地方も地名もどこだかわからない裏路地のゴミ捨て場で僕、灰原陽太は目を覚ました。
「えーっと、まず昨日僕はなにしてたっけ…」
でも昨日のことを思い出しても普通に過ごして普通に自室のベッドで寝たことしか覚えてない。
「まぁいいや。とりあえずここはどこだろう?」
ゴミ捨て場から身を起こし、路地裏からひょこっと顔を出す。
「ねぇー、あなたうちで働かなーい?いい筋してると思うんだけどー? 」
「ヒッ!遠慮しときます!」
…なんだ?あれは逆ナンとか言うやつか?とりあえず声をかけられていた男の子に話しかけにいくことにした。
「ねぇ、ちょっといいかな?」
「ヒッ!男?え?ど、どうしたの?」
「とりあえずここだと場所が悪いからこっちに…」
話をしているときに絡まれると厄介なので、さっきまで俺がいた路地裏に引き込むことにした。
「突然だけど、僕の名前は灰原陽太。ちょいっと聞きたいんだけど…ここって日本かな?」
「え、あ。俺はタクヤ。よろしく。そして日本?違うよ。ここの街はシャル。そしてこの世界をまとめてユルドラシルというんだ。」
ふむ、とりあえずここはパラレルワールドって感じのとこなのかな?
「そして、さっきタクヤは女の人に声をかけられて逃げ惑っていたけど、あれはなにがあったんだい?」
「…あれはホストへの勧誘だよ。なんか陽太はこの世界についてよくわからないようだから一から説明すると、まずこの世で男は貴重なんだ。そして、股間のブツも大きいほど重宝される。でもみんな短小な人がほとんどなんだ。そして、この世の女はみんな性欲が強い。だから逆ナンなんかしょっちゅうなんだ。あとは、イかせてしまったら、その男は絶対にその女を自分の所有物にしないといけないという決まりがあるんだ。でも大体は女に飼育されるパターンが多いかな。」
「だからさっきタクヤは逃げ惑っていたのか。」
「まぁそういうことだね。とりあえずあんな奴らに絡まれるとろくなことがないから気をつけておきな?」
「わかった、ありがとう。そんじゃ、また次の機会にアウトしようか。」
「そうだね。無事を祈るよ。」
そして、タクヤは夜の闇に消えて行った。
ふむ、それにしてもこの世では色々と逆転しているようだね。まぁなんか面白そうだし女の人に話しかけにでも行ってみるか。
「こんばんはー。お姉さん。」
すると、お姉さんはくるっと振り向き、ニコリと笑った。
「あら僕、どうしたの?こんなところで。危ないわよ?」
「大丈夫だよ、お姉さんこそなにをしているの?」
「…あっ、そーだ。僕?よかったらお姉さんと一緒にこない?楽しいものがたくさんあるわよ?」
「えっ?わかった!いくいくー!」
そして僕は、綺麗なお姉さんに手を引かれ、お店へと連れて行かれるのであった。