さて、三途の川から歩きだして早幾ばく。
まだ建物に着く気配はなかった。
近くに見えていた建物は近づけば近づくほど遠く感じ、いかに巨大な建物なのかと再認識させられる。
体感ではかれこれ一時間と少しくらい歩いている。
流石にこれだけ歩き続けても一向に近づけないと辟易させられ、疲れてはないが休憩をとることにした。
道端に程よい大きさの岩があったのでそこに腰かけて胡座をかいた足の上にレイを手招きする。
無反応で寄ってきたレイの手をとり上に座らせた。
おもむろにレイの慎ましやかな胸を揉む。
先程の赤毛の巨乳ちゃんの後だと少し物足りないが、それはそれで楽しめるのだ。
それに胸は揉んでいるがこの子の本命は耳と肋骨だ。
乳首やクリトリス、膣といったポピュラーな性感帯も絶好調だがなんというか、耳と肋骨を責めると少しくすぐったそうに身を捩るのが密かに俺のツボをついている。
胸を揉みつつ両の親指で脇の下、肋骨同士の間をぐりぐりと捩じ込む。
「……んっ、んっ……あっ……んんっ……」
案の定すぐに感じ始め、感じるままに声を漏らしだした。
感じてもある程度までは無表情のまま、それを超えると途端に艶かしく表情を悦楽に歪める。
そのギャップが堪らない。
一通り満足するまで堪能した頃には彼女の顔は快楽に染まっていた。
乳首を指で上下に繰り返し弾く。
「はああっ、んああっ……あんっ、あああっ」
乳首に触れる度に胸を突きだしながら感じ、何度も弾く内に完全に勃起。
それを見計らい、弾くからつねるに切り換えた。
強弱をつけて乳首を摘まむ。
「ああっ、はあっ、あああっ、あっ、あっ、ああっ……」
指の動きに合わせてレイの声と体が上がる。
彼女の反応を楽しみながら、ふと頭にある考えが浮かんだ。
我ながらどうなるか楽しみな発想だと思う。
そうと決まれば、片手を乳首から離し下へとずらした。
前触れなく二本、指を膣内へと挿し込む。
「ッあはぁっ!」
膣を掻き回す俺の手を両手で押さえ上を向いて頭をこちらの肩に乗せるように仰け反った。
すぐ隣から発情した荒い呼吸が聴こえてくる。
指を素早く擦り、クリトリスのちょうど内壁に刺激を送る。
「あああっ! はあんっ! ああっ、ああっ、んっ、んはああっ!」
声のトーンとボリュームが一気に上がって体が小刻みに痙攣し始めた。
絶頂が迫っているのだ。
「あああっ、ああっ、あああっ! あっ、あっ、はあああっ! あああっ!」
声は更に高まりやがて終わりが訪れる。
「あああっ! ああっ、あはあっ! んっ、んああっ、あああっ、ああああっ――」
しかしそれは絶頂というゴールではなかった。
レイがイく直前、指の動きを止めたのだ。
彼女は指を止めたことに気づいていないのか見上げた顔はだらしなく舌をだし体は痙攣を続ける。
再び指を動かし始めた。
「ッはあああっ、あああっ、あああっ、あんっ、あああっ! ッ、ああ――」
突然訪れた快感にびくりと大きく腰を震わせてから激しく喘ぎ始める。
先程よりも短い時間で既に彼女は再び限界を迎えた。
その瞬間、またしても動きを止める。
レイは直前で消えた刺激を求めて自ら腰を振るが、指は決して動かさない。
その内、なんとレイが手を動かして掴んでいる俺の手を動かし始めた。
「あんっ」
快楽に声を上げた時、力を入れて動きを止めてやる。
レイは手を懸命に動かすが俺の手は動かない。
やがて揺するのを止めて、空を見上げていたレイの顔が動いて俺と目を合わせた。
斜め上に俺を見上げてくるレイ。
無機質な瞳が俺を捉え、それに合わせて二、三回俺の手を揺する。
反応しなければ手を動かしながら目を僅かに細めて俺に視線を送ってきた。
その表情は懇願に近いものがあり、初めて喘ぎ以外での反応を見せたレイに驚く。
庇護欲をかき立たせるその姿は非常に愛らしいものであった。
それすらも放置してみることにする。
止めていた指を膣からだして体をレイから離した。
俺の手を掴んで未だに見つめてくる彼女の手を握りそのまま歩きだす。
歩いていると時より手を握る彼女の力が強くなった。
振り返ってみると握る力を更に強めてこちらを凝視。
とりあえず俺はそれも無視。
再び前に向き直して歩きだした俺の手をにぎにぎと彼女の手が握ってくる。
なんだかそれが構って欲しい飼い犬のように思えてきて面白い、まだお預けだが。
そうして体感で一時間ほど歩いたらようやくあの建物に到着した。
「よーし、やっと休憩できるなレイ」
振り返り話しかける。
案の定彼女からの返事はない。
しかし僅かに俺の手を掴む力を強める。
上気し熟れた表情で少し前屈みの体勢で両の太股を前後に擦りながら顔は俺を見つめて離さない。
どうやら彼女は寸止めも効くようだ。
今後のためにいい結果をだしてくれたと満足し、そろそろお預けを解いてやろうとレイの体を抱きすくめた。
その時。
「……そのまま二人まとめて裁いてあげましょうか? この私が」
野生の倒置法使いがあらわれた。
ではなく、背後から声をかけられる。
なにやらデジャヴ、そんなことを思いながらレイともに振り返ってみた。
そこにいたのは少女。
緑色の短い髪に服装も割りと緑色が基調、頭に上が尖り下がふんわりのなんとも言い難い帽子を被った清といった雰囲気が似合う美少女。
体躯は小さいが対面すると妙に強大な存在に見える。
おかしいですね小町の話しとは少し違います、と一人呟いている彼女をとりあえず監察。
いいところを邪魔されたのだから、もう犯してもいいがピンポイントで苛めようと思い衝動を堪える。
見極めたら盛大に爆発させる、そう自分に言い聞かせて。
まあいいです、そう一人納得した少女はやがてこちらを見つめる眉間に皺を寄せた。
「見たところ貴女に否定の心づもりはない、ということは元よりグルだったというわけですね」
そう言ってレイに問いかけるが案の定返事はしない。
「……なるほど、あくまで沈黙を選びますか」
そして勝手に結論づけた。
こいつは幽霊なんだから喋れないんだが、自分のことを棚に上げつつそう思うが面白そうなので教えない。
なんとなく、この先に少女を苛める術があると思った。
そんな心算など知るよしもなく少女は次に俺へと目を移す。
「貴方は三途の川の船頭である小野塚小町を犯した、間違いありませんね?」
訊ねてくる彼女に頷く。
そうか赤毛の巨乳ちゃんは小野塚小町というのか、可愛らしい名前である、そんなことについて頷いたのだが少女は肯定と受けたようだ。
まあ嘘ではないけど。
「認めますか、しかし先程の致そうとしていた愚行を鑑みるに反省の色はなし」
貴方に判決を申し上げます、そう言って着いてこいと踵を返し建物にの中に入っていったため、レイを放し続いて入っていく。
せっかく建物を案内してくれるのだ、裁判ごっこにはまだ付き合ってやろう。
そう考えながら先を進む少女についていく。
後ろからついてくるレイの非難がましいオーラが背中に当たっているような錯覚を感じながら。
やがて大きな扉が目の前に現れる。
道中、この少女の言葉を思いだしている内に彼女の正体が分かった。
裁く裁く煩いし、生前された被告尋問のような口振りから察するのは余裕。
この子はあれだ。
閻魔大王の一人娘。
一人っ子はなんとなくのイメージだが。
十代前半くらいの年頃になるとファザコンなら親父の仕事を手伝いたいとか真似してみたくなるんだろう、多分。
それで犯された友人、小町を見て正義の心に燃えたのだ、きっと。
自らの手で友人の仇をとる、実に感動的な話である。
喜んで踏みにじってやるか。
そろそろ衝動も抑えきれなくなり、早いタイミングで犯そうと思う。
この少女、実にストライクである。
俺二人分ほどの高さの重厚な扉をなにげなしに両手で勢いよく開け放ち、だだっ広い空間が広がる部屋を背に彼女が振り返った。
「ここが、あなた方が判決を言い渡され罪を悔い改めさせられる部屋です」
判決とはいうが罪を悔い改めるとか言ってる時点で有罪である。
もう判決聞いたしいいや。
飽きた裁判ごっこに終止符を打つ。
大人な対応で。
「さいばんちょー、発言の許可をもとめまーす」
おざなりになるのは飽きた人の仕様である。
部屋の入り口で立ち呆けながら声をかける俺に、最奥の軽く見上げる位置にある裁判長の席に座った彼女は「発言を認めます」とドヤのキメ顔で返してきた。
許可をもらったし、悪いがここからは俺のターンだ。
「裁判長、罪は認めますがあなたは一方的に彼女の言い分を聞いただけで、実際に見たわけではない」
俺の言葉に彼女の片眉が小さく動く。
「ではどうすればよろしいでしょうか」
少女の言葉にニヤリと口元を上げて見せた。
ノリである、他意はない。
「果たして俺の行動が良いか悪いか、実際に試されたら早いんじゃないですか?」
「試す、ですか……?」
訝しげに目を細める少女に頷く。
「はい。気持ちよくなったりしなければ、一方的に嫌がらせを受けた、そうなるとは思えませんか?」
言っておきながらとんだ暴論である。
案の定嫌悪に眉をしかめた彼女に畳み掛けるように言葉を続けた。
「……それは、受けられ」
「自信ないんですか?」
えっ、と聞き返す彼女にもう一度言う。
「自信ないんですか?」
「……自信とかではありません。それでは貴方の罪が小町と私、二件に増えてしまい、私が関わる罪を作るわけにはいきません」
体のいい拒絶。
公務員っぽいその回答はあくまでもオブラートに包み、彼女に非を持たせない答え。
感情に囚われず中立を保つ姿勢は既に一級の裁判官である。
見切り発車を正論で返され攻めあぐねる俺に彼女は言葉を続けた。
「それに、そんなことをせずとも私には白黒はっきりつける程度の能力があります。能力を使えばあなたは黒か白か分かります」
彼女の言葉を今度はこちらが訝しむ番となった。
はて、白黒はっきりつける程度の能力とは一体なんなのか。
聞いた限りは自分は物事の割り切りが潔いと自慢してる風にしか聴こえない。
つまりはそういうことなのか、どうなのか。
能力とまで言うからにはさぞかしその潔さには自信があるのだろう。
そこに漬け込めそうだ。
「では判決を言い渡します」
仕切り直すように声を凛とさせて言った少女に歩み寄る。
「つまり裁判長はそういったことの経験がないからやりたくないだけですよね」
「あなたに発言権を与えた覚えはありません、静かにしなさい」
毅然と言いのける少女に、後ろ手にレイを手招いて呼び寄せ近づいたところを抱き寄せて強引にキスをする、ディープだ。
「んふぁっ、んっ、んんっ」
早速レイが気持ち良さそうに声をあげ、更に口内を蹂躙する。
俺だけでなくレイも舌を動かして積極的に刺激を求め始めた。
どうやら先程の寸止めがまだ効いていたらしい。
厭らしい水音とレイの息使いが沈黙した空間に鳴り響く。
「……な、な、なにをしてるんですかッ!」
怒鳴り声が上がった方に目だけを向けると少女が卓上に両手をつき怒りの形相でこちらを睨んでいた。
しかし果たして真っ赤に染まった顔は表情と同じかそれとも。
少女の言葉に反応せず、彼女に見せつけるように舌を絡ませる勢いを強めた。
「んんっ、んっ、んふぁ、ん、んんふっ!」
「こ、ここは魂を天国か地獄へ送るための場所なんですよ! そのように神聖な場所で……そんなことをして許されると思っているんですかっ!」
前門のレイ、後門の少女。
片や快感、片や憤怒。
回りの環境に左右されずキスを続ける。
ぐぬぬといった顔でこちらを睨んでいた少女だが、やがて手を乗せている机を思いきり叩いた。
「……分かりました。そんなにお望みなら反対弁論はここで打ち切り今すぐにあなたの白黒をはっきりさせましょう。そしてあなたへの刑はとても重くなることでしょう」
感情を押し殺した声で言う。
彼女の中では既に黒らしい、実際も黒だが。 それ以来彼女は立ち上がっていた腰を下ろし黙り込んだ。
反応がなくなりつまらないと思うが、その反面展開を上手く作れずなし崩し的に少女を犯すことが出来なく失敗したと思う。
見た目に反して意外と理知的だったのが読みきれなかったか。
さてと、それじゃあどう犯そうか。
正直な話、この部屋には俺とレイと少女の三人だけ。
追いかけて捕まえれば力づくで簡単に犯せると思う。
だが、まだチャンスがあると勘が告げているため我慢。
少女はやがて閉じていた目を開けて俺と視線を合わせた。
「……あなたの判決がでました。あなたは黒です、刑罰は」
有無を言わさぬ圧力を持って告げた言葉は、話の途中で途切れた。
突然頭を押さえて左右を見渡しだす。
「……えっ、白!?」
謎の逆転大勝利。
しかしまだ彼女は見回す動きを止めない。
「……いや、くろっ、黒です! やっぱり黒で間違いないですっ――えっ、し、白!?」
慌てて望んだ答えがきたように安堵と自信の表情で色を告げる。
しかし次の瞬間にはまた情けなく歪む。
オセロのように裏表を繰り返す判決に、この裁判長使えねえと思う。
よく分からないがチャンス到来だ。
「裁判長」
「ま、待ってください! 黒っ、黒です黒! やっと決ま――白!? どうして!」
声をかけた俺を手で制し自分と葛藤するが、遂には答えがでなかったようだ。
潔さはどうした潔さは。
机に両手をついて打ちひしがれる。
「なんで、なんで決まらないの……こんな、明らかに黒なのに」
「おいこら、流石に怒ってみるぞ?」
「あなた! 一体なにをしたんですか!」
「シテナイヨ」
「なんでカタコトなんですかっ、怪しいです!」
「ノリだ、気にするな」
「こらー!」
俺の言葉に少女は見事にカリスマがブレイクしたようだ。
身を乗りだして怒る彼女は、怒鳴るというよりは喚くに近く見ていて微笑ましい。
ようやく姿相応の反応を見せてくれた。
そしてなにやら俺寄りの雰囲気が訪れたではないか。
「裁判長、そんで判決はどっちなんですか?」
今度はこちらから裁判ごっこを始めてやる。
その方がいいことが起こりそうだから。
少女はうぐっと呟いて顔をしかめた。
「い、今でるんですから静かにしててくださいっ。裁判の邪魔ですっ」
「でないんじゃないんですか、俺の罪が」
「あなたはなにを……」
返そうとした言葉を止めて、少女の顔つきが険しくなる。
当てずっぽうに言っただけなので、後は少女のリアクション乗るしかない。
「……あなた、なにをしたのですか」
トーンを落とし冷めた声が俺に刺さる。
「さてね」
肩を竦めて軽い口調で返した。
話を続ける。
「やっぱり、俺の言ったことを試してみるのが手っ取り早いんじゃないですか?」
その言葉に彼女の顔が露骨に歪んだ。
性犯罪者からヤらないかと言われているのだ、ほいほい着いていくやつなんていないだろう。
長い沈黙、少女に長い葛藤が起こっているのだ。
あまりに理不尽な要求、受ける必要のない相談、しかし公明正大であるべき裁判官としての意識。
恐らくだが、これらが彼女の中に渦巻いているに違いない。
普通なら受けない。
しかし彼女は裁判官、被害者からの話は聞いており加害者からの意見はまだ聞いていない、それでいいのか。
裁判官としての意識、自慢の潔さが使えないことによる焦りと動揺が少女の決断を深慮せずに答えを急がせる。
「…………わ……かりました」
長い長い葛藤の末、震える口元から漏れた言葉は確かに俺の耳に届いた。
「そんじゃ、早速ヤりませんか、時間もったいないし」
そう言って手招きした俺に、非常に重たそうな足どりでゆっくりと近づいてきた少女を、近くで捕獲するように胸元へと抱き寄せた。