…は?
何故いきなり謝ってんのコイツ、となる方が多いでしょう。
…ならなぜ最初にしたんだ…?(自分でもわかりません)
この度は、私の私利私欲で書きたいものをただ書いて、メインであるこちらを疎かにした挙げ句…!
…まどほむ浴衣デート…すみません、長くなりすぎちゃって…。
別の機会に、それ単体で出すことに…します…。
本当に、申し訳ない…。
はい、暗いお話はここまでに。
今回はほむほむとさやさやとあんあん…(卑猥な…響き…!)がマミマミ…(卑猥なry)を救うお話です。
…えーっと。
それだけ…です…かね…?
では、どうぞ!
「この先に…魔女が…私の倒さなければならない魔女が…!」
「…やるしかないじゃない…私が…。」
「私が…!」
「おい、ほむらっ!!」
私が夕ご飯を作っているときだった。
杏子が、息を切らせて駆け込んできたのは。
「あら、杏子じゃない。どうしたの?うちの味が恋しくて、ホームシックになっちゃった?」
「そんなことはどうでもいいんだよ!マミが…!!」
「マミさん…?まさか…!」
「あぁ、そのまさかだよ…。」
「…迂闊だった…。このタイミングで…!」
「魔女反応がある場所に重なるように、マミの魔力反応がある…あいつは、もう…。」
「…信じましょう。」
「は…?」
「マミさんが、魔女を倒すって。」
「…あぁ。そうだな…。」
信じる。
信じる事は、誰かを勇気づける。
信じる事は、誰かを強くさせる。
私も、まどかに信じてもらえたから、強くなれた。
なら、独りで戦っているマミさんを信じる。
きっと、魔女を打ち破ってみせると…。
「さぁ、杏子。私達も、その場所に行くわよ。」
「は?だって、一人じゃないと戦えないって…。」
「…何か…胸につっかかりがあるのよ…。これだけじゃない、まだなにかあるって…。」
「それに、マミさんが勝ったとき、ボロボロだったら治療をしなくてはいけないわ。」
「…あ、そ。んじゃ、待ってるから。準備しな。」
「…あたしさ、気になることがあるんだ。」
「気になること…?」
「ああ…。広先と、中田の魔法少女ってのは、本来強い絆で結ばれてたはずなんだ…。」
「だから、広先の魔法少女は中田にヘルプを送ったはず…中田にもベテラン魔法少女はいるからな…。」
「…救援を求めても、中田の魔法少女がそれに応じなかった?」
「そういうこと、になると思うけど…。」
「中田の魔法少女ってのは、元々マミの弟子だった奴がいるはずなんだけどよ…おかしいと思わないか?」
「…まぁ、そうね…。恩師に危機を報告するどころか、こちらに危険を差し向けてる…。」
「なんか、きな臭いんだよね…。奴ら、なにか企んでるのかもしれないよ。」
「…魔法少女同士の、殺し合い…。」
「そういうこった。まぁ、あたしの心配しすぎかもしれないけどね…。」
「でも、充分にありえるわ。ここは広いし、周りから魔女もよってきやすい…それに、私達はたった四人でチームを組んでいる…こんな好条件な所、他にはないわ。」
「縄張りは魔法少女にとって、命…だからね。広げるに越したことはない、ってわけか…。」
「…私は、魔法少女と戦ったことだってある。どれだけ辛くて、苦しくて、嫌になるかくらい、分かっているつもり…。」
「でも、さやかには…そんな辛いことをさせたくはない…。あの子には、いつまでも純粋でいてほしい…。」
「それはあたしも同感だね…あいつに人殺しなんて、荷が重い。すぐに魔女になるよ、あいつは…。」
「…まだ、そうなると決まったわけじゃない。それに、今はマミさんの事が優先よ。いつ起こるか分からない五十%なんかじゃなくて、今起こっている百%に集中しましょう。」
「それもそうだな。んじゃ、とばすか!」
「ここは…本当に、魔女結界なの…?」
辺りを見回せば、綺麗な花が咲き誇り、木々が揺れ、水面が日光を反射している。
絵の具で塗りたくったような光景はおろか、使い魔の一匹もいない。
私は、そこ知れぬ恐怖を感じていた。
「…出てきなさい!いるんでしょ、そこに…!」
私は見えない魔女に向かって叫ぶ。
後ろで草木をかき分ける音が聞こえ、そちらに銃口を向ける。
「ま、マミさん…。そんな物騒な物、おろしてください。」
そこにいたのは、顔を青くしている佐藤くんだった。
「…騙されないわ、貴方は…!」
「騙す…?なにを…」
「とぼけないで!私は分かってるのよ!?貴方が偽物だってことくらい!」
「偽物、ですか。…私は、偽物なんかじゃありません。」
「嘘よ!貴方は佐藤くんじゃない!佐藤くんの声で…姿で、喋らないで!!」
「だって私は…マミさんを愛していますから…。」
「…!!」
「全て、昨日のことのように思い出せます…初めて会った日、苦楽を共にしてきたこと…いつも頑張っているマミさんを知ったときのこと…。」
「…そして、私が貴女の…恋人だということも…。」
「やめてっ…!」
「このっ…撃つわよ…!」
私は心を無にして、引き金に手を置く。
「酷いですね、マミさん。貴方は、確証もないというのに、恋人を撃つんですか?」
彼の声が、揺さぶる。
「…っ。」
「私が本物か、偽物か…本当に分かっているんですか?」
「私が本物だったら、マミさんはどうするんですか…?」
彼の声だから、私を揺さぶる。
「最愛の恋人を…手にかけるんですか…?」
魔女は…彼は、私に迫ってくる。
「やめてっ…嫌よ…。その声で、私を…!」
このままでは、死ぬ。
分かっている。
分かっているのに、私の手はピクリとも動かない。
「…マミさん…マミさん…!」
彼は、私を取り込もうとする。
彼の姿で、彼の声で、彼の温もりで。
「嫌っ…来ないで…やめて…!」
私が、魔女の作り出した空間にのまれそうになった、その時。
『マミさん!』
頭に声が響いた。
『負けちゃ駄目よ!それは佐藤先輩なんかじゃない、ただの…魔女よ!』
「…!」
『撃て、マミ!お前は…そんな弱い人間じゃないだろ!』
「暁美さん…佐倉さん…。」
「駄目です、マミさん…あんな奴らの戯言に耳を貸しては…。」
『マミっ!お前を…取り戻せ!!』
「っ!」
私は、魔女を突き飛ばし、銃口を向ける。
「くっ…撃つのですか…?私を…。」
「ええ!私は…信じてるもの!」
「信じる…?」
「彼女たちが、嘘をついていないって!」
「恋人である私よりも、彼女たちのほうが信頼するに足る…ということですか。」
「…。」
「そうですか、なら撃てばいい。ただし…。」
「一生後悔することになっても、知りませんよーー」
銃弾が放たれる。
魔女に向かい、殺すため。
これで、良かったのだ。
これでーー
魔女が爆発した瞬間、私は光を見た。
光に引き寄せられ、吸い込まれる。
そこにあったのは、なんでもない日常…。
しかし、そこにあるすべてが、欠如していた。
命という命は、刈り取られていた。
目を閉じ、まばたきをする間に、風景は一変していた。
辺りは炎に包まれ、建物は全て崩れていた。
そして、私の手の中には佐藤くん。
いや、佐藤くんだったもの。
その姿は原型を留めておらず、どうして自分でも佐藤くんと分かったのか不思議なくらい。
これは、現実なの…?
私は、本当に…佐藤くんを…!
「な、なんなんだよ…コイツは…!」
私は、夢でも見ているのかと思った。
「…化け物…いや、これは…。」
目の前の怪物に、私は揺れていた。
「どこからどう見ても、ヒトじゃない…これは…!」
そう…私の目の前にいる魔女…。
それは、ヒトそのものだった…。
「マミは…マミは、どこに行ったんだよ!?」
「奴の中に囚われている、はず…。」
「あいつは、魔女を倒したんじゃないのかよ!?」
「わからない…何もかもが…。」
「…ちっ、ほむら!ここは一旦退くぞ!」
「…でもっ!」
「こいつがなにをしてくるかもわからない以上、マミの二の舞になるだけだ!そうなったら、マミを救い出せるやつはいなくなる!」
「…!そうね、ここは退くしか…。」
「忘れるなよ、ほむら!これは負けじゃない!あたしたちの、復讐の始まりだ!いいな!?」
「っ!…了解!」
私と杏子は、マミさんの身の無事を祈ることしかできなかった。
「…それじゃあ、マミさんは…。」
「ええ…残念だけど、奴の中に囚われたままよ…。」
「もう、生きてるかもわからないけどな…。」
「どうして…どうして、そんな平気でいられるのさ!?あんた達は、マミさんを…!マミさんを…!!」
「…なんとでも言えばいいさ。これは、あたしのミスだからね。」
「でも、さやかがいくら喚いて、あたしを貶したところでマミは…帰ってこない。それくらい、わかってると思ってたんだがな。」
「〜!このっ…!」
さやかは杏子を殴る。
「あんたのせいで、マミさんは…!なのに、あんたはぁ!!」
「…殴りたければ、いくらでも殴ればいいさ。それで何かが解決するんならね。」
「…ちっ…!」
「や、やめてよ…そんな、喧嘩なんて…」
「まどかは黙ってて!…魔法少女じゃないあんたには関係のないことだから!」
さやかのその言葉に、まどかの顔が悲しく歪む。
「…!…そっか、さやかちゃんも…さやかちゃんも…私が魔法少女じゃないからって、仲間はずれにするんだ…。」
「は…?」
「そんなに私って、頼りないかな…!?魔法少女じゃないから、頼りないの…!?」
「…私には、できることはないの…!?何も、できないの…!?」
「魔法少女なんて、大っ嫌い…!消えちゃえばいいんだ…!」
「…まどか…。」
「…ほむらちゃんも、魔法少女じゃない私だから、頼ってくれないだよね。」
「まどか、それは…」
「いいんだ、信頼できないなら、それで…。」
「でも…でもね、この辛さはあなた達には分からない…伝わらない…。」
「だって、私だけが魔法少女じゃないから…。」
「…ごめんね、変なこと言って。私、邪魔だよね。出てくよ、すぐ。」
まどかは泣きながら、部屋をあとにする。
「…ごめん、杏子…。あたし…。」
「いいさ、誰にだってこういう事はある…。問題は、それをどうやって乗り越えていくかだよ。」
「…でも、あたし…かっとなって、まどかに酷いこと…。」
「…それは、私もお互い様よ。まどかを危険に巻き込みたくないという一心で…良かれと思ってしたことが、まどかを傷つけていたんだから…。」
「…難しいね、感情って…。」
「…私達は、これから何をすればいいのよ…。」
「そんなの、決まってるだろ。マミを助け出す、それだけだ。」
「でも、どうやって?奴の情報は何もない、無闇に突っ込めば、無駄な犠牲が出るだけよ。」
「…キュゥべえは…?」
「キュゥべえ?」
「キュゥべえなら、なにか知ってるかもしれない…。」
「…あいつ、直ぐに隠すからね…。」
「分かったわ…インキュベーター!出てきなさい!」
『やれやれ…なんだい、君たち?』
「インキュベーター、マミさんを連れ去ったあの魔女について、なにか知っていることはない?」
『あぁ…あれは、偽りの幸せの魔女だって言ってるじゃないか。』
「は…?」
『あれは、偽りの幸せの魔女の第二形態さ。』
「だ、第二形態…?」
『そうさ。…いや、正確には…。』
『偽りの幸せの魔女の…分身、といったほうが正しいかな?』
「分身…?」
『順を追って説明するね。』
『まず、偽りの幸せの魔女は、魔力を大量に欲している。しかし、身体が一つしかないのでは、多くの魔法少女を捕らえることはできない。』
『そこで、自分そっくりの分身をいくつも作り、魔女として送り込む。』
『言ってしまえば、あれは使い魔とも取れるね。だから、戦闘能力自体はそこまで高くはないんだ。』
『ただ、幻惑魔法だけは別だ。あれは、完全に使い魔のそれを逸脱している。』
『おそらく、マミは幻惑を見させられているんだろう。だから、内部から脱出が出来ないんだ。』
『となると、救出方法はたった一つ。』
『その分身を倒すこと。』
『流石に本体を探し出して、というのは無茶が過ぎる。時間的にね。』
『もちろん、奴らも内側に生きた獲物をいつまでも閉じ込めておくほど馬鹿じゃない。』
『完全に取り込まれてしまえば、救出は不可能になるだろうね。』
「…インキュベーター、この事は、いつから知っていたのかしら?」
『端的に言えば…始めから、かな。』
「…騙したのね、また。」
『騙したなんて人聞きの悪い。聞かれなかったから、答えなかっただけさ。』
「貴様…!!」
『なんだい、なにか問題でも?』
「…チッ。とっとと失せな。気分が悪い。」
「私も、それが得策だと思うわ。スペアを潰されたくないのならね。」
『やれやれ…どうして地球種というのはこう、薄情なんだい?分かったよ、出ていくよ。』
インキュベーターが去ってしばらく、重々しい雰囲気を壊すように、杏子が口を開く。
「…その、なんだ。まだマミが無事っぽいって分かっただけいいじゃんか。」
その様子はまさに、申し訳なさに溢れていた。
「そう、ね。でも、猶予はそんなにないってことも忘れてはいけないわ。」
「…ねぇ、ほむら…。」
さやかは酷く落ち込んだ様子で私に話しかける。
「なぁに、さやか?」
「あのっ…ホントに、ごめん…。感情的になって、めちゃくちゃにして…まどかのことまで傷つけて…。」
「もう、それはいいって言ってるでしょう?それに私だって、無自覚の内にまどかを傷つけていたんだから。お互い様よ。」
「謝るなら、まどかにね。その時は私も一緒に謝るから。」
「…うん。」
それでもなお、彼女は落ち込んでいる様子。
「大丈夫よ。まどかは、優しい子だから。」
頭を撫でてやると、幾分か表情が和らぐ。
「…ありがと、ほむら…。」
「あー、あー…。それで、お二人さん?これからどうすんの?」
杏子が割り込むように話す。
「…そうね…。幸いにも分身の魔力は掴んでるから…。マミさんを助け出すことが最も優先すべきことね。」
「…ほむらさぁ、まどかのことほっといていいの?仮にもあんたはあいつの彼女だってのにさ?」
「…随分と痛いところをつくのね。確かに、まどかの事だって心配じゃないわけじゃないわよ。でもね、今はマミさんの命が掛かってるの。そのくらいの分別はつけてるつもりよ。」
「違うっての。あいつ今、すげー落ち込んでるだろ?そこを魔女につかれたら、どうすんのって話。」
「…!!」
「…はぁ。」
「あ、え…と。それは…。」
「…あたしらでマミのことはなんとかする。ほむらは、まどかの所に行ってやんなよ。あいつは魔法少女じゃないんだから、襲われたらそれでゲームオーバーだぞ?」
「…ええ、悪いけど…私は、まどかの所に…。」
「おう。こっちは任せとけ。…まどかのこと、絶対に助けて見せろよ。」
「…まどか。」
彼女は、丘にいた。
満月浮かぶ、あの丘に。
花は徐々に散り始めてしまい、以前のような美しさこそ
損なわれてしまっているが、素晴らしい風景だ。
いや、ないからこそだろうか。
「…なにかな。魔法少女のほむらちゃん。」
そんなことを考えていると、まどかの刺々しい言葉が飛ぶ。
「まどか、隣いいかしら?」
「…もう座ってるじゃん。」
「ふふ、そうね。」
「からかわないでよ…。」
私はまどかの手を優しく握る。
まどかは驚きはするが、離したりはしない。
「暖かい、まどかの手…。」
「…。」
「…。」
しばらく、私達は会話をかわさない。
これには意味があると思うし、なくては困る。
そう、気持ちの整理の時間なのだ。
人というのは、同時にいくつもの事ができるほど器用ではないのだ。
「…まどか、魔法少女ってなんなのかしらね。」
「…知らないよ。ほむらちゃんは魔法少女なんだから、それぐらい分かるんじゃないの?」
「そうね、そうかもしれない。でも、私はわからないの。魔法少女ってなんなんだろうってことは。」
「私は魔法少女じゃないんだから、もっと…わかるわけないよ…。」
「そう…。…でもね、何もわからないけど、考えはあるの。」
「魔法少女っていうもので、人を区切ることなんてできないんだってこと。」
「…。」
「だって、私とまどかになんの差があるの?人も魔法少女も、おんなじように苦しむし、辛い思いだってする。楽しいときは笑うし、悲しいときは泣くわ。愛する人がいれば、愛情を以って接する。それに、いつかは死ぬの。何も変わらない。」
「…それは。」
「唯一違うのは、身体能力だけ。たった一つよ。」
「でもっ…!私のことを全然頼りにしてくれないのは…魔法少女じゃないからでしょ…?」
「…確かに、それはそうかもしれない。心のどこかではそう思ってる、そうかもね。」
「…やっぱり。」
「でもね、あなたは…一つだけ間違ってる。」
「へ…?」
「私は…いつだってあなたのことを頼ってるわ。」
「…!」
「前にも…こんなことを言ったかしらね。」
「私は、あなたという存在がいるだけで強くなれる。あなたとの約束があるから、使命を全うできる。」
「私の強さの源は、あなたなのよ、まどか。」
「…ズルいよ…そんなの…。」
「頼りにするっていうのは、頼むことだけじゃない。言葉にしないでも、そこにあるものなの。」
「ほむらちゃ…。」
「分かってくれた?私が、まどかを頼りにしていること。魔法少女だから頼らないなんてことはないこと。」
「…うん。」
「分かってくれて、嬉しいわ。」
「…ごめんね、ほむらちゃん。勝手に勘違いして…酷いこと言っちゃって…。」
「ううん、気にしなくていいの。頼りにしてくれないって思ったってことは、頼りにしてほしいって思ったからでしょう?その気持ちがあるんだから、それだけで十分よ。」
「…えへへ…なんか、さっきまであんなにほむらちゃんのこと悪く思ってたのがバカみたいだよ…。」
「…バカ、か。ふふっ、今はどう思ってるの?」
「んーとね…いつだって優しくて、私のことをよく分かってくれる、たった一人の王子様…かな…。」
「王子様…私はそんな高貴な存在になってるのね。ならまどかは…お姫様かしら?」
「お姫様ぁ!?わ、私にはそんな…似合わないよ…。」
「そんなことないわ…まどかがお姫様だったら、きっと…民に慕われ、毎日の様に貴族からの恋文が飛んでくるわ…。」
「…は、恥ずかしい…。」
「そのときは…私のことをどう思ってるのかしらね、まどかお姫様は?」
「…きっと、ほむらちゃんが…大好きなんじゃないかな。どんなにかっこいい人が現れたって、お金持ちの人だって、優しい人だって。その全部があったとしてもほむらちゃんのことが…好きだと思うな…。」
「そう…ふふ、ありがとう。」
「ほっ…ほむらちゃんは…?」
「私?」
「うん…。だ、だって…ほむらちゃんは、いつも優しくて、かっこよくて…とっても強くて、可愛くて…。とっても魅力的だから…沢山の人が近づいてくるでしょ…?その中にはきっと、私なんかよりも素敵な人が沢山いるだろうし…。」
「ふふ…馬鹿ね、まどか。」
「ふぇ!?ば、馬鹿!?」
「私は、あなたよりも魅力的な人なんていないと思ってるの。この広い世界中どこを探したっていないって言い切れるわ。」
「は…恥ずかしいよぉ…。」
「まどか、あなたはね。どんな人より、魅力的。TVでチヤホヤされてる美人タレントより、世界の有名ブランドのモデルなんか、どうでもいいくらいにね。」
「…もう…ほむらちゃんってば…。」
恥ずかしがるまどかの愛らしい唇に、そっとキスをする。
えへへ、とはにかむまどか。
…よかった、嫌いになっていなくて。
「…さて、作戦会議よ。もう時間もない、ちゃちゃっと済ませるわよ。」
「…ごめん、ほむら…なんにもできなくて…。」
「いいの、頭を上げて。私だって、まどかにつきっきりで何も出来なかったんだから…。」
「…うん。」
「それに、助け出すためにこうやって話し合いをしてるんだから、ね?」
「そうだぞ、さやか。謝ったって何も出ない。何か結果を出すためには、何かをしなきゃいけないんだ。」
「杏子…あははっ、キャラじゃないんじゃない、そういうの?」
「なっ…!茶化すな!」
「ふふ…元通り、ね。それじゃあ、始めるわよ!」
「…さて、作戦の確認をしましょう。」
「まず、私とさやかが奴に攻撃をかける。但し、踏み込みすぎては駄目。相手の幻惑に囚われてしまわないよう、引き際をしっかりね。」
「杏子は、後方で待機を。その時が来たら合図を出すわ。」
…そう、この作戦の鍵は杏子。
彼女は、幻惑魔法が使えるらしい。
ただ、これには大きなトラウマがあり、使えないに等しい状態だったらしいが。
ここ最近は、何故か使えるようになったということ。
目には目を、歯に歯を。
そして、幻惑魔法には幻惑魔法を。
奴に、幻惑魔法をかけてやるのだ。
私達がやられ、奴が勝ったという幻惑を。
その幻想の中での勝利に溺れ、油断した奴を、倒す。
これが作戦。
正直上手く行くかもわからないし、一か八かの作戦であることには変わりない。
しかし、正面からではあまりにも不利すぎる。
かといって、今のマミさんが欠けた状態では奇襲をかけるにも瞬間的な火力が不足している。
…つまり、一周回り回ったこの作戦以外に私達には勝機はないに等しいのだ。
「…杏子、本当に大丈夫なの?」
「ん?あぁ、大丈夫だって。そんなに心配しなくたって、これくらいどうってことないさ。」
「でも…。」
「だぁー!大丈夫だって言ってるだろ!?マミを助けるためなんだから、出し惜しみなんてしてらんないんだよ!?」
「…杏子…。」
「い、言わせんなよ…恥ずかしいな…。」
「…この作戦、絶対に成功させましょう。そして、マミさんを助け出すのよ。」
「うぅ〜…なんか緊張してきた〜…。」
「ほら、しっかりしろってさやか。これはな、始まりでしかないんだからさ。」
「始まり…?」
「あぁ。マミを奪った、奴らへの復讐の始まりだ。最後のゴールは、魔女本体を倒すこと。それを果たすまでは、あたしたちは止まれないんだ。」
「…そう、だね。よーし、やってやるぞー!」
「…杏子、ここで待ってて。私とさやかが奇襲をかける。隙ができたら、テレパシーで合図するわ。」
「了解。…シンプルなだけに、一発勝負だな…。」
「無茶は承知。これしかないのだから、やるしかないのよ。…さ、行くわよさやか。」
「…うん、行こう。」
「頼んだぞ、二人とも…。」
…そう、これしかない。
これを逃せば、後にも先にもチャンスも、逃げ道もない。
マミさん…。
待っていて、必ず助け出すから…!
「…いや…ホントに…ヒトみたいだね、あの魔女…。」
「ええ…でも、奴はヒトなんかじゃない。魔女、それ以外の何でもないわ。」
「…アイツも、悲しかったのかもね。」
「…?」
「だって、魔女になってまであんな姿で…もっと相応しい格好があると思うんだ。それでも、ヒトであり続けるってことは…沢山の未練があるんじゃないかなって…。」
「…なら、余計に倒さなきゃね。だって、このまま未練を沢山残して呪いを振りまくなんて、本人も望んでいないでしょう。」
「…うん。」
「…さ、行くわよ!」
「了解!」
私とさやかは武器を構える。
後ろから、銃口を向ける。
さやかが大量の剣とともに切り込んだ瞬間、大口径の弾丸が、奴に向かって放たれる。
ほぼ同時に当たった攻撃は、奴をうまく怯ませた。
しかし、杏子に仕掛けさせるにはまだ足りない。
もっともっと、引きつけなければ。
『さやか、行くわよ!』
『分かってる!正面、取られないでよ!』
『そっちこそ!』
さやかが剣で相手の腕と脚を切り離す。
生々しい血が溢れ出し、飛沫となって辺りに飛び散る。
「ちっ…なんて悪趣味な…!」
しかし、その手足は一瞬で修復される。
普通じゃない、あれは…。
…はっ…幻惑魔法…!
『さやか!いくらやっても無駄よ!奴は、自分自身に幻惑をかけているんだわ!自分の修復能力は、通常のそれではない、と!』
『…なんなんだよ、それ!』
『所謂、プラシーボ効果よ!自分自身を騙すことで…』
『そんなことはどうでもいいんだって!あたしが言いたいのは、どうすんの、って話なんだけど!』
…むぅ…。
確かに、このままではどうしようもない。
いくらやったところで、再生してしまうのでは隙など作れない。
…埒が明かない。
『さやか、退きなさい!私が木っ端微塵に…!』
『バカっ!あんたそのまま出てったら、マミさんの二の舞だよ!?そうなったら、誰がマミさんを助けるのさ!?』
『…!…ごめんなさい、軽率だったわ…。』
『…でも、確かにこのままじゃ…どうしようもない…。』
…。
『さやか、行くわよ!』
『は!?』
『二人で奴のまわりを飛び回って、気をそらす!攻撃が意味をなさないなら、これしか手はないわ!』
『…危険だなぁ…。ま、やるしかないか!』
『それじゃあ…3、2、1で出るわよ…。3、2、1…今よ!』
私とさやかが、同時に飛び出す。
奴は私とさやか、どちらを捉えるのか迷っているようで、何もしてこない。
『よし!このまま、トップスピードで走り回るわよ!』
幸い、魔女結界の中は、障害というほどの障害物はない。
『へへ、クラストップのあたしとほむらに追いつけると思うなよ!』
『さやか!調子に乗ると、痛い目見るわよ!』
『分かってるって!…っていうか、これいつまでやるの!?』
『…奴が…隙を作るまでよ…!』
『…無茶苦茶言うなぁ…!』
とにかく、走り回る。
奴は、身をぐるぐると回し、私達を捉えようとする。
しかし、魔法少女のスピードには追いつけないよう。
…よし…今だ…!
『杏子、頼んだわよ!さやか、私達は下がるわよ!』
『了解!…の前に、一発食らわせてやる!』
さやかが飛び込んでいって、敵の脚を切る。
『…これでっ…よし、あとは頼んだよ!』
『任せとけ!…行くぞ…マミを…返せっ!!』
杏子が槍を刺した場所に魔法陣が展開されていく。
その魔法陣は、どんどん大きくなっていって、次の瞬間には、奴を囲むように立体的なものになっていた。
『うぉぉ…あれが…。』
『杏子の…魔法…!』
「やってやるぜ…!ロッソ、ファンタズマ!!」
大きな光が現れ、奴を包み込む。
『…凄い…。』
奴は、辺りを見回している。
敵がいないか、狩人の眼を。
しかし、離れている私達はおろか、目の前にいる杏子ですら見つけることが出来ない。
「…散々人のこと、幻惑しといて…幻惑にかかるなんて、哀れなやつだよ…。」
「…直ぐに、本体も見つけ出して…ぶっ殺してやるから…。それまで、我慢してくれよ…。」
杏子は、胸の前で十字架を描き、奴を一太刀。
『…!?!?!?!?』
流石に、勝ったと思っていた隙をつかれた奴は、再生することもなく、塵となって消えた。
そして、塵が全て消えたその場所に、マミさんが横たわっていた。
「マミッ!!」
「マミさん…!」
「…よかった…ホントに…。」
皆、マミさんに駆け寄る。
「おい!しっかりしろ、マミ!」
杏子の呼びかけに、目を覚ます。
「…ん…んん…?こ、ここ…は…?」
「…マミっ…!!」
杏子がマミさんに抱きつく。
…無理もあるまい、あれだけ心配していたのだから。
「きゃっ…ちょ、ちょっと佐倉さん…苦し…。」
「もう…離さないからな…!」
「んん〜!ん〜!」
「…ごめんなさい、暁美さん…佐倉さん…美樹さん…。それに、鹿目さんも…。」
全ての事情を説明されたマミさんは、謝罪をしてきた。
「そ、そんな…マミさんが謝ることなんて…!」
「そうですよ!仕方ないじゃないですか!」
「…マミさん、そんなに気負うのはやめて。私達は、怒ったりなんかしてないから。」
「…皆…!」
「…ほら、マミ。泣くなって。折角助かったんだから、笑えよ。な?」
「…うんっ…!」
取り敢えずは、この事件の事を語るのはここまでで一区切り。
これは、これから起こる動乱への序曲。
…ここからは、更なる闇へと繋がっていくから。
魔女だけじゃない、魔法少女同士の戦争へ…。
いかがでしたか?
いやぁ…うん。
頑張ります。
えっとですね、一応このままダラダラ続けてくわけには行かないんで…。
五十何話くらいには、完結するんじゃないかなって思ってます。
でも、やっぱりこういうのって、ロスになるんです。
あぁ、ただでさえ少ないワタクシのこのファンの皆さまが、ってわけじゃなくて…。
やっぱり初めて書いたものかつ、長編ってことがあって…一種のモチベーションにもなってたんです。
ここで、明確な終わりを設定してしまったらどうなるんだろう、って心配もあります。
なぜそんな中終わりを設定したのかというのは、やはりどんな物語にも終わりがあるからてす。
ダラダラ続けていって、どんどん駄文化していくのも見ていられないですし。
数少ないファンの皆さまにも、できるだけいいものを届けたいわけです。
そんな中で最終回という目標を定めることで、そのゴールに向かって更なる向上を図ろう、ということなんです。
しかし、更なる向上はあくまでも最終回まで、ということになってしまい、自分の中の喪失感に耐えきれないんじゃないか(ただの心弱い人断捨離苦手な人)、ってことです。
読んでくださってる方からすれば、そんなこと、と思われるかもしれません。
でも、書いてるからこそ分かるんです。
どんなに駄目駄目な文でも、お話でも。
自分が書いていた物が終わってしまうと、すごい喪失感に襲われるということが。
…。
一区切り。
とにかく、日々精進して参ります。
短編書くのが楽しい時期なので、こっちの更新が疎かになるかもしれません。
赦して。
赦してください。
それでは。
頑張らないとなぁ。