前回、さやかがかなりやばかったと思うので、息抜きしていってください。
「ほむらちゃん!今日、泊まっていかない?」
「お邪魔します…。」
今から2時間程前、出ていったばかりのまどかの家。
「やぁ、よく来たね、いや、さっきぶりかな?」
「すみません、まどかのお父様。勝手にでていってしまって…」
「いやいや、僕は構わないよ。ところで、名前はなんていうんだい?」
「暁美ほむらです。」
「そうかい、ほむらちゃんって言うんだ。」
「僕は、まどかの父の鹿目知久。よろしくね。」
私とまどかのお父様と談笑していると、まどかが私の手を握ってきた。
見ると、まどかは頬を膨らませている。可愛らしいが、怒っているのだろう。しかし、私にはまどかが何故怒っているのか、分からなかった。
「もう、パパ!ほむらちゃんは私のお客さんなの!」
「おやおや、ごめんよまどか。」
「ふふっ。仲が良いのね、まどかとお父様。」
まるで、小学生の子供と親のやり取りだった。
「ほむらちゃん、私の部屋に行こっ?」
「えぇ、いいわよ。」
「まどかー、ほむらちゃーんご飯できたら呼ぶよー!」
「うん!分かったー!」
「そんな、まどか、お夕飯まで…」
「だーめ。ほむらちゃんはお客さんなんだから。」
「そう…ありがとう。まどか。」
やっぱり、まどかは優しい…。
「そういえば、どうしていきなり出ていっちゃったの?」
しまった。まったく言い訳を考えていなかったわ…
本当のことを言うわけにもいかないし…
「言えないことなのかな?」
「…えぇ、ごめんなさい。まだ、言えないわ。」
「そっか。いつか教えてね?」
「いつか、必ず教えるわ。」
私がその時まで、ここにいたならね…。
「ウェヒヒ、ご飯までトランプして遊ぼっか?」
「えぇ、まどかがやりたいのなら。」
「じゃあ、ババ抜きしようよ!」
「そうね。私もそれぐらいしかできないし。」
「決まりだね!じゃあ私が、華麗にトランプをきって見せましょう!」
「わー。頑張ってー、まどかー。」
「ほむらちゃん…棒読みは酷いよ…。」
あら、落ち込んでしまったわね。
「冗談よ、冗談。頑張って。」
「ウェヒヒ、任せてよ!」
「ほっ、ほっ、あっ、あれぇ?」
自信満々に始めたのは良いが、たったニ回きったところで失敗してしまった。大丈夫かしら?
「あっ、まって、だめ!」
トランプがバラバラに床に散らばる。
「ほむらちゃん…ごめんね、失敗しちゃって…」
涙目で私に言ってくるまどかは、まるで小動物のようだ。
「大丈夫よ。代わりに私がやってあげるわ。」
トランプなんて久しぶりだけど、身体が覚えているものね。
「ほむらちゃん、すごい…!どうしてできるの?」
「私ずっと入院していて、看護師さんとよくトランプしていたから…」
「そうなんだ。上手だね、ほむらちゃん。すごいや、私と違って何でもできるんだ…。」
「そんなことないわ。私にできないことが、まどかにできることもあるのよ。」
「ほむらちゃん…ありがとう。じゃあ、ババ抜きやろっ?」
「えぇ。」
「うーん…」
私の手札はニ枚。まどかも二枚。ババは私が持っている。今は、まどかが私のカードを引く番なのだが…
「うーん…」
かれこれ三分迷っている。
「あの、まどか…?早く引いてもらえるかしら…?」
「あっ、ごめんね!…うーん…」
まだかしら…
「よし、こっち!あぁ!?ジョーカー引いちゃった…」
まどかが泣いてしまったわ…涙脆いというかなんというか…
「さて、私の番ね。」
私はなんのためらいもなくカードを引く。
「揃ったわ。上がりね。」
「ええ〜…ほむらちゃん強いよぉ…。」
「ふふっ、まどかは引きが弱いのね。」
「おーい!まどかー!ほむらちゃーん!ご飯出来たよー!」
まどかのお父様の声だ。
「えぇ…もう出来ちゃったんだ…」
まどかはとても残念そうだ。
「まどか、また食べ終わったらやりましょう。」
「ほむらちゃん…!そうだね!行こっ!パパが待ってるよ!」
どうやらこの時間軸のまどかは感情が豊か(変なところで)で、押しが強いのね。
「おぉ、あんたがほむらちゃんか。いやー、さすがあたしの娘だ、こんな美人な娘を家につれてくるなんて…!」
確か、この人はまどかのお母様ね。ぱっと見は、まどかのまの字もないほど似ていないように見えるわね。
「も、もうママ!からかわないで!ほむらちゃんは友達なんだから!」
友達…どうしてだろう、嬉しいのに胸が苦しいわ…
「おぉ、そうかい、そうかい。ほむらちゃん、娘と仲良くしてやってくれよ。」
「はい、もちろんです。まどかは私の友人ですから。」
「美人で、クールで礼儀正しい…うちに嫁に来てほしいくらいだねぇ。」
「そんな…からかわないで下さい。」
「いやー、ホントのことなんだけどなぁ…」
きっと、この人は冗談か、冗談じゃないかよく分からないことをよく言う人なんだろうな、と思う。
「おや、ママ帰ってきてたのかい。さて、タツヤも来たことだしご飯を食べよう。」
「まどか、最近学校はどうだい?」
「毎日楽しいよ。ほむらちゃんも転校してきたし。」
暖かい…まどかの家庭はとても暖かい…
料理も美味しい。当たり前の日常が、女子中学生としての暁美ほむらが憧れる場所がここにある…。
「…っ。うぅ…。」
「ほむらちゃん!?どうしたの!?」
私は泣いていた。もちろん、悲しいわけではない。
「ごめんなさい…。グスッ…私、一人が長かったから…こんな家庭にあこがれていて…」
「ほむらちゃん…。」
「…なぁ、パパ、まどか。ほむらちゃんをうちに迎えないか?」
「…!ママ!」
「うん…僕はいいと思うよ。もちろん、ほむらちゃんがよければ、だけど。」
「タツヤも、それでいいかい?」
「あいー!」
さっき、まどかとまどかのお母様は、似ていないといったけれど、二人は似ている。
優しすぎるのだ。
「いいの…?私なんかが…?まだ、会って一日も経っていないのに…?」
「うん。ほむらちゃんなら、みんな大歓迎だよ。」
こうして、私はまどかの家で暮らすことになった。
私もこんなにイレギュラーが発生する時間軸は初めてで、この先、どうなるか分からない。
それなら私は、まどかのために行動するだけだ。
たとえ、それが最善の未来でなくとも…
夕食を終え、私とまどかは部屋に戻っていた。
「ねぇ、まどか。どうしてあなたは会ったばかりの私にこんなに優しくしてくれるの?」
夕食のときから思っていた疑問だった。
「うーん…笑わないって約束してくれる?」
私は首を縦にふった。
「えっとね。正確には覚えてないんだけど、ほむらちゃんっぽい人が一ヶ月前から夢にでてくるようになったの。それで、その夢には私もいるの。その夢の私は、ほむらちゃんにとっても酷いことをいっちゃったの。夢なんだけど、まるで本当のことみたいで…そしたら、今日、ほむらちゃんが転校してきて…私、ほむらちゃんに優しくしなきゃ、仲良くしなきゃ、って思ったの。」
まさか…まどか前回の時間軸の記憶を…!?
「っていっても夢についてはこれ以上思い出せないけどね。」
やっぱり、まどかは優しい。罪深いほどに。
「まどか…うぅ…ありがとう…。」
また、泣いてしまった。
「ほむらちゃん…きっと、またつらいこと思い出しちゃっんだね。大丈夫だよ。私がついてるから…。」
「まどかぁ…まどかぁ…。」
まどかは私を抱きしめてくれた。
とても暖かい。今の彼女は、女神のようだった…
ひとしきり、まどかの胸で泣いた私はお風呂に入っていた。
「ふぅ…。」
思えば、今日はいろいろあった。その中でももっとも重要視すべきは、美樹さやかのことだろう。
彼女はイレギュラー中のイレギュラーだ。一体、何があったのか…探りを入れる必要があるわね。
「じゃあ、寝よっか、ほむらちゃん。」
「えぇ、それはいいのだけど…同じベッドで寝るの…?」
「うん。もしかして…いや…だったかな…?」
「い、いやじゃないわ!だから泣かないで、まどか。」
まどかが悲しそうだと、私も悲しくなってしまう。
「よかったぁ…」
「おやすみ、まどか。」
「おやすみ、ほむらちゃん。」
「…zzz」
まどかは寝てしまった。
これからどうなるのだろう…今日は、良いとも、悪いともいえる日だった。
ひとまず、寝てしまおう。考えるのをやめ、寝ようとしたその時。
「…ほむらちゃん…」
ギュッ。まどかが抱きまくらか何かと思って私に抱きついた。
「ウェヒヒィ…ほむらちゃん…」
私の夢でも見ているのだろう、私の名前を何度も呼ぶ。
嬉しいのだが…寝れない…。
その後、私が寝れたのは一時間後のことだ。
第五話に続く…
今回は、まどほむ回でした。甘さ控えめでしたが…
しかし!この先段々甘くなっていきますよ!
ここで、主要人物の紹介を簡単に書きたいと思います。
鹿目まどか(前回時間軸)
ほむらのことが恋の対象として好き。しかし、第一話の一件より、告白のチャンスをなくしてしまった。
その後はワルプルギスの夜に殺された。
鹿目まどか(現在時間軸)
ほむらのことが友達として好き。さやかの本性を見抜いている。しかし、親友として接している。
暁美ほむら
まどかのことが…?ある、特定の条件下でのみ、精神状態が不安定になってしまう。
美樹さやか
ほむらのことを自身より下に見ている。普段は普通に振る舞っているが、魔法少女になったことで精神が昂ぶり、ほむらに第四話での言動をするようになった。
しかし、そんな本性があるのは、ある訳が…?
こんなところです。物語の根幹に関わることも多いので覚えておいてくださいね?
では、第五話でお会いしましょう。