でもうちのきよひーは今まで使用率がさっぱりでした。回るだけならバサスカでいいから……
せっかくのボーナスサーヴァントだったので、この際聖杯も注いでみました。そんな話。
PIXIVにも投稿しています。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12218169
「せっかくだからきよひー使うかー」
「ますたぁ♥ なにかおっしゃいました?」
2020年、正月。閻魔亭で活動を開始するにあたって問題になったのが戦力だった。去年も閻魔亭に居ただろって? 去年はバサスカで周回した。しかし今年はイベントボーナスサーヴァントを活用する方針で行こうと思ったのだ。復刻だし、ただ回るのではあまりに味気ないというのもある。
すなわち……紅閻魔、玉藻、巴、キャット、マシュあたりである。しかしここで問題なのが、全体攻撃の少なさだった。周回が面倒なのである。そこでキャットに続き清姫を起用するという選択肢が浮上した。低レアなのでコスト面でも清姫は利点と言える。
だが、根本的な問題があった。それを解決するべく、仕事が終わり夕飯を食べた後、清姫に声をかけた。
「うん、清姫。君のレベルを上げようと思って」
くわっ! と清姫の眼が見開かれた。黄色く美しい瞳は、瞳孔が縦に長い。
「つ、ついに……ついに……私もレベルマックスなのですね……!」
そう、清姫はレベル60である。☆3のレベルは70まで上がるのだが、最終再臨した時点は60。つまり、そう言う事だ。
「そうだけど、そうじゃないよ。レベルは80以上にするから」
「ええええええええええええええええ!!!???」
ぶわわっ、と清姫の明るい緑色の長髪が天を衝いた。
「あ、あ、あああ……! 夢では、無いのですね……私の愛が、ますたぁに届く日が、ついに訪れたのですね……!」
「だってきよひー弱すぎるから……この位しないと周回にすら使えないっていうか」
「ああああああああああああああああああああ!!!!」
今度は廊下の床板に頭を打ち付けて拳でだしんだしんと叩き始めてしまった。
「ははは、今日のきよひーは元気だなあ」
「ひ、ひどいぃ……ここまで嘘が一つもないなんて……よよよ……」
膝をついて清姫の手を取り、助け起こす。小さく、柔らかな手だ。その柔らかさを紅閻魔に叱責されていたような気もする。
「むっ、ますたぁ今何をお考えになりました?」
「聞きたい?」
「うう……今日は一段といじわるです……もう私の心はボロボロなんですから、もっと甘やかしてください……」
「さ、清姫。明日も早いんだ、すぐにとりかかろう」
「え? レベルを上げるんですよね? ではこう、めにゅーから、ぱぱっと」
「いやいや。今カルデアに帰れないから」
ほけー、と言葉の意味を飲み込むまでの気の抜けた顔が可愛らしい。理解できないという結論に至り、たちまち困惑の表情に塗りつぶされた。
「私にメタな事を言わせておいて、自分だけいい子ぶるなんてずるいですますたぁ! ご自分だって……うっ、こ、これは……」
「俺、また何か言っちゃいました?」
「く、くっ……い、言っていない……! 地の文でばかり……! もう、もうっ! 分かりました……大人しくレベル上げに行きますから、いじわるはやめて下さい。むしろめいっぱい甘やかしながら種火と聖杯を下さい、ますたぁ♥」
「うん。じゃあ準備してるから、1時間くらいしてから俺の部屋に来てね」
「はーい♥」
ニコニコと満面の笑みで、清姫はマスターを見送った。
「うふ……うふふふ……これで私も周回のお供! 絆もガンガン上がって夢火を貰っちゃったりして! きゃー♥」
そうやって浮かれている時に、後ろから声がかかった。
「あら、楽しそうね」
「おや、貴女は……エウリュアレさん?」
閻魔亭には似つかわしいような、そうでもないような……古代ギリシアのゆったりとした衣服の女神がそこに居た。清姫としては三女のほうが蛇なので親近感を抱いていた関係で、その姉二人には勝手な苦手意識を持っていたのだが。
「マスターに聖杯を貰うのでしょ? 設備無しで」
「ええ、そうなんです! そう言えば、エウリュアレさんはレベルが90でしたね」
という事はつまり、以前に聖杯を貰っているという事だ。内心の嫉妬をかみ殺す。自分も今から貰えるのだから。
「でも、大丈夫? 貴女に耐えられるかしら」
「耐える? 聖杯でレベル上限を上げるのって、苦しいんですか?」
初耳だ。しかし、それくらいはしょうがないだろう。イベントで触れ合うのも確かに良いが、やはり普段からマスターに愛でてもらいたかった。なんだったらプライベートルームに常駐したい。そんな野望の第一歩は、なんと言ってもつかえるサーヴァントになる事だ。清姫は、その為ならば多少の苦労は我慢できる自信があった。
「あの子、普通の魔術はてんでダメなのだけど、セックスだけは上手いから。聖杯の魔力を全部セックスで渡されるわよ」
「セッッ!?!?!?」
「魔力の許容量も低いから、少しずつ、少しずつ……何発も射精してね。私の時は、まる二晩かかったから……夜しかできないとなると、その倍は行くかも」
「ば、ば……4日毎夜セックス……!」
さらりと、何でもない事のように可憐な少女の口からセックスとか射精とか言われると、清姫からしても違和感が凄い。
(ギリシャ神話の女神って、そういうものなのかしら)
深入りして良い事はなさそうなので、適当に流しておく。
「と、と、という事は……聖杯を与えられた女性サーヴァントって……」
「まさか。私と貴女だけよ。設備があればそんな苦労する必要無いもの」
胸の裡からどす黒い炎がチロチロと舌を出しそうになったが、なんとか抑え込むことに成功した。
「でも、ノウムカルデアに来てからはマシュと毎日魔力供給の練習してたみたいだけどね♥」
「まぁぁぁすたぁぁぁぁぁ……」
やっぱり駄目だった。チロチロどころではなくメラメラ出た。
「くすくす。まあ行くなら覚悟する事ね」
「覚悟? ますたぁと契る事に不満なんて……」
「そうじゃないわ」
スゥ、とエウリュアレの眼が細められ、内心を悟らせない美しすぎる微笑を浮かべる。
「自分の霊基の半分以上をセックスで渡されれば、今まで以上にマスターの影響を受けるわ。この私が、しみったれた妖怪風情の貴女と和やかに立ち話できる位にね。きっと貴女のその嫉妬深さも鳴りを潜め、アイツに都合のいい雌の一匹に成り下がる。その覚悟があるかしら?」
「…………」
凄まれたわけでもないが、清姫は言葉に詰まった。嘘を吐かれたり、浮気されたりした時に笑って許すようになる自分の気持ちは『本物』なのか。しかし、思い人を焼き殺すほどの『本物』の気持ちをそのままにするのが良い事なのか。
重い問いかけをよこした女神は、素知らぬ顔でくすくすと笑っている。話はこれまでのようで、清姫の横を歩いて行く。
「どちらにしても、言えることは……」
すれ違いざまに、耳元で囁かれた。
「聖杯で霊基を強化されながらのセックスって、燃えるわよ♥」
少女とは思えぬべっとりと性欲に塗れた声音が清姫の耳朶を愛撫し、
「ひゃうっ♥」
ぞわぞわと奇妙に心地いい快感の波に洗われ、首をすくめて変な声が出てしまった。女神さまは振り向くこともなく、くすくすと忍び笑いをしながら歩き去って行き……清姫は、耳を押さえながら顔を赤くして呆然と見送るのだった。
そして、約束の時間。
「いらっしゃい、清姫」
「よ、よろしく、お願いします……」
旅館の一室は異様な雰囲気に包まれていた。広げられた布の上に魔方陣が描かれ、その上に布団が敷かれている。濃くは無いが、香も焚かれている。そして、布団の隣には簡素な箱の上にペットボトル飲料と聖杯が置かれていた。
考えた結果、清姫は受け入れることにしたのだった。
「何をするかは、もう分かってるみたいだね」
「は……はい……」
ヤる前ならば『既成事実!』とか無責任にはしゃいでいる所だが、いざとなるとしり込みしてしまう清姫だった。先程の女神様の囁きが頭の中でこだましている。
(一体どれほど凄いことをされてしまうのでしょう……)
期待半分、怖さ半分でマスターを見つめる清姫は、部屋に入ったまま布団に近寄る事も出来ていなかった。
「さ、入って入って。お香が漏れちゃうから扉も閉めてね」
言われるがままにドアを閉め、ふらふらとマスターの元に歩いて行く。一歩進むごとに、自分の太ももがマスターの眼に触れている事を意識する。普段は全然そんな事を考えないのに、むしろ自分の身体がマスターの眼を奪っている事に誇らしさすら感じているのに、今はまるで自分から皿に横たわろうとする食材の気分だ。かっと頭に血が上っていくのが分かっていても、ことさらに太ももを隠そうとしたら意識している事があまりにもあからさますぎて、それも恥ずかしくて出来ないのが清姫だった。
「じゃあ脱ごうか」
言うが早いか、マスターが閻魔亭の制服を脱ぎ去って行く。先に脱がれてしまってはもう退路がなく、清姫も帯を解いてスルスルと衣服を落としていく。
襦袢一枚になった時、自分の乳首がもう勃起している事を自覚して、清姫は死にたくなった。
「どうしたの?」
マスターは、立ち姿で固まったまま動けない清姫の肩に手を置いた。びくん、とその小さなむき出しの肩が跳ねる。
「あ、う……」
幼子のように固まってしまった清姫の、無防備な首筋に指を這わせ、顎、耳へと昇っていく。顔を背け、されるがままに赤く上気したそこを撫でさせる清姫は、今この瞬間ただの少女だった。
「脱がせてあげようか」
微笑んで言うマスターの言葉に、全身をぶるりと震わせ、清姫はこくりと頷いた。腰の紐が無造作に解かれ、両手で鎖骨をなぞるように襟が開かれる。あっけなく、布が肌を滑り落ち、一糸まとわぬ身体となった。
「綺麗だよ、清姫」
そう言われて、確かに気分が高揚する自分がいる事を、清姫は自覚した。
その余裕が、他の人を抱いた経験からくる物なのはさすがに想像できる。そのモヤモヤを差し引いても、理想的な対応のように思ってしまうのは……この場の空気のせいかもしれなかった。
「ますたぁ……やさしく、して……ください」
肩に置かれていたマスターの手が、無遠慮に清姫の胸まで下がってくる。年の割にはとても大きい自慢の胸が、マスターの手で撫でられ、乳首に微かに指がかかると、
「はっ♥」
自分でも意図しない吐息と、快楽の電流による痙攣が起きてしまった。操り人形の糸を引くように、乳首をちょん、と指の腹で撫でられるごとに、
「んっ♥」
ぴくん、と震えてしまう。文字通りにマスターの手のひらで、好きに転がされている。その感覚は、清姫を大いに満足させた。
愛する人が思い通りにならなかったから燃やした。だから、自分は主導権を握っていなければ気が済まない奴なのだと思って来たが……何のことは無い、この気持ち良さを知らなかったからだった。
「おいで、清姫」
「はい……♥」
マスターはそっと胸から手を放し、清姫の手を引いて布団へと導いていく。
乳首をされるがままに弄らせて、抵抗しない様子から問題ないと判断されたのだ、と理解して、清姫はそのこと自体に法悦を覚えた。
布団の上にたどり着いて抱き寄せられると、下腹部に熱いものが当たる。
(あ……ますたぁの、男性器……)
火傷しそうに熱い。焼き殺すのに定評のある自分がそんな風に思っているのが可笑しいと、心の片隅で思う。しかし思考のほどんどは、今から自分が受け入れる事になるソレの大きさ、形を思い浮かべる事に費やされていた。
くい、と顎を指であげられ、唇をふさがれる。
「んむっ」
もはやキスをする前の確認もない。勢いのままにマスターの舌が清姫のちいさな唇と舌を蹂躙する。清姫もまた、その強引さに酔いしれていた。
抱き寄せられて、下腹部に押し当てられたチンポの事で頭はいっぱいで、強引なキスを喜ぶ……どこにでもいる盛りのついたメスとして、当然のように布団に押し倒される。
枕を頭の下にちゃんと敷いて寝かされたのにむしろ意外ささえ感じながら、清姫は自慢の白い太ももが掴まれ、開かされていくのに期待を募らせていった。
ちゅく、と粘質な水音が鳴る。
「もうこんなに濡れてるんだ?」
マスターからかうような声音に、今の清姫は恥ずかしさよりも高揚を感じてしまう。
「だって……ますたぁのモノになれると思ったら、清姫のここ、疼いてしまって……」
開かれた股間に、マスターが顔を近づける。むわっと甘酸っぱい臭いが、部屋に焚かれたお香を押しのけて鼻腔を刺激した。
(ああ……嗅がれてる……私の恥ずかしい臭い、嗅がれてる……!)
もはや何もかもが、清姫を興奮させる材料となった。さらに胎を熱く疼かせて、臭いの元となる愛液を滴らせる。
マスターは、ぴったりと閉じた清姫の陰唇を指で開いた。そのまま、膣口に口を付ける。
「ひゃうっ♥」
今までの、乳首を撫でられたのとはわけが違う、快楽の本流が清姫の身体を貫いていく。
じゅる、じゅる、と下品な音を立てて、マスターが清姫の股間を舐め始めた。とろりと溢れる蜜をすすり、皮に包まれたままに充血したクリトリスを舐め上げ、小陰唇を舌で丹念に往復する。
「あうっ♥ あっ、あああーーっ♥」
始まって一分も経たず、清姫は耐えがたくなって枕を掴む手が離せなくなってしまった。ニーソックスに包まれた細い脚が、激しすぎる快楽を逃がそうと意味もなくクネクネと蠢き、どんどん大胆に股が開かれていく。
狂う。こんなことを続けていたら、狂ってしまう……
バーサーカーが何を、というような事を、清姫は本気で考えていた。
唐突に、その狂おしい快楽の奔流が止まる。
「…………?」
ぱっくりと180度に開いた股を閉じる事も出来ず、ぼうっとマスターを見返すと、口元を拭いながら身体を起こしている所だった。そのイチモツが、ついに清姫の無防備な股間に矛先を向ける。
(食べられちゃう……♥)
自然にそんな言葉が思い浮かんだ。もう不安はなく、期待だけが清姫の胸を満たしていった。
そしてマスターは、布団の傍にある箱に置かれたスポーツ飲料のペットボトルを開け、コップに注ぎ、それを一息に飲み干した。要は、魔力を取り込むという簡易な儀式なのだろう。天才ダヴィンチちゃんの手によりカード化されて扱いやすくなった魔力は、それだけで容易に器を移す。
見るだけで、相当量の魔力がマスターの身に宿ったのが分かる。具体的には金種火40枚ほど。
「まずは種火分から行くよ」
そう言って、マスターは腰を突き出した。実にあっけなく、処女膜を貫いて、清姫の膣の最奥にマラの先がぶつかる。
「はっ……くぁ……♥」
びり、びり、と少しばかりの痛みと圧倒的な異物感が清姫の背筋へ電流となってたたきつけられる。
(こんな、ついでみたいな初体験だなんて……ひどい、ひどすぎます、ますたぁ……♥)
言葉とは裏腹、堪えられない悦楽が清姫を満たしていた。そもそも、閻魔亭のお手伝いをするのに便利だからという理由でこんな事になっている。
自分は今、マスターの便利な道具の一つに過ぎないのだという事が、清姫の心に深く突き刺さる。
その心の傷口から、血ではなく愛液が吹きだしているかのようだった。あまりの快楽に、見ている光景が激しく明滅する。
衝撃に指一本動かせない清姫の細い腰を掴んで、マスターが腰を使い始める。
遠慮なく、叩きつけるように。自分が射精するためだけの動きだ、と処女の清姫ですら感じる動きだ。
「ああっ、ああーーーーっ♥」
それが滅法気持ちいい。ピンと勃起した清姫の乳首が、打ち付けられる衝撃でゆさゆさと揺れる。
両手は枕を掴んでいるため、肘が上がり、じっとりと汗をかいた腋を見せてしまっている。
たん、たんと腰を打ち付けられる度に清姫の顎が上がり、服従の証のように細い首元を晒していた。
「うっ」
短いうめきと共に、マスターが射精する。その瞬間、熱い塊のようなものが清姫の中に流れ込んできて、意識が真っ白になる。
「かっ、は……♥」
勝手な射精に応じて、息をすることもできないほどに深く絶頂してしまう。
びくん、びくんと左右に身をよじるが、マスターに掴まれた太ももだけはまるで動かすことができない。自分のようなバーサーカーのサーヴァントの力が人間に屈することなどありえないというのに。
清姫は女としてマスターに屈したがっていた。
精液と共に、魔力をその身に叩き込まれて、その力が自分の霊基となっていく。清姫という一個の人格であるのと同時に、マスターの付属物へと堕ちていく。
(気持ちいい……♥)
それが、ひどく気持ちいい。己の霊基が強大化する単純な全能感と合わさって、清姫の心身を焼き尽くすような、おぞましいほどの快楽が全身に馴染んでいった。
ぬぽっ、とマスターのものが清姫の中から水音を立てて抜ける。気付けば、一撃で清姫はレベルが上限の70にまで到達していた。
「よし、上がったね。じゃあ次は聖杯行くよ」
ようやく清姫が呼吸できるようになった頃、マスターがそう言い放った。
「ふぇ?」
見ると、聖杯にスポーツドリンクを少量注ぎ、それをまた飲み干す所だった。
先ほどとは魔力の量も純度も桁違いだ。清姫というサーヴァントの、霊基の上限を拡張するほどの魔力である。
(あんなのを注ぎ込まれたら、私は……♥)
『先輩』女神の言葉が頭をよぎる。確かに、本当だった。きっと自分は、もう昨日までの自分では居られなくなるだろう。それと同時に……
「きて、下さい……♥ 清姫に、ますたぁの魔力、思い切り注いでくださいまし♥」
燃える。燃えあがり、燃え尽きて悔いのないほどに、マスターに抱かれたいという思いが膨れ上がっていくのを感じた。
むにゅりと一本筋に性器を覆う陰唇を開き、自分から性器を晒した。
「うん。遠慮なくいくよ……!」
マスターが膣口に先端を添えて腰を突き出すと、ぬるんっ! と勢いよく清姫の膣がチンポを飲み込んでいく。
「ああっ♥」
ついさっきまで処女だったとは思えない歓喜の声を上げる。その衝撃から覚めやらぬまま、またも激しい腰遣いが始まった。
ずん、ずん。マスターの性器の動きの向こうに先ほどの種火を宿した状態とはまるで違う、巨大な魔力の質量を感じる。
「はっ、ぐ、あうっ♥」
すでに清姫の肌は満遍なく桜色に上気していた。最初は甲高いくらいだった喘ぎ声も、力強く性器が突き込まれるのに合わせた、苦悶のような、唸るような、少女にしては低い声に色を変えていく。
中途半端に宙に浮いた爪先が、ぶらん、ぶらんと揺れている。
晒した細い喉元に汗が流れ、鎖骨のくぼみに溜まっていくのを感じながらも、両手はずっと枕を掴んで離さない。
マスターに突かれる穴として、魔力を注がれる袋として、行為に没頭していた。
(来る……来る……♥)
普通の射精とは少し意味合いの違う、魔力を帯びた体液の放出の前兆を、よだれを垂らす想いで待ちわびる。
「う゛っ♥ う゛っ♥ う゛っ♥」
無様に歯を食いしばって天井に顔を向けながら、マスターの高まりに合わせるように清姫も絶頂に向かっていく。
にちゃ、にちゃと奥の方の膣壁を味わうように、小刻みなピストンに変わりいよいよ射精が近づく。
「いくよっ、清姫……!」
「ふーっ、ふーっ♥」
清姫はもう言葉で返事をすることすらできず、魔力を子宮で受け止める事に全霊を集中していた。
そして、解き放たれる。清姫の胎に、マスターがぶちまけられる。
「お゛っ♥、ぐ、おお、おおうううぅーー♥」
動物の唸り声としか聞こえない、清姫の本気絶頂の声が部屋に響き渡る。
清姫の視界は明滅し、ねじれ、渦巻き、上下の感覚すら曖昧になる。マスターの色がついた魔力が身体に混じり、自分の血肉となる。
ただのセックスではありえない合一感が性的絶頂と混じりあって、清姫の思考に深く深く焼き付いていく。
天井に延びた清姫の爪先が、ぎゅう、と丸められ、絶頂の感覚を余すことなく身体で受け止めているのが外からも見て取れるようだった。
「かはっ、はぐっ、うっ♥」
しばらく、折れそうなほどに背中をのけぞらせていた清姫が、くたりと身体を弛緩させた。
両脚も力なく開かれ、布団に張り付いている。肌はもわりと湯気が出るほどに赤く茹だっていて、少女とは思えぬ色気を放っていた。
「清姫も飲む?」
差し出されたコップには、スポーツドリンクが注がれていた。反射的に身を起こしてコップにふらふらと顔を近づけると、マスターがそのまま清姫に飲ませてくれた。恥ずかしいなんて考えも、口移しが良かったなんて冗談を言う余裕も全くなかった。
全部飲み終わると、またパタリと布団に寝てしまう。お行儀は悪いが、思考力がまだ戻っていないのだった。
それと同じくらいに、マスターの魔力供給で霊基を広げられる絶頂感の余韻に、浸っていたいと思っていた。
「さ、あと4回で聖杯一つ注ぎ終わるからね」
などと、のん気に思っていられたのもそこまでだった。
「……え?」
聖杯の魔力を注がれて、レベルの上限は確かに上がったはずだ。なのに、なぜ。
「本当は一回でできればいいんだけど。俺の力量じゃきつくてさ。清姫にも負担かけてごめんね」
一回の聖杯で、5回の射精。
(ますたぁは、私に、いくつの聖杯を……)
――レベルは80以上にするから
(少なくとも、三つ……?)
言葉を素直に受け取れば、80ではないだろう。最低でも85。ことによると90で、4つ分。
ぞくり、と悪寒が走る。
(ああ、私は……)
恐怖している。こんなにも、気持ちのいい事を。
(こんなの、全部注ぎ込まれたら……)
「ああ、ああ……! ますたぁ、清姫、壊れてしまいます……♥」
こんなものを一身に受け止めてしまったら、絶対壊れてしまう。
(ますたぁのお情け無しでは生きていけない、都合のいい肉人形になってしまうに決まっています……♥)
そんな想像に恐怖し、それ以上に胸を高鳴らせていた。
「大丈夫だよ。力を抜いて、受け入れて……」
花を手折るように、マスターが清姫の桜色に上気した太ももをひょいと持ち上げた。
それは清姫の望みに完全に沿っている事を示すかのように、肉の重さを感じられない軽さだった。
「ああ……だめ、だめです、ますたぁ♥」
圧し掛かるマスターが自分と結合する場所を、暗闇で爛々と輝く清姫の瞳が熱く凝視していた。
「んお゛おおーーっ♥」
「死ぬっ、死んじゃうぅーーっ♥」
「ましゅたーーーーっ♥ あいっ♥ してっ♥ ますぅーー♥」
その日は、一晩中清姫の発情丸出しの唸り声が途切れる事は無かった。
「はあ……はあ……し、しぬ……本当に、しんでしまう……」
産まれたての小鹿のように足を震わせながら、清姫が廊下を歩いて行く。
「おはよう清姫、今日は周回よろしくね!」
にこやかに話しかけるマスターに、強張った笑みを返す。
「は、はいぃ……ますたぁのお役に立てる新生清姫に、ご期待ください……」
「でも結局、昨日は二つが限度だったし、今日の周回の感じが良かったらレベル90まで上げようね」
全力で頑張るべきか、ほどほどに手を抜くべきか。清姫にとって究極の二択が突きつけられるのだった。