※この作品はR-18です。

Nightcrawler~夜に堕ちる彼女たちへ~   作:イツカ・ドコカデ

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段々と染まっていく状況を、ご堪能ください。


7.『二日目』悪魔と魔法使い

 放課後、ほのかの足は自然とそこへ向かっていた。

 

 ――あ、これ記憶に直接刻まれてるヤツだ。

 

 結城夏絵と名乗る魔女、シニストラの魔法だ。ほのかは快楽漬けの中からある程度正気には戻っていたが、不思議なほど悔しさはない。技量差が圧倒的過ぎるからだ……むしろ、今は畏敬の念さえ抱いていた。

 

 だから、勝手に動く足にほのかは逆らわない。逆らっても意味がないという諦めとどこに導かれるのだろうという好奇心、その二つを抱いてそこへたどり着いた。

 

「えっと……?」

 

 ほのかがここだと確信したのは、夕霧市の中心街だ。市庁や警察署、あるいは誘致された企業が集うオフィス街なのだが……。

 

「遅い」

 

 オフィス街にはひどく不釣り合いな、金髪の美少女が不機嫌を隠さずにそう言った。ようはベネトナシュなのだが、問題は待っていたその場所だ。

 

「……なんで、コスプレ衣装屋さんの前で?」

「私に言わないで。イフリータに言って」

 

 ほのかの素朴な疑問に、ベネトナシュはどこか諦めを滲ませて言い捨てる。『コスプレ衣装専門店Costume house』という看板の下げられた小さな店構えは、お硬いオフィス街で異彩を放つファンシーさと明るさを誇っていた。ただ、仕立てのいいドレス姿のベネトナシュはそれだけでコスプレじみているのだが。

 

「とっとと用事を終わらせて、こんなところをおさらばするわよ。さっさとなさい」

「いや、さすがに制服のままで入るのは勇気が……」

「別にその格好自体がコスプレみたいなもんでしょう?」

 

 腰に手を当てて半眼するベネトナシュに、ほのかは反論しかけて――止めた。不毛だと気付いたからだ。

 

「……とっとと終わらせましょう」

「わかればよろしい」

 

  †   †   †

 

「いらっしゃ――いませー!」

 

 女性店員が二人の客に絶句仕掛けたのを、ほのかは見逃さなかった。プロ根性だろうか、途切れそうだった挨拶を最後まで言い切った事に感動さえ覚える。

 

「ほら、とっとと思い出しなさいよ。シニストラから植え付けられてるんでしょう?」

 

 不機嫌を隠しもしないベネトナシュは、そんな店員の反応は歯牙にもかけない。苛立つ美少女にほのかはため息をこぼしながら、店内を見回した。

 

 妙にアップテンポで甘い女性ボイスのBGMはアニソンなのだろう。衣装の種類も異常に豊富で、アニメや漫画、ゲーム以外のナース服やメイド服、バニーなどの定番衣装も揃っていた。

 

 ――あ、もしかしてあのメイド服……。

 

 自分が着せられたメイド服に似たものを見つけ、ほのかはこっそりと値札を確認。5桁の数字が見えて、そっと視線を逸らした。異世界の魔女やら魔神やらがわざわざ買ったんだな、と思ってしまうと場違いにも親しみが沸いてしまう。

 

「……あ、あー……」

 

 ほのかが、あれだ、と悟ったのは流行のゲームに出てくる黒い軍服だ。ただ、軍服というのは際どいミニスカートだし、膝上までの長さのあるロングブーツだ。また細かい部分で胸元のデザインや背中が大きく開いたものがある辺り、キャラによって違うのだろう。

 

「あ、今はキャンペーン中ですが、いかがです?」

「……キャンペーン?」

「はい、試着されて写真を撮らせていただければ購入の際に割引が聞きまして」

 

 怯まず話しかけてくる女性店員に、ベネトナシュは眉をしかめる。もちろん御免だ、側近で払ってやとうとしたベネトナシュを止めたのは、他ならぬほのかだった。

 

「あ、それでお願いします」

「お――ぐ」

 

 おい、と止めようとしたベネトナシュはすぐに悟ってしまう。ようは、シニストラに植え付けられた記憶が、そうしろと告げているのだろう、と。

 

「……諦めましょう、もう」

「最悪だ、本当に最悪だ……」

 

  †   †   †

 

「く、どうして私までこんな……」

 

 ブツクサ、と愚痴をこぼしながらも試着室へ向かうベネトナシュは、ふと自分に視線を向けているほのかに気付く。

 

「……何? 言いたい事でもあるの?」

「いや、その……」

「いいわよ、言いなさいよ。後、こんなのの着方わかんないから手伝いなさい」

 

 金髪美少女に半眼で見上げられ、ほのかはため息と共に試着室にお邪魔する。無駄な装飾は多い軍服をベネトナシュが着るのを手伝いながら、ほのかは彼女について疑問に思っていた事を訊ねた。

 

「……あなたは、どうして協力してるの?」

「私が? それは恩があるからよ」

 

 鏡越しに視線を向けられ、ほのかは息を飲んだ。ベネトナシュは苦笑いしながら、肩をすくめる。

 

「私は私の世界から追放されたの。高位の悪魔、アーク・デーモンとは言え数に勝てるほどの実力があった訳じゃないから。それで世界の外に放り出された私を拾ってくれたのが、イフリータだったわ」

 

 イフリータは魔神たちの戦争がきっかけで世界が滅んでしまい、放浪の身だった。イフリータの盟友であり、同じ追放という立場であったシニストラは世界を渡る術を持っていた……その助力のおかげで生き延びられたのだ。

 

「そもそも、その時はこの姿でもなかったわ。自分の世界を滅ぼしてしまったアルスヴィズが合流した時に、提案されたのよ。この世界に根ざすなら、人の形を与えたらってね」

 

 ただ、シニストラとアルスヴィズの趣味でこんな外見にされてしまったのは不本意だったらしい。まるでイジってくる友達の話をするようなベネトナシュに、ほのかは考え込んでしまった。

 

 悪魔――デーモンは、強大で恐ろしい存在だと教えられてきた。邪悪で、残酷で、残忍。実際に目にしてきたレッサー・デーモンやグレーター・デーモンは、教えられていた通りの存在だった。

 

 しかし、ベネトナシュから受けた印象は違う。イジられキャラで、マスコットで、愛されキャラで――。

 

「ちょっと。失礼な事考えてない?」

「……ソンナコトナイヨ?」

「気安いのよ、人間! 私は悪魔、高位の悪魔なんだからね!?」

「うんうん」

 

 そういうとこだよ、ベネトナシュ――とイフリータがいれば指摘してくれただろうが、幸か不幸かこの場にはいない。思わず抱きしめて頭を撫でてしまうほのかに、ベネトナシュは耳まで赤くなった。

 

「ぐぬ……は、ふ!?」

「おっきくなってる……」

 

 ミニスカートを持ち上げるベネトナシュの股間に、ほのかは手を伸ばす。細い指が硬い盛り上がりを撫でる度に、ベネトナシュの体が跳ねた。

 

 ぞくぞくとほのかがベネトナシュの姿に目がくらみそうになったその時だ。

 

「お客さん、衣装を汚すのはNGですよ~?」

「「ッ!?」」

 

 ビク! とほのかとベネトナシュが振り向く。そこには更衣室をこっそりと覗いていた店員が、人の悪い笑みを浮かべていた。

 

「ふふっ、ちなみにー。お客さんたちにぴったりな裏キャンペーンがございますけど……いかがです?」

 

  †   †   †

 

「ああ……あ! あっ、ああああ!!」

「ああああ……っ、あ! ああああ!」

 

 二人の嬌声が、牢屋の中に響き渡る。軍服姿で両手を頭上で手枷によって拘束されたほのかとベネトナシュが双頭バイブによって繋がっていた。二人の陰裂に深々と刺さった双頭バイブは振動しており、容赦なく奥まで穿ってくる。それに加えて快感に腰が跳ねればお互いの当たる場所責められる場所が変わり、慣れる事を許してくれなかった。

 

「はーい、お客さん頑張ってくださいね。この裏キャンペーンは指定された時間撮影させていただく事で、その分割引が効くってものですのでっ」

 

 二人の乱れる姿を牢屋――風のプレイ部屋に仕掛けられた無数のカメラで撮影しつつ、店員が笑みをこぼす。熱に浮かされた店員の視線に晒されながら、ほのかはベネトナシュを見て……淫らに、腰をくねらせた。

 

「ひゃう、ばか! やめ、あああん、こ、の……ああああ、あ!」

「ひ! おく、あたる、ああ、あああああああああ!!」

 

 お返しとばかりに腰を振るベネトナシュに、バイブに奥をえぐられてほのかの背中がのけぞる。二人で責め合い責められ合う姿に、店員も我慢できずにオナニーを始めてしまいながら問いかけた。

 

「お客、さん……他の、衣装は……どうです……?」

「「…………」」

 

 店員の問いかけに、ほのかとベネトナシュは頷いてしまう。

 

 魔法少女となったほのかとベネトナシュは四つん這いで拘束され、悪の魔法少女となった店員のペニスバンドに犯され。

 

 猫耳に猫尻尾のアナルバイブを装着して猫になると、皿に入れられたミルクを四つん這いで飲まされ。

 

 何故かあった夕霧女学院のセーラー服姿にされ、ディルドーの生えた椅子に座らされ授業を受けさせられ。

 

 女魔法使いのほのかと悪魔少女のベネトナシュが、女魔王となった店員に首輪で繋がれ調教飼育され。

 

 メイドとなったほのかとベネトナシュは、女主の店員にドジのお仕置きに二人一緒でのオナニーを命令され。

 

 ……さまざまな衣装に着替えさせられた二人は、五時間以上の卑猥なコスプレ撮影に付き合わされる事となった。

 

  †   †   †

 

「またのお越しをお待ちしてますっ」

 

 すっかりと暗くなった外まで店員に見送られ、ほのかとベネトナシュは疲れ切った顔でその場を後にした。人間であるほのかはいざ知らず、体力的には問題ないだろうベネトナシュの疲労の色が濃いのは精神的なものだろう。

 

「……殺す。あの女、いつか殺す……」

 

 衣装の入った袋を手にブクツサと呟くベネトナシュは大真面目だ。ただ、いつかと言う辺り、良心がある気がしてならない。

 

「……何?」

 

 ふと、無意識にベネトナシュの頭を撫でていた自分に気付き、ほのかは……心の底から、苦い笑みを浮かべた。

 

「……撫で心地いいなって?」

「帰ったら、覚えてなさい。たっぷりといじめてやるから!」

「……はい」

 

 威嚇する猫のように見上げてくるベネトナシュに、ほのかはコクンと頷いた。素直に頷かれ、怒りの矛先を失ったベネトナシュは、早足で歩き出す。

 

 ――魔法なりなんなり、使って帰ればいいのに……。

 

 多分、今は恥ずかしさでそこまで回らないんだろうなぁ、とほのかは金髪美少女の小さな後ろ姿に続いた……。




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夕霧市に応援で訪れる異能者アンケート

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