事が終わり、ティッシュで簡単に性器を拭うと僕たちはバスルームに向かった。
愛を確かめ合って迎えた絶頂の余韻の残る中、僕たちはシャワーを浴び、お互いの体液を流していく。
たおやかな晶の指が僕のペニスや陰嚢を丁寧に包み込み、優しく洗う。そして尿道に残った精液をしごき出す。僕の指は晶の恥裂を割り開き、注ぎ込んだ白濁を中からかき出す。
それらの手指の動きは普段なら性欲がかき立てられる行為だったが、2回を短時間で放ったあとだけにさすがに勃起することはなかった。
それでも
「ん…」
「ぁ…」
敏感な部分を刺激し刺激され、僕も晶も小さな呻きを洩らす……。
背中を向けてそれぞれで済ます寒々しい後始末とは違い、肌を触れさせながらのそれは僕を満ち足りた幸せな気持ちにさせた。
晶に対する想いが、また強くなった。
交わった跡を清めた僕たちは、それから浴槽に浸かった。
その中で自然と身を寄せ、密着し、抱き合う。
「晶ありがとう。すごくよかったよ」
先ほどのセックスの感想を、感謝と共に伝える。
「ううん、私もよかったわ。好きよ」
そう言って晶は僕の腕の中で穏やかな笑みを浮かべた。
かわいい。愛おしい。晶への思いが募る。
キスしたくなった僕は、
「晶、愛してる」
名前を呼び、優しく口付けた。
軽くついばむようにしたあと、唇を離した。
うっとりとした、それでいて名残惜しそうな表情を浮かべる晶を、僕はもう一度強く抱きしめた。
「うふふ」
楽しそうに笑うと、晶は僕の胸を押すようにして身を離した。
そうして無防備に背中を預けて手足を伸ばす。お湯の中にずり落ちそうになる晶を、僕は後ろから脇に手を回して抱きとめる。
「晶危ないって。溺れちゃうよ」
「あら、私を守ってくれないの?」
「だから支えてるじゃないか」
無邪気にお湯と戯れる晶の後頭部に声をかけた。
(そういえばこんな晶、見るの久しぶりだな)
濡らさないように晶は髪をアップにしている。日ごろ見慣れていない姿がなんだか新鮮だ。
自然と僕の目は晶のうなじに向けられた。
「なに見てるのよ……そんなに見たら恥ずかしいじゃない」
僕の視線に気付いた晶が、首を回し、恥らうように頬を染めた。
「こういう晶もステキだなと思ってさ」
「もぅ、バカぁ。…そうだ。ねぇ、今日の私のランジェリー、どうだった?」
照れたらしく、話題を変えようとしたのか晶は体の向きを変えると僕を上目遣いに見てそう聞いた。
「え?」
久しぶりの晶とのセックスに興奮した僕は、剥ぎ取るように高級そうなインナーを脱がした。じっくり観察なんか、もちろんしていない。
シルク地でレースがふんだんに使われていたこと、それから色が上下お揃いの黒だったのはなんとなく記憶にある。晶が素肌に直接着けるものだからきっと高価な品だろうし、無理に引っ張ったり破いたりしないよう気を付けたこともぼんやり覚えている。
でもそれだけ。
「ちょっと高かったんだけど、せっかくだから買ったの」
はにかむ晶。
勝負下着ってやつか? しかもあの晶が『高い』という品だ。どうしよう、なんて答えよう……。
一瞬の沈黙に晶が察したようだ、訝るような視線が僕を射た。
「ねえ…」
固い声。
「ご、ごめん! 晶に興奮しちゃって、裸が見たくてたまらなくて…その……よく見なかった」
「……ふぅ。だと思ったわ。だって私を舐めてる時のあなたの目、飢えた野獣みたいだったもの。あの様子じゃ相当溜まってたんじゃないの? 自分でしなかったのは感心だけど、だからってがっつきすぎよ」
たしかにクンニの時の僕は何も考えられず、ただ晶の女性器にむしゃぶりついていただけだった。性欲をしばらく発散していなかったのも事実だ。
「ごめん……」
「もうっ、いいわよ気にしてないわ。私だって早くあなたに抱かれたくてたまらなかったし、ちゃんとその前に感じさせてもらったしね。それに私に興奮してくれたのなら悪い気はしないもの。それより、あなたがいっぱいイッてくれたことのほうが私はうれしいわ」
そう言うと、行為の様子を思い出したのか晶は耳まで真っ赤になって目を伏せた。僕にクリトリスを舌で転がされ、膣口を嬲られ、湧き出る愛液を音高くすすられた晶は、あられもない声を上げて絶頂したんだ。
あっけなく達したのは晶だけじゃなかった。晶のそんな姿に興奮しきった僕は、気ぜわしく晶を求めた。そして一つになって1分も持たないで終わってしまったんだ。挿入の前に晶をイカせていたとはいえ、男として誇れる気はしない。
その後、射精してもまったく衰えなかった僕はそのまま晶を抱き続けた。2回目は同時に昇りつめることも出来た。そこは嬉しかった。
「晶」
名前を呼んであごを小さく持ち上げる。
「うん…」
また僕たちの唇が重なった。
軽く開いた唇から晶の舌が差し込まれる。僕の舌を捉えると、それは縦横に動き、絡み、唾液を交換させた。
強めに舌を吸いながら、僕はその柔らかさを存分に味わう。
舌だけではなく、唇も使っての交歓。歯の裏や歯茎にまで舌先は伸び、僕たちは時の過ぎるのも忘れてキスを続けた。
晶とのキスは僕を淫らな気持ちにさせた。舌と唇の愛撫に気持ちが高ぶる。少しずつ肉茎に力がみなぎっていく。
乳白色の入浴剤が溶けた湯とあって、僕たちは体を直接見ることが出来ない。だから僕が勃起しつつあることは晶には見えていないはずだ。
僕は晶の手を取るとソレに導いた。
「ん…」
唇をふさがれたままの晶が小さく反応する。僕の状態を知った晶は、徐々に上向きになっていく男性器を最大まで勃たせるための動きを始めた。……快感が大きくなっていく。
正直、まだ出し足りない。もっと晶を抱きしめ、膣の感触を堪能し、子宮に子種をぶちまけたい。
そうこうするうち、完全に勃起した。
唇が離れる。
「こんなに固くして、まだ出し足りないの? 大丈夫? さっきいっぱい出したでしょ? 疲れちゃったんじゃない?」
晶が僕の顔を覗き込む。
「こんな素敵な恋人を抱けるんだよ? 疲れるわけないよ。それに溜まってるし」
さっき晶に言われたことが事実であることを肯定する。
「晶」
声をかけて立たせた。晶の濡れた恥毛が恥丘に張り付いている。そこから滴り落ちる水が、とても淫靡だと思った。
ずっと見ていたかったが、僕は晶を壁側に向かせた。
「後ろから?」
当惑した晶の顔が見えたが、僕は構わずに後ろから抱きしめた。そして晶のお尻に硬直したモノをこすりつけた。
「晶、大好きだよ」
耳の後ろに唇を寄せて、耳朶を甘噛みしながらささやいた。
「くふぅん…」
切なげな吐息を晶が洩らす。
その声を聞きながら晶の後ろから乳房に手を回した。下から包むようにして手のひらでゆっくりと圧を加える。そうして指先は乳首に向かった。
少しずつしこってくる先端の蕾をつまみあげ、指で押し込むようにしたり、転がすようにしたり、時には強くねじるようにしたりして攻め、僕は晶の感触を味わった。
「っくぅ…ん」
鼻にかかった晶の声が色っぽい。
もっと聞きたくなった僕は右手を下半身に伸ばした。
中指で丘を割り開き、ぬめりを指にまとわせて肉芽をそっとくすぐる。
びくっ!
一瞬晶の体が強張る。
痛がっていないことを確認すると、僕は溝の内側にも大きく指を動かした。
「あ…あ……」
次第に晶の声が高くなる。お湯とは違うもので僕の指が濡れていく。
「指でイカせてあげようか?」
「あ…い、いや……あっ!」
いやいやをするように首を左右に振りながら晶が鳴く。だがそう言いながらも晶は爪先立ちになって僕に上半身をもたれさせる。
僕は溝の合わせ目にある突起を軽くはじき、中央のくぼみで激しく指を動かした。そして指を膣穴に入れてかき回す。
「だ、ダメ…ダメよ……あっあっ!」
浴室内に晶の嬌声が反響する。
やがて晶の足から力が抜け、その場に崩れ落ちそうになった。
僕は晶の腰を抱きとめるようにしながら、さらに指を使う。
「も、もぅ…立って…られないじゃない……」
首を回して、泣きそうな声で晶が僕を見る。
「ねぇ、欲しいわ…入れて……」
晶が潤んだ瞳で切なそうにつぶやいた。少しかすれ気味の、絞り出したような声。同時に後ろに回した晶の指が僕を握る。
「だめ。晶が指でイッてからね」
指を少し深く晶の中に差し入れた。指の先をわずかに折り曲げ、膣壁をこすりあげる。
「そ、そんな…あ! んっ……んん!」
「気持ちいいの? いいよ、イッても…」
「あっ…も、もうイキそう……イヤよこんなの…指でなんか……んん、ああっ!」
晶の足がガクガク震え、体重が僕にかかってきた。それを支えながら、とどめとばかりに指を突き入れた。
直後
「イクっ! イッちゃうぅぅぅ!」
嬌声とともに晶は絶頂した。
「っはぁ…はぁ……」
ぐったりしている晶の腰を引き寄せた。晶に入れたくてたまらない。
僕の意図を察したのか、晶は壁に手を付いてお尻を突き出し、足を広げた。
肛門も、性器も、晶の秘められた恥ずかしい部分が何もかも丸見えだ。晶が腰をくねらせるたび、入り口は蜜を垂らしながら物欲しげに開いたり閉じたりしている。
卑猥な眺めだ。
普段は澄ましたあの遠藤晶が、そうして男を誘っている。犯されるのを待っている。
そしてその相手は僕だ。
ごくり
思わずのどが鳴った。
弓なりに反った晶の背中のラインが色っぽい。
……興奮する。
なまめかしくくびれたウエストも、形のいい肉感的なお尻も、すべてが僕の官能を煽りたてる。
この体を自由に出来るのは僕だけだ!
「ばかぁ、じらさないでよ…」
涙顔の晶が僕を見た。
誰もが目を引かれる美人で、だけど可愛い部分もあって、ちょっと強気な性格も魅力的で、でも僕には甘えてくれて、スタイルだってモデルと言っても通用するほどセクシーな晶。
晶が好きだ。晶は僕のものだ。渡さない、絶対に誰にも!
もう我慢できない。
「行くよ、晶」
腰に両手を回して構えると、僕は一気に晶を貫いた。
「んんあああっっ!!」
「晶…愛してる」
激しく腰を動かしながら、そんな言葉をかける。
「う、うん…わ、私も……好き! 大好きっ!」
晶も僕に合わせて腰を振りながらうなずく。
僕のためだけに、あの晶がこんな声を上げ、はしたなく腰を振る。
優越感。心が熱いもので満たされる。
「晶のマンコ、ぬるぬるで気持ちいいよ……こんなに興奮してたんだね晶」
「いやぁ…あっ! そんなこと…言わな…いでよ……あっあっあっあっ!」
腰の動きに合わせて晶の言葉が途切れる。
「んあっ! いやぁっ! き、気持ち良すぎて…変に…なっちゃう…じゃない……」
「いいよ、ヘンになる晶、僕にだけ見せて」
「お願いっ! 突いてっ! もっと奥まで…いっぱい突いてぇ!」
吹っ切れたかのように、背中を反らして晶が恥ずかしい言葉を叫ぶ。
「晶…気持ちいいよっ……」
さらに強く腰を振り、根元まで晶に叩き込む。
「あんっ! 当たって…るっ……奥に当たってるのぉ!」
先端が晶の子宮口に届いているのが分かった。
「晶好きだっ、大好きだっ!」
二人がつながっている場所が泡立ち、淫らな音が響く。
「あっあっあっあっあ…も、もう……だめ……ああ……イッちゃう! ごめんなさい……あぁああ」
腰をガクガクと痙攣させ、終わりが近いことを晶が告げた。
「ダメだよ、まだイッちゃダメ!」
「だ、ダメぇ…もう…イク! あなたにイカされちゃうぅぅぅ……」
普段とはまったく違う乱れた晶の様子は僕から冷静さを奪い取っていく。
すでに2回射精している。だから余裕があるはずだった。なのに、どんどん高まっていく。精液がこみ上げてくる。
ますます晶の息遣いが荒くなり、膣が収縮を始めた。穴の中でモノが激しく揉まれるような感覚が伝わる。
「だ、だめっ! あ…ああ……ああああああああ!」
絶叫と共に晶がイッた。
その瞬間、膣の入り口がギュッと締まり僕は抜き差しができなくなった。
と同時に膣の中の動きが変わった。僕を根元から絞り上げるような、中身を搾り取るような蠕動。こらえきれない……。
(ダメだ! 出るっ!)
後ろから晶の両肩を押さえると、僕は腰を思い切り突き出した。
その次の瞬間、
びゅっ! どぴゅっ! びゅくっ! びゅびゅっ!………
射精した。
どくどくと晶の中に注がれているのが伝わる。晶に腰を押し付けたまま、僕は何度も精を送り込む。
「あ…ぁ…」
声にならない声を上げ、晶は膝から崩れ落ちていく。
抜け出た淫茎からほとばしる最後の精液が、晶の背中を白く汚した。
すべてを解き放った僕は晶に後ろから覆いかぶさり、抱えるようにして体を倒した。
荒い息のまま僕は晶の髪や耳や首すじや頬にキスをする。晶は首を回すと僕の唇を求めてきた。そして整わぬ息のまま、僕たちはキスを続けた……。
荒い息が少しずつ整っていく。
「ねぇ…満足した?」
甘えるような口調で晶が聞く。
「うん。すごくよかった。でももうちょっと出したいかな。晶と何度でも気持ちよくなりたい」
慈しむように晶のほほに手を添えて答える。
「あんなにしたのに、あきれた人ね……。そんなに溜まってるの?」
晶が目を丸くする。
「晶は? もう満足?」
「そうね…私ももっと抱いてほしいかしら。愛されたいわ」
そう言うと晶は僕の手に自分の手のひらを重ねた。
「じゃあ出ようか。ベッドで続きしよう。今度は晶にも口でしてもらいたいし」
その言葉に一瞬ほほを染めた晶が、はにかんだ笑顔でうなずいた。
「……ええ、いいわよ」
おわり