュゥべえは何しに来たの?」
『それはね…。僕と契約して魔法少女になってよ!』
「魔法…少女…?なにそれ?」
テレビでよくやっているやつでしょうか。
『そう。魔法少女は…』
「おい、キュゥべえ!あんた何やってんだよ!」
「さやかちゃん…!?」
『おや、邪魔が入ってしまったね。また会おう!』
「まどか!何もされなかった!?契約しなかった!?」
どうしてこんなに必死なのかな…?
「う、うん。なんにもしてないよ。」
「よかった…。これからあいつが来ても絶対に耳を貸したらだめだよ!」
「さやかちゃん、どうして?」
「…。ほむらとの約束だから。絶対に守るって、そう決めたから…!ほむらのためにも…!」
ほむらちゃんが…?どうして…?
疑問を一つ解決しようとするとまた増える…。
「ほむらちゃんが…?どうして?」
「ごめん…。それはいえない。まどかでもこればっかりは…。」
そっか。
「そうやってみんな私を除け者にするんだ…。」
「まどか…?」
「もういいよ!私はほむらちゃんと仲良くしたいだけなのに!」
私はいられなくなって、教室にもどりました。
その後の授業は碌に頭に入って来ませんでした。
お昼を食べていないから…?いいえ、違います。
ほむらちゃんのせいです。
全部、全部ほむらちゃんが悪いんです…!
「はい、じゃあここを…鹿目さん!」
「えっ…!?えっと…!」
「先生。私が代わりに答えます。x=18です。」
ほむらちゃんが代わりに答えてくれました。
「あ、はい。正解です。あと、鹿目さんはしっかりしてくださいね?」
「…はい。」
ほむらちゃんは優しいな…。でも、それは上辺だけなんだ。どうせ、本当は面倒くさいって、そう思ってるんだ…。
「きりーつ。れーい。」
「「ありがとうございましたー!」」
授業が終わり、みんなは帰る支度をしています。
私も帰ろっと…。そんなとき。
「まどか。一緒に帰らない?」
ほむらちゃんが話しかけてきました。こっちの気持ちも知らないで…!
「…いい。一人で帰るから。」
「でも…。」
「いいって言ってるでしょ!ほっといてよ!」
「あ…まどか…!」
もういいんです。ほむらちゃんが私を嫌いなら、私だってほむらちゃんを嫌いになればいいんです。
「ねぇ…どうしたの、まどか?ほむらと帰ってやればいいじゃん。」
「もういいもん…。知らない、ほむらちゃんなんか…!」
どうせ、私のことなんか、さやかちゃんにいつもひっついてるお邪魔虫程度にしか思ってないんだ…。
その後何回も…。
「まどか、一緒にお昼食べましょう?」
「…やだ。さやかちゃんとでも食べればいいじゃん。」
「まどか…。」
「まどか、手伝うわ。」
「…私一人でできるから。ほむらちゃんはむこういっててよ…。」
「そ、そう。頑張って…。」
「まどか。一緒に移動教室…」
「…。勝手にすればいいじゃん…。」
「あっ…!まどか…。」
「あの、まどか…。よかったら明日どこかに…。」
「…。」
「まど…か…?」
「いわないと分からないの?」
「まどか…。ごめんなさい…。」
「まどか…。あの…。」
「…。何?」
「えっと…。」
「何?早く言ってよ。」
「一緒にお昼…。」
「やだ。」
「…!もういいよ!まどかなんて放っておこう!」
「あっ…!待って、まどか…!」
「まどか…。一緒に帰らない…?」
「…。」
「まどか…。」
「うるさい…。もう、話しかけてこないでよ…。」
「まどか…!あんたねぇ…!」
「…っ。いいのよ…さやか…まどかを責めないであげて…。ごめんなさい…まどか…。」
「あの…!まどか…!」
「…もう話しかけてこないでって言ったじゃん。」
「でも、私はまどかと…!」
「…。どっかいってよ。」
「…ごめんなさい。私…。」
「まどか!あんたいい加減に…!」
「やめて…!まどかは何も悪くないから…!責めるなら私を…ぐすっ…! だから…!」
「まどかー!お友達が来てるぞー!」
「誰?」
「確か、ほむらちゃんって。」
「…私はいないっていっておいて。」
「でも、いいのかい?」
「いいの。ほむらちゃんは友達じゃないもん…。」
そのうちに、ほむらちゃんは私に話しかけてこないようになりました。
さやかちゃんだってもう話しかけてこないようになりました。
「私…間違ってるのかな…。」
「ぐすっ…。まどか…。」
「ほむら…。あんたが泣くことないって。全部まどかのせいなんだから!」
「いいえ…。違うわ…。私がまどかに話さないから…。」
「だって仕方ないじゃん!それにしても話そうとしてもまどかは無視するし!」
まどか…。ごめんなさい。私のせいなのよね。
私のせいで、さやかにまで嫌われてしまって…。
きっと私を恨んでいるわね。だから…。
「もういいのよ。私はまどかにとって迷惑な存在なのよ…。」
「それじゃほむらは…!」
「いいの。まどかが生きている、そのことだけで充分よ…。影からまどかを守って、幸せになってくれればそれでいいの。まどかの幸せが私の幸せだから…。」
「だからさやか。あなたはまどかと仲良くしてあげて…。まどかの幸せにはあなたが必要なの。私のことを気にかけてる場合じゃないのよ。」
「それじゃだめだよ…。ほむらが一番幸せになるべきなんだよ…。あんたが誰より頑張ってきたんだから。だから…!」
でも。
「でも…まどかの幸せの中に、私はいないのよ…!」
「私は…!私はぁ…!」
「ほむら…!おいで…!あたしに全部ぶつけて…!」
「私…!本当はまどかと仲良くしたい…!私だって幸せになりたいよぉ…!みんなと…!まどかと…ご飯食べて…一緒に帰って…休みは出かけて…!」
「うん…。うん…。」
「嫌だよぉ…!このまま、まどかに嫌われるのなんて嫌だよぉ…!辛いよ…!」
「ほむら…!やっぱり辛いんじゃんか…。」
「さやか…!助けてよ…!私は…!」
「やっぱり、まどかに全部話すしかないよ…。」
「…ぐすっ。駄目よ。それは駄目。まどかに辛い思いはさせられない…!それに…!」
「ほむらは優しすぎるんだよ…。」
私は優しくなんかない。ただ、まどかが死ぬところを見たくないだけ。意気地なしなだけなの…!
怖い。まどかに拒絶されるのが怖い。
真実を話して、信じてくれなかったら。そう考えるのが怖い。だから…。
「だから…このままで…いいのよ…。私はいい。この気持ちはもう仕舞っておくわ。ありがとう、さやか。」
「私はマミさんに用事があるから。まどかによろしくね。じゃあ…。」
「なんでなんだよ…!なんで、ほむらが…!」
私はマミさんの家まで来ていた。
大丈夫よね。隈とか目が腫れているとかないわよね。
ピンポーン。私はチャイムを鳴らす。
「はーい。」
「こんにちは、マミさん。」
「あら。よく来たわね。」
「お邪魔してもいいかしら?」
「ええ、いいわよ。ただ…。」
「ただ…?」
「鹿目さんがいるけれど…。」
まどかが、いる。怖くてたまらなくなってしまった。
「ご、ごめんなさい…!私、いくわね…!」
「えっ!?暁美さーん!?」
逃げ出してしまった。
また、負けてしまった。自分の弱さが憎くなる。
こんな私で、本当にまどかを救えるの…?
いいスタート切ったと思いきや、いきなりの暗雲…。
すみません、趣味悪いかもしれないですが、落とすとこまで落として、上げるのが大好きなんです。
つまり、次くらいには上がるはずですから。
では。