目を瞬かせる暇もないほどに一瞬で降り下ろされた鎌は刹那で俺の首もとに吸い込まれた。
ああ、短い死後だったぁとぼんやり考えていると、その時間がやたらと長く感じ、無意識に閉じていた目を開ける。
そこには首筋にぴたりと鎌がくっついており流血も痛みもない。
また寸止めかと彼女に目を向けると、ものすごく目を見開いていた。
その表情からは信じられないといった思考がありありと感じとれ、どうやら寸止めをしたかったわけではないらしい。
「……あの」
「――ッ! 動くなッ、このッ……!」
少しばかり嫌な沈黙が流れたのでそれに堪えきれず話しかけてみたら、びくりと肩を大きく震わせ慌てたように再び鎌を振り上げては下ろした。
しかし結果は変わらず、首にはなんの違和感もない。
相変わらず何度も人の首に大鎌を降り下ろしている彼女を無視して思考に没頭してみる。
彼女の表情を見るにしばらくの間は人の首を耕し続けそうだったから。
ここで一つの仮説を立ててみた。
それは彼女は実はとても弱いんじゃないかと。
それでいてこの鎌は張りぼてなのではないのか。
幽霊だから痛みはないと。
そういえば最初に彼女が鎌を降り下ろした時、視線は彼女の顔で固定していたような気がする。
刹那なんて言ってしまったが、視界の端で動くものは遅いものでも早く見えることもある。
つまりはそういうことなのではとの考えに達し、その瞬間に意識が彼女は自身に対する驚異にはなり得ないと認識する。
同時に頭の中でスイッチが切り替わった感覚が生まれた。
異常時から平時、思考が替わったのだ。
そして再び生まれだす果てしなき衝動。
早く彼女を犯せと荒れ叫ぶ内なる獣は最早頭痛のの域に達し、それを頭を軽く叩くことで黙らせる。
「動くんじゃないよッ!」
かけられる怒声には怒りだけでなく焦りと緊張や不安、そして恐怖が含まれておりその声色に先程の女の幽霊よりも遥かに大きな嗜虐心に苛まれる。
だがそれに抗うつもりなど毛ほどもない。
笑みを限界までつり上げてゆっくりと立ち上がった。
彼女の反応、なにより負の感情が増すのを堪能するようにゆっくりと。
「たっ、立つんじゃないよ! さっさと座りな!」
上からの傲慢な物言いだが、今はそれが甘美の矯声と同じほどに楽しませてくれる音色にしか聴こえない。
緊張で少し腰が引けている姿は生前に犯した女たちの、壁際まで追い詰められて襲いかかられる直前のそれと似ており笑みが止まらない。
「緊張で体が固くなってるじゃないか、マッサージしてあげるよ」
そう言って歩み寄る俺に彼女は血の気が引いたように顔を青ざめて、同じ歩数分後ずさった。
いいぞ、その表情だよ。
美女が苦悶に顔を歪める姿はとても興奮する。
一番は美女の悔しそうな顔だが。
それはさておき、歩み寄ってはその分後ずさるといった行動を繰り返す。
俺としてはその末路は既に見えているが、彼女は目の前のことしか考えられないようで今も後ずさった。
やがて想像通りの結末を迎える。
「きゃんっ!」
ぴちゃりと後ずさった彼女の足からそんな音が聴こえた。
大人びた容姿からはイメージできない可愛らしい悲鳴に、もっと彼女にのめり込んでしまった自分を理解する。
さてそろそろヤろうか。
三途の川の水を踏みこれ以上下がれないと悟った彼女からは動揺がありありと見え、その瞳は小刻みに震えながら俺の顔を捉えていた。
「――っなッ、なんなんだいあんたは一体!」
極限状態に追い込まれたのか悲鳴じみた叫び声を上げて力強く豊満な胸の前で鎌を両手で握り直す。
しかし彼女の追い込まれようは単にこれから犯されることに対してのものよりももっと深く、まるで殺されるかのように緊迫しているように見えるのはなぜか。
まあその方が楽しめるからどうでもいいが。
とりあえず彼女から危険物だけは取り上げておかなければ。
よく見れば僅かに瞳が潤んでいる彼女にときめきを増しつつ、近づいて無造作に彼女の手から獲物を奪った。
「なっ! くっ……このっ!」
鎌が奪われると思っていなかったのか驚いたように対象が消えた両手を見つめ数回にぎにぎと握る。
そして次には再び闘志を宿した目で睨み浸けてきた。
同時に勢いよく殴りかかってくる。
至近距離ということもあるのかあり得ないほどの速さで彼女の拳が頬に到達する、がダメージはない。
相手の本気っぽいパンチを顔に食らっても無傷という、バトル物の漫画でてくる金髪の戦闘民族のごとき展開にちょっとだけかっこつけてみる。
拳を当てたままの体勢で大きく目を見開いて固まる彼女に、その手首を少し強めに握って一言。
「もう遊びは終わりだ」
内心の興奮を抑えつつ感情の灯さない目で言ってやるのがポイントである。
感情の灯さない目なぞ生前に年間毎日女をレイプしてれば誰でも身につくだろう。
前に犯した女たちもどうやらこの表情が好きみたいで、これをしてやると総じて黙って感じ始めたものだ。
彼女もご多分に漏れなかったらしい。
「あっ……あ……」
驚愕に先程よりも限界までといった風に目を見開き、言葉にならない声を震わせる唇から溢して噛み合っているのだろうカチカチと歯がぶつかり合う音が聴こえた。
絶望、その言葉が似合う表情を彼女は浮かべていた。
目尻から堪えきれなかった涙が一筋ゆっくりと彼女の頬を流れ落ち、顎に落ちる前に顔を寄せて舌で舐めとる。
その行動で彼女は大きく体を震わせ身をすくめた体が徐々に大きく振動しだした。
どうやら予想以上に怖がらせてしまったらしい、だがそれがいい。
割りとノリで言った言葉ではあったがいい加減バトル展開も飽きてきたのは事実である。
そろそろ本格的に虐めたくなり始めていたのでタイミングとしてはちょうど良いだろう。
いつぞやの女の幽霊にしたように掴んでいた手首を思いきり引っ張り、無遠慮に彼女の体を抱き寄せる。
「……ぁ……」
思考が追いつかなかったのか抱き寄せた時、その衝撃に小さく呟いた声は最高でしたと追記しておく。
さて、抱き寄せたはいいがどこから責め立てようか。
胸、は見るからにほぼほぼメインディッシュ感が強いため後回し。
となるとまずは頭、上半身、下半身どれをいくか。
服から溢れそうな胸は見ているだけでも楽しめるため、着ていない部分から責めよう。
「――っあふっ……んっ……」
突然口で吸われたうなじにびくんと体を震わせて彼女は小さく声を溢した。
小さくとも明確な喘ぎ声。
一旦うなじから顔を離して横から彼女の顔を覗き込むと、声をだしてしまった自分に驚いているらしく両手で小さく口元を押さえている。
目を思いきり瞑り、頬のみならず耳まで真っ赤に染まっている。
姉御気質の雰囲気を醸しだしている外見とは裏腹に生娘のような反応を示す彼女は実に俺を誘っており、据え膳食わぬは男の恥だろう。
そのまま豪快に食って苦痛に顔を歪める彼女を見るのも乙だが、せっかくの死後バージンをあげる相手なのだ。
味付けをしっかりとした上で極上の料理に仕上げてから頂こうではないか。
そうと決まればまずはとことん彼女の性感帯という調味料をこれでもかというくらい煮込まなければ。
まずは彼女の気分も盛り上げてやらねばならない。
やはりセックスってのはお互いが楽しんでこそ成り立つスポーツだと思う。
そしてスポーツというからにはスポーツマンシップに則り十二分に力を発揮することを誓わなければ相手選手に失礼なのである。
妙齢の人妻だろうが年端もいかない養女だろうがだろうが常に全力で犯した。
それが俺の大和魂なのだ。
まあ嘘だが。大和魂以外は本当だけど。
逸れた思考はさておき、彼女自身も気分が乗ってこなきゃ意味がない。
犯し始めた直後に「素敵! 抱いて!」なんて言われた日には流石に引くが。抱くんだけども。
再びうなじにキスを落とす。
今度は声を漏らさなかったらしい。
しかし体は正直に、強めにうなじを吸うタイミングに合わせて肩が小刻みに震えている。
「……っ……ふっ……ッ、ふ……!」
必死に堪えている声は漏れずとも既に赤くつけてしまったキスマークに唇を落とす度に溢れる息は非常に艶かしい。
リズミカルにキスマークに接吻をしていたが、不意にそのタイミングに合わせて唇ではなく赤く残る痕を舌で舐めてみた。
「――んふぁっ……!」
とうとう声を漏らしてしまった。
「……んっ……ふっ……んっ、はぁ……」
一度決壊してしまえば再度防げるはずもなく、うなじのキスマークに唇だけでなく舌や指、息を吹きかけても彼女は声を我慢できない。
敏感だなぁ。
襲われた直後にそんな反応を浮かべるとは、ただ敏感すぎる体質なのか淫乱なのかそれとも。
まあ感じるのはいいことだ。
しかし、と内心で方針を切り換えてみることにした。
うなじから顔を離し、責めから解放された彼女が乱れた呼吸を落ち着かせるために息を整えている中、こっそりと手を動かす。
「……はぁっ、はぁっ……はぁっ――んきゃんっ!」
息を整えていた彼女が不意に可愛らしい悲鳴を上げた。
服の上からピンポイントで巨大な双房の頂を摘まんで軽く捻ったのだ。
クリクリと乳首を左右に何度も捻る。
「……ああっ、んっ……はあっ、んあっ……!」
乳首を捻るだけで彼女の体が面白いように跳ねる。
たった四本の指で彼女をコントロールしてる感覚がものすごく楽しい。
更にそれに加えて引っ張りや押し込みなどのバリエーションを加えてみる。
「ああぁっ、はあぁっ……や、やめ、んはぁっ! あああっ!」
一気に彼女の矯声がトーンを上げた。
どうやら強めに引っ張られながらクリクリされるのが好きらしい。
とりあえずこれを五分くらい続けよう。
一旦彼女を振りきらせとくか。
指に込める力を強めた。
「あああっ、やっ、いやっ……はあっ、んはっ、いやっ、そん、ぁっ、ああっ、んくっ……んああああっ!」
一際大きく体を跳ねて激しい痙攣をした。
うなじと乳首だけでここまで絶頂するのは初めて見たが、最高じゃないか。
「……はぁっ、はぁっ……嘘、だっ……はぁっ、そん、な……」
彼女自身も乳首だけでイクとは思わなかったらしく、激しい呼吸とともに動揺していた。
落ち込んでいる彼女には悪いが、休ませる気などないためすぐに責めを再開する。
「っ、いやっ……」
おもむろに胸を隠していた服をはだけさせた。
服越しからでも明確だったが、実物を拝むと更に迫力がすごい。
大きくも垂れてるわけではなくかといって固いようにも見えない。
理想的な巨乳に歓喜しつつ、その感触を楽しむために胸へと掴みかかった。