※この作品はR-18です。

信じ続ける、明日はきっと晴れだって   作:柳しをん

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はい、今日はかーなーり忙しいです。
あと、短いっす。
あと、まどほむしてないっす。
あと、中沢君がちょっとっす。
片思いで終わりそうっす。
では、どうぞっす。


魔法少女、ゾンビ、一人の女の子。

「はぁ…。テストの結果…最悪だよ…。」

「あーあ…俺も暁美さんみたいに頭がよかったらなぁ…。」

「…上条が死んで、一緒に帰るやつだって居なくなって…。」

正直、テンションはどん底だった。

大きく溜息一つ、目を開くと。

「な、な…!?」

目の前には、カラフルな世界。

俺は一瞬、絵画の一部にでもなってしまったのかと思う。

「なんなんだよ、ここは…!?」

そして、さらに信じられないものを目撃する。

「ウォぉオォ…!」

異型の化物が、こちらを捉える。

「ひっ…!?」

一歩、ニ歩とこちらに近づいてくる。

明らかに、友好的な雰囲気ではない。

「…や、やめ…!」

足が竦んで動かない。

僕は、ここで死ぬのかーー

 

そう、思ったときだった。

 

化物は、撃ち抜かれた。

「なっ、なっ…!?」

そこにいたのは。

「中沢君…!?」

不思議な格好をした、暁美さんだった。

 

 

「…ふぅ…。怪我はない、中沢君?」

「う、うん…。」

先程の化物は、暁美さんによって倒された。

「…あ、あのさ!質問が、あるんだけど…。」

「さっきのって、なんなのかなって…。」

「…見られてしまった以上、隠し通すのは無理、ね…。」

「ここではなんだから…私の家に来ない?そのほうが、落ち着いて話ができるでしょうし。」

「え、えぇ!?いいの!?」

「…?えぇ、私は別に…。というか、私はそっちの方がいいのだけど。」

「う、うん!じゃあ、お邪魔するね…。」

僕の心臓は大きく鼓動していた。

それは、化物に襲われたからではない。

暁美さんの、家。

そんなプライベート空間に入ることを許されたのだ。

興奮しないわけがない。

たとえ、暁美さんにその気がなかったとしても。

 

「お、お邪魔しまーす…。」

「いらっしゃい、中沢君。…って、言っても、私だってただいまなんだけどね。」

「まぁ、何もない家だけど…そこらへんのソファーにでも掛けてて。なにか簡単な物でも作っちゃうから。」

そういう暁美さんはエプロン姿だった。かわいい。

「え、そんな!悪いよ!」

「ううん、この前はお昼、ご馳走になったんだから、そのお返し。肉じゃがまでもらっちゃったし。」

「…うん…じゃあ、お願い、します…。」

「はい、お願いされました。じゃあ、少し待ってて。」

待っていろと言われても、落ち着かない。

辺りを見回せば、可愛らしいぬいぐるみや雑貨ばかり。

暁美さんのイメージとは違う部屋にドキドキする。

「あ、あの…中沢君…。あまりキョロキョロされると、恥ずかしいのだけど…。」

「あ、あ!ごめん、暁美さん!」

「…もう…。」

しまった。

「…変じゃ、なかった?」

「え?」

「その、私のイメージと合わないんじゃないかって…。」

「そ、そんなわけないよ!」

「よかった…。まどかは似合ってるって言うのだけど、私はちょっと派手すぎないかって…。」

「僕は、良いと思うよ!なんか、こう…そう!新鮮で!」

「し、新鮮?」

「えーと、暁美さんって、こういうのに興味がないと見せかけて、実は好きでしたみたいな!そう、ギャップ萌ってやつ!?」

「…。」

あ、これやらかしたやつだ。

終わった。

「…ぷっ…!」

「あはは!ほんと、中沢君って面白いのね!さやかにそっくり…!ふふっ…!」

あ…。

また笑ってくれた。

凄く、嬉しい。凄く、かわいい。

「あー…面白い…。涙出てきちゃった…。」

「…あっ!吹きこぼれちゃう…!熱っ…!?」

「…!暁美さん、大丈夫!?」

僕は咄嗟に動いていた。

無意識に、暁美さんの手を掴んでいた。

目が、合う。

「あっ…。」

「ご、ごめん、暁美さん!」

「う、ううん、気にしないで…。」

変な雰囲気。

「…でも、心配してくれて、ありがとう。凄く、嬉しかったわ。」

暁美さんは、そう言ってこちらに微笑んでくれた。

まさに、天使の笑みだった。

「そ、それはよかった…。でも、冷やしておかないと…いま氷を持ってくるよ。」

「ありがとう、中沢君。優しいのね。」

「…!そ、それ程でも…。」

 

「いただきます。」

「どうぞ、食べて。お口に合うといいのだけど。」

簡単なもの、という割にはかなり豪華な食事の前に、どれから食べたものかと戸惑う。

そして、暁美さんの期待に満ちた視線にはもっと戸惑う。

適当に、ハンバーグを食べてみる。

「ん…美味しい!なんだこれ…!」

「よかった、口に合ったみたいで。」

正直、口に合ったなんてレベルじゃない。

めちゃくちゃ、美味い。

母さんのハンバーグだって、十分に美味しい。

それこそ、俺の知ってるハンバーグの中では一番だった。

でも、暁美さんのハンバーグはその更に上を行く美味しさだった。

僕は無我夢中になりながら、ハンバーグを食べた。

気がつけば、半分ほど食べてしまっていた。

「そんなに美味しそうに食べてくれると、こっちも凄く嬉しいわ。でも、慌て過ぎはよくないわよ?」

「だって、本当に美味しかったから…。」

「ふふっ、ありがとう。いつもはまどかとしか食べないんだけど、こういうのもいいわね。」

「へぇ…鹿目さんと…。」

二人、すごく仲いいもんな。

恐ろしいくらいに。

「…それで、暁美さん。さっきのアレって、一体何なの?」

「…あれは、魔女って言うの。」

「ま、魔女?」

「ええ…。信じられないかもしれないけど、そういう生き物…よ。」

「人の心につけ込んで、人を喰らうもの…。私達の天敵…。」

「そ、そうなんだ…。」

魔女。

とても、現実味のない言葉。

現実味のない、響き。

しかし、納得する。あの異型にはぴったりだ。

「じゃあ、暁美さんの、あの力は…?」

「これも…信じられないかもしれない…というか、信じなくてもいいのだけど…。」

「僕は信じるよ。暁美さんの言うことだから。」

「…ありがとう。」

「私は…魔法少女、と呼ばれる存在よ。」

「ま、魔法、少女…?」

「ええ…。よく、お伽噺に出てくるような華やかなものとは程遠いものだけど…。」

「私達魔法少女は、キュゥべえと呼ばれる生き物と契約し、一つ願いを叶えてもらう代わりに、魔法少女として、魔女を倒す使命を課される。永遠にね。」

「な…。」

「驚くのも無理ないわ…。」

「…ごめん、ちょっと時間をくれるかな…。」

「ええ、いくらでも。」

暁美さんは、魔法少女…?

キュゥべえって、なんだ…?

魔女…あれと戦ってるのか…?

あんな、細い体で?

僕よりもずっとずっと小柄なあの体で…?

「…ごめん、ちょっと…よく、わからないことがあるんだ。」

「なに、かしら。」

「えっと…魔法少女っていうのは、他にもいるの?」

「…このことは、私達だけの秘密にしてくれる?」

「う、うん。」

秘密。

その二文字に心が跳ねる。

「ここの魔法少女は、私だけじゃない。私を含めて、四人。…その内の一人は…さやか、よ。」

「さやかが…!?」

「ええ…。」

僕の周りには、魔法少女なる者が、二人もいたらしい。

「…そ、そっか…。そんなにいるんだ…。」

「あ、あと、もう一つ、いいかな?」

「ええ、どうぞ。」

「その…暁美さんは、どうやってあんな化物と戦ってるの?失礼かもしれないけど…僕より全然背丈だって小さいし、体だって細い。それに、暁美さんは女の子じゃないか。」

「…魔法少女は身体を強化してるの。例え、血が全部なくなろうが、心臓を撃ち抜かれようが、生きていられるから。」

暁美さんは、悲しそうだった。

そして、辛そうだった。

「なっ…!?」

そして、僕も悲しかった。

「そ、それじゃあ…まるで…。」

不謹慎かもしれない。

でも、こう思わずにはいられなかった。

「…ゾンビ、でしょ?」

暁美さんが、そう言った。

「…!」

「いいの、分かってることだから…。自覚だってしてるから…。」

暁美さんは、泣いていた。

確かに、涙を流していた。

僕は何をやっているのか。

目の前で泣いている暁美さんがいるというのに。

「それでも!」

僕は反射的に暁美さんの肩を掴む。

「僕にとって、暁美さんは、ゾンビでも、魔法少女でもない!」

「暁美さんは、一人の女の子だよ!」

「だから、泣かないで…!」

「中沢、君…。」

暁美さんは、僕にもたれかかってきた。

とても軽い体。

細く、柔らかい体。

「ありがとう…中沢君…。」

僕は、暁美さんを抱きしめる。

本来は、守るべき人の筈なのに、守られている。

なら、僕にできることは。

ただ、支えになることだけ。

「ごめんね、中沢君…。こんな…情けない姿を見せて…。」

「私は…かっこよくもないし、クールでもなんでもないの…こんな、間抜けでバカで、どうしようもないやつなのよ…。」

「ううん、そんなことない。」

「魔法少女なんて、そんなすごい事、僕には真似できない。なのに、暁美さんはいつも頑張ってくれてる。」

「だから…そんなに自分のことを悪く言うのはやめてほしい。」

「中沢、君…!」

暁美さんは、僕の胸に顔を埋めて泣いた。

ただ、泣いていた。

僕には、こんなことしかできない。

 

「…ごめん、なさい。服、汚してしまって…。」

「ううん、いいよ、気にしないで。そんなに大事な服ってわけでもないしさ。」

「優しいのね、中沢君は…。」

「そ、そんなことないよ。」

「でも…私は、中沢君の優しさに助けられたの。だから…ありがとう。」

「…なら、よかった。」

 

「じゃあ、また学校で。さようなら、中沢君。」

「うん。じゃあね、暁美さん。」

 

僕の心は揺れていた。

あんな、女の子が戦っている。

誰にも理解されないまま、感謝されないまま。

しかも、人間とはかけ離れた体にされて。

そのことに苦しんでいるというのに、誰も助けてはくれない。

僕は決心した。

彼女たちの理解者になろう、と。

そして、少しでも楽にさせてあげたい。

心の支えになってあげたい。

側にいて、支え合って。

そんな、人間になりたい。

 

 

 

 

 

まどかSide

 

「ん〜…。」

今日はつまんなかったなぁ…。

ママとパパだって、私が土日はほむらちゃんとお出かけすること知ってるはずなんだから、お小遣いくらい、くれたっていいのに…。

しかも、二週間連続…。

あーあ、つまんない!

【ほむらちゃん、明日お昼、二人っきりで食べない?】

返信はなし。

あーあ、つまんない!!

「むぅ…。どうしちゃったの、ほむらちゃん…。」

 

 




いかがでしたーか。
まどっち、嫉妬してまーすね。
っていうか、ろそろそマミパイセンの受験シーズンでーすわ。
彼女の忘れ去られた設定、生徒会長ポジがようやく物語に深く関わってクールですよ。
と、言うことで…次回予告ー!
新、生徒会長決定!編です。
お楽しみにー。
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