「お主と意識を共有しておるからな。お主の前世で見て聞いて試したものについての記憶は―――『我も持っておる!!』(ドヤァ」
「―――あれ?じゃあメガテンに対する知識も?」
「アレは我らの世界を除くことができた誰かが書き記した我らの世界の歴史―――の、ようなものであるな。でなければあのように年表が記載できるはずもない」
―――自身のステータス的なものを見ることができた時点でなんかこう、フラグはあった。
―――見覚えのある名前の魔法とかその辺も見かけたし、だからまぁ、わかってた。
目をそらし続けてたら見なかったことにできないかなぁとか、そんな風に思っていた時期が……俺にもありました。
「―――結論から言うと、世界は滅亡する!!」
「な、なんだってーー!?」
くわっと目を見開いて大声を上げるまざはろ様にテンプレで返すと見事などや顔を披露してくれた。尊い(尊い)
「―――で、回避する方法は?」
「ないぞ!」
とりあえず聞いてみるものの、返って来たのは無慈悲なお言葉だった。
「現状はほぼ真面目に詰んでおる。何しろゴトウとかいうのが戒厳令を出して米国の軍隊と台頭してやり合うのもそろそろであろうし、米国大使のトールマンは核のスイッチをすでに手にしておるからな」
「もう大破壊すぐそこじゃないですかやだー!!」
脳内空間で絶賛絶叫中である。
RTA勢とかのガチ者ではないが、にわかと言うには語弊が出る。そんなぬるま湯なプレイヤーではあるが、一応俺もメガテニストの端くれである。ストーリーとしての「東京戒厳令」及び「大破壊」については知っているし、その顛末、つまるところ「崩壊後」についても大体予想は出来ていた。
―――大破壊。
メシア教会に洗脳されたかなんかされてメシア教の尖兵になってた北欧神話の神「トール」の化身であるトールマンの指示で日本に核が降り注ぎ、その余波が世界中に広がった結果、世界規模の核戦争が発生し、世界は荒廃する。
そして荒廃した大地にそれまで押さえつけられていた悪魔たちが跳梁跋扈し、大破壊を逃れた人類に襲い掛かる。果てはマッポーめいた世界に降り立ったマッチポンプことメシア教会による「救済」と、同じく力ある悪魔の力で生き残ったガイア教団の【ヒャッハー】が地を埋め尽くすある意味地獄が出来上がるというもの。
「防ぐ手立てなかったらアウトじゃないですかー!!」
「その通り。故の“
まざはろ様は薄い胸を張り、むんと脳内空間で一振りの槍を大地に突き立てた。
「先ほどウェスタは『浸食されている』と言ったが、ローマは神族的にはドマイナーな神族でな、まだ逸話的に有名なオリュンポス神族の方が力が強い」
「―――だから浸食されてるって言ったんですよー……チーズに生えたカビみたいにしつっこくて……」
「話の腰を折るでないウェスタ。―――で、だ。ローマ神族としての力は余り強くないのだ。故に―――“
―――話の内容が見えてこない。
「ローマ神族の力を強め、神族の結界を造れるほどの信仰を得ることができれば大破壊をも乗り切れよう。できなければ最悪、魔界に逃げ込んで崩壊後の世界を一人練り歩くことになるがな」
「オリュンポス神族もこの地には多数目をかけています。なので、オリュンポス神族の協力を得られれば、無理に信仰を得なくとも、庇護下に入りやり過ごせると思います」
「―――だがまぁ、お主の肉体を構成する我のマグネタイトを見れば敵対は不可避よ。ウェスタも零落したが故、ヘスティアーを零落させた存在として敵対は免れまいな」
まざはろ様の言っていることよりか幾分か精神的にラクそうなのがヘスティアー様の提案だった。が、駄目……ッッ!!すでに掌の上……ッッ!!泥中……ッッ!!嵌っている……ッッ!!すでに首元まで……ッッ!!
「―――諦めよ。神々が折角手に入った手駒を手放すはずがなかろう」
にやぁりと笑うまざはろ様の「してやったり」感溢れるロリフェイスに悔しい……でも満足しちゃう……(ビクンビクン)
「―――それで、差し当たってまずどうすればよいので?」
或る程度覚悟を決めた俺が尋ねると―――
「そうさなぁ……一先ず差し当たっては……MAGを集めねばならぬだろうな」
「……そこは同意します。そもそもローマが無茶をするから大変なことになっていますし……」
非常に歯切れの悪い言葉が返って来た。え?何?なんかひどい地雷があるの??
「先も言ったであろう?気合を入れて素体を作り上げたからのぅ。GP(ゲートパワー)に比べてお主の力量が高すぎてな。その分消費されるMAGも段違いなのだ」
「なにそれ聞いてない」
「言っておらなんだからな」
強さってのは重要だがそれを維持できなければ全く意味がないんですがそれは……
「えっと……マグネタイトって、足りなくなったらどうなるんでしたっけ?」
「肉体を構成するマグネタイトが枯渇すると、人間でいう所の飢餓状態になるな。それでもまだ摂取ができない状態が続くとなると―――最終的にゼリーマン化が起きる」
―――アカン(確信)
「えっと、MAG集めってなると、やっぱり、悪魔と戦う必要があるんですよね?」
戦争なんか対岸の火事程度にしか考えてなかった平和な国家日本の小市民にそれは流石にレベル高いかなって気持ちで恐る恐る聞いてみる。
「いや、どうしても悪魔を殺せぬのであればまぁ、わかりやすい方法で集めればよい」
まざはろ様から一縷の光明が差し込んでいた。これは来てるんじゃないかな?
「我としてはそちらの方が簡単ではあるがな。人間を殺すなり、人間から吸い取るなりして生体マグネタイトを集めればよい。なぁに、血液を啜るなどという下品な真似をせずとも、その成りならば男どもからいくらでも(性的に)搾り取れよう」
「アッハイ。悪魔ぶっ殺しますね」
―――たとえこの手を汚すことになったとしても、踏み越えられない一線というモノが在る。(強弁)
まぁそんなわけで肉体維持のために近所の公園で地霊とか一狩り行こうぜ!という結論に落ち着き、目を覚ました。目を覚ました後で改めて鏡を前に全身を映す。そのうえで、先ほど脳内で教えてもらった通りに目を閉じて、イメージする。
―――自分の身体をコップに見立てる。そのコップに水を注ぐ。じわじわと全体に満たすようにして―――MAGを身体全体に広げる。
徐々に、変質が始まる。
身体は僅かに膨らみ、130センチ前後だった身長がわずかに大きくなり、それに応じて手足も少しだけ伸びる。亜麻色だった髪色がわずかに紫を帯びた。
【人間変身】……悪魔の姿からかりそめの人型をかぶせて人間の姿に擬態するスキル。人型悪魔がみんな持っている能力らしい。俺は普段その能力を使いっぱなしにすることで人として適応している―――らしい。つまり変身を解除することで悪魔の姿に戻る。ということらしい。
それはもうデビルシフターではなかろうか?とも思ったが、まざはろ様曰く『違うのだ!』ということらしく、俺も別にどっちでもいいのでそれ以上追及はしなかった。
―――変身解除を終えて、完全に悪魔の姿へと戻ったことを確認して、瞳を開いて鏡を見る。
やや膨らみかけの胸を白い布が覆い、下はスカートの様に巻き付いた同じ質の白い布。紫がかった亜麻色の髪はやや蠱惑的ともいえる。
しかし何よりその異形として人目を引くのは――――――腹部にある空洞。
そして、腹部の肉の代わりに収まっている―――操舵輪だった。
「―――これ、食ったものとかどこに消えるんだろう?」
「知らん、そんなことは我の管轄外だ」
素朴な疑問に脳内から魔人様の返答が鳴り響いた。
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名前:八月(やつき)・花音(かのん) Age:16
属性:NEUTRAL-NEUTRAL(Light-Law) 職業:人型悪魔(女神:フォルトゥナ)
Lv 16 HP 225 MP 266
力 10 魔 13 体 11 速 13 運 22
耐性:魅了無効・破魔無効 疾風耐性 電撃弱点
スキル ポズムディ メ・ディア ガル スク・カジャ
スキル(継承) 二分の活泉 二分の魔脈
スキル(使用不可) バビロンの杯(アライメント不一致)
重要:【大淫婦の契約】:魔人マザーハーロットと結ばれた契約の証。下腹部に紋様として残る。内容は『いつの日にか再び我が下へ至れ』
重要:【女神の加護(ギリシャ)】:オリュンポス神族の加護を得ている。
女神・地母神への合体に補正。NEW!!
重要:【加護:すべての道はローマに通ず】:進化・合体先の神族が【ローマ】に変更される。
重要:【因果:感電死】:自身の【弱点】が電撃に固定される。これは上書きできない。
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花音「何でフォルトゥナ?」
魔人『そりゃあ死ぬ前まで回しまくっとったからであろ?ローマ神族であるしな』
女神『ちなみにギリシャ神話ではフォルトゥーナに対応する神は【テュケー】と言います。ギリシャ語で「運」を意味する言葉です」
魔人「なお、タロットの「運命の輪」に描かれているのもフォルトゥナであるが故に、車輪と思われておる場合が多いが―――あれは舵輪である」