※この作品はR-18です。

魔女の天下取り   作:hidenyan

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<07話 弦に触れる少女達は唄う 04>

 ――名古屋市内 市警察東署――

 

 ――SWAT第四分隊詰所――

 

「マロン、お前は……よく食うな」

『ワン!』

 

 俺とマロンは詰所のソファーに座って、龍澤主催の上映会待ちだ。

 マロンは龍澤から奪った、お気に入りの枕をソファーに置き。

 串から抜いて貰い、トレーの上に移した、串焼きの肉にまっしぐらで……幸せそうだ。

 因みに表側の入り口は、非番になったので、SWATの規則に従い。

 対爆シャッターを降ろし、ゴム弾を発射する、セントリーガンを置いた。

 

 数年前までは、警告用の案内表示を設置した上で、クレイモア対人地雷を敷設していた。

 だが、迷い込んだジャンキーが何人か死亡。

 仕事が増えた鑑識、州政府からクレームが殺到。

 それ以降、防犯目的でのクレイモア対人地雷の使用は禁止になった。

 

 この罠を考え規則にした、市警察SWAT創設者の市長は『伝統が消えていくのは寂しい』とか、風の噂によると、言っていたらしいが……まぁ過ぎた事はどうでもいい。

 

 そんな俺の視線の先には……。

 上映会で使う、大型有機ELディスプレイに市内で起きた。

 本日の事件事故のニュースが流れている。

(……市内ではコンビニ強盗が多発か……頑張れ地域課の連中――ん?)

 カチャ――コツコツ――裏口から足音が近付いてくる。

 

(龍澤と……誰だ)

 

「よう! 鬼沢元気にしとるか! ほれ龍澤」

「ありがと源さん、この機械が残っているの、鑑識だけだから助かったよ」

「いいってことよ!」

「源さん……それに、松沢隊長じゃないですか」

「ああ、そのままでいいよ。俺の隊も非番だから、俺も上映会に混ぜてもらうぜ」

「鬼沢さん、二人にも知らせた方がいいかと思ってさ」

 

 龍澤はそう言うと、源さんから渡された機械。

 小型のプリンターっぽい機械をソファー前のテーブルに置き。

 自分のデスクに向かった。

 

 白髪頭で少し元気な爺さん、源さんは鑑識の長老。

 戦前の県警時代から、鑑識一筋の方だ。

 見てきた仏の数と種類が……俺達とは桁が違いすぎる。

 最近では戦争を知らない世代。

 新人警官に仏……死体を見せて慣れさせる、耐性訓練の教官でもある。

 

 そして、完全武装の状態で入室してきた、短髪のサーファーっぽい中年男性。

 松沢隊長はSWAT第一小隊の隊長だ。

 戦前と戦中は警視庁の特殊部隊SATにいたとか、色々と噂があるが。

 あの市長が市警察創設時、引き抜いてきた人材だから……腕前は確かだ。

 松沢隊長が率いる、第一小隊の主任務は、他のSWATや機動隊の教導。

 その関係で、第一小隊は州軍や国防軍やPMCとの共同訓練も多い。

 よって本来なら、市警察本部はともかくとして、第一小隊の詰所があるここ。

 東署内でも、見かける可能性は低い人物だ。

 

「ようマロン! お前も元気そうだな!」

『くぅ~ん!』

 

(そういや、松沢さんは……犬好きだったか)

 

 俺はマロンを膝に乗せた、松沢隊長。

 白衣のポケットから炭酸飲料の缶を取り出し。

 プシュッ――飲む源さんに挟まれ。

 

「龍澤~! 串焼き残っていたら分けてくれ」

「源さん、ちょっと待ってくれよ」

「源さん、コーラの予備があるなら俺にもくれよ」

「ほらよ!」

 

 ……身動きが取れない状態になった。

 チン!

 

「レンチンで悪いすけど、どうぞ」

「ほれ、鬼沢も飲んで食え!」

「あ、どうも」

 プシュッ。

「マロン!」

『ワン!』

「この野郎~いい肉食わせて貰っているな! 俺の家なんて女房がケチすぎるからよ~モビアックか魚ばかりだぜ!」

「なんじゃ松沢、お主、昆虫食はお嫌いか」

「流石にサバイバル訓練と家で食い飽きたよ。お、上映会の始まりか」

 

 龍澤がソファーの前面。

 モニター横に折り畳み式のパイプ椅子を展開。

 リモコンを握って座ると、口を開いた。

 

「……皆様もご存知かとは思いますが、俺と鬼沢さんの古巣の関連施設。NEETの第七研究所の周囲で、一昨年から続く……『終わりなき山狩り』その原因と思われる、存在の情報をなんと……モヒカン達から入手しましたよ!」

 

「龍澤、さっさと始めろよ。コーラの炭酸が抜けちまうよ」

「へいへい。まぁ俺の解説より、映像を見た方が早いか」

 

 龍澤はそう言うと、リモコンを操作。

 モニターには、モヒカン達がバーベキューをしている光景。

 そして射撃訓練の様子。

 ゴミを火炎放射器で燃やす……映像が出てきた。

 

「この映像はPMC『モヒカン旅団』の総務部が、クライアント向けのPV素材用に、今年の六月に撮影したものですが、問題はこの後、NEETから発注された……ええと……脱走隊員の捕獲ミッション中だから……もう少し先だな」

 

 龍澤が早送りのボタンを押したようだ。

 モニターに映るのは、素早い動きで野戦装備になったモヒカン達だ。

 素早くテクニカル車両の荷台に搭乗。

 そのまま……山道に進入していくようだ。

 

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