そんなの、人間に訊けばいいだろ、人間どうし。
人間どうしだから、訊きにくい? ふふ、そういうもんかね。
でも、興味は津々なお年頃、と。
……あいにく、私にそんな話は無いね。悪いけど。
ただ……そうだね。
ちょっとばかり、夢の話をしようか────
※ミッドナイトノベルズでも掲載しています。
たまに見る、夢の話さ。
夢ん中で、私は……どこか薄暗い、小屋みたいな場所で、裸で天井から吊るされてる。
腕を、縄で縛られてね。
もちろん、ただの縄じゃない。天神様の注連縄だ。力が吸われて、動けやしない。
足も縛られて、下に引っ張られて……でも床には付いてない。ちょっと高い位置で、腕だけで吊られてる。
ちょうど、目の前に男の顔が来るくらいだ。それで……ああ、そう、男がいるんだ。吊られた私の前に……前だけじゃなく、周りにも何人も。
鬼じゃない。人間の男さ。
さあ、どうして捕まっちまったんだろうね。夢のことだから、わからないよ。
せめて頭突きでもカマしてやりたいけど、ご丁寧に頭もしっかりと、腕に縛りつけられててね。ピクリとも動かせない。ま、鬼を相手にするなら、それくらいはして当然だろうけど。
で、いきなり殴られた。
手で? いやいや、ぶっとい角材でさ。ベタベタお札が貼ってある。そいつで前から、後ろから、横から……力いっぱい、殴りつけられる。何度も、何度も、全身どこもかしこもね。
痛いなんてもんじゃない。体がバラバラになりそうで、意識が飛びかける。あっという間に青アザだらけだ……見えないけど、多分ね。打たれた場所がジンジンしびれて、だんだん体の感覚がなくなってくる。
骨? 折れてたかもしれないね。まさしく鬼の目にも涙ってところかな……いや、たとえだよ、たとえ。
ひとしきり殴るのが止んだら、今度は釣り針が出てきた。
そう、魚を釣る針。それをこう、ぶすっと……そうだよ、乳首にさ。痛いに決まってるだろ。そいつもやっぱり、ただの釣り針じゃなかったね。あの鉄の神……なんつったっけ? 名前は忘れたけど、とにかくあいつの加護を受けたやつさ。
もう片方もぶっ刺されて、糸で結んで、釣り上げられてね。ぎりぎり引っ張られて、伸びちまう……なかなか悪趣味なことするもんさ。ふふふ。
そうして次は……足を縛ってた縄が左右に引かれて、吊られたまま、股を開かされた。
ま、お定まりだよね。
人間もずいぶん下衆になったね……って、せめても鼻で笑ってやったけど……反応は無かったな。
裸の男が私の前に立って、下のほうで何かゴソゴソやりながら……多分、摩羅をしごいて、勃たせてたんだろう。頭が動かないから、見えないんだけどね……かなり、デカかったんじゃないかな。
なにせ、メチャクチャ痛かったからね。
前戯もクソもない、腰を引っ掴まれて、いきなり突っこまれてさ。
ああ、血が出てるな……なんて、どっか他人事みたいに考えてた。
え?
……。
……さあ、どうかな。
初めてだったかなんて……わからないし、知らないよ。夢だしね。ただ、裂けて血が出るくらい痛くて、苦しかった。それだけさ。
あとはもう、ドスドス奥まで突きこまれて……腹は破けそうだし、吊られた腕はきしんで、肩が抜けそうなほど痛むし。
でも、まあ、大したことはないよ。痛さなら、殴られた時のほうが、よっぽどだったんだ。しばらく耐えてるうちに、子種汁が中に吐き出されて、終わった。
……そいつの番は、ね。
もちろん、次の男が私の前に立ったさ。そしてまた、ブチこまれて、ガンガン突かれて、出されて……で、また次。
何人いたのか、何巡したのか……はっきりとはわからない。そもそも数えちゃいないし。
とにかく、
ああ、弱ってきたってのは……疲れてきたんだ。ずーっと責めが続いてたから……それだけさ。それだけ。
ともあれ一息ついたけど、どこかでゴソゴソと……何か準備してるような音がして、また殴られるかな……なんて考えてたら、今度は私の後ろに、なにやら運ばれてきてさ。
なんだろうと思ってるうちに、尻の穴に何か……筒みたいな何かが、無理矢理ねじこまれた。そしてそこから、熱っついもんが流れこんできてね。
熱いと言っても、熱湯とかじゃない。酒、それも
そりゃ、腹ん中が焼けるようさ。さすがの私も、あっという間に頭まで酔いが回る。人間だったら確実に死んでるね。
入れられる量も、半端じゃない。腹が妊婦みたいに膨らむまで、詰めこみやがった。それと酔いとで、猛烈な吐き気が……いや実際、吐いちまったけどね。頭が縛られてるから、下も向けなくて、自分のゲロで息が詰まりそうになる。殴られるより苦しいね、あれは。
はらわたが嫌な音を立てたところで、筒が抜かれて……我慢なんかできやしない、そのまま一気に……いや、量が多すぎて、何回かに分けてだったかな? とにかく、そいつらが見てる目の前で、中のものを全部ブチ撒けたと思ったら、休む間もなく、すぐまた注ぎこまれて、またブチ撒けて……。
しまいにゃ、はらわたがそのまんま、尻から出ちまうんじゃないかって……そんな気になるまで、それを繰り返してから、また誰かが私の後ろに立った。
とっくに頭は朦朧として、ろくに考えも回らなくなってたけど、まあ、何をされるかなんて、わかりきってる。
すっかり緩くなってた尻穴が、それでも裂けるような勢いで、デカいのを突っこまれた。
実際、裂けてたのかどうか……わかりゃしないね。血なんだか小便なんだか、前の穴に出された雄汁だか、神酒の残りだか……区別なんか、つくもんか。とにかく私の股と頭は、そんくらいグチャグチャになってたってことさ。
そうしてまた、ガツガツ犯されて、臭い汁を注がれて、すぐ次のやつが尻に刺さって……輪姦の再開だ。
さらに今度は、何人か廻ったあとで、前にも男が来た。
一本でもキツいのを、両方に……ああ、こいつら、私のそこを壊す気なんだ……って思ったさ。そう思って、つい……。
……いや……。一瞬、気の迷いが起きただけさ。
そんな言葉は、鬼は言わない。絶対に。
たとえそれが心をよぎったって、口には出さない。出さなかった。つまり、どうでもいい話なのさ……そもそも、夢の話だ。
だから……私はそのまま、犯された。
ゴツい二本目を容赦なく、無理やりねじ入れられた。
腰の骨が砕けて、腹の形が変わって、本当に破けちまうんじゃないかってくらい、突きまくられた。
前後から挟まれて、肉棒で串刺しにされて、腹の奥に人間の種汁を詰めこまれて……輪姦され続けた。
いつの間にか、股の肉豆にも、釣り針が足されてた。それすら他の苦痛とロクに区別がつかなくなるくらい……頭ん中も、酒と痛みでほとんどぶっ壊れたまま、犯されて、嬲られて……。
そんな調子で、頭の芯までドロドロにすり潰されて、そのまま沼の底に沈んでしまいそうで……だけど、いつまでも沈みゃしないんだ。
沈みそうになるたびに、誰かが私の意識をつかんで、引っ張りあげるからさ。
私を囲んで責めている男たち……その中の一人が、ときおり囁くんだ。
どうだ、もう懲りたか。
許しを請え。
儂に従え……ってね。
もちろん、そんな言葉には従わないけどね。
鬼を屈服させられる人間なんかいない。
少なくとも、私は屈したりなんか、しない。
でも、もし……。
もしも仮に、この責めに屈して、心から許しを請うて、恭順を誓ったりしたら……その先には、一体どんな恥辱が待っているんだろう……なんて思いながら……ただひたすらに、犯され続けるのさ────
夢だよ。ただの夢。
そんな、私が本当に人間に敗北して、囚われて、好き勝手に嬲られるなんて……あるわけないだろ。
ただ、ね。
私に挑みかかって、打ち負かして、徹底的に屈服させようとする、そんな
たまに、思うだけさ。
どうしたい? そんなにモジモジして。濡れたかい?
ふふ、隠さなくてもいいよ。匂いでわかる。
ああ、匂いって、そっちじゃあないよ。
あんた、私と似た匂いがする。
その理由は違っても、ね。
こんなでっかいお屋敷の中で、腫れ物に触るように、割れ物を扱うように養われて……男の縁のかけらもない。
こそこそ書物を読みあさり、時にこんな話を聞きあさっては、夜中に独り自分を慰めるばかり。そんなとこだろ?
なんなら、相手してやろうか?
今夜一晩、さ。私はそっちの経験の方が……
そういう趣味はない? あ、そう。
じゃあ、こういうのはどうだい。
あんたを今から、地底へ
そして、娯楽に飢えた連中の中に放り出す。
あっという間に裸に剥かれて、縛り上げられて、吊るされて。
穴という穴を、太い棒で犯されるのさ。
何人も何人も、休むことなく。時には面白半分に、腕やら足やらまで突っこまれて。
その可愛い乳首もお豆も、腫れ上がって形が変わっちまうくらい、虐められて。
遠慮も何もなく、体中に雄汁をぶちまけられて、ちっちゃなお腹が文字通りの精液袋になるまでね。
ああ、安心していいよ。腕のいい医者もいるからね。ガバガバになっても、たとえ裂けても、地上に戻るころにはだいたい元通りだ。だいたいは、ね。
やめとくかい?
ま、その気になったら、いつでもおいでよ。
さて、そろそろ帰るか。抜け出してるのがバレると、いろいろ面倒だからねえ。ご馳走さん。人間の甘い酒も、たまには良いもんだね。
酒代ってわけじゃないが、こいつをやるよ。
どこから流れてきたか知らないが、外の世界の裏草子だ。
かなりエグい内容だから、気をつけなよ?
もしそんなのを読んでるのがバレたら、次の日から、周りのあんたを見る目が……ふ、ふふふ。
そうだね、一度じっくり読んだら、さっさと焼き捨てちまうのがいいだろうさ。
じゃあ、ね。
もしかしたら、またいつか。