航晴の両親が不在の中、夕食を用意してくれるようだが……
「……ただいま」
ある夏の日の午後8時前。そう言って俺──
サッカー部の大会が近いので、部活が終わった後も自主練をしていたらこんな時間になってしまったのだ。
「おかえりなさい。航ちゃん」
「えっ」
帰った俺を迎えてくれたのは意外な人物だった。
長い黒髪に綺麗な垂れ気味の瞳。涼し気なTシャツにショートパンツを身につけていた。
「……
昔から親同士の仲が良く、お互い姉弟のように育った仲だ。
「えっと、どうして唯姉がここに?」
「聞いてなかった?今日の夜おじさんもおばさんいないから私が晩御飯作りに来たの」
「……初耳だよ」
スマホを確認すると、確かに母親からメッセージが届いていた。
何でも急に親戚の集まりに呼ばれて明日まで帰れないらしい。
「航ちゃん、今日も部活動?」
「うん」
「そっか…お疲れ様」
そう言って、両手を広げる唯姉。
「はい、どうぞ」
「……えっと」
「もー、照れないの」
そのまま広げた両手で俺を抱きしめてくる。
「ちょっ、唯姉」
「頑張ったね、えらいえらい」
「…それやめてくれって言ってるよな。子供じゃないんだから」
唯姉は昔から事ある毎にこうやって俺をハグする。
完全に小さな弟扱いだ……
「それに俺、今汗臭いし」
「そんなの気にしないよ。航ちゃんの匂い、私は好きだよ」
「──っ…」
昔から何も変わっていない。本人は自覚してないのだろうがこういう事を平然と言う人なのだ。
「お、俺シャワー浴びてくるから」
「うん。じゃあ私はご飯の用意してるね」
唯姉が離れてくれたのでそのまま脱衣場へ向かう。
「……」
家族としてしか見られてないのはずっと前から分かってる。
「人の気も知らないで」
思わず声に出てしまう。
俺は子供のころからずっと……
「航ちゃん、洗濯物は籠に──」
「わ、わかってるよ!」
──シャワーを浴びた俺は、リビングで唯姉が夕飯を作るのを見ていた。
「ご飯、もうすぐできるよ」
そう言ってフライパンに視線を戻す唯姉。
肉の焼けるいい香りが漂ってくる。
「…………できたよ。今そっちに運ぶね」
「手伝うよ」
「もう、気を使わなくていいのに」
…2人分の食事を運んでいく。
白米に玉ねぎの味噌汁、豚肉の生姜焼き、ニラとモヤシのナムルだ。
「部活で疲れてるだろうから、体力付きそうな献立にしてみたの」
「ありがとう、唯姉」
「無理しちゃだめよ。小さい頃みたいに倒れたりしないでね」
「……いつの話してるんだよ」
「小3のとき、暑い中サッカーの練習して倒れちゃったでしょ?」
「あの頃とは違うって、ちゃんと自己管理くらいしてるよ」
気遣ってくれるのは嬉しいが、あまり心配もかけたくない。
「……唯姉こそ今日来てくれたのは大丈夫なの?大学忙しいんだろ」
「うん、入学してすぐの頃は大変だったけど、もう慣れたし、明日はお休みだから」
「そっか」
迷惑になると思ったが、 笑顔で言うのを見て安心した。
その後も会話を挟みながら2人で夕飯を食べた……
──「ごちそうさま」
「お粗末さま。片付けはやっておくから、くつろいでていいわよ」
「ごめん、お言葉に甘えるよ」
「ごめんじゃなくて」
「……ありがとう」
「どういたしまして」
洗い場へ行く唯姉。
「…」
ソファに座っていると洗い物の音が聞こえてきた。
…唯姉は全然気にしてないみたいだけど、今夜は家に2人、か。
(ちょっとは気にしてほしい)
幼馴染と言ってもいい歳になった男女が同じ屋根の下2人きり。意識しないわけがない。
ましてや唯姉は、俺の初恋の相手で──
「おまたせ、航ちゃん」
「あっ、うん」
洗い物を終えた唯姉が俺の左隣に座り──
「…唯姉、近い」
「いいでしょ?たまには」
ほぼゼロ距離で俺にくっついてくる唯姉。
密着した腕や太ももの柔らかい感触と女の子の匂いに心臓の鼓動が早まるのがわかる。
「航ちゃん、最近冷たいというか…距離が遠いんだもん」
「…そりゃいつまでも子供じゃないんだから」
「…でも、たまには昔みたいにしたいよ」
ダメ?と少し潤んだ瞳で訴えかけてくる。
「……仕方ないな」
やむを得ず了承することにした。
「ふふ、ありがと。優しいところは変わってないね」
嬉しそうに笑う唯姉。
「それじゃあ、ね」
そう言って自分の脚を軽くたたく。
「えーと?」
「膝枕、久しぶりにしてあげる」
予想だにしないことを言い出した。
「え、ええ!?」
「…嫌だった?」
「…そんなことないです」
むしろ嬉しい。嬉しくて仕方ない。
ただ恥ずかしいというか……我慢が効かなくなりそうというか……
「おいで、航ちゃん」
「……ん」
観念して唯姉に膝枕されることにした。
(柔らかい……)
今唯姉はショートパンツなので、太ももの感触が直に伝わってくる。
その感触にまた、ドキドキしてしまう。
「ふふ、昔はよくこうしてたよね」
そのまま頭を撫でてくる唯姉。
「よしよし……今日も頑張ったね」
「唯姉……」
懐かしい手の感触。
小さい頃はこの手に撫でられるのが大好きだった。
辛いことも苦しいことも、全部忘れさせてくれた。
「無茶はしないでね、怪我や病気になったら大変だから」
「……うん」
「うんうん、素直な航ちゃんが一番だよ」
よしよし、と撫でてくれる。
「お疲れ様、今はゆっくり休んでね……そうだ」
そう言って唯姉はどこからか棒──耳かき棒を取り出した。
「耳かき、してあげる」
「……ありがと」
今言っても断れないってわかってるのであっさりと了承する。
「それじゃ、右耳から」
「ん……」
──耳かき棒が耳の中をくすぐる。
「最初にしてあげたときは、すっごくくすぐったがってたよね」
耳かきをしながら思い返すように言う。
そして微かに吐息が耳にかる。
「……はい、次は左耳」
しばらく経ったところで唯姉が言う。
「うん」
そう言ってその場で体勢を変えた──のが間違いだった。
(色んなところが近い!)
腰周りのあたりが直に目に入ってくる。
…速攻で目を閉じて見ないようにした。
「それじゃ、左耳もするよ」
そして、左にも同じような感触が伝わる──
── 耳かきを終え、少しテレビを見た後。
「じゃ私、お風呂入るから」
「……まさかとは思うけど泊まってくの?」
「……ダメだった?」
「ダメじゃないけど……」
なんとなく予想はしてたが…まさか本当にこうなるとは。
俺は立ち上がって自分の部屋へと向かう。
「……また後でね、航ちゃん」
唯姉が何か言った気がするが、よく聞こえなかった…
──(そろそろ寝るかな)
自分の部屋に戻り、友達から来ていたメッセージを返す。
明日は学校は休みだが朝練があるので早いし、さっさと寝ることにしよう。
「航ちゃん?起きてる?」
「あ、今から寝るとこ」
「そっか、丁度よかった。入るよ」
「うん」
扉を開けて入ってきた唯姉は、寝巻き姿だった。
風呂上がりで艶っぽくなった唯姉にまた、釘付けになる。
「……えっと、どうしたの?こんな時間に」
「うん、久しぶりに航ちゃんと一緒に寝たいなって」
「うん、わかっ──え?」
え?
「小さい頃は一緒の布団で寝てたでしょ?だから……」
「いやダメだって!」
もう俺たちはいい歳になっているんだ。
そんな2人が一緒に寝るなんてしたら……
「たまにはお姉ちゃんと一緒に寝よ?」
「いやいや、ダメだよ」
「どうして?」
「何か起こったらどうするんだよ」
「航ちゃんなら大丈夫だよ」
何が大丈夫なんだ……
「だって、幼馴染でしょ?」
──幼馴染。
弟同然の幼馴染。少なくとも唯姉から見た俺はそうだ。
だから諦めていたんだけど。
「……唯姉」
「航ちゃん?どうしたの?真剣な顔して」
「唯姉は俺のこと、家族としか思ってないんだろうけどさ」
限界だ。
今夜だけで俺の内に秘められていた唯姉への想いが、明確に強くなっている。
「俺は、小さい頃からずっと──」
長年の想いを、言葉にする。
「唯姉のことが、好きだ」
言った。
「ずっと無防備に距離が近いの、我慢してたけど……多分これ以上は無理だと思う。だから──」
「……航ちゃん」
「っ…」
言いかけたところで、唯姉が俺を抱きしめてきた。
「唯、姉?」
「その言葉、ずっと待ってたよ」
「えっ……」
唇を動かす唯姉。
その顔は赤く染まっていた。
「ごめんね。航ちゃんの気持ち、本当は気づいてた…でもね、やっぱり告白は航ちゃんからしてほしかったから……」
「そっか、それで……」
距離がやたら近いのは、俺にアピールしてたのか…
「私も昔からずっと……どんなことにも一生懸命で、優しい航ちゃんが大好きだよ」
「…気がつけなくてごめんな、唯姉」
「いいよ……その代わり、ね」
俺を抱きしめる力を強めてくる。
「航ちゃんも、ぎゅってして」
「……うん」
唯姉をこっちからも抱きしめた。
「嬉しい。ずっとこうされたかった」
「唯姉……」
「…唯花って、名前で呼んで?
「う、うん」
ずっと唯姉唯姉言ってきたからか、凄く緊張した。
「ゆ、唯花」
ちょっとぎこちなくなったが、なんとか声に出せた。
「航晴……」
俺の名を呼び、目を閉じる唯姉──唯花。
その行動が示す意味を、今回は理解できた。
「……ん」
唯花の唇に、俺の唇を重ねる。
「ん、ふぅ……」
唯花もまた、俺を求めてくるかのように口付けを深くする。
「んっ、はぁ……航晴、好き」
「俺も好きだよ、唯花」
俺達はお互いに抱き合ったまま、言葉を交わす。
唯花の顔は──多分俺の顔も──真っ赤になっていた。
「航晴……もっと」
「ちょっ……」
今度は唯花が俺の唇を奪う。
そして──
「んっ」
右耳にキスしてきた。
「ちゅ……ん…」
「待っ……」
そのまま、俺の耳を舐めてくる。
熱い吐息と舌の感触に頭が真っ白になる。
「ちゅ、れろ、ん……ふぁあ……」
「唯姉、何して──」
「んっ、はぁ……ゆ・い・か」
「……唯花、何してるんだよ」
「だって、我慢できないの。航晴とやっと、恋人同士になれて……ずっと待ってたから」
火照った顔と声で、耳元で囁いてくる。
「唯花、俺も」
「…いいよ」
唯花の左耳に唇を落とし、舌を出す。
「……んっ」
舌先で焦らすように、舐めていく。
「やっ、航晴…なんか私より、いやらしいよ…」
「俺だって我慢してたんだから、仕方ないだろ」
ちろちろと耳を舐めていく。
「あっ、ダメ…航晴…航晴」
真っ赤に火照りきった顔で名前を呼ばれる。
なんと言うか、凄く…興奮する。
「も、ダメ……航晴」
「うわっ」
唯花に両手で押され、結果的に突き放されたようになってしまう。
「ごめん、嫌だった?」
「違うの、航晴…もう、私」
寝巻きのボタンを外して、言った
「もう、体熱くて……航晴が欲しくて、我慢できないの」
服の上から想像していた大きな胸が目に映る。
俺の理性もまた、限界に達していた。
──「んんっ、あっ、そこ…」
そして俺は…唯花の秘部を触っていた。
触る前からもうびしょびしょになっていた割れ目に指を入れ、少し動かす。
「んっ、んんんっ……ああっ!はぁ、あっ……」
指が入った途端に嬌声を上げる唯花。
「ねえ、唯花」
「……なあに?」
「オナニーってしたことある?」
「なっ……」
一瞬フリーズするが、すぐに思考が戻ったのか、抗議してくる。
「な、何で、いきなりそんな──」
「俺は、してたよ」
「えっ?」
「ずっと唯花のこと想ってしてたよ」
抱きしめられた時の感触を思い出して、1人でしていた。
いつからか、唯花の胸が成長してきてからは、特に。
「……うっ、そ、それは…」
「唯花?」
「…………してたよ。毎日」
観念したかのように唇を動かす。
「毎日、航晴のこと思って、ひ、ひとりえっちしてたよ」
「やっぱり」
「や、やっぱりってどういう──」
「いや、だってもうこんなに濡れてるし」
「〜っ」
今日一顔を赤くする唯花。
「唯花、可愛い」
そう言って、もう片方の手を胸に伸ばす。
「い、今言わないで…ひゃっ!?」
いきなり胸を触られたからか、驚きの声を出す唯花。
「や…同時になんて……んっ……航晴……」
そして、もう一方の胸を──
「こうせ…はあ…おっぱい、ちゅーちゅーするの…だめぇ」
唇で吸う。
「唯花……ずっとこうしたかった」
「私もだよ……ぁ、でも、思ってた以上に恥ずかしい」
喘ぎながら言う唯花。
また俺は、股の割れ目に手の動きを集中する。
「あっ、も、イっちゃ……航晴、きちゃう」
「いいよ、いつイっても」
「ん、あっ、あ、イ…」
そして唯花の体が痙攣し、秘所からは愛液が一気に出てくる。
「───────っ!」
「おお……」
これが、女の子の絶頂か……
生で見たのは初めてだ。
「はあ、航晴……」
唯花が寝巻きのポケットから何か取り出す。
「これは……」
受け取ると、それは箱に入った避妊具だった。
「これ、用意してたんだ……」
「うん、久しぶりに航晴の家に行けるのが決まってすぐ…買ってきたの」
唯花の言葉にまた、ドキリとする。
──「じゃ、挿れるよ。唯花」
「うん、きて……」
避妊具をしっかり付けたことを確認し、寝ている体勢の唯花に覆いかぶさり、秘部に俺のモノをあてがう。
そして、少しずつ挿入していった。
「あっ、痛っ……痛い」
「唯花……」
入れてすぐのところで、血が流れ出る。
すぐさま挿入を止めて、唯花の様子を伺う。
「航晴、やめないで」
「唯花…痛いんじゃ」
「痛いけど……あっ、航晴と、最後まで繋がってたいから」
「っ、わかった」
なるべく唯花の負担にならないように、ゆっくりと腰を動かす。
少しずつ入っていく感触が伝わり──
「唯花、全部入ったよ」
「はあ……うん」
唯花はまだ痛そうにしている。
でも、こういう時はどうすれば……
「航晴、キスして……」
「うん、んっ……」
「ん……ちゅ…」
さっきよりもずっと深いキス。
お互いの舌と唾液が混ざり合い、音が出る。
「んちゅ、あっ、……れろ……ん」
唯花の手が、俺の両頬に触れる。
離れて欲しくないと言うかのように。
「航晴、もう、大丈夫。いいよ、動いて」
そして、両手が俺の背に回される。
「うん、動くよ」
言って、腰をさっきよりも速く動かす。
「あっ、あっ、ん……あっ、ああっ!」
さっきの痛みに耐える声とは違う、甘い嬌声。
俺のでこんなにしてくれてるという証に、また俺と俺のモノは燃え上がる。
「やっ……これ、中で大きくなって……んっ」
唯花もまた、それを感じ取ったようだ。
「唯花、好きだ、愛してる」
「あっ、はぁ……私も……航晴のこと、愛してる、はぁあっ……ずっと、大好き」
唯花もまた、腰を振ってくる。
俺のモノはもう、限界を迎えてきていた。
「くっ、唯花、俺もう……」
「私もだよ、航晴、ん、一緒に、イこ?」
俺達は、腰をお互いに振り合う。
そして──
「あっ、あああああっ……!」
「っ!」
俺のモノから、白濁液が出たとハッキリわかるとほぼ同時に、唯花も2度目となる絶頂を迎えた──
──「一緒に寝るの、久しぶりだね」
「ああ」
あの後、俺達は何度も繋がり続けた。
そして汚れてしまった部屋をある程度綺麗にして、今に至る。
「航晴、手握って」
「ああ、」
俺と唯花の手が重なり、握り合う。
「航晴は忘れてるかもしれないけど……小さい頃私たち結婚の約束したんだよ」
「……ごめん、覚えてなかった」
「まだ航晴は小さかったから……でもね、私はあのときからずっと航晴が好きだよ」
「唯花……嬉しいよ」
そんなに前から想ってくれたのか…
これからずっと、大事にしなきゃな。
「航晴……ずっと一緒にいようね。大好き」
「うん、俺も…今までもこれからも、唯花と一緒がいい」
俺達は自然と寄り添い、またキスをした。
──「航晴、航晴!」
「……ん」
「目覚まし、もう鳴ってるよ?」
「……あっ!」
危ない、寝過ごすところだった。この時期に朝練に遅刻するのは非常にまずい。
「ありがと、唯姉」
「……」
感謝の意を伝えたところ、不機嫌そうな表情になる。
「唯姉?」
「……唯花」
「えっ?」
「昨日の夜のこと、忘れてないよね?」
「えっと」
確か昨日の夜は唯姉が家に来て──
「あっ、ごめん。唯花」
「うん、いい子いい子」
そうして頭を撫でてくる唯花。
「ほら、朝ごはんできたよ、起きて」
「うん、すぐ行くよ」
──ずっと好きだった俺の幼馴染で恋人、唯花。
これから先、どんな表情を俺に見せてくれるのか──本当に楽しみだ。