美樹さやか…あなたはどれだけ愚かなの…!
何度だってあなたは魔女化した。原因はさまざまだ。
例えば、上条恭介に告白して振られる…
例えば、魔法少女の真実を知り、自暴自棄になり、絶望…
例えば、正義感の強さから周りの魔法少女(私と佐倉杏子)と対立し、グリーフシードを使わなかったり…
あげればきりがないわ。ワルプルギスの夜まで美樹さやかがいたことは滅多にない。まぁ、戦力外に等しいけれど。
ともかく。彼女の魔力反応を感じるということは近くなのだろうけど…どこにもいないのは何故?
まるで移動しているような…しかし、速すぎる。
「ほーむら。」
「ひっ!…なによさやかじゃない。驚かさないで。」
まったく…ってそれよりも!
「ごめんごめん。んんー?ほむらなんかいーたそうだねぇ?当てたげる!」
「ほむらが言いたいことは…どうしてあたしが魔法少女になったのか。でしょ!」
…。やはり、美樹さやかは鋭い。どうでもいいときに限ってそうなのがセオリーなのだが、この美樹さやかは例外らしい。
「…そうよ。あなたいつキュゥべえと接触したのよ。」
わかってはいる。きっと私が倒れたときだろう。
「ほむらが用事があるからって帰っちゃったあとだよ。」
「いやー、魔法少女なんて知らなかったけど、ほむらも魔法少女だったんだね。これからよろしく!」
「美樹さやか…芝居が下手ね。」
そう、こいつはどんなときもかわらない。
こいつってホントバカ。
「えっと、ほむら言ってる意味が…?」
「あなたは今、こう言ったわ。【私が魔法少女だった】って。私、いつあなたに、私が魔法少女なこと話したかしら。」
「そっ、それは…あ!あれだよ、魔力反応。」
「そう…I。あなた、魔法少女になりたてなのに、そんなことわかるのね。第一、私の魔力パターン知らないくせに。」
「それに、あなたは私がはじめから魔法少女と知っている口ぶりだったのだけれど。」
「…はぁ。ほむらには叶わないなぁ。でもさ。」
「あんた、魔法少女殺したこと…あるでしょ?」
「!?ど、どうして…あなたがそれを…?」
なんで、知ってるの。聞きたいけど…怖い。
このさやかは…美樹さやかではない。いえ、美樹さやかだけど…なにか、さっきとオーラが違う。
「知りたい?」
私は首を縦に降った。
「それはね…んーやっぱ秘密!」
「そんな!どうして!?」
「アハハ!攻守交代だね!」
私は気付く。美樹さやかの手の平の上で踊らされていることに。私ってホントバカ。
「あんたさ、まどかを魔法少女にしたくないんでしょ。キュゥべえがあんたみたいな奴が来て、まどかの魔法少女化を止められたって。」
「違うわよ。」
合っている。
「つまり、あんたはまどかに魔法少女になられると困る…。」
「違うってば。」
そのとおりだ。
「ねぇ、知ってるんでしょ…魔法少女と魔女の真実…!」
「…っ、いいえ、知らないわ。なんのことかしら。」
知っている。
汗が首筋を伝う。心拍数が上がる。顔が熱くなる。必死に冷静になろうと取り繕う。
きっとうまく誤魔化せている。そのはずだ。そう信じたい。
「いいや、あんたの顔に書いてあるよ。知ってるって。」
「ねぇ、まどかにこのこと言ってもいいのかなぁ?
「!駄目、駄目よ!彼女を魔法少女に…あっ!」
口が滑るとはまさにこのこと。情けない…!
「ホントにほむらってドジっ子だね。」
「いい?このことまどかに言われたくなかったらさ…
これからあたしの言うことには従ってもらうから。」
くっ…!美樹さやかごときに何故こんな…!
「あとさ。あんた人殺しだから…イマイチ信用できないんだよね。だから…佐倉杏子って魔法少女殺してあたしのところに来てよ…」
「あなた、どうして杏子のことを知っているの?」
「キュゥべえに聞いだけ。で、どうすんのさ。」
「まどかを魔法少女にして、人殺し呼ばわりされるか…
もう一度人殺しをするのか…?どっちがいいのかなぁ?」
「美樹さやか…あなた、最低よ…!」
「あぁ…!あんたの涙目最高!いじめたくなっちゃうなあ!」
本当に美樹さやかなの…?あの、正義感に満ちあふれて、すぐ突っ走って迷惑かけることはあるけど、明るくて、みんなのムードメーカーのあなたはどこへ行ってしまったの…?
「っと…!このタイミングでか…あいつ、マジでサイアク!」
「ほむら、あたし急用できたから行くね。」
「次会うときぐらいには決めてきてね。さもないと…殺すよ…?」
ゾクッと背筋が凍る。この人は本気だ。子供が冗談で言うものとは違う。
「わ、わかり…ました…。美樹さん…。」
「ほむら。敬語やめて。あとさ、さやかって呼んでよ。」
どうしてだろう。敬語を使わずにはいられない。
美樹さんと呼ばずにはいられない。
私の中で美樹さやかという人間は畏怖の対象になった。
「は…わかった…わ。美樹さ…さやか。」
声は震えていた。
「アハハ。怯えるほむらもかわいいなぁ!じゃあ行ってくるわー!」
私は…ただ街を彷徨っていた。宛もなく。そのつもりが…まどかの家の前まで来ていた。
「ほむらちゃん…?どうしたの?」
「まどか!」
ギュッ。私は無我夢中でまどかに抱きついた。
「わわっ、ほむらちゃん…!嬉しいけど、ここ家の前だから…ね?」
「あ、ごめんなさい…迷惑よね。私、かえ…」
「ほむらちゃん!今夜、泊まっていかない?」
第五話ヘ…
まず、謝らせてください。今回は、さやかクズ回でしかなくてすみませんでした!!なんか、伊坂幸太郎のグラスホッパーみたいになってしまいましたね。意識しだしたのはかなりはやいですが。
しかし…!次回はぁ…!
まどほむ回ですよ!安心してください。甘々です。
楽しみにしていてくださいね?
では。