このままでは何話まで行くことやら…。
当たり前のように日曜日はカットされて、月曜日からです。申し訳ございません。私には辛すぎました。
あ、あと詢子さんは臨時休暇ってことで…。
「んー…ふわぁ…。」
まだ意識がうつろな状態でベッドから起きる。
まどかは…
「すぅ…すぅ…。」
まだ寝ているわね。しかし、今日は学校だ。
私は心を鬼にしてまどかを起こす。
「おっ、おっきろー…!」
昨日、まどかがお母さんを起こすときにやっていたものだ。いざやるとなると、かなり恥ずかしい。
「ううん…ほむらちゃぁん…。」
まどかは起きたのか起きていないのかよく分からないことを喋っている…。
「起きて…起きて…!まどか…。」
揺さぶってみる。しかし、起きてくれない。
「まどかぁ…起きてよぉ…!お願いだからぁ…!」
私は、やや涙目になりつつ、まどかを起こした。
傍から見れば、『なんなんだこいつら…』と思われるに違いない。
「んぁ…おはよ…。ふぇ!?ど、どうしてほむらちゃん泣いてるの…?私なんかしたかな…?」
まずい…!まどかに泣いているところを見られてしまったわ…!
「わぁ!?今度は顔が真っ赤に!?どうしたの!?」
オロオロしているまどかはやはりかわいいわ。
あの小動物的な感じ…まどからしいわ…
「クスッ…なんでもないわよ。」
しかし…扉の方から視線を感じるよ…うな…?
振り向きながら考えていると、私は見てしまった。
ニヤついたお母さんの顔を。
「なっ、どっ、あっ、その…!」
テンパってしまい、言葉が出ない…。
「ママ?どうして、ニヤニヤしながら見てるのかな?」
まどかの口調は穏やかそのもので、顔も笑顔だった。
ただ一つ、目だけが笑っていなかった。
「…!?さ、寒気が!あ、パパがご飯出来たよって!じゃあ、あたしはしたで待ってるよー!」
お母さんは逃げるようにいなくなってしまった。
まどかは怖い。敵に回すと怖い。おぼえておきましょう。
「はぁ…。ごめんね、ほむらちゃん。ママってそういう人だから。」
「いいえ、別に気にしていないわ。さぁ、着替えて下に行きましょう。」
「うん。どっちから着替える?」
「じゃあ、まどかからでいいわ。私は外で待っているわ。」
「わかった。できるだけ早く済ませるね?」
「ありがとう、まどか。」
私は外に出る。
正直、今日は不安で不安で仕方がない…。なぜなら、さやかがいるからだ。私はこの休日、特になんのアクションも起こしていない。佐倉杏子を殺すどころか、接触すらしていない。しかも、まどかと二人で歩いているところまで目撃されている。あのときさやかは、
「あんた、案外物分りが悪いね。死にたいわけ?」
と、私にいってきたのだ。このままではかなり…
「ほむらちゃーん、義替え終わったよー!」
私の思考はまどかの声によって遮られた。
「まどか?入るわよ?」
「ほむらちゃん、私は先に下に行ってるね。」
階段を降りる音が聞こえる。
音が聞こえなくなって私は着替え始める。
やはり、あのさやかは異常だ。一体なにが彼女を歪ませてしまったのだろう…?
おそらく、上条恭介だろう。しかし、彼女をあそこまで歪ませてしまう出来事は今までなかった。
つくづく思わされる。人間は突然のイレギュラーに弱いと。私は要領がいい方ではないが、これまでの経験でかなりメンタルが強くなった気がしていたが、そんなことはないと気付かされる。ここ最近はめっきりなくなったが、あの謎の発作のこともある。今までに3回起こっている。規則性はないように感じる。起こらないにこしたことはないが、きっとこの先も起こるだろうから、どのような環境で起こるのか把握しておきたい。
私は着替え終わり、下へ向かう。
「おはようほむら。遅かったじゃん。」
「おはようお母さん。覗きは良くないと思うわ。」
「えっと、あれは、出来心っていうか…なんていうか…。」
「はぁ…まどか、怒っていたわよ。すごく。」
「だよなぁ…目が笑ってなかったよ、あれは。」
「ママ〜?ほむらちゃ〜ん?おしゃべりじゃなくて、お手伝いしてくれると助かるな〜?」
「は、はいぃ!今やります!ほ、ほら、お母さんも…!」
「おお、怖、怖…手伝いますよ、っと…。」
まどかってどうして怒らせるとこんなに怖いのかしら。
「いってきまーす!」
「いってきます。お母さん、お父さん。」
「おう、いってらっしゃい。楽しんでこいよー。」
私とまどかはいつもの待ち合わせ場所(この時間軸の私にとっては、初めてだが。)で美樹さやかと志筑仁美を待つ。
「おはようございます。まどかさん、暁美さん。あら、さやかさんはまだいらしていないのですか?」
「おはよう、仁美ちゃん。うん、さやかちゃん来てないんだ。」
美樹さやかが来ない…嬉しいが、聞きたいことだってたくさんあるのに。
美樹さやかを待つこと十分…。
「…さやか、遅いわね。」
「そうですわね。メールも来ていないですし。」
「どうしちゃったんだろ…?」
「まどか、志筑さん。これ以上待っていたら遅刻してしまうわ。行きましょう。」
「ええ。私も暁美さんの意見に賛成ですわ。」
「うん…。そうだね、行こっか。」
こうして私達は三人で学校へと向かった。
「ねぇねぇ聞いた?さやかの噂。」
誰かが美樹さやかについて噂している…私は情報を聞きそびれないよう、魔力で聴力を強化した。
「さやかね、二週間ぐらい前から、廃工場に出入りしてるんだって。」
「えっ、それってちょうど上条くんのことがあったころじゃん。なんか関係あんのかな?」
「ちょっ、上条くんのことはタブーじゃん。誰かが聞いてたらどーすんのよ。」
私が聞いているわ。
「大丈夫だよ。誰も聞いてないって。」
だから、私が聞いているわ。
「だからさ、さやかがおかしくなったのもそのときぐらいじゃん。いきなりいじめとかしちゃってさ。」
「昔のさやかって、少し今みたいなとこあったけど、基本的にはいいやつだった気がするんだけどな〜。」
「そうだよね〜。あ、でさ昨日のテレビみ…」
関係のない話になり、聴力の強化を解いた。
しかし…これはかなりの情報ね。帰りにまどかに上条恭介について聞いて、場合によっては彼のところへ行くという手もあるだろう。
「はーい、HR始めますよー!席についてね!」
「はい、じゃあ出欠席確認しますよ。」
「…さん。…さん。美樹さやかさん。…?美樹さやかさん?いないのかしら。まどかさん、なにかきいていませんか?」
「いいえ、なにも…。」
「そうですか。では続けます。…さん。」
授業を受けながら私は考える。そういえば、マミがいない今、魔女はどうなっているのだろう?確か…魔法少女体験コース…だったかしら。あれで狩るはずの魔女反応もないわ。どうしてなのか。さやかが狩っているのかしら。魔女のサイクルも変わるとなると、かなり手痛いわね。今までの経験で補って来た私から経験を取ってしまえば、まるではりのないハリネズミとなんら変わりのない状態に成り下がってしまうわ。この時間軸には情報が足りなさすぎる。ここで美樹さやかに殺されて、今までのことを全て無駄にはするわけにはいかない。どんなイレギュラーだって超えなければならない。それが、私の願いだから…。
放課後になり、私とまどかは二人きりで喫茶店に来ていた。志筑仁美は「お稽古がありますから…」、だそうだ。かなり嬉しい誤算だ。志筑仁美にも教えなければならないか、と腹をくくっていたが、無駄だったようだ。
「あの、まどか。上条恭介について聞きたいのだけど…。」
「!…ほむらちゃんは上条くんのこと知ってるの…?」
「ええっと、クラスメイトが言っていたから…。」
嘘はついていないわよ。
「そっか…。上条くんね、死んじゃったの。ほむらちゃんがくる二週間前に、子猫を助けようとしてトラックに轢かれて…。」
「…。」
あまりのことに絶句してましまう。
「えっと、まどか?死んだって、あの死んだ?」
まさかのことに驚いた私は、まどかに素っ頓狂なことを聞いてしまった。
「ほむらちゃん…。冗談にしても不謹慎だよ。」
「ご、ごめんなさい。まさか、亡くなっているだなんて…。でも、みんなあんな明るく…。」
「それはね、さやかちゃんが可哀想だからだよ。さやかちゃん、上条くんのことが好きで…お葬式のとき、すごく泣いてたの。学校でも、上条くんのことが話題になったり、そのことで空気が悪くなると泣いちゃってたの。だから、明るく振る舞うようにしたんだ。」
「でも、さやかちゃんはもとに戻るどころか、おかしくなっちゃったの。いじめをしたり、ものを投げたり、壊したり…。この前はほむらちゃんにもなんかいってたよね。さやかちゃんになにかされたの?」
「い、いえ、特には…。」
「ほむらちゃん、嘘は良くないよ。私、わかるもん。ほむらちゃんが嘘ついてるって。」
「…ねぇ、私ってそんなに信用できない?確かに会ってたった数日だけど、私達は家族なんだよ?家族の私にも言えないの…?」
まどかは泣きながら私に言ってくる。心が痛む。まどかの泣き顔は私にとって嫌いなものの一つだ。
「まどか…ごめんなさい。あなたに相談することはできないの。」
「そっか…そうだよね。こんな、たった数日しか一緒にいない人なんかに相談できないよね…。」
「まどか、違うの。そういう意味じゃ…!」
「もういいよ…!ほむらちゃんのバカぁ…!」
まどかは喫茶店を出ていってしまった。
「まどか…。」
「…すみません、お会計を。」
私は家に帰ってきた。
「…ただいま。お父さん。たっくん。」
「おかえり、ほむらちゃん。あれ、まどかは一緒じゃないのかい?」
「うん、まどかはどっかよってから帰るって。」
本当はどこにいるのか知らない。嘘をついてしまった。私は悪い子だわ…。
「ごめんなさい、お父さん。私、しばらく部屋にいるから…。」
「わかった。ご飯出来たらまた呼ぶよ。」
私は階段を上がり、まどかと私の部屋に閉じこもる。
「…ぐすっ…ごめんね…ごめんね…まどかぁ…。」
「またあなたを悲しませてしまって…。私に力がないから…。」
まどかには話せない。これがどれだけ辛いことなのか。今、私を取り巻く環境もあいまって、悲しみが強くなってしまう。魔法少女の真実を彼女が知るにはまだ、早すぎる。そして、何よりも残酷すぎる。そして、彼女は間違いなく、魔法少女になろうとしてしまう。それだけは避けなければ。そのためだったらなんでもする…そう、覚悟したはずなのに…
「まどかぁ…私には辛すぎるよぉ…あなたが悲しむ顔なんて見たくないよ…。」
「私はどうしたらいいの…?教えてよ…鹿目さん…美樹さん…巴さん…!このままじゃ私、鹿目さんとの約束を守れないよぉ…。」
ガチャ。ドアが開く音がする。必死に涙を拭く。
「お父さん、ノックくらいして…!?」
いたのは、お父さんでも、たっくんでもない、まどかだった。
「ほむらちゃん。ごめんね。盗み聞きしちゃった!」
「ま、まどか…。どのくらいから聞いていたの…?」
「んーと、ほとんどかなぁ。」
「そ、そう。ごめんなさい。恥ずかしいこと聞かれてしまったわね。私、邪魔よね。出ていくわ。」
「そんなことない!!」
「っ!?」
まどかが大きな声で私を引き止める。こんなまどかを見るのは久々だった。
「私、ほむらちゃんのこと誤解してた。ほむらちゃんのことなにも知ろうとしないで、勝手に被害者ぶってた。さっき、ほむらちゃんが泣いてるの聞いて、私、なんてことしちゃったんだろうって、最低だって思ったの。」
「それに、ほむらちゃんらしくない、あんな弱々しい喋り方するなんて、昔、辛いことがあったんだって。私までほむらちゃんを苦しませるわけにはいかないって、そう思ったの。」
「まど…かぁ…。ぐすっ…。」
「ほむらちゃん…おいで?私の胸で泣いてもいいんだよ。」
「うわぁん…!まどかぁ…!辛いよぉ…!」
「うん…うん…。」
「鹿目さん…!私は…ぐすっ…どうしたらいいの…?」
「いいんだよ、ほむらちゃん…。このままで…。」
私はまどかの胸で泣いてしまった。とっくに封印したはずの昔の私の口調に戻ってしまうことすら気にせず、ご飯の時間まで泣いていた。その間まどかは静かに私の頭をなでていてくれた。そんなまどかの優しさは、私の荒れた心を癒やしていくようだった。そんな罪深い優しさは、私の救いだった。
第八話ヘ…
どうでしたか?まどほむ(?)や、徐々に明らかになるさやかのこと…今回はかなり大事ですよ〜。
では。