本番シーンはありませんが内容的にあれなので一応R-18で投稿します。
男の性別が反転してしまう奇病、通称TSウイルスが蔓延してから早数年。
世の男たちが次々と美女美少女と化していくことで、男女比はとうぜんのごとく偏り、ただでさえ問題となっていた少子化に拍車がかけられた。
政府はただちに重婚を許可し、積極的に子作りをさせる諸々の政策を設けた。
抜きゲーによく見るような性に対して緩い世界になっちまったこの時代。
外を歩けばあちこちから女の喘ぎ声が聞こえてくる。
「んほおおおおお! TSしたての新鮮メスマンコにかつて馴染みのあったおチンポぶちこまれてメス落ちしちゃうのオォォ!」
「くっ! 昨日までダンベル100キロを余裕で持てるようなムキムキマッチョだったくせに今ではこんなムチムチドスケベTS美少女になりやがって! 人類の未来のために孕めオラ!」
喘ぎ声の大半が元男のものなのが空恐ろしい。
まあ無理もない。TSした者のほとんどがオスの欲望を煽るようなスタイル抜群な美女美少女となってしまうのだから。
しかも通常の女性よりも発情しやすく、セックスの虜になってスケベな性格に変貌しやすい。
抜きゲーの住人が現実にやってきたのかってレベルの乱れっぷりを見せる。
そら、ほとんどの男が食いつくわけだ。たとえ相手が元男だとわかっていても、エロければそれでいいという具合に。
もし自分もTSしたら、あんな風に恥ずかしげも無くアヘ顔ダブルピースするようになってしまうのだろうか?
まあTSウイルスに感染しても実際に症状に現れるかどうかは個人差があるみたいだが。
医者いわく、俺は免疫力が高いらしく特に心配することはないらしい。
ただ男の存在が希少となったいま、俺のような体質を持つ男は必然的に重宝されるわけで、ある役目を強制的に押しつけられる。
それは……
「見つけたぞ《種馬係》先橋リク!」
「げっ」
不本意な役職名を声高に叫ぶ女の声。
「今日こそは校則に従って僕と……いや私と子作りセックスしてもらうぞ!」
鬼の風紀委員長と恐れられる仲田史郎……改め、仲田史子が今日もご立派な巨乳をぶるんと揺らしながら俺の目の前に立ち塞がった。
見た目だけなら黒髪ロングの似合う絶世の美少女。
しかし堅物な性格はTSしても、ちっとも変わっちゃいないらしい。
「お前もしつこいな仲田。俺は《種馬係》はやらないって言ってるだろ?」
「お前こそ観念しろ先橋! 健全な男が子作りに励むのは国民の義務だぞ!」
「そう言われてもなぁ。俺にも相手を選ぶ権利はあるだろ」
「なっ!? 私相手では不服だと言うのか!? やはり種なしなのか貴様!?」
「はったおすぞコラ」
断っておくが俺は種なしじゃない。毎日シコってるくらいには健全だ。
ただ俺は、世の男性ほど「かわいければTSガールでもOK!」と割り切れない。
その相手が小学校からの腐れ縁ともなれば余計に性的な目で見るのは厳しいというもの。
……まあ、見た目だけに関しては俺の好みドストライクなのが憎らしいがな。
男だった頃はただの口うるさい嫌われ者の優等生くんだったが、TSしたいまでは『そこが魅力的』と男子たちの間では大好評らしい。
美少女ってのは得だな。
加えてその抜群のスタイルは、女子すらも見ただけで「うわっ! エッッッロ!?」と叫んでしまうほどのドスケベボディ。
今日もセーラー服を押し上げる特大クラスのおっぱいとむっちりした絶対領域が目に毒である。
こんなオスの理想と欲望をとことん詰め込んだような美少女に子作りセックスを迫られて飛びつかないやつは、俺を除いてそういないだろう。
規則だ何だ言うなら、さっさと俺以外の男子と励めばいいものを、なぜか仲田はずっと俺だけに口うるさく子作りを迫ってくる。
「いいか先橋! ちゃんと《種馬係》の責務をはたさないと内申にも響くんだぞ! 将来、消防士になる夢を諦める気か!?」
「そこは何とかうまくやるさ。というか、お前こそ国民の義務だの言うわりには未だに処女じゃねえか」
「だ、男子が声をかけてくるときに限って体調が悪いだけだ! べ、べつに破瓜の痛みを怖がっているわけじゃないぞ!」
「はいはい。お注射とか痛いのが怖いのは昔から変わりませんね史子ちゃん」
「ぐっ! バ、バカにするな! お、お前だって童貞じゃないか!」
「ふん。俺はそこらのヤリチンと違ってちゃんと好きになった相手としかセックスしない純愛主義なのさ」
いまどきプラトニックな恋愛思考なんて後ろ指をさされるが、俺は自分の主義を曲げるつもりはない。
いくら繁栄のためとはいえ、考えなしに女性やTS娘と子作りするなど動物と同じじゃないか。
人間なら人間らしい恋をしたい。そう思うのはおかしいことだろうか?
「お前もたいがい強情なやつだな。まあ、そういうところが昔から私は……」
「ん? なんだよ、急に顔を俯かせて。また具合悪くなったか?」
「な、なんでもない! 顔を覗こうとするな!」
「そうかよ。まあ、無理すんなよ。お前ガキの頃からカラダ弱いんだからさ」
「う、うむ。気をつける……」
思えば、しょっちゅう体調崩すコイツに保健委員の俺が付き添ってあげたのが腐れ縁の始まりだったな。
こいつは泣き虫で虚弱のくせに人一倍真面目で無茶するところがある。
だから正直こいつが女として子作りするとか大丈夫なんだろうかと、ときどき心配になる。盛った男子とか容赦ねえからな……。
まあ、そんときは俺がフォローしてやろう。消防士志望者として人助けは日常的にやらねばな。
「そうだ仲田。お前もう飯は食ったか?」
「え? いや、まだだが……」
「そっか。ならウチ寄ってけよ。どうせ今日も仕事で親帰ってこないんだろ?」
「まあ、そうだが……いいのか? いつもご馳走になってしまっているのに」
「いまさら遠慮するなよ。飯は大勢で食ったほうがうまいだろうが」
「いや、しかし……」
「ああ、うざってーな。ほら、行くぞ」
「あっ」
強引に仲田の手を引いて歩きだす。
これぐらいしないと、いつまでもうじうじ悩むからなコイツ。
まったく。普段は強気で押しつけがましいくせに、肝心なところで弱腰なのは相変わらずだ。
「仲田。クソ真面目なのはいいけどよ、もうちょっとワガママ言うこと覚えろって。せっかく女になったんだし、そういうところで特権を使ってやれ」
「そういう、ものなのか?」
「女なんて男をワガママで振り回す生き物だろうが。うちの妹見てみろよ? しょっちゅう兄貴を顎で使ってんだぞ? たまにはお前も両親に駄々こねてみろって」
「……努力はしよう」
仲田の両親は政府のお偉いさんだ。
多忙のせいで家を空けることなんてザラにあり、仲田はガキの頃からいつもひとり寂しく飯を食っていた。
……なんだかなぁ。立派な仕事なのはわかってはいるけど、子どもをほったらかしにするってのは、何か気にくわないんだよな。
人類の未来云々より、自分の子どもの未来をまず考えるべきじゃねーの? なんて考えが浮かぶのは、俺がまだ未熟なガキだからだろうか。
「……なあ、リク?」
きゅっと手を握り返して、いきなり懐かしい呼び名を呟く仲田。
「いまからワガママを言ってもいいか?」
「……なんだよ?」
「うん……女になった以上、僕は女として子どもを孕まないといけない。でも、やっぱり少し怖いんだ」
「そりゃ……」
そうだろうな。
普通の女性だって覚悟がいることだろうに、とつぜん男から女にTSした仲田なんてもっと不安だろう。
いくら決まり事にうるさい仲田でも、そう簡単に納得はできなかった筈だ。
「でも、だからこそ……君がいいんだ」
「え?」
思わず振り返ると、そこには俺の知らない仲田の顔があった。
「君が相手なら、きっと後悔しない。いや、君じゃないとイヤなんだ」
それは誰がどう見ても、恋する乙女と呼ぶべき表情で……って、ちょっと。
つまり、そういうことなのか仲田!?
「……ねえ、リク。ダメ?」
おまっ! こんなときに熱出したときみたいに甘えん坊の眼差しを向けるな!
握った手を胸元に寄せるな!
うわっ! すっげ! おっぱいってこんなに柔らかい!
「リクは、僕のこと嫌い?」
「え、えーと……」
かわいいければTS娘でもOK。
そう豪語する男たちの気持ちが、少しわかってしまったかもしれない。
※この後滅茶苦茶……(ご想像にお任せします)