「お帰りなさいませ、ご主人さま」
「だんなさまー」
「ごしゅじんさまー」
「……なにこれ」
「私が衣装あわせてたら、ルイとレイが自分たちもするって言って聞かないから、それらしい服を寄せ集めたの」
「「おねーちゃんメイドに悪さするきちくごしゅじんさまを見張ってないと」」
「……しないよ?」
「「ごしゅじんさまは嘘つきです」」
「くくくっ、そうさ。騙されないとはなかなかやるではないか」
「「いやー襲われるー」」
ルイとレイが景の左右に別れて逃げ出すふりをする。レイも年齢的にアウトだが、ルイも別の意味でアウトである。樹にはそんな趣味はなかった。ただしお仕置きはしておく。
「「おやすみなさいませー」」
「おやすみー……ぶれないなアイツら」
「おにーちゃんが来るまで寝ないってきかなくて……」
樹と景は部屋に戻って寝る双子を見送ると、顔を見合わせて笑った。
手作りのメイド服もどきではあったものの、なかなか出来はよかった。景の美少女っぷりもあって、立ち姿はなかなか絵になる。
お屋敷にでもいそうなメイドさんではあったが、いるのは夜凪家で、部屋は和室だった。畳の上のメイドさんである。あえてどちらもツッコまないが、真面目な顔で向き合っていても違和感はある。
「ご満足いただけるまでご奉仕させていただきます」
「どっちが満足するまで奉仕させられるのだか……」
すっと景の表情が変わった。柔らかかった表情からは、笑みが消えて真剣な雰囲気を漂わせる。真面目なメイドのお仕事がはじまるらしい。
「お食事になさいますか?」
「いや、軽く食べてきたからとりあえずはいい」
「では、こちらで」
樹のベルトに手をかけると、するっとほどいた。すぐにファスナーを下ろして下半身を露出させる。
「このメイドさんは奉仕にためらいがない……」
「ご奉仕ですので」
「まったく説明になってないのに納得してしまうあたりがすごい」
これからする行為への期待にすこしだけ固くなっている樹のものを、下着の布の上から景の手がやわらかく挟み込んだ。かたちを確かめるように、三本の指でゆっくりとなぞっていく。
景が顔を近づける。先端のあたりを唇で軽く挟むと、樹のそれはすこし大きさを増した。
「直接、舐めて」
ちらりとだけ樹を見て、景がボクサーパンツに手をかける。すこし持ち上げるようにしてから下ろすと、固くなった樹のおちんちんが跳ねるようにして立ち上がった。
「興奮……されましたか?」
言いながら、ためらいなく口をつけた。濡れた舌の感触が、樹のかたちを確かめるようにして何度か往復していく。
亀頭へと舌を這わせると、景はそのまま唇を開いて咥えこんだ。舌で表面を舐めながら、一番太いところを口の中に収める。
「いつもより興奮してるかも」
「ほーへふね」
舌先を動かしながら、根元まで飲み込んでいく。ぬるっと感じる舌が添えられたまま唇に吸い込まれていく感触は、女性器のそれとは違うものの別の気持ち良さを樹にもたらしてくる。
激しさはないものの、ゆったりと性感が高められていく感じ。口内で押さえ込まれているのに逆らうように、時折ぴくんと跳ねる。じらすように、何度かそれを解放して、舌先でなぞるように舐めたりもした。
途中で垂れてくる髪が気になったのか、景が片手でそれをかきあげた。それにあわせて頬に手を当てると、嬉しそうに微笑んですこしだけ擦り付けてくる。
じゅ、じゅるっと濡れた音を立てて、景が顔をゆっくりと上下させた。メイド姿の美少女がしている自分への行為に、妙な背徳感があわさって樹の背筋がぞくりと震える。
達する直前に、景が樹のものを根元まで咥え込んだ。腰が跳ねそうになるのを押さえながら、景の喉の奥へと精を吐き出していく。
こくりと景の喉が動いて、出された精液を飲み込んだ。まだ固いままの男性器を舐め取るようにしながら、少しずつ抜いていく。上目遣いで見てくる景の頭を、樹は撫でてやった。
「……いかがでしょうか」
唾液で濡れた口の周りを拭きながら、メイドさんが結果の確認をしてくる。
「かなりよかった」
ご主人さまの満足度はかなり高いらしかった。メイドだからなのか、そうしてくれるコが愛おしいからなのかは、よくわからなかったが。
「えっと、ならこれはご主人さまからのおしおき……じゃあないか。ご褒美? まあどっちでもいいけど」
「……はい」
景が期待を瞳ににじませながら後ろを向くと、膝下まであるスカートをするするとたくしあげた。すらりとした脚があらわになり、すぐに引き締まったお尻が樹の目に晒される。
見える下着の中央に、確かに濡れた染みができていた。興奮したのか、それなりに目立つ状態になっている。
「おしおきされるのに、期待してるのかな?」
「……は、はい」
背後から景を抱きしめて、お尻と胸に手を添える。樹はそのままメイド服の上から胸をまさぐり、お尻を撫でまわした。肌の上を指が滑っていく感触が心地良い。くすぐったいのか、景が吐息を漏らした。
「ふぁっ……」
そのまま、濡れたショーツを下ろしてしまう。股間に後ろから樹が指で触れると、濡れた秘唇の感触が確かに感じられた。くちゅくちゅと音を立てて、それをいじる。
「んっ……はぁっ」
可愛らしい声が上がった。樹のものを舐めながら感じていたのか、それとも自分で少しいじってでもいたのだろうか。
「あぅ……ご主人さま、もう……その、準備はできていますから」
どこまでが
樹は手早くゴムを付けると、景の濡れたおまんこにゆっくりと侵入していった。ぬるぬるに濡れている暖かな感触に包まれながら腰を進めて、一番奥まで到達する。
「ご主人さまのが、奥に……届いてます」
「お仕置きだからね。余裕があるなら、もうすこし激しくしようか」
「…………あっ」
ぐいっと一度押し付けてから、抜ける寸前まで引いて、勢いをつけて押し込む。一番奥を刺激すると、景の口から甘えるような蕩けるような声が上がった。
「ご、ご主人さまそこは……」
「気持ちよくなっちゃうなんて、はしたないメイドだな」
「も、申し訳……」
「まあ、そんなメイドさんのほうが可愛いんだけど」
「っ……」
ぱちゅぱちゅと、水音をたてながら樹のモノが景のなかを何度も往復していく。言葉に偽りはなく、興奮しているのかいつもよりも大きく固くなっているようにも感じられた。
「あっ、そこ、だめですごしゅじんさまぁ……」
がくがくと景の身体が震える。力が抜けて床に崩れ落ちそうになるのを、樹の腕が支えた。
「……なんだかんだで結構余裕あったりする?」
「そ、そんなこと……は」
ご主人さま呼びを忘れていないのは、余裕があるのか、それともメイドになりきっているためなのか。景の中でもすでに曖昧になりつつあった。樹に喜んでもらいたいという想いで、理性をなんとかつなぎとめる。
樹のおちんちんが、大きさを増した。子宮口に押し付けられたそれがびくびくと跳ねながら、ゴム越しに何度も精液が吐き出されていく。
同時に、景も達していた。今日はじめての絶頂をむかえながら、樹のものを締め付けていた。ぴんと張った身体から、徐々に力が抜ける。
大きさが落ち着くまでゆるゆると揺れていた樹のものが、身体の中から抜けていくのがわかった。ゴムを付けている時に挿れたままにしているのはよくないにせよ、同時に余韻を楽しめない寂しさも感じてしまうのは仕方のないことだった。
それで満足して終わっていれば、やや物足りないながらも平和ではあっただろう。
受け身のご主人さまというのも試してみたいと言ったのはどちらだったか。やや無表情ぎみのメイドさんと、おとなしめのご主人さま。たしかそんな設定だった。
襲うメイドと襲われるご主人さまではなかったはず、なのだけれども。メイドさん上位の体位なのは、まあいいとしても。
「ご主人さまのことを好きすぎるメイドがすること、だから」
「え、いやちょっと落ち着いて」
「大好きな大好きなご主人さまの子種が、欲しいと思うのではないかしら?」
樹のそそり立ったものにたった今はめたばかりの避妊具を、景の指がするっと取り外す。
「してくださいご主人さま。な、か、に」
「相変わらず演技なのか違うのか判断にっ……」
景が迷わずに腰を落とした。抵抗もなくにゅるんと呑み込まれて、それまでとは違う感触が樹のそれを包み込む。根元までみっちりと、粘膜にじかに触れて繋がった感触。
「んっ……ご主人さまの、すごく」
景がぶるっと身体を震わせた。同時に、樹のものをきゅっと絞り込むような刺激が襲う。そのまま吸い取られるように腰を上げると、景はゆっくりと上下に身体を揺らし始めた。
「こっちでも、ご奉仕させていただきますから」
「このメイド景ちゃんがかわいすぎる……」
樹の上にまたがった景が全身をゆるゆると揺らした。髪が跳ね、布が擦れる音がする。繋がっている箇所はスカートに隠されて見えないものの、身体の動きにあわせてちゅぷちゅぷと音が漏れている。
最初は樹の胸の上に置かれていた景の手が、さぐるようにして樹の指先と絡んだ。繋がった指先に力が入って、メイドがご主人さまの胸元へと倒れ込んでくる。
「んっ……ん、ご主人さまの、気持ちいい……」
ぐにぐにと腰を回すようにしながら、顔を寄せて唇が触れ合う。吸い付くようにしながら、すぐに舌を絡めた。
ご主人さまを襲う前にしていた行為の火照りが、まだ収まっていない。いとしいモノとナマで直接粘膜を触れさせながら繋がっているいま、高ぶりが引くこともない。
キスをしながら、別のところでも繋がりあう。深く浅く、執拗に。避妊具の隔たりはない、愛する者との交尾。妊娠するかもしれない行為。
お互いに、あっというまに最後の高みへと押し上げられていく。
身体の奥に、樹の精液が吐き出されるのを確かに感じる。ご主人さまが大好きなメイドは、それを受け止めながら意識を飛ばした。
景は目を覚ました。いつの間に寝てしまっていたのか、記憶になかった。
確かメイド服を着て何度かして、それから……。樹と抱き合ったまま寝てしまっていたらしい。メイド服は途中で脱いだのか、寝てしまってから脱がされたのか、布団の横に置かれている。
全裸なのに頭のホワイトブリムは外されていないあたり、樹の趣味なのか外し方に困ったのか、よくわからない。とはいえ、これならまだメイドということでいいだろう。
「舌で綺麗にしますね……」
最後にご奉仕とばかりに、口でお掃除をする。念入りに汚れを落とすために妥協はしない。綺麗にはなった。ついでにもう一度大きくもなった。なかなかに逞しい。
――寝ているご主人さまは、メイドが襲うのがお約束ではなかったか。
夜凪家のメイドの夜は、まだ終わらない。