…さすがに今回は詰め込み過ぎました。すみません。
書いているうちにあれこれとネタが浮かんで…。
最低10000文字を超えないと満足できない身体になってしまったんです…。許してちょんまげ。
では、お楽しみください。
まどかがほむらの過去を見た次の日…。
「うぅん…ふわぁ…。」
私は目が覚めました。
「んぁ…ママ起こさなきゃ…。」
早くしないと遅刻しちゃうよね。でも、なんだかいつもとちがうような…。
そんなことを思いながら、おぼつかない足取りで部屋を出ると…。
「あら、まどか。おはよう。あと少しでご飯できるから待っていて頂戴。」
「ふぇ…!?ほむらちゃん、どうしてここに!?」
「え?だって、ここ私の家よ?私の家なのに私がいちゃ駄目なの?」
ほむらちゃんの…家?
「あ!」
そういえば、昨日はほむらちゃんの家に泊まったんだったけ…。
「えっと…ご飯できたわよ?」
「あ、え、うん。早く食べて学校行かないと…。」
「…まどか、ご飯を食べる前に顔を洗ってきたほうがいいと思うのだけど。」
「え、え?どうして?」
「だって…今日は土曜日よ。学校はないわよ?」
「あ…と。私、どうしちゃったんだろ?」
「じゃあ、昨日のことは覚えてる?」
「…うん。ほむらちゃんと仲直りして…。ほむらちゃんの辛い過去を見せられて、それで私は…。」
「え?その後ってなにかあったかしら?私が戻ったらまどかは寝てしまったような…。」
「あ、えっと、なんでもない!なんでもないよ…。うぇひひ…。」
つい口に出しそうになってしまいました。ほむらちゃんが本当に好きな人は、私じゃない…。
そんなこと考えてたなんて、言えるわけがありません。
「…まぁ、昨日あんなことがあったからだと思うわ。衝撃的すぎて、忘れていたのよ。」
「そうだね。うん…。」
「じゃあ、冷めないうちにご飯を食べましょうか。まどかのために、腕によりをかけて作ったわ。口に合うといいのだけど…。」
「うわぁ…!美味しそう!」
ほむらちゃんが作った朝ごはんは、凄く美味しそうでした。パパの料理も凄く美味しいけど、それと同じくらい…多分それよりも美味しそうに見えます。
ご飯に、味噌汁に、鮭の塩焼き、ほうれん草の胡麻和え、ごぼうのサラダ…。
「いただきまーす!」
「いただきます。」
私は気になったことをほむらちゃんに聞いて見ます。
「ねぇ、ほむらちゃん、これって全部手作りなの?」
「ええ。全部手作りよ。」
「このごぼうのサラダみたいなのはどんな味なの?」
「これはツナマヨと、ごぼうを合わせたものなの。少しツナの油も入れることで、味が濃くなって好きなの。」
「へぇー!ほむらちゃんって、料理上手なんだね!」
「ふふっ、そう言われると嬉しいわね。でも、これくらいはみんなできるものだと思うわ。」
「そうなんだ。やっぱり、一人暮らしするにはこれくらいできないと駄目なのかな…?」
「そんなことはないわよ。元々、私は料理が得意ではなかったし。でも、ずっと料理をしていると自然と身についてしまうのよ。少しずつ、上手くなっていけばいいの。」
「うーん…。でも、私はレトルトとか、冷凍食品に逃げちゃいそうだよ…。」
「私も一時期、そういうもので済ませていた時期があったわね…。でも、いくら美味しくても、なんとういうか、温もりがないのよ。やっぱり手作りの方が美味しく感じてしまうのよ。だから、やめてしまったの。」
「そっか…。温もりかぁ…。」
私は味噌汁を啜りながら、考えます。
本当にほむらちゃんがこのご飯を食べてほしいのは、〈私〉じゃなくて、〈一番始めの私〉なんじゃないか、って…。この温もりを感じてほしいのは、〈私〉じゃない…。だって、私にはそんな権利がない…。私、ほむらちゃんをこまらせてばっかりで、役立たずだし…。
「まどか?どうしたの?もう味噌汁は空よ?」
「え?あ、ほんとだ。うぇひひ、ほんとどうしちゃったんだろうね、私…。」
「もう…ほら、貸して。味噌汁、まだ飲みたいんでしょ?入れてきてあげるわ。」
「あ、うん。ありがとう、ほむらちゃん。」
ちょうど良かったです。あんなことを考えていたせいで、せっかくのほむらちゃんの味噌汁をしっかり味わうことができなかったのです。
「はい、味噌汁。今度はもっと味わって飲むのよ。」
「はーい。…なんかほむらちゃんって、恋人っていうより、お母さんみたいだね!」
「…そのセリフ、私にはどうっていうことはないけど、一部の人には効果抜群よ。気をつけなさい?」
「え?う、うん…。」
どういうことだろ…?全然分かりません。
「特に、マミさんみたいな人には絶対に言ったらだめよ?なにをされるか分からないから…。」
そう言うほむらちゃんは、少し震えていました。
まさか、言ったことがあるのかな?
「そ、そうなんだ。気をつけるよ!」
「ごちそうさまでしたー!」
「お粗末さまでした。さ、食器を片付けてしまうわ。まどかはテレビでも見ていて頂戴。」
「あ、私も手伝うよ!流石に何もしないっていうのも…。」
「…そうね。じゃあ、まどかにも手伝ってもらおうかしら。」
「うん!じゃあ、食器を持ってくね…よいしょ…。」
私はほむらちゃんの負担を減らそうと、沢山の食器を持ちました。
「まどか、そんなに持ったら危ないわよ?少しずつでいいから…。」
「ん…だい…じょぶ…。今、もってくから…あっ!?」
私はバランスを崩して倒れそうになります。
食器が…!
「まどか!!」
しかし、私が地面に打ちつけられる音はせず、響いたのは食器の割れる音と、ほむらちゃんの叫び声だけでした。
「う…え…?ほむら…ちゃん?」
私は、ほむらちゃんに抱きかかえられていました。
「もう、まどか…!だから言ったじゃない…!」
「…ごめんなさい。食器…。」
「いいのよ、食器なんて…。まどかさえ無事ならそれでいいのよ…。」
「え…?」
「私はあなたが傷つくところなんて見たくないもの。傷つくのは私だけで十分よ。」
「だから…本当に良かった…!」
「ほむらちゃん…。嬉しいけど、ほむらちゃんだけが傷つくなんて、私はいや。私だって、ほむらちゃんのためならいくらでも耐えられるよ…。」
「…あなたは優しくて、強いわ…。」
「うぇひひ…。そんなことないよ。ほむらちゃんの方が何倍も強いんだよ。もっと自信を持って?」
「ありがとう…。さ、まどかは下がっていて。破片の片付けをしてしまわないと…。」
「じゃあ、私が洗い物しておくね。」
「…まぁ、流石に大丈夫よね。じゃあ、お願いするわ。」
「うん!」
「ふぅ…。これで破片は集め終わったわね。」
「お疲れさま、ほむらちゃん。キッチンに紅茶のティーパックがあったから勝手に作っちゃったけど、いいかな?」
「あら、気がきくのね、まどか。将来まどかをお嫁に貰う人は幸せでしょうね。」
「え…?」
私と一緒にいてくれないの…?大人になっても、恋人同士でくれないの…?
「あ、そのお嫁に貰うのは私だったわね。じゃあ、私は幸せ者ってことね。」
「ほむらちゃん…もう、心配したんだからね?私とずっと居てくれるんでしょ?」
「…。」
ほむらちゃんの顔が悲しそうに歪みます。
「ほむらちゃん?」
「あ、いえ、なんでもないのよ…。そうだ、今日は折角お休みだし、食器を買いに行きましょうか?」
「あ…!えと…実は、さやかちゃんと巴先輩のところに行きたいの…。」
「さやかとマミさん?どうして?」
「私とほむらちゃんのこと、しっかり話しておかないと…。」
「そうね…。そうしましょうか。食器はまた明日にでもすることにしましょう。…ところで。」
「何かな、ほむらちゃん。」
「今日は泊まっていくのかしら?もし泊まっていくなら、お夕飯の買い出しに行かないといけないのだけど…。」
どうしようかな…。流石に二日間泊まるのは迷惑だよね…。
「えっと、今日は泊まらないことにするよ。ほむらちゃんも迷惑だと思うし…。」
「そ、そうなの…。」
ほむらちゃんは、すっごく寂しそうな顔で、私を見ていました。
うっ…!ダメダメ、ここで挫けたらそれがくせになっちゃう…!
「…泊まっていってほしかったのにな…。」
「!?」
ほむらちゃん…!それはいくらなんでも反則だよ!
さっきのかっこいいほむらちゃんと、こっちの弱気のかわいいほむらちゃんと…!
ギャップ萌えだよ、ほむらちゃん!
「し、仕方ないなぁ!今日も泊まることにするよ、ほむらちゃん!」
「ほ、本当!?嬉しいな…えへへ…。」
うぅ…かわいいよぉ…。つい襲いたくなっちゃう…。
「ね、ねぇ、それは誘ってるの?それとも天然なの?」
「え?」
「その、気弱な口調に戻るのって…。」
「あ…。ご、ごめんなさい、ついこうなってしまうときがあるのよ…。そのときは言ってくれる?」
「う、うん!分かったよ!」
危ない…。つい誘ってるの、なんて聞いちゃったけど、気にしてないみたい…。
「…ねぇ、誘ってるって、どういうことなの?」
「えっ!?あー、えっと、その…。」
言えないよ…。ギャップを使って私の襲わせる欲求を高めてるの、って言う意味なんて言えないよ…。
「…?」
「な、なんでもないよ!?大丈夫、変な意味はないよ!」
「…そう。じゃあ、着替えていらっしゃい。いつまでも、パジャマでいるわけにはいかないし…。といっても、私のクローゼットなんて数えるくらいしか服はないけどね…。」
「そうなんだ…。じゃあ、ほむらちゃんの服を借りて私の家から服を取りにいってくるね。」
「そうね、それがいいわね。まぁ、まどかに合う服があるような気がしないのだけど…。」
「むっ…!私、そんなに子供じゃないもん!」
「あ、いえ、そういうことじゃなくて…。」
「まどかは凄く明るくて、太陽みたいで…。そんなまどかには明るい色が合うと思うのだけど…。私には似合わないから、そんな服を持っていないから…。」
「あ…えっと、ごめん…。」
「いいのよ。さ、早く着替えて頂戴。」
「うん…。」
「はぁ…。また変なこと言っちゃったぁ…。」
私はほむらちゃんのクローゼットを漁りなが…いや、服を選びながら、そんなことを考えていました。
「ん…?なんだろこれ?」
私が見つけたのは、とってもかわいい服でした。
白い生地に、青のストライプが入っていて、下は青いスカート…。
明るい色のものはないって言ってたのにな…?
しばらく、その服を持って考えていると…。
「まどか、部屋を掃除したいから入るわよ?」
「あ、うん!大丈夫だよ!」
「入るわね…。って、その服…!」
「え、あ、この服?かわいいね、これ!ほむらちゃんに似合うと思うよ!」
「ありがとう…。ふふっ…本当にあなたは変わらないわね…。ぐすっ…。」
「え、ほむらちゃん?どうして泣いてるの…?」
私、なにか言っちゃったかな…?
「いいえ…この服はね、昔のあなたが選んでくれた服なのよ…。私に似合うからって…わざわざプレゼントしてくれたの。」
「そうなんだ…。私が選んだ服なんだぁ…。」
どうりでセンスが私のど真ん中なわけです。
「ね、ほむらちゃん。」
「なぁに?」
「この服、ほむらちゃんに着てほしいな、って…。」
「え…?」
「今日出かけるとき、この服を着てほしいの。そうすれば、私も、過去の私も…喜ぶと思うから。」
「…分かったわ。着てみる。」
「ど、どうかしら…?」
着替えたほむらちゃんはすっごくかわいくて。
これを一番初めに見た私がすっごく羨ましいや…。
「すっごくかわいいよ!もともとかわいいけど、服のおかげでもっとかわいいよ!」
「そ、そんなに、かわいい、かわいいって言わないで…。恥ずかしいわ…。」
「うぇひひ、かわいいよ!」
「うぅ…。も、もう元の格好に戻っていいかしら…?」
「だーめ。ほむらちゃんはその格好で今日一日過ごして!」
「でも、家事も残ってるのよ?この格好じゃ…。」
「じゃあ、私がやるよ!ほむらちゃんが着てた服、貸して?」
「え、ええ…。でも、大変よ?まどかにできるかどうか…。」
「むぅ…。私にだってそれくらいできるもん!」
「まぁ…掃除くらいだし、お願いしようかしら…。」
「〜♪」
「…。」
「〜♪あっ!」
「まどか、どうしたの!?」
「あ、ううん、なんでもないの。ちょっと気になったものがあったから。」
「そ、そう。気をつけてね?」
「うん! 」
「…はぁ…。」
私が掃除をしている間、ずっとほむらちゃんはそわそわしていました。
そんなに心配しなくても、掃除くらいヘマしないよ…。
「ふぅ…。これで全部かな?」
「ありがとう、まどか。凄くキレイになったわ。」
「じゃあ、出かけよ…あ!」
「え?」
「私の服…どうしよ…。」
完全に忘れていました。ほむらちゃんの服を選んでそれっきりだった…。
「あ…そういえば。その服じゃ、流石に…ねぇ…。」
「うん…。」
今私が来ているのは、若草色のタートルネックと、明るいブルーのジーンズでした。
「自分でもわかるもん…。この服は私には大人すぎるって…。」
「…じゃあ、あなたが着ていた昨日の制服でもかまわないかしら?本当は洗ってから返したかったのだけど…。
もしかしたら、と思って、洗っておかなかったのだけど。」
「じゃあ、家に帰るまでは制服で我慢するよ…。」
「元栓よし、戸締まりよし、忘れ物なし…。」
「…。」
真面目だなぁ。いや、当たり前のことか…。
「待たせてごめんなさい。さ、行きましょうか。」
「うん。」
「ただいまー!」
「お邪魔します。」
私達は私の家に帰って(ほむらちゃんは訪れて、のほうが適切か?)いました。
「おかえり、まどか。…おや、君は…?」
「暁美ほむらです。昨日はお電話させていただきました者です。」
「ふむ…。ずいぶんと美人さんじゃないか…。」
「恐縮です。」
「それに、かわいくて、かっこいいんだよ!」
「もう、まどかまで…。」
「ははっ。さ、上がって。」
「うん!」
「失礼します。」
「それで、どうしたんだい?」
「うん、私達これから出かけるから、服を取りに来たの。」
「そうか。楽しんでおいで。」
「うんっ、もちろんだよ!だって、ほむらちゃんと一緒だからね!」
「私もまどかと一緒なら、どこでも楽しいわ。」
「ははっ、嬉しいね、僕の娘にそう言われると…。…さぁ、まどかは着替えておいで。僕はほむらちゃんと話がしたいからね。」
「うん、分かった。…ほむらちゃん、また後でね!」
「いってらっしゃい。」
ほむらちゃんは、手を振って笑っていました。
「…それでお父様、お話とはなんでしょうか。」
「うん…。単刀直入に聞くよ。まどかは、君にとってのなんだい?」
「私にとってまどかは、愛すべき人で、恋人…と思っています。」
「それは、君の本当の気持ちかい?」
「…どういうことでしょうか。」
私は、予想外の展開に少し動揺してしまう。
この人には、嘘は通用しない。私の直感がそう告げる。
この人の目は優しい光を灯してはいるが、その奥には、人の心を探る強い光が見える。
「僕には…君が本当にそう思っているとは思えない。いや、そうは思っているけど、それ以上のなにか…それがあると僕は思う。」
「失礼ですが、どうしてそう思われるのですか?」
「…君の言葉には、中身がない。まるで、空っぽの言葉を話しているように聞こえるんだ。」
「でも、あのとき電話で言葉には強い意志があった。この子は本気だ、そう思わせるなにかがあった。」
「でも、今の言葉にはない。だから、何かがある…そう思ったんだ。」
…敵わない。流石、まどかのお父様ね…。
「そう…ですね。確かに、あの言葉は私の真の気持ちではありません。」
「まどかは…私のすべて…私という人間を創りあげているている人です。」
「…。」
「まどかという存在が私の中から消失すれば、私は私ではなくなります。それは、私の皮をかぶったなにか、と呼ぶに相応しいものとなります。」
「それは、まどかが歯車、ということかい?」
「そうですね…歯車とはまた違います。歯車は消失すれば、私は動きません。しかし、まどかから消失したとしても、私は止まることはありません。私ではない私が常に動き続けます。」
「では、まどかはなんだというんだい?」
「彼女は、私の意志の象徴…といえると思います。」
「というと?」
「先程もいったとおり、彼女は私を創り上げているものです。今の私がこうして話しているのは、私の意志が起こした因果による結果…そう考えています。そして、その意志の根底には、まどかがいます。つまり、彼女は私の意志の象徴、といっても過言ではないと、私は考えています。」
「つまり、まどかは君にとっての行動原理、ということかい?」
「はい、平たくいってしまえばそうなります。しかし、私にとってのまどかは、それ以上のものと思っていただいて貰えば、と思います。」
「ふむ…。じゃあ、君はまどかをどうしたいんだい?」
「どう…したい、ですか。」
私は考える。彼を納得させる理由を。私自身を納得させる理由を。
「私には、彼女の行動を指示する権利などありません。
私はただのオブザーバーです。ただし、彼女が望むのならば、パートナーとも、まどかの代替品ともなる覚悟です。」
「…今の君は、なんなんだい?」
「先程もいったとおり、私は恋人です。彼女を支え、ときには叱咤激励する存在…です。」
「君は、まどかを愛しているのかい?」
「…どうなのでしょうか。私はときどきわからなくなる事があります。私は本当にまどかを愛しているのか、と。」
「…。」
「私は、まどかに抱くこの感情は愛情であって、そうではないものだと思います。私が抱くこの感情は、愛情を中間地点とする、私達の言葉では言い表すことのできないものだと思います。」
「しかし、愛情というものは私の中に存在する、といっても差し支えないと、私は思います。」
「…君は、君自身のことをよく見ているね。君のような人間にあったのは久しぶりだ。まどかに同じ質問をしたとしても、ここまでの話し合いができるとは思えないね…。」
「まどかは純粋です。彼女には、私のような妙に捻くれた人間にはなってほしくないと思います。」
「私のように多くを知りすぎれば、彼女の常識、世界というものが破滅し、新たに否定的な世界が生まれてしまう…。」
「まどかには、いつまでも明るい世界だけで生きていてほしいものです。」
「君は、暗い世界で生きているのかい?」
「…。」
私はまた考える。私は、どこにいるのか。暗い世界?それとも、明るい世界?
「私は暗い世界の住民であって、明るい世界の住民です。私の世界が入れ替わるトリガー…。それは…。」
「まどか、というわけだね?」
「その通りです。私は、彼女の意思によって生きる世界を転々とする…。いってしまえばイレギュラーです。」
「イレギュラー…。ふむ。」
「ほむらちゃん、君とはいい話ができたよ。うちのママはどちらかといえば、感情で動くタイプだからね。君のような人と話せてとても楽しかったよ。」
「私も、お父様と話すことで、改めて自分を見つめ直すことができました。とても有意義な話し合いになったと、私は思います。」
「また、僕と話してくれるかい?」
「ええ、喜んで。」
「そういえば、まどかが遅いね。どうしたのかな…。」
「お父様、私が見てきます。」
「あぁ、助かるよ。着替えていたら、父親でも殴られてしまうからね。」
そういうお父様の目には、悲壮感で溢れていた。
あぁ、これは…経験済みなんだ…。
「…では、いってきます。」
「まどか…?」
声をかけても返事が返ってこない。
「入るわよー?」
「…いや!入ってこないで!」
またか…。どうしてまどかは、こう部屋に引きこもるのだろうか…。(といっても、この時間軸のまどかからしたら初めてかもしれないが。)
「…そう。じゃあ、あなたが入っていいと言うまで私は待っているわ。入っていいときは声をかけて頂戴。」
「…うん。入っていいときは言うから…。」
私は、泣いていました。私の泣き顔をほむらちゃんに見せたくないんです。
泣いていた理由は、ほむらちゃんの気持ちを考えていたら、悲しくなってしまったんです。
昨日からずっと考えている、本当にほむらちゃんが好きな人のことです。
ずっとほむらちゃんと居て感じなかったけど、ほむらちゃんがいない寂しさでどうにかなってしまいそうで。ほむらちゃんなしの生活なんて、今は考えられない。ほむらちゃんが私のことを捨てて、どこかに行ってしまったら。私は、耐えられない。
もう…私は…。
私なんか…。
魔法少女じゃない私なんて、本当は好きじゃないんだ。
魔法少女になってほしくないのは、私のためじゃない。過去の私との約束のため…。ほむらちゃんが憧れて、好きになった私じゃない…。
「ううっ…うわぁぁん…!」
私は、ずっと泣いていました。
いつまでも、いつまでも。
「ひぐっ…ぐすっ…。のどかわいた…。」
私は、なにか飲み物が欲しくて、外に出ようとしました。
「まどか、やっと開けてくれたのね。」
「ほ、ほむらちゃん…!?」
「どうしたの?せっかくのかわいい顔が、涙で台無しよ?」
ほむらちゃんは私の顔に手を当てて、涙を拭ってくれました。
でも、その優しさが私を苦しめてるんだよ…?どうして、それに気づいてくれないの…?
「やめて!!」
「ま、まどか?ごめんなさい、嫌だった?」
「もう…やめてよ…!恋人ごっこなんて…!」
「恋人…ごっこ…?」
「ほむらちゃんは…私のことを好きじゃないんでしょ…?」
「なにを言っているの?私は、あなたの事が…」
「嘘はやめてよ…。ほむらちゃんが本当に好きなのは、私じゃないんでしょ…?昔の私なんでしょ…?」
「…あのね、まどか。私は、今のまどかだとか、昔のまどかだとかは、まったく気にしてないわ。」
「だって、私は鹿目まどか、という存在に恋をしているの。」
「…捉え方によっては気分を悪くしてしまうかもしれないけど、いろいろな時間軸のまどかにあって、沢山のあなたの魅力を知ることができた。」
「その魅力を知れば知るほど、私はまどかの事が好きになっていったわ。」
「だから、私はあなたを愛しているわ。昔だとか、今だとか、そんなものは関係ない。私は鹿目まどかが、大好きよ。」
「本当…?」
「ええ。当たり前じゃない。あなたは紛れもなく、鹿目まどかなんだから…。」
「うわぁぁん…ごめんね…ごめんね…私、ほむらちゃんの事、信じてあげられなくて…!」
「ううん…まどかは悪くない…。私がまどかをもっと愛してあげれば、まどかはこんなに辛い思いをさせないですんだのに…。」
しばらく私達は抱き合っていました。
ずっと…ずっと、この時間が続けばいいのに…。
ワルプルギスの夜なんか忘れて、ずっとこうしていたい…。
「あっ…もうこんな時間…。さやかとマミさんのところには行けそうもないわね。」
「ご、ごめんね?私があんなことを言っちゃったから…。」
「大丈夫よ。みんな優しいから、許してくれるわ。私からメールでも送って、明日行くことを説明しておくわ。」
「何から何までごめんね…。」
「もう、そんなに謝らないで。私はまどかが笑ってる顔が見たいのよ。」
「ごめ…んぐっ…!?」
また謝ろうとした私をほむらちゃんが、キスをして、私の口を塞ぎました。
「んぅ…。ぷはぁ…。まどか、もう謝らないで?私は、あなたが悲しんでいる顔なんて、見たくないわ。」
「私は、笑ってるまどかが見たい。だから、私の大好きなかわいいまどかに戻って?」
「…ほむらちゃんはずるいよ。私、そんなこと言われたら、もっとほむらちゃんの事を好きになっちゃうよ…。」
「あら、それのなにがいけないことなのかしら?私はまどかに私をもっと、好きになってほしいわ。」
「だって、私はまどかの事を世界で一番愛しているもの。」
「…バカ。」
私はほむらちゃんに抱きつきました。
バカって言ったのは、悔しかったりしたわけじゃなくて、ただただ嬉しかったから、言葉に詰まってしまって出た言葉が、バカでした。
もっとマシな言葉言えないかな、私。
「ふふっ…まどか、愛してる。もう…絶対に離さない。私だけの、かわいい、かわいいまどか…。」
「私も、ほむらちゃんを愛してる…。もう、絶対に離れない…。私だけの、かっこいいほむらちゃん…。」
「さて、私達は帰りましょうか。」
「うん。これから、買い物だもんね。」
「おや、まどか、今日もほむらちゃんの家に泊まっていくのかい?」
「うんっ!ほむらちゃんと一緒にいたいもん!」
「ほむらちゃん、迷惑じゃないかい?」
「私は大丈夫です。むしろ、まどかに泊まっていってもらえて、とても嬉しいですから。」
「そうかい。じゃあ、まどかを宜しく頼むよ。…気をつけてね、まどかに。」
え?
「…はい。肝に銘じておきます。」
え?え?
「ねぇ、ほむらちゃん、パパ!?今、すっごく失礼なこと言わなかった!?ねぇ!?」
「…。」
「…さ、帰りましょう。早くしないと、買いたいものが売り切れてしまうわ。お父様、お邪魔しました。」
「うん、いつでも来てくれて構わないからね。まどかの恋人なら、いつでも歓迎するよ。それに、ほむらちゃんとは、もっと話をしたいからね。」
「私も、またお父様とお話がしたいです。また、お邪魔させていただきたいと思います。」
…なんか、私、置いてきぼり?
私のほむらちゃんなのに…。早く帰って、二人だけの時間を楽しみたいよ…。
私はほむらちゃんの腕に抱きつきました。
「…! では、お父様、私達はこれで失礼します。」
どうやらほむらちゃんは私の気持ちを察してくれたみたいで。
「おや、引き止めてしまってすまないね。じゃあ、まどかを頼んだよ。」
「はい。…さぁ、行きましょうか。」
ほむらちゃんは、手を差し出してきます。
「うんっ!うぇひひ!」
その手はすごく暖かくて、幸せが詰まっていました。
「はぁ…かなり買ってしまったわね…。」
「大丈夫、ほむらちゃん?やっぱり、私が持ったほうがよかったんじゃ…?」
「いいえ…私は魔法少女よ?このくらい平気よ。」
「…ねぇ、私ってそんなに頼りないかな?」
私はまた、意地悪な、ほむらちゃんを困らせる質問をしてしまいます。
「どうして…そんなことを言うの?」
「だって…私はほむらちゃんに頼ってばっかなのに、ほむらちゃんは私に頼み事をしないんだもん…。私が手伝うって言って、それで思い出したみたいに頼んでくるし…。」
「そんなことない…。私はいつもまどかに頼っているわ。」
どういうこと…?
「私は、あなたに救われているの。どんなに辛いことがあっても、私はあなたが笑ってくれていれば、頑張れる。」
「あのね、まどか。頼るって言葉で伝えるだけじゃないの。心の中で頼ることだってあるわ。」
「だから、私はまどかをとても頼りにしているわ。いったでしょう?私はまどかの笑った顔が好きだって。」
「ほむらちゃん…。ごめんね…私…どうしてこんなことしか言えないのかなぁ…。いつまでたっても、ほむらちゃんを困らせちゃうよ…。」
「いいえ…そんなわがままなまどかも大好きよ…。」
「もう…。」
「ふふっ…まどか、愛してるわ。」
「私も…。」
私とほむらちゃんは、お互いの気持ちを確かめるかのように、キスをしました。
そのキスには、私達のすべてが詰まっています。
このとき、私とほむらちゃんの間には、言葉は存在しませんでした。
私達には、言葉すら不要な存在でした。
ご飯を済ませ、お風呂にも入り、あとは寝るだけです。
そんなときでした、ほむらちゃんが豹変したのは…。
「まどか、大好き!えへへ!」
ほむらちゃんは抱きついてきます。
「ふえっ!?ほ、ほむらちゃん、どうしたの!?」
「まどか、すっごくいい匂い!」
「ん…やぁ…!嗅がないで…!」
「えへへ…だって、いい匂いなんだもん…。」
「恥ずかしいよぉ…。」
「むぅ…はむっ!」
「ひゃうん!?ほ、ほむらちゃ、そこ…耳…!」
「ん…知ってる…。」
「なめ…ないで…!ひゃあ…!」
「まどか…気持ちいい?」
「やぁ…!気持ち…よく…なんか…ない…よぉ…!」
「あ…ごめん…なさい…。私、まどかが嫌がってるのに…。」
「あっ!い、いや、嘘だよ?本当は気持ちいいよ!」
「本当…?嘘じゃない…?」
「うんっ!本当だよ!嘘なわけないよ!」
「えへへ…嬉しいな…。」
「…ほむらちゃん。どうしたの?」
「え…?」
「だって、いつものほむらちゃんじゃないよ。なにかあったの?」
「…やっぱり、気持ち悪いよね。」
「え?」
「いままで隠してきたけど、これが本当の私なの…。まどかが憧れて、好きになってくれたかっこいい暁美ほむらは偽物なのよ…。」
「本当の私はこんなにもかっこわるくて、情けないの。」
「ずるいよね…おかしいよね…。まどかに嫌われるのが怖くて、ずっと言えなかった…。」
「でも、まどかが悩みを話してくれて、私も逃げてちゃだめだって…。」
「やっぱり…怖いね…。拒絶されるんじゃ、って思うと怖いよ…。」
「まどか、気持ち悪いなら素直に言って…?こんな私、好きじゃないなら、振ってくれて構わないから…。」
「そんなこと、するわけないっ!!」
「まどか…?」
「ほむらちゃん、言ってくれたよね。私のことを愛してるって。どんな私だって愛してるって。」
「それは私も同じ。どんなほむらちゃんだって、私は愛してるよ。だって、あなたは紛れもなく、ほむらちゃんだから!」
「私は、胸を張って言える。私は、どんなほむらちゃんも大好きだよ!!」
「嘘…じゃない?夢じゃない…?」
「うんっ!全部、本当のことだよ!」
「嬉しい…!まどかに…大好きって言ってもらえて…!」
「でも…本当にいいの…?こんな、かっこよくもない、なんの取り柄もない私で…。」
「ううん、そんなことない!私、ほむらちゃんのこと、もっと好きになったもん!」
「えっ…?」
「かっこいいほむらちゃんももちろんだけど、かわいいほむらちゃんも大好きだもん!」
「はぇ…!?か、かわいいだなんて…そんな…。」
「ほむらちゃんはすっごくかわいいよ!もっと…かっこいいほむらちゃんも、かわいいほむらちゃんも、知りたいな。」
「まどか…。私も…知りたい。」
「もっと、沢山のまどかを。いろんなまどかを…。」
「うぇひひ。私たち、おんなじだね!」
「うん…!まどかとおんなじ…えへへ…。」
もちろん、私がほむらちゃんへの欲求を抑えられるわけもなく。
「ほむらちゃん!」
私はほむらちゃんを押し倒しました。
「わひゃっ…!ま…どか…!?」
「もう…我慢できないよ!」
「まどか…?目が、怖い…よ…?」
「ひゃん…!やめ…!ひうっ!ふぇ…。」
私がほむらちゃんのいろいろをなめたり、触ったりすると、初めてじゃないのにすごくかわいい反応をします。
「うぇひひ。ほむらちゃん、どうかな?」
「どう…って…?ひぁっ…!」
「気持ちいい?」
「…きもち…いいよ…。あんっ…!まどかに…してもら…ひうぅ…!…えるから…きもち…いい…。」
ほむらちゃんは、顔を真っ赤にして、涙目の笑顔で、私に言ってきます。
もう、気絶しそうです。
「…! ほむらちゃん、かわいい!」
「ひゃあ!?まど…か…!激しいよぉ…!ひぅ!」
「ら、らめっ…!そん…な…にぃ…!イッちゃうよぉ!」
私は、そこで止めました。
「はぇ…?まどか…?どうしてやめるの…?」
ほむらちゃんは、涙目で訴えてきます。
「まどか…ここ…切ないよぉ…イカせてよぉ…。」
私は、もともと焦らしプレイなんて得意じゃないんです。だから、すぐに襲ってしまいました。
「ひゃっ!あんっ…!まどか…!イクっ…!まどかのお口でイッちゃうのぉ…!!」
「ひぅぅぅん…!!ふぁぁあ…。」
「うぇひっ。ほむらちゃん、イッちゃった?」
「…えっち。」
ほむらちゃんは顔を真っ赤にして、そっぽを向いてしまいました。
「嫌だったかな?」
「…そんな…こと、ない…。すごく、良かったよ…。」
「うぇひひ、ほむらちゃんって、やっぱりかわいいっ!」
「か、からかわないでよぉ…。恥ずかしい…。」
「すぅ…すぅ…。えへへ…まどかぁ…。」
ほむらちゃんは裸のままで寝てしまいました。
当の私はまだ興奮していて、寝ることができませんでした。
だって、ほむらちゃんにするだけして、私はされてないんです。消化不良ってやつです。
しかも、目の前には裸のほむらちゃん。
これが揃ったら、することはただ一つです。
「んっ…ひゃうっ…!はぁん…!」
そう、オナニーです。
背徳感が、私をさらに掻き立てます。
きっと、私がこんなことしてるって、こんなふうに興奮してるって、ほむらちゃんが知ったら引かれちゃうなぁ…。
「んんっ!ふぅっ…!あん…!」
欲張りな私は、ほむらちゃんの手を掴んで、私のあそこにあてます。白くて、サラサラした手のほむらちゃんの手で、オナニー(果たして、オナニーと呼べるのだろうか)をしようとしています。
「あっ!いいっ…!これぇ…!きもち…いい…!ひゃあん…!」
あと少しでイけそう…!あと少しで…!
「…。」
そのときでした。
「ひっ…!?」
ほむらちゃんの指が私の膣に入ってきたのは。
「ふふっ…まどかは悪い子ね。人の手を使って、ナニをしていたのかしら?」
「え、あ、ほむらちゃん…。ご、ごめん…なさい…。」
「いいから、質問に答えて?私の手を使って、ナニをしたの?」
「あぅ…それは…お、オナ…ニー…です。」
「え?なんて言っているの?もう一度いいかしら?」
「…オナニーです…!ほむらちゃんの手を使ってオナニーしてたんです…!」
「ふふっ、よく言えました。そんないい子の、まどかにはご褒美をあげる…。」
「ひゃっ!?ふぁぁん…!あんっ…!激し…いぉ…!」
「まどか、激しいのは嫌?」
「嫌じゃ…ない…!ひぃん!で、でも、すぐにイッちゃ…!やんっ…!」
「なら、すぐにイカせてあげるわ…ふふっ…。」
「ひぁぁん!?らめっ、らめなの、ほむらちゃ…!あんっ…!」
「ふふっ…かわいいわ、まどか。食べちゃいたいわ。」
ほむらちゃんは耳元でそう、優しく囁きます。
「ふぁぁ…も…う、食べてる…よ…!ひぅんっ…!」
「あら、締めつけが強くなったわね…もうイきそう?」
「うんっ…!私、ほむらちゃんの指でイッちゃうよぉ!
」
「まどか、愛してる。」
ほむらちゃんは、そう言ってキスをしてきました。
「んんっ!!ん〜〜!!はぇ…ほむらちゃぁ…。」
「まどか、イッちゃった?」
「…ほむらちゃんのえっち。」
「ふふっ、さっきの仕返しよ。」
「もう…。でも、ほむらちゃんだからいい!」
「ありがとう。…まどか、ごめんなさい。私がしてあげなかったから、あんなことをしてしまったのよね。」
「ほむらちゃんは悪くないよ…私が、あんなことしてたのが悪いの…。」
「でも…さっきの、すごく良かった…すごく気持ちよかったよ、ほむらちゃん。また、してほしいな…。」
「もちろんよ、まどか。…ねぇ、まどか。私、キスしたいな…。」
「…うんっ、私もしたい。じゃあ、ほむらちゃん、して?」
「ええ…目、閉じて…。」
「んっ…!」
「する…わね。」
「んんっ…。」
「んっ…んうっ…。」
私達の間には、濃密な空気が漂っていました。
まるで、周りと私達を遮断するかのように…。
「ぷはぁ…ほむらちゃん…愛してるよ…。」
「まどか…私も…愛してる…。」
あぁ…私、すっごく幸せだ…。ほむらちゃんと、同じ気持ちで、愛し合えて…。
ずっと、ずっと、この幸せが続けばいいのになぁ…。
でも、現実はそんなに甘くはありませんでした。
まさか、あんなことになるなんて…。
いかがでしたか?
やっぱり、ほむらの魅力って、ギャップだと思うんです。窓家を守るためのキリッとしたあのクールなほむらと、鹿目さん、鹿目さん、って気弱で守ってあげたいオーラ全開のメガネほむら…。
クールなほむらから、メガネほむらになって、
「いかないで…?」なんて、涙目で言われて行く男なんているんですか!?
くぅ〜、これが萌えか!?萌えってやつなのか!?
…こほん。失礼しました。
次回をお楽しみに〜。