―――それはなんてことはない毎日の1ページだった。
或る日の昼下がりだった。
―――いやまぁ結末から言えばありえないって言えばありえない死に方をした。
【白昼の悲劇!?】通行人、リアルに落雷に撃たれて死ぬ【範馬勇次郎?】
ニュース系スレッドに取り上げられたその事件はクソレスとBotに塗れてDAT落ちした。
―――夢。
―――夢を見ている。
―――白と黒がモザイクの様に区分けされて、それでいてしっちゃかめっちゃかではっきりとしない世界の真ん中で、フワフワと揺蕩っている。
『聞こえるか、ヒトの子よ』
声が聞こえる。けれど答える喉が焼けていて、声が出ない。
「―――ぁ……ぁ……」
『聞こえているか、ヒトの子よ。汝《なれ》は死んだ』
―――ああ、やっぱり死んだのか。しかしまるで実感のわかない死だった。
F●Oに冬の茄子全部ツッパって、☆5出るまで回し続ける所存で街角をスマホ片手に練り歩いていたら、突然の落雷。落雷直前の金回転の向こう側が何であったかもわからないままの死である。―――引けたのは一体何セイバーだったのだろうか……?
とはいえ死んでしまえば一巻の終わり。●●先生の次回作にご期待ください。次回作なんかねーけど。
『汝が我が声を聞けているのは、汝と生前に【繋がり】ができたからに他ならない』
俺の思考は関係なく、一方的に話しかけて来る感じ。まさしくゴッドだわ。神だわ(確信)
『汝に異邦の地にて再びの生を与えん』
違法後にて?せめて合法でオナシャス……orz
言っている意味がよくわからん。再びの生とか言ってるってことは生き返れるってことなんだろうか?
『ヒトの子にわかりやすく言うなれば―――お前を我らの世界に転生させる』
―――異世界転生!!ちょっとテンション上がってきた。なろうとかそういう系のアレですね!現世知識でヒャッハーしていいんですね!?
『時代はヒトの子が生きた時代とあまり変わらん時期に合わせておこう』
―――あ、はい。そうですか(テンション↓)
『ではさらばだヒトの子よ。汝《なれ》が我が元へと再びやって来ることを、我は望んでいる』
モノクロームの世界が渦を巻いて、珈琲にミルクを垂らしてかき混ぜてるときのアレっぽい感じの背景に変わっていく。
『―――ゆめゆめ、忘れるでない。“すべての道はローマへ通ずる”のだ』
「―――ぁ……あ――――――」
身体が逆再生を起こすように戻っていく。オッサンの肉体から若者に、若者から、子供に―――そして赤ん坊にまで戻ろうとしていく
「―――待ってくれ!神様!あなたの名前を教えてくれ!!!」
流れに逆らい、手を伸ばした。渦の流れがわずかに揺らいでしまった。
日本人的な感覚で悪いが、助けてくれた恩人の名前も知らないままってのはなんか嫌だ。そんなつもりで声を張り上げていた。
その瞬間、渦の流れが凪いだタイミングを見計らったかのように“世界が割れた”
そして、真っ白な衣を身に纏った美しい女性が俺の前に飛び出して来て
―――そのまま俺の身体の中に消えていった。
『―――おのれ!邪魔はさせぬぞ!!』
不機嫌そうな怒鳴り声が響き渡り―――
『―――我が分霊(わけみたま)よ!行けい!!』
声とともに虚空に開いた穴から黒い塊が飛び出して来て、俺の身体に呑まれるようにして消えていく―――そして、浮遊感を感じたのは一瞬のことで
―――俺はそのまま、真っ逆さまに落下を始めていた。
「ちょ―――ま――――――!?」
落とされて行く間、俺は声の主の方へを顔を向け、そこに【七つの首を持つ龍が付き従っている】のを見た。
『いつか、再び我が下へと来たれ』
―――最後にそんな言葉を聞いた気がした。
***************
―――時は世紀末。東京にて、物語は始まる。
「―――なんでやねん」
どこかの部屋の真ん中で目覚めた『俺』は自分の身体を見下ろしていた。
均整の取れた体つき、余分な脂肪もろくについていない。本来あるはずのものも『ついていない』というか、『生えてない』
「―――いやほんと……なんでやねん」
部屋の奥にあった姿見に身体を映す。
亜麻色の髪。腰までたなびく美しいキューティクル。ぱっちりした瞳。低身長というのもあって綺麗というか可愛い系の顔に、程よいふくらみかけの乳。身長はちんまい方だが年齢で言うならティーンエイジャー後半くらいだろう。最低中2、最大でも高1くらい?(推定)
そして、臍の下あたりにくっきりと浮かんでいる謎の紋様。俺氏しってるよ、これ淫紋っていうアレだよね?きっとそうだよね?呪いってレベルじゃないよね?
違うと言ってくれよと一縷の望みをかけて、脳裏に浮かぶワードを口にする。
「―――アナライズ」
小さく呟いた『俺』の前に、ステータスのようなものが表示される。
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名前:八月(やつき)・花音(かのん) Age:16
属性:NEUTRAL-NEUTRAL(Light-Law) 職業:女神
Lv 16 HP 225 MP 266
力 10 魔 13 体 11 速 13 運 22
耐性:魅了無効・破魔無効 疾風耐性 電撃弱点
スキル ポズムディ メ・ディア ガル スク・カジャ
スキル(継承) 二分の活泉 二分の魔脈
スキル(使用不可) バビロンの杯(アライメント不一致)
重要:【大淫婦の契約】:魔人マザーハーロットと結ばれた契約の証。下腹部に紋様として残る。内容は『いつの日にか再び我が下へ至れ』
重要:【女神の加護(ギリシャ)】:オリュンポス神族の加護を得ている。『弟がごめんなさい』
重要:【加護:すべての道はローマに通ず】:進化・合体先が【ローマ】に変更される。
重要:【因果:感電死】:自身の【弱点】が電撃に固定される。これは上書きできない。
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「マジでどういうことなの……?」
ホテルの一室のようなせまっ苦しい一人部屋で、俺は独り途方に暮れていた。
いやマジでどういうことなの?説明を、説明を下さぁーい!?
『―――聞こえておるなー?ならば来るが良い』
「―――は?」
何処からともなく聞こえる声に俺の身体から力が抜ける、視界が暗転し始める。
―――これ、やべぇ……
宙を掻く手は何もつかめず、部屋のベッドに仰向けに倒れ込む。これは拙い―――
そんな思考の間にも、目の前が徐々に暗く沈んでいく……あぁ……
「せめて―――アレだけでも……」
―――祈りは届かず、俺はベッドに仰向けに倒れ込んで眠りに落ちた。
―――全裸で。
……せめて下着くらいはどうにかしたかった―――。
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『良くぞ来た!我が半身よ!!』
『―――この度は、本当に申し訳ありませんでした』
俺の脳内と思われる空間では、赤い服と赤いヴェールに金髪の偉そうな女性がふんぞり返り―――
―――そんで、なんか白い服に黒髪の女性がしめやかに土下座していた。
ステータス値の計算ミスったかもしれない。後で書き直すかも……(弱気)