お楽しみ下さい。
ルーミアSIDE
無造作に崩れ落ちた男を見下ろす。
それを見て思い浮かぶ感情は無い。
一寸たりとも身動きをしないその姿は明らかな無機物。
死者のそれだった。
男を殺した腕を見る。
貫く前と変わらぬその色に、人間であろうこの男が何故血を流さなかったのか疑問が浮かぶがどうでもいいと思考を中断。
後ろへと振り返ると、背中から拘束してきていた女もまた前のそれと同じ様に無様に地面へと蹲っている。
身動ぎの無い体は同じく死を示しており、自分が完全に自由になったと改めて実感する。
そして足元へと視線を向ける。
そこには一枚の布切れ。
その布切れ、リボンを手に取る。
掴み、持ち上げる。
簡単に持ち上げることが出来た。
殆ど重さの無いそれを持ち上げる事は容易だが、それを掴み上げ両手で強引に引き千切る。
そして実感した。
何故自分を封印していたそのリボンが効力を失ったかは分からない。
決して何人たりとも触れることすら出来なかったそれが突然解け落ちたのか。
この男か、それとも後ろの女か。
分からない事が殆どの中、唯一理解出来る事。
それは、自分が自由になった事。
本当の意味で真に自由、解放されたという事。
笑みが浮かぶ。
口角はどんどんとつり上がり、果たして自分はどれほど綺麗な、満面の笑みを浮かべているのだろう。
笑う。只ひたすらに嗤う。
関係あるのか定かでは無いが、この亡骸達に会えた事に感謝する。
胸を揉まれた事は感謝の意を込めて赦してやろう。
愉快、とにかく愉快だ。
こんな気持ち、今まであっただろうか。
否、無い。
だから感謝しよう、この現状にこの気持ちに。
だから行動しよう、この気持ちを伝える為に。
だから出発しよう、この想いに応えるために。
善は急げという言葉がある。
そうだ、早く伝えないと。
溢れ出るこの想いをぶつけたい。
感情はその一つで埋め尽くされている。
ああ、だから今行く。
この素晴らしい気持ちを伝えるために。
この想いを生ませてくれた者の所へ。
向かう場所は一つ。
溢れ出る想いを直接伝える。
今から行う可憐な出来事。
さあ、復讐だ。
「待っていてね、私の可愛い可愛い……憎っくき巫女さんッ……」
思わず溢れる歓喜の声色に更に笑みを浮かべた。
そして全盛期の力が身体中に満たされる感覚に酔いしれながら目的地を思い浮かべ、体に力を入れた。
そして飛び立つ。
「……えっ……」
何かが足に触れる感触、それを思考する間も無く私の思考と視界は常闇に埋め尽くされた。
ルーミアSIDE OUT
目を開けると真っ暗。
どうやら地面とキスをしていた様だ。
母なるとは言っても流石に地面をレイプは出来ない。
顔を上げると、そこにはすらりと伸びた女性の脚線美。
更に顔を上げるとまるで一枚の絵を切り取った様な人間離れした美しい女性の、この世の物とは思えぬ綺麗な笑顔。
彼女の感情を全面に表したその表情はとても美しく、凡庸な人間が触れて無くしてしまうのを恐れてしまうまでに幻想的だった。
まあ俺は凡庸でもなく底辺な、至高なレイパーだからそんなの気にしないんだけども。
僅かに重心を下げた彼女は一瞬にしてこの視界から消えてしまいそうな感覚を受け、思わず手を伸ばす。
いざ彼女の細い脚の粉雪の様に澄んだ肌に触れる刹那、無抵抗になれ、無意識だが今までよりも遥かに強く願い触れた。
その瞬間、幻想的だった彼女の表情と瞳から全ての色が消えて今の俺の様に地面に崩れ落ちた。
彼女が意識を失った事を確認し手を離して立ち上がる。
どうやら少し眠っていた様だ、僅かに体が重い。
ゆっくりと立ち上がると徐々に記憶が呼び起こされていく。
巨乳を揉み、その持ち主の腕で体を貫かれた。
その部位を見やると、折角映姫に編んでもらった服が女性の腕ほどの太さの穴が開いており、その奥の自分の肉体は自慢の青白い胸部の皮膚が何事も無く見て取れた。
どうやら再生したらしい。
覚えが無いが恐らくそうだろう、元に戻ってるし過程はどうでもいいや。
流石に復元しなかった服は映姫に見られたらまた随分とどやされそうだ。
何かかなり気合を入れて作ってくれたみたいだし。
これでお揃いですね、と可愛らしく照れた笑みを浮かべながら渡してくれた顔を思い浮かべると少しだけ罪悪感が湧くが、穴を開けたのは俺ではなく目の前の女性。
そう思うと罪悪感は一瞬にして消えた。
ようし、それじゃあ映姫が作ってくれた服を台無しにしてくれた彼女には罰を込めてたっぷりと犯してやろう。
そう思い未だ意識が戻らない女性を肩に担ぎ、人攫いスタイルで元来た道を引き返す。
引き返す最中後ろに顔だけ向けると、俺と同じ様に倒れてた我がペットはいつの間にか起き上がり俺のすぐ後ろを忠実に歩いていた。
倒れてるレイを見て何となくだが無事と思ってたが間違っていなかったらしい。
それにしても、と担ぎ上げた女性を見る。
体に当たる豊かに実った果実が非常に心地よい。
ではなく、長身の女性を担ぎ上げているというのに一切の重みも感じない。
まさか彼女がドジっ子でつい上の階から落ちて吸血鬼少年に抱きとめられて真実を知られちゃったな体重五キログラム少女ではあるまい。
まぁ、五キロでもそれなりの重さは感じるだろうけども。
それが一切感じないのは俺の体がそういった体質なのだろうと一人考察。
痛く無い重く無い俺の体は本当に素晴らしい。
担ぎ上げている女性やレイ、自分の体質を鑑みつつ改めて死後の世界の素晴らしさに感激した。
ただ痛みは無いがあの、体を貫かれた光景はどうしても慣れず、自分に対する能力を全開に戻しておく。
向かうは魔理沙の家。
そこで起こりうるであろう阿鼻驚嘆を想像し、これから楽しくなりそうだと思わず笑う。
魔理沙の家はもうすぐ。
特に辛くは無いが何となく女性を担ぎ直し、レイを伴う足を少しだけ早めた。
霧雨魔理沙SIDE
あの男が出かけてから三時間。
一人、部屋で魔法の実験に没頭する。
新しい魔法を作り上げるために今までと同様に様々な実験を繰り返す。
釜の中で紫色に濁った液体をかき混ぜつつ、順当に素材を投入していく。
今は魔法薬の実験中だ。
私の予想通りに行けば魔力回復の秘薬が出来上がるはずだ。
あの忌々しい男に抜かれ、戻されたと言っても全開の三割程度の魔力しか体内には存在しない。
そのため魔力回復の秘薬を作り、あの男が居なくとも魔力を回復して復讐してやる。
あの男の変な呪いのせいか寝ても待てども魔力が一切回復しない。
今作ろうとしている魔法薬は魔力を回復する薬だが、魔力をプラスする物ではなく今ある魔力を膨大に活性化させて強制的に体内の魔力を増やす、まるでドーピングの様な物。
体内の魔力を強制的に活性化させて本来は行われない膨張を起こす物のため何らかの副作用はあるに違いない。
だがそうでもしないと私の魔力が増える事は無い。
デメリットなく魔力を増やすには、あの男が私が良い事をした時に頭を撫でてくれる時かもしくは、その、所謂性行為をした時。
ただ普段は頭を撫でてくれた時で、その、行為をしたのは最初だけ。
頭を撫でてくれた時に戻る魔力量はごく僅か。
だが体は貪欲に魔力を感じ、微々たる量でもはっきりと認知出来る。
ただ、その、アレをされている時に戻った魔力の量は圧倒的で、悲しい事にソレをしている時が一番魔力が戻るという事が嫌でも理解させられた。
嫌な筈なのに、絶対に望んで無い筈なのに、拒絶している筈なのに彼の物が私の中に何度も出入りしてくる感覚が未だに鮮明に覚えてしまっている。
何度も何度も私の大切なところを無遠慮に、私の事を意識しないで一方的に嬲っていく圧倒的な暴力と圧倒的な……。
「熱ッ! あっ……」
釜をかき混ぜる手に軽く走った痛みに思考を現実に戻せば、黄色く濁り泡立った釜の中の液体。
高温で煮立っており水面で弾けた水滴が私に向かい思わず手を上げる。
飲み物だから人体に影響は無いから触れても問題は無いが、流石に沸騰した熱さは害である。
黄色く変色した液体は実験の失敗を表しており、大きなため息を吐いて仕方なく釜に水を流して液体を冷ました。
液体と釜が冷えてきたのを確認して釜を持ち上げて桶に流して空になった釜を地面に置いた。
近くに置いていた椅子に力無く腰掛けてもう一度ため息。
今ので三度目の失敗だ。
失敗が心に重くのしかかる。
実験に失敗は付き物だ、失敗した度に一々落ち込んでいては魔法の実験なんてやってられない。
ただ今回は、今回の三度の失敗は違う。
材料も工程も間違ってはいない。
実験とは言いつつも然程難しくはなく確実に完成する筈だった。
ただ、毎回考えに没頭していたせいで三度も同じ所で失敗してしまった。
そう、釜の中で煮立った液体に投入する素材。
数種類の茸を切って投入しかき混ぜる作業をしている時。
素材であるあの男のよりも柔らかく細く短い茸を切る作業の後。
彼のあれはこんな柔じゃなくとても硬く熱く、まるで私の全てを征服せんと主張している様なとても大きな。
ハッとして無意識に浮かんだ思考を思い切り頭を振る事で思考から追いやる。
何を考えているんだ。
実験の事を考えないと。
早く、折角あの男が居ないんだ、今の内に薬を完成させて帰ってきた男に復讐して成敗してやるんだ。
でも、と思考にもう一つの可能性が浮かぶ。
次は負けないと自信を持っているのにどうしても浮かんでくる対極の仮定。
もし、もし勝てなくてもう一度負けてしまったら……。
今度こそ魔力を完全に抜かれてただの生娘にされてしまうのか。
そして悪い子だと見限って私を捨てるのか。
一度浮かんでしまった負の思考。
必死で追い払おうとするが、ネガティヴな思考の加速は止まらない。
魔力を失い魔法使いじゃなくなった只の人間にされてしまった私はこの森に投げ出されて森の獣達に蹂躙されるんだ。
そして妖怪に捕まってその醜い棒で私の大切なところを独り善がりに陵辱していく。
一切濡れてなく、痛い止めてと泣き喚く私に構わず強引に出し入れて私の血で染まったソレが満足するまで強制的に私を犯す。
それは私を女でも雌とも捉えない、只の子孫を残す為の、それとも自分が快楽を得る為の道具としての一人遊び。
壊れたら最後、無惨に喰われて死ぬだけ。
胸に言い様の無い痛みが走り、そっとそれを行われる秘所に指を当てた。
そこは一切の湿りを持たず乾かした後に触った時と同じ下着の感触。
彼に犯された時はもっと……。
思考が先日のそれに変わる。
彼も一方的で私の意見や言葉なんか一切無視して獣や妖怪と同じ様に無遠慮に腰を振ってきた。
ただ。
ただ、それは完全に独り善がりな物ではなく、私を自分の女にしようと、私を一方的に感じさせ様とした動き。
別にそう言われた訳じゃなく確信は無い。
だが思い返すと何故かそう思ってしまった。
魔女狩りと言われた行われた非常識なまでの暴力的な快楽。
そして私の感じる所を確かめる様に動かされた彼のソレ。
獣や妖怪と同じ行為の筈なのに何故か痛くなかった。
何故か私は乱れた。
何故か、キモチヨカッターー。
「んっ……」
不意に上げた自分の声に意識を戻すと、そこには先ほどと同様に秘所の下着へと指を当てたままの自分。
唯一違うこと。
「んぁっ……」
指先に感じる湿り気と厭らしい水音。
それは先ほどまでには一切無いものだった。
何故、どうして、そんな事を考えつつも意思を無視して体は勝手に動く。
自分の秘所を上から下へと厭らしい動きで撫でる。
勝手に動く私の指はまるで自分ではなく他の誰か、彼が触っている様に思えて。
「あっ、んっ……」
指先に感じる湿り気が更に増した気がした。
そして、最近ずっと感じていた身体の謎の疼きが何かを求める様に私の触れる指先の奥深くから脳へと、言葉にならない悲鳴を訴えてくる。
その疼き、悲鳴が何なのかは分からない。
ただ、自分では無い誰かで無いとこの感覚は消えてくれない、まるでそう叫んでいる様に感じた。
「んんっ、んぁっ……ふっ、んっ……」
私の声、そして指先からの水音だけが静かな部屋の中に響く。
こんな厭らしい事止めないと。
早く魔法薬を完成させないといけないのに。
もしこんな変態な姿を彼に見られたら。
「あぁっ、んあっ、んんっ……」
湿り気が一気に増えた気がした。
一体私の身体はどうなってしまったのか。
思考が困惑で埋め尽くされながらも秘所に当てた指は動きを止めてくれない。
早く止めないと彼が帰ってきてしまう。
そう思っても指は動きを止めない、寧ろ速まった。
そして困惑に包まれる思考の隅に浮かぶ一つの気持ち。
「あっ、んっ、んっ、こんな……自分の、指、だっ、んっ……」
思わず声に漏れた言葉に驚き反対の手で口を覆う。
自分は今、一体何を言おうとしたのか。
思考は更に困惑を増し、頭がくらくらと思考に靄をかける。
何と言おうとしたのか。
ーーこんな自分の指じゃだめ。
もしそうならば他に誰が。
その瞬間、不意に訪れた肩への感触。
「ただいま、魔理沙」
秘所に触れていた指先の奥深くから、何かが溢れた様な気がした。
次話もなるべく早く投稿できればと思います。