※この作品はR-18です。

魔女の天下取り   作:hidenyan

19 / 30
<08話 目覚めた者達 03>

 俺の脳内は一瞬。

 億単位の札束の山。

 土煙を巻き上げ、疾走する陸戦の王者。

 一両の値段が軽く、10億円は超える兵器。

 元の世界の日本の国産戦車、陸自の最新鋭主力戦車のイメージ映像で溢れかえった。

 ただ、国防軍の主力戦車がどんなものかは分からない。

 それ故、このイメージによる。

 脳内補完は仕方ないだろう。

 

 おそらく、唖然としている。

 他の五人も……似たような感じだろうか。

 

「あわわわ! 皆さん固まらないでください! よ、義明さん達は! それだけ価値がある人材ですから! 前向きに考えましょう!」

 

 動揺を抑えようと、葉菜の素早いフォローが入り。

 俺の肩からアゲハが甘い香りと、お尻の感触を残しテイクオフ。

 

 俺は一瞬、今は亡き家族。

 実家の猫が子猫の頃、肩に飛び乗り。

 飛び立つ時の、肉球の感触を不意に思い出し。

 目頭が熱くなりそうだったが。

 俺も成人した社会人だ。

 涙は……額の汗を拭う動作で隠した。

 

「そ、そうだよ! 昨日は矢島のおっさんが、久しぶりにやんちゃな! 歓迎をしたから、君達も怯えているだろうけどさ! 君達は選ばれし者! プロのスポーツ選手! プロゲーマーみたいなものだよ!」

 

 葉菜のフォローに続き。

 アゲハが眼前の宙に浮き。

 身振り手振り羽の動きも交えた、フォローも入ってきた。

 まぁ……実際、そこまで金を掛けるのなら。

 確かに待遇も悪くはないだろう。

 

「そだよ(*´・ω・)(・ω・`*)ねー♪ 転移者さんは~この世界で昔から『鬼』を倒せる~貴重な人々だよね~」

「(・ω・`*)ね~♪ 物凄く強いから~昔話にもいっぱい出てくるよね~」

「(*´・ω・)(・ω・`*)ネー」

 

 鬼? 倒せる人々?

 どういう事だろう。

 妖精達の話からすると、この並行世界の日本の歴史。

 その中で転移者は珍しくないのだろうか?

 

(あ、もしかして……)

 

 妖精達が抱える、真っ赤なお椀の様な物体。

 ポテトケースを見て、俺は思い出した。

 この世界に転移する前。

 スマホに密林からDLしたデータ。

 昔話の詰め合わせがある事を。

 

「もしかしてさ。この世界の日本では、桃太郎や一寸法師みたいな話が多いのかな?」

 

 俺はそう話しつつ。

 スマホをポケットから取り出し。

 昔話の一覧を開いて見せた。

 

「(メ・ん・)? ももたろう? 向こうの和菓子?」

「それ、向こう側の昔話ですね」

「お~葉菜ちゃんは物知りだね~♪」

 

「懐かしいな。小学生の時に学芸会でやったな」

「俺のとこもやったな」

「オレは猿役だったよ。その後、あだ名がサルになったけどな」

「自分は犬役」

「僕は鳥小屋の飼育係だったから、キジ役をやらされたな~」

 

 神谷達も昔話に花を咲かせ始め。

 俺達から、動揺と不安が消えた頃。

 見慣れた美少女が二人。

 神谷達が入ってきた、入り口から――駆け足で近づいてきた。

 

「葉菜さぁあああん!」

「葉菜ちゃん!」 

 

「二人共どうしたの?」

 

 由美と紅菜が汗だくになり。

 髪の色と同じ……真っ赤なブラが透けてしまっている。

 

(この世界、ラッキースケべ多すぎでしょ……二人共。下着の色が派手すぎ)

 

「ハァ! ハァ! 今日の説明会は! エルーナさんが急用で外すから! 大変だよ!」

「は、葉菜さんが! 全部の進行を仕切らないといけないよ!」

 

「…………ぇぇえええ!?」

 

 ――同時刻 名古屋市警察本部 ロビー内――

 

 パシャ! パシャ!

 

 ロビー内に輝く。

 カメラのフラッシュの波。

 フラッシュを放つのは、機械化を遂げた報道陣。

 マスメディアや動画中継者のロゴが入った、宙に浮く無人の機械。

 ドローンの群れだ。

 

『市長ぉおおお!』

『中部スポーツです! 昨夜の暴動についてコメントを!』

『SWATが死体安置所でゾンビと殴り合いってマジですか!?』 

『昨晩のスラム街の焼き討ちについて! コメントを!』

『人権団体が今年も市長のリコール運動を始めたようですが!?』

 

 ドローンは操縦者の質問と音声をスピーカーで発し。

 そのまま文字にして表示する、ドローンが懸架した装備。

 電子ペーパーのプラカードに、色とりどりの質問が映っていく。

 

『スク水を着て赤いランドセルを背負ってくれませんか! 追伸・ギャラ弾みます(≧∇≦)/』

 

 尚、プラカード内には……一部、決して音声にはされない。

 要望の類いもあったりする。

 

 そんな自身に向けられる。

 様々な言葉に晒されながらも。

 市長である彼女は身辺警護のSPの壁と――市警察SWAT部隊に囲まれ。

 猫がプリントされた、ピンク色のパジャマ姿のまま。

 猫耳の付いた、ピンクのサンダルでペタペタと歩き。

 

「おはようございます。市長」

 

 市長を出迎える巨漢の男性と宛ら。

 親子の様な対面。

 市長を出迎えたのは、大戦を生き延びた男。

 顔に無数の傷跡が残る……角刈り筋肉マッチョの市警察本部長だった。

 二人は互いに敬礼。

 後は自然と流れる様に動く、身辺警護のSPとSWAT達に囲まれたまま。

 堂々と――市警察本部のロビーを歩き。

 危機管理センターの入り口に入って行く。

 

 ◇◇◇

 

「通訳は!?」

「NEETの方から責任者が直接出向き、対応にあたるそうです。それと、市西部の河川敷で深夜に大量発生した、特殊害獣の駆除はNEET側に急遽依頼。日の出前に駆除を完了しました」

「特殊害獣の報告は後にして」

「承知しました。市長、地下指揮所への入り口はこちらです」

 

「ん? おお! そういえば入り口は変えたのだったな。本部長!」

「前の入り口は『転生教団』の自爆トラックが突っ込み。大破しましたので」

「そうそう! 突っ込んだのは、あの電波集団だったな!」

「はい。州軍筋の情報ですが、転生教団の残党は、州北部のゲリラ支配地域に逃走。現地ゲリラと揉めているようです」

「管轄外か~SWATの実弾演習という名目も、市の外だと、乱用出来ないからな~様子見でいいかな」

「SWATも人員不足ですので、リソースを割かない方が宜しいかと」

「うん、そうだな!」

 

 一見すると、幼女と間違う。

 合法ロリの市長は、市警察本部長と話しながら。

 危機管理センターの地下指揮所がある。

 地下道の入り口へと歩いていく。

 

 昨日のNEET関連施設の視察後。

 襲撃とパパラッチを避ける為。

 ランダムで選んだ、市内のホテルで就寝した市長。

 彼女を目覚めさせたのは、普段から愛用するアラーム音。

 近所の猫達の発情期に録音した、唸り声ではなかった。

 非常時に使われる、緊急端末の警告音。

 そして、室内にダイナミックエントリーしてきたお迎え。

 身辺警護のSPと、市長の古巣である……市警察SWAT部隊のモーニングコールだった。

 

 ――数分後 市警察本部 危機管理センター地下指揮所 会議室――

 

 ◇◇◇

 

「――死体が暴れたって、どういう事かしら? 本部長」

 

 会議室内の椅子に座った私は、朝食用に出されたゼリー飯を食べつつ。

 本部長から電子ペーパーを渡され。

 関連資料の報告データと……映像を見ている。

 何やら、検死台に載せられていた遺体が二体分。

 ……ジタバタと動き。

 周囲にいた、SWATの隊員と鑑識の人間が慌ててケースをこじ開け――あ。

 

 こいつは松沢と源さんに……NEETから拾った二人。

 残りのヤケに胸元が大きい、女性二人は民間人か?

 映像を見る限り。

 足元に居る犬は、遺体が動く数十秒前から。

 必死に検死台に向け。

 わんわんと吠えている。

 

(やっぱり……犬(▽・w・▽)や猫(=‘x‘=)は勘が鋭いな~警察犬や猫も増や――)

 

「――市長、今から事実関係を報告します」

「うん。始めて頂戴」

「昨晩、市警察東署において、SWAT第一小隊の松沢隊長以下、数名と一匹が死体安置所において、想定ケース『ゾンビ発生』に遭遇。彼らへの処置は対処マニュアルに従い、バイオハザード対策で、現在は完全隔離状態で――」

 

 まさか、現役時代に冗談で作成して、放置していたマニュアル。

 対ゾンビ戦のマニュアルが、実際に使用されるとか予想外。

 しかも私が市長の時に初使用とか。

 

「――――因果だわ~」

「は?」

「失礼、そのまま続けて」

 

 ――同時刻 NEET第七研究所近郊 上空――

 

 普段から国防軍や州軍、そしてPMC関連のヘリが飛ぶ空域。

 そこを珍しい姿で飛ぶ。

 輸送ヘリがあった。

 数本のワイヤーで、廃車寸前になった、大型バスを吊り下げて飛ぶ。

 PMC所属の大型輸送ヘリである。

 

 ◇◇◇

 

 ――大型輸送ヘリ 機内――

 

「――会長――」

「ん、おはよう」

 

 私は少し眠っていたようだ。

 秘書の新谷に優しく揺さぶられ。

 ……目覚めるのは久しぶりだ。

 

「矢島会長、少しスケジュールが過密すぎませんか……少し休まれた方が宜しいのでは」

「そうだな。この件が片付いたら少し休暇を挟むよ」

「承知しました。それとマギサ様とツバメ様が目覚められました」

「そうか」

 

(やっと目覚めたか~あの二人!)

 

「既に両名はエルーナ様と合流。先程、市警察から連絡があり判明した事案ですが、昨夜未明に生き返った、ハーフエルフを拘束している、市警察東署に緊急で向かっています」

 

「……ほう、後で私も直接出向くとしよう。ハーフエルフの身柄の引渡しは可能かな?」

「生き返った際に騒動があり、聞きつけた一部の人権団体が、保護に動こうとしています」

「まぁ彼らは、人間相手だと思って、善意で動いているのだろうね」

「ご安心ください。既に我が社が先手を打ち、我が社が受注している戒厳業務内のスパイ・テロ対策名目で、蘇生したハーフエルフ二人の身柄引渡しを市警察と市長側に要請しています」

 

 新谷は報告を終えると、折りたたんだ端末を開き。

 スケジュールの調整を始めた。

 

(それにしても……空の上は陽射しが強いな)

 

「――しかし、本当に宜しいのですか?」

「ん? なんだい新谷くん」

「その……『下の彼らを』このまま。研究所に連れて帰る事ですよ」

 

 私は隣に座る、秘書の新谷に促され。

 目の前に差し出された、機内備え付けのタブレット端末に映る映像。

 このヘリが吊り下げている、大型バスの車内映像を見た。

 

『クソ野郎ぉおおおおおおおお!』

『何が楽しい夜の観光だぁあああ!』

『三途の川を渡りかけたじゃねぇかぁああ!』

 

 内部は傷だらけで、泥まみれの転移者が数十名。

 

『もうゴブリンは殺し飽きたぞぉおおおお!』

 

 カメラに向けて罵詈雑言を浴びせ。

 

『次はテメェだぁああああああ!』

 

 怒り狂った表情で中指を立て。

 物凄く……ご立腹のようだ。

 新谷は不安そうな表情をしている。

 

「ハハハ! 大丈夫だよ!」

 

 だが、私は笑い声がこみ上げてくる程に真逆だ。

 転移しても、怒る元気があるのなら、頼りがいがある。

 

「既にちゃんと隔離できる、訓練場も確保した。それに下の彼らが私の提示する、破格の取引に応じず、自暴自棄になって暴れても、即座に鎮圧出来る様……警備部隊と狙撃部隊も、周囲に展開させている」

 

「会長、転移者の戦闘データ収集も確かに優先事項ですが、彼らを纏め上げ。戦力化する事を忘れない方が宜しいかと」

 

 確かに新谷の考えも大切だ。

 だが、彼らは『転移者』である。

 纏め方も転移経験者にしか分からない。

 機微やコツがあるのだ。

 

「初めに甘言を用いても、後で舐められるだけさ。我々は彼らを『異世界』に拉致した側なのだよ。飴と鞭の使い方も工夫しないとね」

 

「それなら、何も……会長が直接行う、その必要性はないかと思いますが」

「君はこの世界から、転移した事はないよね」

「ええ、ありませんね」

 

「新谷くん……転移を経験している者の言葉じゃないと、彼らを説得出来ないよ。我社の中でも、十数年前の転移を経験している者は、私を含め……千人以下だ。それに皆、重要な現場を持っている……トップ自ら交渉に臨むのが筋だよ。まぁ、マギサが俺達を転移させて、口説いた時とは、相手も状況も違うから……今度は俺が工夫して口説かないとね」

 

 そう……振り返ってみると。

 当時まだ十代の少女だった、マギサは凄い事をしたのだ。

 銃火器で完全武装をした、1500名弱の武装集団。

 日本占領に抵抗する、右派レジスタンスの連中を全員。

 レジスタンスが拠点施設にしていた場所。

 多国籍通販企業が放棄した、物流センターごと転移させ。

 巻き添えで一緒に転移してきた、同人誌サークルの腐女子連中と、売り子の男子一人、客の少女一人を纏めて、口説いたのだから。

 そこは流石、領地持ちのお姫様だ。

 見事な交渉力と立ち回り方だったと思う。

 

 まぁ、自分は密輸した銃火器と弾薬を太客。

 今では我が社の社長を任せた実の兄弟、弟も参加していた、右派レジスタンスのリーダー格である女。元カノに格安で売りに来ていた、武器商人だ。

 最も、その元カノも転移直後にオーガの群れとの戦闘で戦死。

 しかも転移先が、聖域だから死者蘇生も出来ないと、後で知ったときは……。

 

 

 

(…………悔しかったな…………)

 

 

 

 結局、元カノの死に際の遺言に従い。

 自分は組織のリーダーを託され。

 ……こうなってしまったが、人生は何があるか。

 分からないものだ。

 

 そういえば、我々が転移した時も夏だった。

 明確な原因は分からないが、夏は何故か転移が行い易い。

 そんな季節のようだ。

 先程見た映像で、転移者の一人が三途の川と叫んでいたが。

 ……もうそろそろ盆だ。

 遺体は異世界に埋葬したが。

 仲間の墓参りには、自分も行きたいものだ。

 

(もしかしたら、盆とかも本当に死者の魂が現世に――)

 

「――会長」

「済まない。少しボーッとしていたよ」

「……転移といえば下の彼らに始末させた、ゴブリン大量転移の件と関連がありそうな、緊急報告が、ミリサ様の方から、定期連絡とほぼ同時に超空間通信で届いています」

 

(……師匠が緊急通信とは珍しいな)

 

「先に緊急通信の要点を抑えて読み上げてくれ。報告書は後で全部、目を通すから、私のポータルに転送してくれ」

 

「承知しました。では読み上げます『アルメナ周辺の亜空間に出入りしていた、素材目当ての冒険者達が、モンスターの消失で開店休業状態。領内の治安が急速に悪化、屋敷前のデモ隊が懸念材料。そちらで異常が在れば些細な事でいいので、報告を求む』緊急通信の概要は以上です」

 

(アルメナか。懐かしい……久しぶりにマギサの故郷の地名を聞いたな)

 

「他に何かあるかな?」

 

「はい少々お待ちを……読み上げます『先週、未確認の転移陣の所在を捜索中のツカサの部隊が、関連性があると思われる事案が続発する、亜空間内の自由都市周辺に現れた、新種のモンスターを捜索中、所属不明の武装集団と交戦。尚武装集団は逃走。現場からは箱詰めにされた、ゴーレムの部品や魔術兵器、魔術関連の素材、古代兵器の残骸を多数押収。ツカサは後続の部隊到着までの間、同都市とその周辺部の捜索を継続。また』――」

 

 ツカサは相変わらず。

 派手にやっているようだ。

 それに向こう側から、冒険者やモンスターの出てくる場所。

 研究所の裏山に出現した、撤去不可能な地球行きの片道専用の転移陣。

 その入り口を制圧出来れば、我々の陣営が抱える、懸念事項の一つは潰せる。

 それにしても。

 

(ツカサも……立派になったな)

 

 松沢ツカサ。

 かつて、私達と共に異世界に転移させられた一人。

 コミバに同人誌を買いに来ていた、当時十五歳の少女だ。

 出会った当初の彼女はかなり混乱していたが。

 自分の状況を理解してからは、どの転移者よりも魔術の習熟に勤しみ。

 我々を転移させた、マギサとの関係を良好に保つ。

 

 ……活動的な少女だった。

 

 そんな彼女は地球への帰還を目的とした、転移の直前に起きた敵の追撃。

 西ドルア軍との戦闘時の混乱で転移を断念。

 今も貴重な戦力として、異世界に残っている。

 彼女は今も……向こうの世界各地、亜空間を冒険者として渡り歩き。

 今はマギサの故郷であり、領地でもある、アルメナで摂政を務めるマギサの乳母。

 マギサの母のクローン体の改良型である、自分とツカサの師匠。

 ミリサの指揮下で、情報収集に勤しんでいる。

 

「――『近日中にマギサ様の祖父である、魔族側の最高指導者、二キティス皇帝陛下による、参戦者向けの緊急声明が、数百年ぶりにあるとの情報が救済教会、二キティス教団の関係者から漏れ始め、各国の諜報機関の動き、ゴシップ関係の情報を扱うギルドの動きが活発化。アルメナ領内でもスパイの摘発が増加。西ドルア帝国の国教解体に伴い発生した、内乱終結を西ドルア帝国政府が宣言、国教幹部残党の国際指名手配などが行われた』……こんな感じです」

 

「……ご苦労」

 

 そういえば、会った事はないが。

 マギサの祖父は魔族の最高指導者。

 二キティス皇帝だったな……。

 

 聞いた話によると、神々の時代から一万数千年も生き。

 過去には退位後に実子や子孫に何度か殺されそうになり。

 全て返り討ちにして重祚。

 再度、皇帝の座に返り咲いた方だ。

 それ以降、公式に妻子は持っていなかったから。

 数千年振りに存在が発覚した実子が、数代前の女神の代理人になった女性のネリサ。

 マギサの今は亡き母であると、公式に認められた当時。

 数百年前は、かなりの騒動になったようだ。

 

 しかも近年は……孫であるマギサが大好きな、おじいちゃんで有名だ。

 そして娘からは嫌われ、今は亡き娘の残した国際条約で、孫への接近をガチガチに禁止されている、可哀想なおじいちゃんとしても有名である。

 

(この御方が流石にどんな心境なのか……自分には全く想像が出来ないな)

 

 逆にマギサ達、参戦者の魔女が目指す女神の代理人。

 通称、女神は重祚が不可能だ。

 なんでも過去に重祚を行った際、亜空間からモンスターや暴走した自律型古代兵器が沸きすぎ。重祚との関連性が指摘されて以降、重祚は禁止になったそうだ。

 ……向こう側の動向も色々と気になるが。

 だが――。

 

 

(――我々を転移させた黒幕は誰だ――)

 

 

 かつてマギサを使い。

 矢島達を転移させ。

 その裏で何かを目論む、何者かの意図によって、矢島達が送り込まれた場所。

 異世界でも何かが動き始めた……。

 その感触とヘリの振動。

 黒幕の存在を矢島は感じ。

 

 窓の外に映る青空。

 山頂部に雪を残した……州北部の山脈を見ていた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。