ギャグ方向に傾けようとしてたら、ハチャメチャになりました。
今回の話は、マミさんが荒ぶって、まどっちが嫉妬して、中沢デレデレなお話です。
まぁ、そういうことです。
どうぞ!
私の名前は巴マミ。
ごく普通の女子中学生。
しいて普通じゃないところを言うなら、生徒会長ってところカナ。
そんなことはどーでもいいの。
私は悩んでるわけ。
え?何にって?
そんなの、次期生徒会長に決まってるじゃない!
この学校では、ほぼ当選確実な枠が一つだけある…。
そう!その名は!
生徒会長推薦枠ッ!!
説明しよう!
生徒会長推薦枠とは、その名の通り、前期生徒会長が一人だけ、次期生徒会長候補を推薦することができるのであるッ!!
つまり…。
私はその誰かを選ばなければならないの。
でも、誰にしたらいいのかしら…。
志筑さんには…。
「私ですか?…ごめんなさい、生徒会長は…。」
「なにせ、お稽古が忙しいものですから。副会長に立候補するという形でお母様とも納得してますから…。」
「折角の推薦、残念ですが、受けられませんわ。」
「ごめんなさい、巴先輩。」
と、断られたわ。
…どうしたらいいの?
正直、志筑さん以外のメンバーは、その…カリスマ性が足りないというか、なんというか…。
「もーう!どーしたらいいのよー!?」
私が叫ぶと、執行部のメンバーはこちらを引き気味に見た。
「あー…と、なんでもないわ。ええ。」
「はぁー…。」
「あら、マミさん。どうしたの、溜息なんてついて?」
「あ、暁美さん…。」
暁美さん…?
「そうよ!!暁美さんよ!!」
「え、え?」
「私が、生徒会長…?」
「そう!生徒会長、やってみない!?」
「ええ…?私はここに転校してきて、一年も経っていないのよ?」
「そんなの関係ないわ。人望があるかどうか、なんだから!」
「だって…私よ?私の性格、思い出してみて?」
「完璧じゃない!忍耐だってあるし、カリスマ性だってバッチリ!ワルプルギスの夜のときだって、柔軟な発送でうまく立ち回って、私達を鼓舞した!これのどこに問題があるのよ?」
「…は、恥ずかしい…。でも、私は元々、根暗だったのよ?あなただって、経験してるんだから、知ってるでしょ?」
「それに、思い込みだって激しい。一回悪い方向に傾いたら元に軌道修正するが難しいのも知ってるはず。」
「それは…そうだけど…。生徒会は一人じゃない。沢山の、頼れる仲間たちがいるのよ?志筑さんだって、副会長に立候補してる。」
「でも…やっぱり、私みたいな若輩者じゃあ…。」
「もう!それは関係ないって、言ってるじゃない!」
「だって、考えもしてみなさいよ…もし、他にも立候補する人がいて、私みたいな半年しかいないぽっと出の人間に生徒会長盗られたらどう思うの?」
「…それは。」
「やっぱり、私は辞退する…」
「待ってぇ!!」
私は無我夢中で暁美さんに飛びつく。
「ひゃっ!?」
「お願い、暁美さぁん…!あなたしかいないのよぉ…!」
「は、離しなさい…!」
「嫌よ!何がなんでも離さないわっ!!」
「やめなさい…!!」
「いーや!!」
「ほむらちゃ…な、何してるの…?」
「ま、まどか!?な、何もしてないわよ!?」
「いや…でも、だって…腰に、マミさんが…。」
「このっ…離しなさい…!!」
「絶対に…離さないわっ…!!」
「そっか…ほむらちゃん、マミさんと…。」
「誤解よ!?」
「ぐすっ…ひぐっ…!」
「あー!暁美さんが鹿目さん泣かせたー!」
「誰のせいだと思ってるのよ!!」
「じゃあ、生徒会長立候補しなさいよっ…!!」
「あーもう…!いいわよ、やってやるわよ!!」
「ほんとっ!?ホントのホントにいいの!?」
「ええ!!」
「やった…これで、地獄の候補者選びも終わりね…。」
「だから、早く離れなさい、マミー!!」
「なぁんだ…ほむらちゃんが寝取られたわけじゃなかったんだぁ…。」
「寝取られっ…!?そんなわけないじゃない!私が愛するのはまどかただ一人よ!
「ほむらちゃん…私も、大好き…。」
「あー…えっと、暁美さん。お熱い中失礼します…。ここに、組と番号と、名前を…。」
マミは土下座しながらほむらに書類を差し出す。
「あら、ありがとう、マミさん。」
「それで、選挙公約っていうのがあって…ここに、ぎっしり自分が生徒会長になったら、どうしたいのかっていうのを書いてほしいんですけど…。」
「…こんなに…?」
「あー…えと…はい。私だって書いたんだから、我慢してください。」
「…まぁ、書いておくわ。期限は?」
「えっと…その…。」
「なによ、もったいぶってないで、早く言いなさいよ。」
「大変申し上げにくいのですが…明後日になっております…。」
「はぁ!?あ、あ、明後日ぇ!?」
「はい…。」
「…あなたね、なんでそんなに言うのが遅いのよ!!」
「仕方ないじゃない!こっちだって、受験だの、生徒会活動だの、なんだので忙しいのよ!!」
「だとしても遅すぎるわよ!!」
「ま、まぁまぁ…落ち着いて、ほむらちゃん…。マミさんも…。」
「…ふぅー…。いいわ、書けばいいんでしょう?」
「ええ…。」
「それで、他には立候補者は?」
「今年は…後三人ね…。」
「あぁ、そう。ならいいわ。」
「え?なにが?」
「別に、落ちてもいいんでしょ?無茶苦茶な事書いて提出してやるわ。」
「ちょっと待ってぇ!?」
「なによ…。」
「あのね、あなたが落ちると、私にも影響するの、分かる!?」
「こんな奴を立候補させた生徒会長(笑)にされるのよ!?」
「それに、この枠はほぼほぼ当選確実なの!」
「そんな枠で落ちたとなったら…!」
「ほぼ、でしょ?」
「ぐっ…。」
「とにかく、出馬はするわ。当選するかは知らないけどね。あと、マミのことも知らないけど。」
「…見損なったよ、ほむらちゃん。」
「ま、まどか?」
「ほむらちゃんは、そんな覚悟でいいの!?どうせなら、当選を目指そう、とか思わないの!?」
「これじゃあ…折角推薦してくれたマミさんが可哀想だよ…。」
「え?え?なんでこんな話になってるの?」
「そうよ、暁美さん!私が可哀想だと思わないの!?」
「お願いだから悪ノリしないで!?」
「私が大好きなほむらちゃんは…いつだって一生懸命で…すごくかっこいいほむらちゃんだよ…。」
「でも…今のほむらちゃんは…。」
「…はぁー…。覚えておきなさいよ、マミ…。」
「ごめんなさい、まどか。さっきのは冗談よ。」
「え…?」
「私は、当選を目指して戦うわ。そう、私はいつだって全力よ。」
「どーだか…。」
「黙りなさい、そこのイエロードリル!…ともかく、私はまどかが悲しむ結果なんて、絶対に見せたりしないわ。」
「ほむらちゃん…!ごめんね、疑ったりして…。」
「いいのよ…。まどかが好きな私で居られるのなら…。」
「うん…。大好きだよ…。」
「私も…。」
「お願いだから、家の中でおっぱじめるのはやめていただけないでしょうか!?」
「なんだか厄介なことになったわね…。」
「覚えておきなさいよ、あのクルクル巨乳ドリルめ…。」
忌々しい乳が想像の中でプルンプルンと揺れる。
「…とは言ったものの…何を書けばいいのかしら…。」
参考資料に、と渡されたのは去年のマミさんの選挙公約だった。
可愛らしく、堅実なその字の中にはベラべラと横文字が並んでいた。
あーかいぶ?いんせんてぃぶ?いにしあちぶ?
何それ。
こんな横文字使わないと当選できないの?
いいじゃないの、別に…。
頑張るー、とか、なんとかするー、とかで。
というか、作文なんて書いたことないし。
起承転結くらいは知ってるわよ。どういう意味かは知らないけどね。
えー…。どうしたらいいのよ…。
まどかは…。
「えー…?うーん…私もよくわかんないや…。ごめんね、ほむらちゃん…。力になれなくて…。」
まどかわいいわ。
でも駄目ね。
マミは…。
「えー?ここは、〜〜っていう単語のほうがいいわよ。あ、ここは〜〜ね。え?〜〜って言うのはね…。」
論外、論外よ。
さやかは…。
「えー?そんな公約よりもさ、こういうのが良くない?あ、あとさ、あの校則いらないから、なくそうよ!」
絶対無茶ぶりされるわ。
私は責任を負いたくないの。
杏子は…。
「あー?公約ー?なんだそれ、うまいのか?」
アウトオブ論外。
仁美は…。
手伝ってもらうのはちょっと気が引けるわね…。
自分の選挙公約だってあるでしょうし、お稽古だって最近は忙しいって聞いたし…。
はてさてどうしたものか。
一人で書くしかないのか…。
ん?
いや、待てよ…。
私はおもむろに携帯を取り出す。
「…あ、もしもし中沢君?あの、中沢君って、国語は得意?」
「え?国語しか得意じゃない?…まぁ、とにかく来てほしいのよ。中沢君の力が必要なの…。」
「え!?いいの!?ありがとう、中沢君!」
よし。
救世主だ。
やはり、持つべきものは友ね。
「お邪魔します…。」
「どうぞ、上がって。今、お茶出すから。」
「ありがとう、暁美さん。」
「ごめんなさい、いきなり呼び出してしまって。迷惑じゃなかった?」
「ううん、暁美さんの力になれるなら、こんなの全然。」
「そ、そう。ありがとう…。」
や、やけにストレートな…。
「そ、それで本題なんだけど…。私、生徒会選挙に出馬することになって…。選挙公約を書くのを手伝ってほしいんだけど…いい、かしら?」
「えぇ!?あ、暁美さんが出るの!?役職は!?」
「生徒会長…。」
「ま、まさか…生徒会長推薦枠、じゃないよね…?」
「…その、まさかなんだけど…。」
「まじか…すごいよ、暁美さん!」
「すごいっても…あれは…。」
「え、なんかあったの?」
「えーと…マミさんのイメージが崩れるからやめておくわ…。」
半狂乱になりながら、後輩の腰にしがみついている巨乳ドリルを思い出し、ゾッとする。
「そ、そう…。それで、選挙公約を書くのを手伝うんだっけ?」
「ええ。中沢君なら今までの選挙を知ってるでしょうし、頼りになるから。」
少なくとも、私の交友関係の中では。
「た、頼りになる…。任せてよ、暁美さん!」
「そうだね…まずは、テーマを決めようか。なんかこう…この文章の柱になる何かを。」
「テーマ…。」
「えっと…私、ずっと入院してたっていうのは知ってるでしょ?だから、青春っていうものに凄く憧れてて…。きっと、凄く美しいものなんだろうって思ってて…。だから、テーマは青春、がいいかな。」
僕はその時、カフカの一節が脳裏をよぎった。
「青春、かぁ…。こんなのはどう?【青春が幸福なのは、美しいものを見る能力を備えているためです。美しいものを見る能力を保っていれば、人は老いぬものです。】」
「ずいぶんとロマンチックね。」
「これはチェコの作家のフランツカフカの名言、だよ。」
「へぇー…物知りなのね、中沢君。」
「あ、ありがとう…。じゃなくて、今のテーマにしてみない?僕、この言葉好きなんだ。」
「確かに、いい言葉だけど…長すぎない?」
「あ…そうだね…。ごめん、暁美さん…。」
「んー…。」
「暁美さん?」
「でも…あれも…。」
「おーい?暁美さーん?」
「あっ!」
「うぉっ!?」
「アオハルプロジェクト、なんてどう?」
「あ、アオハルプロジェクト?」
「そう。青春って書いて、アオハルって読む。ありきたりだけど、中学生なんだから、許してくれるでしょ。」
「それで、内容なんだけど…。みんなで、青春っぽいことをする、みたいな。どう、かな…?」
「うん、うん…。いいんじゃ、ないかな。」
「よかった…。老いぬっていうのは、ちょっと捉え方が違うかもしれないけど…学年の壁を超えて、なんて解釈はどうかしら?」
「確かに…青春があれば、年の差なんて関係ない、いいかもね…。」
「じゃあ、これにしようか。これをテーマに書いてくわけだけど…具体的には何をするのかを考えていかないと。」
「そうね…。こんなのはどう?壁ドンで、キュン!なんて…。」
…暁美さん?
そういうキャラ、じゃないような…?
「え、えっと…。そっちの方向、なんだね…。」
「…やっぱり、やめましょう…。なにかいい案はない?」
「うーん…。あ、クラス対抗の合唱バトル、とかどうかな?合唱って、なんか青春!って感じしない?」
「合唱…うん、すごく、いいわね…。」
暁美さんは感傷に浸るように、ぼんやりと遠くを見つめる。
「…ごめんなさい。合唱…そうね、校歌をどれだけ上手く歌えるか、とかどうしから?」
「うん、いいんじゃないかな。それなら誰だって歌えるし、これから入ってくる新入生にだって覚えてもらう機会にもなるし。」
「じゃあ、案一つ目は決定ね。あとは…。」
「合唱なんだから、それと反対になる案にしたらどうかな?」
「運動系、ってこと?」
「そうだね。そのほうがいろんな人が楽しめると思うよ。」
「運動系、ねぇ…。」
暁美さんはペンをこめかみにあてて、上を向く。
その仕草は、とても可憐で、美しかった。
まるで、絵画のよう。
一部を切り取って、芸術になりそう。
「…どうしたの、中沢君?あんまりジロジロ見られると…恥ずかしいわ…。」
「あ、あ…ごめん!」
「それで、なにか思いついた?」
「えっと…えー?そうだ、だるまさんがころんだ、なんてどうかな?」
「だるまさんがころんだ?」
「うん。だるまさんがころんだなら、誰だってできると思うし、案外、大きくなってやっても面白いからさ。」
「あの…だるまさんがころんだって、何…?」
聞き間違いだろうか。
「え?」
「だから、だるまさんがころんだって…何かしら…?」
「う、嘘だよね?」
「えっと…。本当のことなのだけど…。」
「…なんか、ごめん。」
「ううん、いいの…。ずっと、病院暮らしだったから…。」
「じゃあ!今からやらない!?」
「え?だ、だるまさんがころんだを…?でも、やり方なんて知らないし…。」
「僕が教えてあげるから!ね?」
「え、ええ…。」
「だーるーまーさーんーがー…転んだ!」
「わわっ…!」
ドテン。
暁美さんは無理なポーズをとって、転んでしまった。
「痛た…。難しいのね、だるまさんがころんだって…。」
「大丈夫、暁美さん?」
「ええ…。この程度、なんでもないわ…。」
「これ、本当に小学生はできるの…?」
「というか、保育園児だってやってると思うよ…?」
「え!?」
「わ、私…保育園児以下…!?」
「あぁ!そういうことじゃなくて…!」
「ふふっ…いいのよ、私はどうせ、保育園児以下よ…。」
「暁美さん、しっかりして!?」
「皆、どう思うでしょうね…保育園児以下の中二が生徒会長になろうとしてるって知ったら…。」
「暁美さん!!」
「わひゃっ!?中沢君…?」
「暁美さん、そんなふうに落ち込まないで…。誰だって、書くのを最初は初めてだらけなんだからさ。暁美さんは、その初めてがちょっと遅かっただけなんだよ。だから、そんなに変に思い込んじゃ駄目だよ。」
「それに、皆は保育園児のときに体験してるけど、暁美さんは中学生で初めてって、感じ方が皆と違うから、違う楽しみだって見つけられるかもしれないよ?」
「…中沢君…。」
「ほら、暁美さん。立てる?」
僕は手を差し出す。
「ええ。ありがとう、中沢君。」
「それじゃあ、続きしようか!」
「そうね。」
時間を忘れ、だるまさんがころんだを楽しむ二人。
ほむらも少しずつ上手くなっていき、中沢に負けじと鬼をしたり。
二人は心の底から楽しんでいた。
しかし、そんな二人を疑惑の眼差しで見守る者がいた。
そう、ほむらの恋人、鹿目まどかだ。
「むー…?」
「あっ!?な、な…!?」
「手、繋いでる…!?」
「もー!私のほむらちゃんに何してるの、中沢君は!?」
彼女は、ハラハラしていた。
まさか…泥棒猫?
ほむらは魅力的なのだから、男が寄ってくるのは当然。
しかし、その殆どが跳ね除けられる。(まどかによって。)
だが、ごく稀に親密になるケースがあるとしたら…?
そのまさかが、目の前で起こっているわけだ。
「…ほむらちゃん、楽しそうだなぁ…。」
なんだか、出て行きづらい雰囲気だった。
ここで、
「おうおう、中沢よぉ!私のほむらに何手ぇ出しとんじゃボケが!」
なんて行ったら、後々まずいことになる気がする。
「…どうしよ。」
木陰からほむらを観察するものは、一人ではなかった。
「…ほむらのやつ、なんでだるまさんがころんだなんてやってるのかなぁ…?それに、中沢と…?」
「こりゃ、調査しないとね…。」
そう、美樹さやかだ。
彼女は、探偵の気分になって、浮かれていた。
もしや…これは浮気か!?
…ほむらにその気は全くないのだが。
そう、期せずして、暁美ほむらと愉快な仲間たちが揃ってしまったのだ。
しかも、話を拗らせることには定評のある、二人が。
「はぁー…疲れたぁ…。」
「まさか、だるまさんがころんだでこんなに遊ぶなんて思わなかったよ…。」
二人はベンチに腰掛け、休んでいた。
「あ、中沢君、喉乾いてない?一応財布持ってきたから、なにか飲み物でも…。」
「そ、そんな!流石にそれは、暁美さんに迷惑が!」
「いいの。だるまさんがころんだを教えてくれたお礼だと思って、ね?」
「う、うん…。じゃあ…コーラがいいかな。」
「コーラね。分かったわ、ちょっと待っててね。」
「あー、あー!?ほむらちゃんに奢らせるなんて…!」
「ほむらちゃんに奢ってもらえるのは、私だけなのに…!」
「わー…ほむら、めっちゃ大胆…。」
「こりゃ本格的に浮気の可能性が…。」
念の為、もう一度言っておこう。
ほむらに、その気は全くない。
「はい、中沢君。」
「ありがとう、暁美さん。」
このとき、中沢はほむらを見つめていて、コーラをしっかりと見ていなかった。
そう、コーラのどこにほむらの手があるのか、把握していなかった。
不意に、柔らかい感触。
ふにふにしていて、スベスベ。
プラスチックの感触とはかけ離れた、人の肌のような…。
ん…?
人の、肌…?
「あ、あの…中沢君?それ、私の手、なんだけど…。」
「わあっ!?ご、ご、ごめん!」
「う、ううん。いいけど…。」
「あー!?や、やったな…中沢君め…!」
「自然にほむらちゃんの手を触るなんて…なんてプレイボーイなの…!?」
「あのほむらちゃんの手は私だけのものなのにぃ…!」
「おー…中沢も大胆だねぇ…。」
「傍からみたら、すごい初々しいカップル感…。」
勘違いしやすいのは、さやかの悪い癖。
だから、そういう方向にずれていく。
「…それじゃあ、家に戻って、選挙公約、書きましょうか。」
「そうだね、それがいいかな。」
「でもまさか、だるまさんがころんだがこんなに面白いなんて思わなかったよ。案外、大きくなっても楽しいものなんだね。」
「私はやったことがなかったけど…保育園児みたいなちっちゃい子よりも、私達みたいな人のほうが楽しめると思うんだけど…。」
「確かにね…。そうだ、うちの学校だけのローカルルールを作るっていうのはどうかな?」
「ローカルルール?」
「そう。流石に、遊び馴れた人からすると、ちょっと新鮮味がないって思われるかもしれないから、難しくなるようなルールを作ってみるってこと。」
「ふぅん…いいと思うわ。中沢君って、凄く発想力があるわよね。尊敬しちゃうわ。」
「そ、そんなことないよ…。」
「くぅぅ…鼻の下伸ばしてぇ…ほむらちゃんに褒められて、ずるい…。」
「許さないよ…中沢君…いつか、いつか見返してやるー!」
まどかは悲しみ(勘違い)の叫びを上げ、走り去っていった。
「あーあ…まどかに見られてたんだ…終わったね、ほむら。あたしはナーンにも知りませんよっと。」
「ま、ほむらのことだし、天然なんだろうけどね。」
彼女はこの状況を心底楽しんでいた。
修羅場の予感ッ!!
と。
「…よし。こんな感じでいいかしら。」
「うん…うん…。いいんじゃないかな。」
「ありがとうございます、中沢先生?」
「せ、先生!?」
「ふふっ、冗談よ、冗談。」
「か、からったんだね…。」
「…まぁ、いいや。取り敢えず、これを一回担当の先生に提出して、OKが出れば、一段落かな。」
「本番は、今から二週間後だから。」
「二週間、ねぇ…。」
「その間、すごく大変だよ?まずは、朝の挨拶活動を一週間…あとは、朝礼での演説…本番には、また演説をするんだ。」
「ちょっと待って!?」
「え?」
「やることが多すぎない!?」
「うん。」
「うん、って、あなたねぇ…。」
「あ、あとね、もう一人、支援者っていうか…なんていうか、とにかく、サポートしてくれる人を一人選ばなくちゃいけないんだよ。」
「多分、巴先輩なんだろうけど…忙しそうだから、別の人にしてもいいと思うよ。」
「支援者、ねぇ…。」
「…。」
「まぁ、また考えておくわ。…というか、もう遅いけど、大丈夫なの?」
「え?あ、やべっ!ごめん、僕もう帰らないと…!」
「あ、ごめんなさい…。それじゃあ、またね。」
「うん、バイバイ!」
そう、まだ始まったばかり…。
生徒会長決定までは、まだまだ修羅場が続くのだ…。
はい、いかがでしたか。
天然って怖い。
もしかしたら、前中後編になるかもです。
以上です。
では。