pixivにも投稿している艦娘官能小説です。

秋月・涼月の姉妹が、ひょんなことから提督と姉妹ドンブリします。

3人それぞれの関係については、本文でお確かめください。

こちらで投稿するのは久しぶりなので、設定について簡潔に記しておきます。

・舞台は約20年後の未来の世界

・艦娘はもともと一般人の女性で、深海棲艦と戦うために海上防衛隊に徴兵された(または志願した)兵士。艤装を背負って戦う以外の身体的機能は、もとの人間と何ら変わりない。公式の場では艦娘名を名乗ることが義務付けられているが、それ以外では、本名で呼ぶことは特に禁止されていない

・提督は、海上防衛隊の幹部養成学校である防衛学校を卒業した一握りのエリートたち

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 ――十年経った今もなお、鮮明に覚えている出来事があります。

 それは、ごくありふれた日常の一コマではありましたが、私という女の拠り所となっている、とても大事な出来事でした。

×        ×        ×

『いっぱい採れたね。帰って美味しく食べよう?』
『はい!』

 あの日――セーラー服姿の私と、泥んこの服を着た六つ下の妹は、舗装の剥げかけた夕暮れの路地を、手をつなぎながらゆっくりと歩いていました。

 それぞれの手に提げられたビニール袋に詰まっているのは、近所に借りていた家庭菜園で採れたサツマイモとカボチャ。ところどころ虫に齧られた跡のある不揃いな野菜は、両親を亡くし、わずかな扶助で暮らしていた当時の私たちにとって、成長期の空腹を満たす貴重な食糧だったのです。

『……姉さん』
『……? なあに?』

 スカイグレーの瞳に寂しげな光を湛えた妹は、細い足を止めて私をじっと見つめます。毎日お風呂に入れてあげられなくて、身体からはちょっぴり酸っぱい匂いがして、野良作業で真っ赤に焼けた肌には、ところどころ擦り傷がありました。

『アキ姉さんは……わたしと……ずっと一緒にいてくれますか?』

 潤んだ瞳に浮かんだそのココロが、私にはよくわかりました。小学校三年生と、まだ親に甘えたい年頃で、その対象を喪った彼女。唯一残された肉親である私に、親代わりの甘えられる存在になってほしいということが……。

『ふふ……』

 私はその場に足を止め、妹と同じ高さになるまで身を屈め、そっと微笑みました。

 語弊があるかもしれませんが――彼女の願いは、私にとって愚問というべきものでした。なぜなら、その答えは、とうに決まり切っているから。

『私はスズの、大事な家族だから。どんなときも、スズと一緒にいて……』

『スズのこと……守ってあげる』

 私は瞳にうっすら涙を浮かべながら、妹の身体をぎゅっと抱きしめました。

『アキ姉さぁん……ぐすんっ』
『スズ……よしよし……』

 涙腺を決壊させて甘えてくる泥んこの痩せた身体は、とろけるように暖かくて――彼女のことが狂おしいほど愛おしくなって、土埃で汚れた頭をそっと、撫でてあげたのです。

『うぅ……スズ……』

 潤む瞳をそっと閉じ、絹糸のように艶やかな質感を味わいながら、ただ一人の肉親に、溢れ出る愛おしさを惜しみなく注ぎ込んだのでした。

 昔のことですから、妹は覚えていないかもしれませんが、私は今でも、十年前の約束を硬く心に誓っています。

 どんなときも、妹と一緒にいて、妹のことを守ってあげると。

×        ×        ×


秋涼の交

◎

「スズ……んっ……?」

 目を開くと、そこにあったのは妹の小さな身体ではなく――オレンジ色に染まるトラバーチン模様の天井でした。

 

「いけない……寝てたっ」

 壁掛け時計の指す時刻はヒトナナサンマル。私は慌てて、二人掛けのソファーに沈みかけていた身体を起こし、背もたれにかかっていたエプロンをつけ、小走りに台所へと向かいます。

 

「ふふっ……スズ……」

 底がへこんだホーロー鍋に水を張りながら、夢の内容を思い出していると、胸の中がぽっと温かくなって、思わずにやけてしまう私。

 

 十年も前のことなのに、こうしてときおり夢に出てくるのは、それだけ妹のことを大事に思っている証拠だったのです。

 

◎

「今、帰りました」

 炊飯器から甘い湯気が立ち、鍋の中身がぐつぐつ煮え、あとは二人分を盛り付けるだけというところに、聞きたかったハスキー気味の高い声が、玄関から聞こえてきました。

 

「お帰り、スズ」

 ガスの火を止めて玄関に駆け寄ると、そこには悠然と佇む、私の自慢の妹の姿。

 

 白金色の髪と灰青色の瞳こそ、昔と変わりありませんが――その容姿はまったく別人のようになっていました。

 

 背丈は一七〇センチを超え、私より頭半分くらい大きくなって、付くべきところに、私よりも豊かな肉が付いて、丸っこくあどけなかった顔は、北方の血を想起させる清涼感に満ちたうりざね顔になって――あれから十年の歳月を経て、小さくて瘦せっぽちな少女から、美しく立派な一九歳のお淑やかな女性に様変わりしていたのです。

 

「……任務、大丈夫だった?」

「アキ姉さん……今日は何事もなく、命じられた任務を遂行してきました。戦果も、お伝えしましょうか」

「そんなの、どうだっていいわ。スズが無事なら……」

「心配かけてごめんなさい……でも、アキ姉さん。心配しないでください。わたしは必ず、帰りますから……」

「スズ……」

 成長したのは外見だけではありませんでした。泣いてばかりいたあの頃が嘘のように、落ち着いた性格になっていて、逆に妹離れできない私を心配させまいと、静かに微笑みながら気遣う姿を見せるほど。親代わりになって育ててきた身として、成長を感じるときほど、嬉しいものはありません。

 

「……ご飯作ったから、一緒に食べよう?」

「ふふっ、嬉しいです……アキ姉さん」

「……? あっ、スズ……」

差し出されて握った手のひらは、大きさこそ追い抜かれてしまったものの、ほどよい熱を発していて、昔と変わらず心地いいものでした。

 

◎

 私――上月秋穂(こうづきあきほ)と、妹の涼奈(すずな)は、姉妹揃って佐世保で艦娘として働いています。私は『秋月(あきづき)』、妹は『涼月(すずつき)』という名前をいただき、主な任務はともに防空。妹の方はまだ一年目ですが、その活躍ぶりは、六年先に着任した私に引けを取りません。

 

 私たち姉妹は、海沿いの海上防衛隊基地に隣接する、1LDKの民間のアパートを借りて同居しています。所属する鎮守府が違うので、こうして先に帰ってきた方が家事をして、帰ってくるのを待って一緒にご飯を食べて、枕を並べて眠ってと――艦娘になる前の市営住宅にいた頃から変わらず、仲良く暮らしています。

 

 実を言うと、艦娘は原則として、所属鎮守府の寮に住むことと決まっています。決まりに従えば、本来は別居しなければならないところでしたが、妹――『涼月』の鎮守府の提督の計らいで、特例で外に住まわせてもらっているのです。

 

 子どものときからずっと一緒だっただけに、互いに大人になっても、同じ屋根の下で暮らしたかったから、意気な計らいをしてくれたことは嬉しかったです。

 

 涼月の元気な姿を見ることが、私にとって日々の活力になっていますし、それは彼女にとっても同じでしたから。

 

◎

「美味しそう……アキ姉さんの料理、大事に、いただきますね」

 ちゃぶ台の上でほこほこと湯気を立てる作りたての夕食に、涼月は本物の宝石のように、切れ長の瞳をきらきらと輝かせていました。

 

「ふふっ……遠慮しないで、たくさん食べてね」

 今日の夕食は、麦飯、ゴボウのお味噌汁、カボチャの煮物、沢庵漬けの四品。いずれも、私たち姉妹の大好物です。

 

 共働きになり、十分なお金を安定して得られるようになった今でも、貧しかった頃の質素な食事に慣れきってしまったせいか、なかなかやめられません。したくてもできなかった贅沢をしようと、お寿司やステーキを食べに行ったこともありましたが、食べ慣れていなかったせいか、お腹を壊してしまったりして、結局は野菜ばかりの食事に落ち着いてしまっています。

 

「美味しいです。アキ姉さんの味、ほっとします」

「……ありがとう。いつも美味しく食べてくれて」

 飾り気のない粗食を、綺麗な顔を綻ばせながら食べている様子を見ていると、昔のことを思い出します。

 

×        ×        ×

 

『スズ、皮剥けた? ごつごつしてるから、手に気を付けてね』

『はい!』

『上手上手。皮も種も食べるから、捨てないでね。じゃあ、お鍋で煮て食べようか』

 

 畑で採れたばかりの不揃いなカボチャを使って、二人で煮物を作ったり……。

 

『ご飯がこれだけしかないの……』

『アキ姉さん、もっと、食べたいです……』

『ごめんね、スズ。私の分けてあげるから……』

 

 お金が無くて、残った最後のお米で炊いたご飯を、少しでも多く食べさせてあげたり……。

 

『スズが大好きなの、買ってきたよ』

『わあ……缶詰……!』

『一つだけだけど、一緒に食べようね?』

 

 お金が入ったときのささやかな贅沢に、牛缶を買ってきて分け合って食べたり……。

 

 他にも、海にお魚を釣りに行ったり、山に木の実を取りに行ったり、私が艦娘になってからも、寮の給食を持ち帰って二人で食べたり――妹との思い出は尽きません。

 

×        ×        ×

 

 日々の食事さえ事欠く生活をともに乗り越えたことで、私たち姉妹は、決して壊れぬ絆を築き上げたのだと思います。

 

 昔の妹は、いつもお腹を空かせていました。彼女にひもじい思いばかりさせていたのが、私にとって本当に心苦しく、ぐうぐうお腹が鳴るたびに、赦し乞うことしかできませんでした。

 

 それでも涼月は、満足に食べさせてあげられない私を恨むどころか、どんなときも私を頼ってくれました。

 

 だからこそ、私以上に女性らしい身体に成長し、幸せそうにご飯を頬張る涼月の姿を見ると、感無量になりますし、これからも妹のことを守っていかないとならないという気持ちになるのです。

 

◎

「アキ姉さん、お茶です」

「ありがとう……ふう。ねえ、スズ」

「?」

「アイツとは、上手くやっているの?」

 沢庵漬けでご飯を二口食べ、妹が昔作ってくれた湯飲みでお茶を飲み一息ついてから、ふと涼月に尋ねた話。

 

 それは、私があまり干渉しない方がいいと思いながらも、話題が話題だけに、どうしても首を突っ込んでしまうものでした。

 

「はい。おかげさまで……提督には、良くしていただいています」

「そう。よかったわ」

 涼月からの返答はすぐで、私が期待していたとおりの内容。白い頬をほんのり朱く染めながら答える姿が微笑ましくて、微笑返しで答えてあげます。

 

「今日も任務が終わってから、楽しく話させていただきました。アキ姉さんのことも、少し……」

「アイツ、何を話したの?」

「一緒に河原を歩いているときに、雲を『甘そう』って言っていたと」

「もう、アイツったら……」

 その話の内容が、自分にとって恥ずかしい昔話で、呆れて思わず息を吐いてしまいましたが、それを語る当の妹が何とも楽しそうで、そのまま流すことにしました。

 

 一鎮守府の長をアイツ呼ばわりするなんて、失礼極まりないと捉えられるかもしれませんが、それには深い理由がありました。涼月の提督と私に、浅からぬ縁があったからです。

 

 実は――涼月の提督である朝日佳太(あさひけいた)少佐と私は、同じ高校の先輩後輩でした。そしてそれだけでなく、恋人同士として付き合ってもいたのです。

 

 付き合うようになったきっかけは、生徒会で一緒になったことです。彼はちょっぴりお調子者でした。ことあるごとに軽口を叩いては、私がそれに突っ込みを入れるという、まるで夫婦漫才みたいな関係でしたが、それが上手く嵌まってか、一緒に昼食を食べるようになり、家にも遊びに来るようになり、そして――彼に初めても捧げました。

 

 私が艦娘になるために高校を退学して、初任地の鹿屋へ引っ越したことで、関係は自然解消してしまいました。とはいえ、別に嫌いになって別れたわけではないので、彼に対するわだかまりはまったくありません。

 

 彼が防衛隊員を目指していたのは当時から知っていて、難関の防衛学校に入って提督に採用されたことは、風の便りで聞いていました。

 

 しかし、まさか妹の鎮守府に配属されて、妹と付き合うようになるとは――確かに、当時小学生だった妹と仲良く遊んでいたとはいえ――予想できませんでした。

 

 もっとも、それが悪いことだとは思っていなかったりします。私との関係があったから、妹を大事に扱ってくれますし、鎮守府外での同居も取り計らってもらえましたし、妹との関係にしても、複雑な気持ちがまったくないわけではありませんが、知らない男と付き合うよりは、旧知の男と付き合う方が、私としては安心でした。

 

「まあ、でも、アイツは……ケイタはいいやつだから、心配しなくていいからね」

 彼の良いところも悪いところもすべて知っているからこそ、彼に全幅の信頼を置いていて、こうしてポジティブな言葉を投げかけることもできたのです。

 

◎

「ただ……アキ姉さん」

「?」

「提督とのことで、一つだけ悩みが……」

「どうしたの。言ってみて」

 はにかんだ表情から一転、涼月が真剣な面持ちで、私に相談を持ちかけてきます。

 

 妹にとっては、彼が初恋の相手になります。人生初の恋愛を成就させたいからか、これまでも幾度となく、私に恋愛の心配事を尋ねてきたものでした。私としても、初心(ウブ)な妹を支えるために、どんなことを話せば良いかや、デートのときの服装など、ことあるごとにアドバイスしてきました。

 

 それだけに、今回も軽い気持ちで、相談を受け付けたのです。

 

「あの……言いにくいこと、なんですけど……」

「何でもいいから。姉に遠慮なんていらないよ?」

 でも、今回は少し、様子が違うようでした。銀毛の眉を八の字にして、大きな身体を縮こませて――そんな明らかに緊張している涼月に対し、顔に笑みを浮かべながら両手を広げ、少しでも話しやすい雰囲気を作ろうとしました。

 

「ありがとうございます……その、え、えっちなことに、ついてなんです」

「えっちな、こと?」

「はい……ううっ……」

「大丈夫。最後まで聞くから、続けて?」

 顔を真っ赤に染め、視線を下に向けてぼそぼそ話す涼月の様子で、おおよその話の想像は付いたのですが――話を途切れさせないため、態度を変えずに聞き続けます。

 

「その……提督から、え、えっちなことをしたいと、お願いされていまして……」

「ケイタが……スズとセックスしたいってこと?」

「……」

 核心を率直に突いたところ、涼月は首をゆっくりと縦に振りました。

 

「いいじゃない。スズとケイタが、仲が良いからでしょう?」

 悪い話ならば心穏やかでないところでしたが、そうではなかったことに胸を撫でおろした私は、妹の悩みを払拭すべく、にこやかに語りかけました。

 

「でも、その……う、上手くできるか、不安で……」

 たとえ初めてであっても、彼に満足してほしいのでしょう。真面目な性格の彼女らしい相談でした。

 

「そんなこと、気にしなくていいって」

「でも……」

「初めてなんだから。私もそうだったよ。でも、結局はちゃんとできたから、変に怖がったりしなくていいよ?」

 私は不安がる涼月を勇気づけながら、自分の経験を思い浮かべていました。

 

 私の初体験は、彼と付き合い始めて三か月が経った頃のことでした。その日は休日で、妹が外へ遊びに行っている間に、当時住んでいた市営住宅の一室で、彼に純潔を捧げたのです。

 

 二人きりでいるうちに変な雰囲気になって、どちらからともなくキスをしだして、服を脱いで、今より幾分小さかった胸とお尻、そしておま×こを晒して――ただ、いざおちん×んを入れてもらおうとすると、なかなか上手く入らなくて、無理に入れたらすごく痛くて、三回くらい動いただけで彼が出してしまってという、とにかく稚拙で、目も当てられないようなグダグダなセックスでした。

 

 全然うまくいかなくて、ちょっぴりほろ苦い思い出でしたが、決して消したい記憶などではありません。セックスをしたことで、満足感のようなものはありましたし、大人の仲間入りをしたような気持ちにもなったものです。

 

 そんな自分の経験を振り返ってみると、あんなに小さかった妹も、ようやく大人になれるのだなあ……と思い、しみじみとした気持ちになりました。

 

◎

「ふふっ……」

 青春を謳歌する妹の姿に上機嫌となった私は、最後まで残しておいたカボチャの煮物に箸を付けます。

 

「あむっ……」

 土の風味と実の甘さと醤油の辛さがシンプルに絡まった、慣れ親しんだ味に舌鼓を打っていたところでした。

 

「でも……アキ姉さん。やはり……不安です」

 涼月は私のように、前向きな性格ではないからでしょう。どうしても心配を消し去ることができないようで、胸に手のひらを当てながら、不安げな表情で訴えかけてきます。

 

「アキ姉さん。実は明日の夜に……提督と、約束しているんです」

 口に含んだカボチャをすぐに飲み込んで、宥めようと考えていましたが――それを待たずに、涼月は切り出してきます。

 

「アキ姉さん……お願いがあります」

 ずいぶん急な話だけど、こういうことには積極的な彼だったらやり得るか――とは思いましたが、それに続く彼女のお願いは、突拍子もないものでした。

 

「ぜひ、付いてきていただいて……えっちを教えてほしいのです」

 

「ぶっ……!」

 思わず私は、呑み込みかけていたカボチャを、吹き出しそうになってしまいました。

 

「ごくんっ……ふうっ。スズ……今なんて……」

「……わたしにえっちを、実際に見せていただきながら、教えてほしいのです」

 さすがに聞き間違いであることを疑い、噛みかけたものを慌てて呑み込んでから、再度聞き直しましたが――涼月の求めに間違いはありませんでした。

 

「スズ……上手くできないからって、ケイタは怒ったりしないって」

「わたし……提督を喜ばせたいのです。そのために、どうすれば上手くいくかを……お願いします、アキ姉さん」

「そんなこと言われても……」

 妹は真面目で、他人思いで、私のことを心から信頼しています。健気に彼のことを思っているから、彼を満足させたいのでしょうし、こんなことを頼めるのは、私しかいないとも思っているのでしょう。

 

 それでも――お願いされた当の私が困惑するのは、無理ありませんでした。

 

 親代わりになって育ててきて、どんなときでも守ってあげたいと思っていたとしても、恋人との濡れ場に付いて行って、セックスの手解きまでしたいとは考えていませんでした。いくら相手が元恋人であっても、今は妹の恋人ですし、彼にしても、元恋人とセックスすると聞いたら、私と同様に困るはずでしょう。

 

「スズ、それくらい自分で……」

 普通の恋愛に関することならともかく、今回ばかりは聞けない頼みだと、彼女を突き離そうとしましたが……。

 

「……アキ姉さん」

 今回の妹は、お淑やかな性格に似合わず、妙に粘ってきたのです。

 

「わたしが小さいとき、言っていましたよね」

「?」

「どんなときもわたしと一緒にいて、わたしを守ってくださるって……」

「……! そ、それは、そうだけど……」

「学校でいじめられたときも、病気で寝込んだときも、進路で悩んだときも、アキお姉さんに守っていただきました。そのおかげで、ここまで来ることができました。ですから、今回も……」

 十年も前のことですから、まさか覚えているとは思いませんでしたし、この場面でそれを出されてしまっては敵いません。

 

 性格的にも、表情を見ても、涼月はふざけて言っているようには見えませんでした。私の目を捉えて離さぬその瞳には、十二月生まれの彼女の誕生石さながらの青々とした艶があって、その力強い光線に圧倒されてしまっていました。

 

「うーん……」

 妹に一本取られた――私はそう思いました。

 

◎

「……というわけで、ケイタ。付いてくることに、なったん、だよね……」

 そして次の日のフタヒトマルマル――私と自慢の妹の涼月は、彼の部屋の布団の上にいました。

 

 不器用に笑ってごまかそうとする私と、頬を朱くして俯く妹を目の前にした彼は、目を見開いたまましばらく固まっていました。お調子者とはいえ、人並みの常識はあったはずなので、至極当然の反応でしょう。

 

「ちょっと、アキさん……」

 そして首をかしげてから、二回手招きをして私を呼び出します。

 

(どうして、付いてきたんですか! 聞いてませんよ……!)

(仕方ないでしょう! 初めてで怖いからどうしてもって、スズに頼まれたんだから……!)

(だからって……! せっかく涼月とするつもりでいたのに、アキさんいたら、気まずいですって……!)

(私もよ! よりによって……何でケイタと、またセックスしなきゃいけないのよ……!)

 互いに口元を隠しながら、涼月に聞こえないように、強い調子の囁き声で言い合います。叱責の応酬が、まだ付き合っていた頃の口ゲンカと重なりました。来てしまった以上、今更どうすることもできないとはわかっていましたが、やり場のない気持ちをぶつけずにはいられなかったのです。

 

「はあ……ケンカしたってどうにもなりませんから、始めましょうか」

「ごめんね、迷惑かけて……」

「アキさんは謝んなくてもいいですよ。涼月に頼まれたら、しゃあないですって」

 昔と変わらぬソフトモヒカンを掻きむしり、腑に落ちない様子ではありましたが――そこはうじうじ悩まない性格の彼。顰めていた顔を戻し、私たちの願いを聞いてくれたのです。

 

「それに……久しぶりにアキさん抱けるの、楽しそうですし」

 ただ――彼は決して、下心の一切ない聖人ではありません。ごくりと生唾を呑み込んだり、焦げ茶色の瞳から私の胴体にいやらしい視線を送ったりしているのを見ると、本気でそう考えているようです。

 

「ちょっと……あくまで、主役はスズだから。それは忘れないでね……!」

「大丈夫ですって。いやあ……楽しみです。アキさん、感度バツグンでしたから……」

「まったく……相変わらず、お調子者なんだから……」

 昔と変わらぬ軽い態度に呆れながらも、嫌悪感が湧くどころか、頬を熱くしてしまったのは、彼からいまだに女として見られていることが、嬉しかったからかもしれません。嫌いになって別れたわけではありませんでしたから、また彼と同衾するということも、決して嫌ではありませんでした。

 

 もっとも、彼とよりを戻すことが、ここに来た目的ではありません。大事な妹が処女を捧げるのを助けてあげるためで、あくまで自分は黒子にすぎないと、もう一度、自分に言い聞かせたのでした。

 

◎

「アキ姉さん。どうすれば……」

「とりあえず見ていて。まず、服を脱ぐから……」

 まずは、私がお手本を見せる番。もじもじしている涼月を布団の脇へと移動させてから、制服のスカーフに手をかけました。

 

「あっ、オレ脱がしますよ」

 そこに、やけに乗り気な彼が割り込んできて、スカーフの結び目を解こうとしてきたのです。

 

「それくらい、自分でするから……」

「涼月に教えるんですよね? ……でしたら、男にやってもらうのも、見せてあげたらどうですかね」

「……ほらっ」

「失礼しますねー……」

 彼の言うことは屁理屈気味ながらも、決して間違ってもいなかったので、反論するのを諦めた私は、襟元から手を下ろし、彼の好きなようにさせます。そっぽを向いたのが、せめてもの抵抗でした。

 

 初心な妹と違い、彼は私と場数を踏んでいたので、服を脱がす手つきはスムーズ。セーラージャケット、ワイシャツ、スカートが造作なく脱がされ、ショーツとブラジャーも、練度十分の彼を相手にしては紙装甲に過ぎず――あっという間に、胸の膨らみとおま×こが流れる空気に曝け出され、生まれたままの姿にひん剥かれてしまいました。

 

「ちょっと……あまりじろじろ見ないでって。恥ずかしい……」

 裸にされてしまった私は、眉間に軽くしわを寄せ、腰を少し引きながら、彼の顔を睨みつけました。彼と別れてからというもの、何人かの男性と交際しましたが、ここ三年は恋人がいませんでした。自分の裸身を異性に晒すこと自体、久方ぶりのことだったので、いくら慣れた彼が相手であっても、羞恥心が湧いてしまったのです。

 

「アキさん、ちょっと太りました?」

 図らずも、ピリピリした雰囲気を吹き飛ばしたのは、軽いノリで彼が放った言葉でした。

 

「何よ。失礼でしょう?」

「いや……昔はガリガリでしたけど、しっかり食べているんだなあって」

「別に、昔が食べなさ過ぎただけだって」

「おっぱいも大きくなってますし。ちょっと垂れてますけど……」

「むっ……スズ、帰ろう?」

「す、すみませんって……そう拗ねないでくださいよ……」

 デリカシーのない放言が気に食わなくて、拗ねてしまった私を、必死に取り繕おうとして、また失言を繰り返す彼。難関の防衛学校を出て、責任感を求められる提督になっても、こういうところは、昔とまったく変わっていないようです。

 

「でも、ちょっと変わりましたけど、オレの好きなアキさんの身体ですよ」

「……本当?」

「ちょっと太……いや、ふくよかになった分、つやつやしていますし……ケツもぷりっぷりで、フェロモンむんむんで……」

「もうちょっと、言葉を選んでよ。スズもいるんだし……」

 もっとも、うっかり気に障ることを言うばかりではなく、上手い言葉で褒めてくるのが、彼の憎いところ。刺激が強いながらも、喜ばれそうな言葉を使って、私の理性を乱してくるのです。

 

「ふふ……提督とアキ姉さん、仲が良いですね」

「スズ……そんなんじゃ……」

「ほらほら、涼月もそう言ってますし」

「もう、調子いいんだから……!」

 そのうえ、私たちの掛け合い漫才を見て、涼月の緊張が和らいだようなので、これ以上突っ込む気にはなれませんでした。

 

「まったく……スズにお手本見せるんだから、ケイタも脱いで」

「オレは、脱がしてもらえないんですか」

「私が脱がしちゃったら、様にならないでしょう。こういうのは、男の子が女の子を脱がすから……」

「わかってますって……聞いてみただけですよ。相変わらず、お堅いですね……」

 彼はブツブツ文句を言いながらも、着ていた部屋着を素早く脱ぎ捨て、高校時代より一段とがっちりした肉体を、私たち姉妹に晒しました。

 

「きゃっ……!」

「どうしたの、スズ」

「おっ、男の人の身体を見るの、初めてでしたから……」

 うちには男兄弟がいませんでしたし、妹が物心つく前に、お父さんは亡くなっていますから、彼女が異性の裸体を直視したのは、生まれて初めてなのだと思います。肌が浅黒くて、胸板が厚くて、腹筋が割れていて、あちこちに濃い毛が生えていて、そして――でっぷりと張った二つの巨玉に、大きくなったおちん×んが生えているのが、思わず目を隠してしまうほど刺激的だったのでしょう。

 

「大丈夫。怖くないよ。ほらっ……あむっ……」

 そんな涼月の恐怖心を和らげようと、大胆な行動を取りました。彼の毛むくじゃらの股間に顔を埋め、艤装の長十センチ砲に似たおちん×んを、根元まで深々としゃぶってみせたのです。

 

「アキ姉さん……! そんなことを……!」

「うおっ……アキさん……!」

「うっぷ……ふう……」

 涼月の悲鳴と彼の喘ぎが聞こえる中、手のひらよりも長いサイズのそれを、口の中で三回上下させました。鼻の奥に昇ってくる発酵臭と口の粘膜にまとわりついた苦みを帯びた塩気で、身体が熱を帯びてきます。

 

 記憶の味よりも少し匂いが薄く感じられるのは、しっかり手入れをしているからかもしれません。だからといって、物足りなさはまったくなく、お調子者を残しながら大人になった彼の魅力を感じ、むしろ以前よりも満たされた心地でした。

 

「よいしょっと……ケイタ、しっかり支えててよ」

そして彼の膝の上に座り、背中に両腕を回し、身体にぎゅっと抱きついたのです。

 

「アキさんの身体……温かいです」

「ううっ……真打はスズだからね。私はあくまで……」

 妹の手前、肩に顎を乗せながら抱き返してくる彼を窘めはしたものの、伝わってくる彼の感触は、思わずくらっとしてしまうほど、とても気持ちが良かったのです。石鹸の匂いに混じる甘酸っぱい汗臭さ、胸の膨らみを撥ね返してくる胸板の弾力、懐炉みたいに温かい素肌……。

 

 涼月がいないとき、たまに自分を慰めるくらいには男を求めていた私。しばらく味わうことができなかった男の肌の匂いと温もりに、私はすっかり理性を崩されかけていて、釘を刺すのも強がりに近いものでした。

 

「いくよ……じゅぷっ……」

「んっ……んぷっ……」

 そしてすかさず、彼の薄い唇を塞ぎ、口の中に舌をねじ込みディープキス。とっさに彼も反応し、舌を絡めてきます。

 

「んっ……ちゅぱっ、ちゅぱっ……」

「んっ……ちゅぱっ、あむっ……」

 とろとろ流れ込んでくる彼の唾液の淡い苦みと、蛞蝓(ナメクジ)のように滑る彼の舌が、私の舌に絡まってくる感触が合わさって、身体の表面が電磁波に包まれたかのような心地いい気分になる私。

 

「アキ姉さん……いやぁ……!」

 横目に涼月を覗くと――刺激が強すぎたのか、泣きそうな声を漏らしながら、手で顔を覆っていました。妹の面前でペッティングにふけっている背徳感が、興奮をより高めてきます。

 

「ちゅぱっ……ふう……」

 息が続かなくなったところで、唇を離しました。彼との間には、唾液のアーチが一筋架かっていました。

 

「アキさんのキス……相変わらず上手いっすね。いろいろやっていたんですか」

「久しぶりだって。三年振り。そう言う、ケイタはどうなのよ。上手になったじゃない……」

「卒業してから、ずっと仕事漬けでしたから、二年振りくらいですけど……それでもやっぱり、一番はアキさんですよ」

「……本当よね?」

「疑い深いっすね……アキさんはどうですか」

「……あえて聞く?」

 妹の手前、バツが悪くてはぐらかしましたが――私にとっても、一番はやっぱり彼とのキス。感触のよさはもちろん、私の動きに上手く合わせてくれるから、満足度が違うのです。

 

「今度は、オレからいきますよ……」

「えっ……」

 キスで完全に火が点いてしまったのでしょう。緩かった抱きしめに力がこもったかと思いきや――大きな身体を預けてきて、私は布団に押し倒されてしまいました。

 

「あむっ……ちゅぱっ……美味しい……」

「ちょっと……! 胸、そんな乱暴に……」

「だって……美味しいんですもん。小っちゃいですけど、ぷにぷにしていて、しょっぱくて……」

「恥ずかしいこと、言わないでって……んっ……!」

 そして小さな胸の膨らみを、下のあばらに沿って舐められたり、膨らみを手で揉まれたり、しまいには乳首を舌で転がされたりして――性感帯への執拗な攻めに、私は為すすべなく喘いでばかり。

 

「こっちも……とろとろっすね……ぺろっ……」

「んっ……! そこは、ダメぇ……!」

 気付くと、彼の顔は私の脚の間にありました。おま×このヒダに沿って這う彼の舌が、胸への愛撫よりも強烈な快感に私を誘ったのです。ヒダや膣口の粘膜を舐められたり、クリト×スを甘噛みされたりして、雷撃に似た衝撃が身体を包むたび、靄がかかったように頭の中が白く染まります。

 

「おま×こ、洗ってきたんですか」

「それは、そうでしょう……! 一応、セックスするんだから……」

「昔のションベン臭いのも好きだったんですけど……これもこれで……あむっ」

「ううっー……! も、もうっ……!」

 与える快感そのものだけではなく、羞恥を煽ってくるのも彼の上手いところ。身体も洗わずにセックスしていた――もちろん、毎回ではありませんが――昔のことを持ち出されては堪りません。

 

 思えば――彼とのセックスは、いつもこうでした。最初は私が主導権を握っていても、いつのまにか逆転されて、最後には、彼の好きなように犯されてしまうのです。

 

 そしてそれは、別れてから七年経ち、互いに大人になった今でもまったく同じで――全身をくすぐられているような快感に、顔を仰け反らせながら、ひたすら悶えることしかできませんでした。

 

「あ……アキ姉さん。こ、こんなに、触られるのですか……」

 私が乱れる様を見た涼月が、恐る恐る問いかけてきます。雪のように白かった顔を真っ赤にしているのを見るに――初心な彼女には、よほど刺激が強かったのでしょう。

 

「んっ……大丈夫、スズ。びっくりするけど、気持ち、良いから……」

「そうそう。涼月も次は、お姉ちゃんみたく、とろとろになるんだからな……じゅぷっ……」

「ああっ……! スズに話しているんだから、舐めないでって……!」

 涼月を宥めているところにも容赦なく淫汁を吸ってきたりして、本当に、年下のくせに意地悪なヤツですが――妹とするのが本番だということは、しっかりわかってくれているようで、その点については安心したりもしました。

 

◎

「はあ、はあ……」

 前戯を終えたところで、私はすでに、息も絶え絶えな状態になっていました。妹を不安にさせないために身を差し出したつもりが、自分の方が、身も心も夢中にされてしまったのです。

 

「とろとろですね、アキさん……そろそろ、いきますよ」

 一方で、元気満々な彼は、布団にばったりと倒れ込んだ私に覆い被さり、先走りを垂らしているおちん×んを、おま×このスジにあてがってきたのです。

 

「ちょっと……ゴムは着けてよ」

 鼻腔に突き刺さった干魚のような生臭さが、気付け薬代わりになりました。少しでも腰を前に進めれば挿入されるところでしたが――私は右腕を彼の胸板に突き出し、既(すんで)のところで押しとどめました。

 

「あっ、危険日だったりするんですか?」

「そうじゃないけど……」

「だったらいいじゃないっすか、ナマでさせてくれても。昔は散々、させてくれたじゃないですか」

「むっ、昔は昔でしょう!」

「それに、アキさんのナマま×こ、すっごい気持ち良かったですし……アキさんだって、中出しされるの、大好きだったじゃないですか」

「ううっ……で、でも……だっ、ダメって言ったらダメ! ナマは私じゃなくて……スズとしてあげなさい!」

「わ、わかりましたって……」

 彼の悪魔の誘惑に、無造作な中出しで狂おしく喘いだ記憶がフラッシュバックして、心を大きく揺さぶられましたが――彼の今の恋人は妹の涼月であって、元カノの私が子種をもらうわけにはいきません。

 

 名残惜しさを振り切ろうと、叱るような強い調子で拒否したので、さすがに彼も観念したのか、私が用意した『二式避妊具甲型』のパケを手に取り、しぶしぶではありながらも、股間の勃起に被せてくれました。

 

「スズ、今からセックスするから……ちゃんと、見ていてね」

 自分が交合う姿を実の妹に見せるなんて、恥ずかしくて堪りませんが――そんな感情を心の奥にしまいこんだ私は、穏やかに微笑みながら、優しい口調で語りかけます。

 

「……はい」

 すると涼月は俯きがちだった顔を上げ、身体を強張らせながらも、私たちの方に灰青色の視線を向けてくれました。

 

「んっ……!」

 しばらくおちん×んを受け入れていなかったので、ちゃんとできるか一抹の不安はありました。

 

「おふっ……相変わらず、キツイ……!」

「んんっ……んああっ……!」

「ふう……入った」

 しかしそこは、私のことを知り尽くしている彼。何度も肌を重ねているからか、挿入に手間取る様子はなく、ものの数秒のうちに、根元まで挿し込んだのです。

 

「気持ち良いっすか、アキさん……」

「やぁ……聞かないでって……んんっ……」

 別れてから付き合った男の人とは比べ物にならないくらい、彼のモノは長く太くて、お腹の中を埋め尽くす感覚だけで、神経が弾け飛んでしまいそうでした。

 

「図星みたいですね……動きますよ」

「来て……んっ……あああっ」

「うおっ……うねうね絡まってくる……!」

「すごいっ……ケイタの……太い……! 暴れて、奥に、当たるっ……!」

 そして彼が身体を動かすと、胸の膨らみがぷるんと揺れ、張りつめた肉塊が膣内のヒダを擦ったり、ゴムに覆われた先端が赤ちゃんの部屋をぐりぐり押したり――彼の性欲の化身に蹂躙されるたびに、気が飛びそうなほどの快感が、身体中を駆け巡ったのです。

 

「くぅ……アキさんの身体、やっぱり最高です……!」

「んあっ……私も、ケイタ……好きっ……!」

 南洋のような熱気と、咽返りそうなほどの汗臭さに包まれながら、私たちは妹に見られているのも忘れ、互いの身体を激しく求め合いました。

 

 私の脳裏には、学生時代の彼とのセックスの記憶が浮かんでいました。自宅に妹がいないときや、彼の親がいないとき、そしてときには、学校の体育館の器具室で――人目を忍び、熟しきっていない身体を重ねて愛を散らしていた、甘い記憶が蘇ったのです。

 

 姿形は幾分大人っぽくなり、互いに立派な社会人になっても、気持ち良さは昔と同じ。でも、彼は妹の恋人になっていて、私の恋人ではありません。昔と同じようで、少し違うところもある――そんな倒錯的な感覚が生み出す心情にも、酔いしれていたのです。

 

「アキさん……堪らないっす……んぷっ……」

「んっ……んぷっ……はあ、はあ……ダメっ……おかしくなりそう……!」

 正常位でつながりながら、唇を重ね合い、流れ込んできた彼の呼気が肺胞を満たすと、彼の一部が取り込まれたような気がして――次々に押し寄せてくる快感で、ひどく酔っ払ったような心地になって、意識がすぐにでも、彼方へと消え去ってしまいそう。

 

「ううっ……出るっ……出しますよ……アキさんっ!」

「あ……あんっ……! 来てっ……出して……!」

 彼との交尾の快感で、理性が融解してしまい、限界まで気持ち良くなりたいということしか考えられなくなっていました。性感の波濤が体内に打ち寄せる中、射精の合図を出した彼を逃がさぬよう、私は背中を力いっぱい抱きしめ、腰に脚を絡めます。

 

「出るっ……くぅ……!」

「ふあっ……ああっ……!」

 膨らんだ切っ先が、赤ちゃんの部屋の入り口に触接したその瞬間――私の意識はホワイトアウトしました。

 

「くっ、ああっ……まだ、出るっ……」

「あああっ……!」

 まるで夢現の境界のような、ふわふわした意識の中で感じたのは、彼の甘酸っぱく荒い吐息、胎内で暴れ馬のように激しく脈打つ彼のおちん×んで――いずれも昔感じていたものと、まったく変わっていませんでした。

 

「ああっ……飛んじゃうっ……あああっ……!」

 汗まみれの裸身を弛緩させながら、肉欲をぶつけ合い生まれた最上級の快感に浸る私の思考の最前線に、奥底に潜んでいた感情が、一気に浮かび上がってきました。

 

(ケイタの身体……好き……大好き……)

 

◎

「はあ、はあ……ふう……」

「んっ……はあ、はあ……」

 長かった吐精が終わってからも、私たちはしばらくの間、おちん×んをおま×こに入れたまま、久しぶりのセックスの余韻に浸っていました。

 

「アキ、さん……」

「ん……ケイ、タ……」

「すごい……良かった、です」

「ふう……ふふっ……」

 乱れたポニーテールを弄る彼の指。合わせた胸板から伝わるピッチ外れの彼の鼓動。高校時代と同じで、ときが流れるのが妙にゆったりと感じられる、何とも幸せな事後でした。

 

「はあ、はあ……離そう……精子、溢れちゃうから」

「はあ、はあ……はい……」

 ようやく落ち着きを取り戻した私は、重力任せに圧し掛かっていた彼に結合を解かせます。微かな体温の火傷を私の肌に残しながら、彼が腰を引くと、萎んだ砲身がスポっと抜けていくのを感じました。

 

「さっさと片付けなさいって」

「いやぁ……こんなに出してたんで、つい見とれてしまって……」

 彼が摘んだ淡青色のゴムには、精液溜まりがはち切れそうなほど大量の白濁が溜まっていました。

 

 もしも、そのまま中出しされていたら、夥しい数の彼の子種の弾幕に子宮を蹂躙され、妊娠してしまっていたかもしれません。そんなことを想像してはいけないと、頭で理解していても浮かんできてしまうのは、女としての本能によるものなのでしょう。

 

「そうだ、捨てるのもなんかもったいないですし……アキさん、飲みます?」

「な、何よ、いきなり……」

「ごっくんするの、好きだったじゃないっすか」

「……貸して」

 少年みたいなきれいな顔しているくせして、変なときに悪知恵の働く彼の誘いに、私は見事に乗ってしまいました。

 

「うっぷっ……濃っ……」

「アキさんのま×こ、マジで気持ち良かったからっすよ。腰砕けそうなくらい」

 花の蜜を吸う要領で、ゴムの中の精液を口に含むと、雄のエキスがあまりにもくどすぎて、胸焼けしてしまうほどでしたが――その一方で、彼の子種を全身で受け止めていた昔を思い出し、懐かしい気持ちにもなりました。

 

◎

「ふう……んっ……?」

 神経毒のような事後の気怠さを味わいつつも、呼吸が少し落ち着いたところで、ふと横を覗きましたが、そこにいたのは……

 

「んんっ……はあ……ああんっ……」

 頬を朱く染め、目をとろんとさせた涼月の姿。胸の膨らみを左手で押さえ、もう片方の手をスカートの中に潜り込ませ――中でもぞもぞとかき回しながら、艶めかしい声を漏らしていました。

 

 私たち姉妹は寝るときも一緒ですが、妹が自分を慰めている姿など、私は初めて見ました。彼女が初潮を迎えてから七年ほど経ちますが、彼女から性欲の影を感じたことなど、一切ありませんでした。

 

 姉である私から見ても、清純のかたまりのような妹の涼月。そんな彼女が、私と彼のセックスに興奮してしまったのでしょうか――周りの目も気にせず、自慰にふけっていたのです。

 

「スズっ、スズ……?」

「んっ……あっ……アキ姉さんっ?」

「……おま×こ、弄っていたの?」

「あっ、あああ……ご、ごめんなさい……! ごめんなさいっ……!」

「大丈夫。怒ったりしてないから……とりあえず、落ち着こう? ねっ?」

 悪いことをしたと思ったのか、一気に青ざめ取り乱した妹を、まだ気怠さの残る身体で、懸命に宥めようとしました。

 

「私とケイタがしているのを見て、オナニーしていたの?」

「……」

「大丈夫、恥ずかしいことじゃないから」

「……はい。アキ姉さんと提督がなさっているのを見て、身体が、むず痒くなってきて……」

 最初は口が重い妹でしたが、身体をもじもじさせながらも、徐々に口を開くようになりました。話を聞くに、どうやら私の思ったとおり、セックスを目の当たりにして発情してしまい、オナニーを始めてしまったようです。

 

「私たちを見て、興奮したの?」

「アキ姉さんが……提督のお、おちん×んで……気持ちよさそうになっているの、初めて見て……それで……」

「……それで?」

「アキ姉さんがこんなに気持ち良くなっているの、すごいって思って……わ、わたしも……その……わたしも、アキ姉さんみたいに、え、えっち……したくなって……ううっ……」

 たどたどしく紡がれた言葉の最後には、恥ずかしさからか顔を手で覆ってしまいましたが、性の目覚めに戸惑っている涼月の想いは、十分すぎるほど伝わりました。

 

「じゃあ、やってみよう?」

「え……」

「大丈夫。スズがお願いしたとおり、私が守ってあげるから」

 そんな妹の背中を押してあげたくなって、汗が乾ききっていない裸身を起こした私は、しわくちゃになった布団の上へと誘ったのでした。

 

「ほら、ケイタ。ぼーっとしていないで、服脱がせてあげて」

「ちょっと待ってください、アキさんのこと、もうちょっと感じてから……」

「わ、私のことはもういいからっ、スズのこと考えなさい。スズで勃たなかったら、怒るからね……!」

「心配しなくていいですって。何発でも行けるのは、アキさんがよく知っているでしょう?」

 べとべとになった彼の長十センチ砲を覗き込むと、射精直後だからか、さすがに七分程度の膨らみでしたが、へらへら笑いながら余裕をアピールする様子からは、何度でもできそうな調子に間違いはなさそうでした。

 

◎

「スズ、緊張しなくていいからね。じっとして、ケイタに任せてあげて……」

「……はい、アキ姉さん」

「変に動かないから、すごく脱がしやすいですよ……じゃあ次、スカートいくよ、涼月」

「んっ……」

「大丈夫。怖くないから……」

 彼に制服を脱がされる間、涼月はずっと目をつぶり、脚を崩した体勢でじっとしていました。異性に服を脱がされるなんて、彼女にとって初めての経験でしょうから、緊張するのは無理もないことですが、彼女の頭を撫でたり、二人で声をかけあったりして、少しでも和やかな雰囲気を作ろうとします。

 

「これで、全部」

「やっ……は、恥ずかしい、です……」

「隠さないで、見せてあげて。ほら……」

 そうこうしているうちに、下着まですべて外し終えました。胸と股間を隠そうとする手を払いのけると――花の蜜のような甘い匂いとともに、涼月の白い裸身が、私たちの目の前に晒されました。

 

 服を着ていてもわかるほどふっくらとした妹の身体は、生まれたままの姿になったことで、お淑やかな性格に似合わぬ圧倒的な肉感が、はっきりとわかるようになりました。

 

 柔らかそうな胸の膨らみは、大玉のカボチャのようにぱんぱんに張っていて、埋もれ気味の乳首は純潔を表す桜色で、お尻はどっしりとした安産型で、太ももには雪のような柔肉が蓄えられていて、それでいて腰回りは細く括れていて――私と同じものを食べて育ったとは到底思えないような、欧米の女性にも負けない堂々とした肢体を、妹は持っているのです。

 

「いやぁ……涼月のハダカ、すごいっすね……太ももむっちむちですし、おっぱいもケツも、九〇はありますよね……」

 一戦交えた後とは思えないきらきらとした瞳で、舐めるように涼月の裸身を眺める彼。ストレートな表現といい、私とは違う豊満な身体つきに、すっかり夢中になっているようです。

 

「うう……提督、そんな……じろじろと見られては……」

「ちょっと揉ませてくれっ……」

「ひっ……ああん!」

「うおっ……餅みたいだ。柔らかっ……」

「だめっ……提督……んっ……!」

 我慢できない様子の彼が、涼月の豊乳を両手で鷲掴みにすると、肉が震える小さな衝撃波を伴って、悩ましい顔をした妹の切ない声が響きました。

 

「ふふっ……褒められているんだよ、スズ。スズの身体、エッチだって……」

「んっ……アキ姉さんまで……そんな……」

「やばっ……また勃ってきた」

「きゃあっ……」

 私とセックスするのにあれだけトリコになっていただけに、涼月を気に入ってもらえるのか不安な思いもありましたが、どうやらそれは杞憂だったようです。おちん×んをびんびんにするほど、かわいい妹が褒められたことは、まるで自分が褒められたような気がして、私もつられて嬉しい気分になってしまったのです。

 

「ねえスズ……もっと、ケイタを喜ばせてあげてみない?」

「アキ姉さんがしていたように……ですか?」

「それでもいいけど……せっかくだし、スズにしかできないことを、やってみようか」

「?」

 そして――裸になって早速絡みだした二人を見た私は、妹にうってつけのあることを閃きました。

 

「ケイタ、ちょっと寝っ転がって」

「い、いいっすけど……」

 その準備として、まず彼を仰向けに寝かせます。筋肉質で細身の肉体が成す平らな線形で、乾きかけの粘液でコーティングされたおちん×んが、存在感を放っていました。

 

「アキ姉さん、わたし、何をすれば……」

「ケイタのおちん×んを……この胸で、包んであげて」

「えっ……そんなことを……」

「私の胸じゃできないから、きっと、喜んでもらえるよ?」

 初めてのセックスでするには、少し難しいかもしれませんし、真面目な妹が及び腰になるのも当然でしたが、妹の豊満な胸の膨らみなら、きっと彼を満足させられるはずだと思ったのです。

 

「パイズリっすか……涼月にいきなり、すごいのさせますね。悪いお姉さんだなあ」

「とか言って、ケイタも楽しそうじゃない」

「そりゃまあ……涼月、こっちへ……」

「提督……りょ、了解です」

 彼は脚を開いて膝を立て、お尻を少し浮かせ、胸で擦られやすい体勢になって涼月を誘います。覚悟を決めた様子の涼月は、提督の股間へとにじり寄っていきました。

 

「両手で胸を挟みつけて……上下に擦ってあげるの。やってみて」

「こう、ですか?」

「そうそう。滑った方がやりやすいから、こういうふうに、れろっ……」

「うおっ……びっくりしたぁ……」

 ひととおり形を教えてから、彼のおちん×んに潤滑油代わりの涎を垂らしてあげたところで、準備万端。

 

「大丈夫。私がついてるから……」

「アキ姉さん……わたし、やってみます……」

 あとは本人次第でしたが――大人しそうに見えて、一度決意したらやり遂げるのが妹の性格。優しく微笑みかける私を見た妹のスカイグレーの瞳には、いっそう力が宿っていました。

 

「えっと……こうして……」

「うっ……」

 寄せた乳房をゆっくりと下ろし、乳暈の八合目辺りで、赤黒く腫れたおちん×んの先端を包み込むと、彼が低い呻き声をあげるのが聞こえました。

 

「提督……気持ち良い、でしょうか?」

「うう……涼月、いいぞ、すごくいいぞ……」

 にゅぷにゅぷと柔肉が擦れる音を立てながら、彼のおちん×んを大きな胸で一生懸命擦る涼月。手つきは不器用で、おっかなびっくりやっているのは傍目にもわかりましたが、感触そのものがよほどいいのでしょうか、彼は顎を反らせながら、快感に浸っているようでした。

 

「えっと……れろっ……」

「おふっ!」

「提督……いかが、ですか?」

「すげえ……とろっとろだ……!」

 そして涼月は少し首をかしげ、何かを思い出そうとする仕草を取ったかと思いきや――私がしてみせたように、谷間に涎をたっぷりと垂らし、ぬちょぬちょと生々しい音を響かせながら、大きな動きで擦りだしました。

 

「じゅぷっ……ううっぷ……」

「うっ……涼月、そんな……!」

 さらには最初のフェラを思い出したのか、二つの膨らみの間から顔を出す彼の亀頭を、小さな口で舐めだしたのです。ときおりえづきながらも、野太く喘ぐ彼のことをもっと気持ち良くしたいのか、一向にやめようとはしません。

 

「スズ……ふふっ……」

 そんな妹の、彼に対して健気に奉仕しようとする姿を見守っていた私は――妹のことがいっそうかわいくなって、彼女のことを応援したくなってしまったのです。

 

「……あむっ」

 夢中になってパイズリをしている隙をつき、桃のようなお尻の深い谷間に顔を埋め、安産型の豊かな肉質を頬で感じながら舌を這わせると――つるんとした泉からとろとろ湧き出す蜜が、舌の先を潤しました。

 

澄んだ甘酸っぱさの妹の味は、これまで食べてきた何よりも美味しい気がして、それが口の中に広がるにつれ、頭の中に残っていた痺れが、心臓とお腹を経てつま先まで伝わっていきました。

 

「ひゃああんっ! あ、アキ姉さんっ?」

「じゅぷっ……スズのおま×こ、美味しい……」

「そんな……んあっ、きゃあっ……」

「んっ……ケイタに、続けてあげて」

 秘所への愛撫に涼月は驚き、身体をぴくりと反応させながら喘ぎましたが、なおも私は、妹の匂いの甘露を吸い続けます。今まで聞いたこともないような、鼻にかかった色っぽい響きの悩ましい鳴き声が、彼女への愛おしさをさらに煽るばかりでした。

 

「ぺろっ……」

「んんっ……! アキ姉さん……! んっ……ちゅっ……」

「ううっ……やばい、涼月のおっぱいま×こ……!」

 粘っこい雨音の向こう側から聞こえてくる、重量感ある胸肉がたぷんたぷんと揺れる音、ぺちょぺちょと踊るような舌の響き、そして快楽に翻弄された彼の喘ぎ。

 

 涼月はおま×こを弄られてもなお、胸での愛撫を止めることはありませんでした。私の舌を感じながらも、一途に提督に尽くそうとする彼女の気持ちが伝わってきて――彼女を守りたい思いが、今にも爆発してしまいそう。そんな溢れる気持ちを伝えようと、彼女の蜜壺への口淫を続けたのです。

 

「くぅっ、涼月……うあっ……!」

「えっ……きゃあっ……!」

 そして――聞き慣れた叫びとともに、彼が身体を痙攣させると、びちゃびちゃと柔らかい生地を叩くリズムとともに、脳にこびりつきそうな青臭い匂いが漂いました。

 

「うううっ……すげえ……気持ち良い……!」

「いやぁ……ああっ……うっぷ……」

 涼月の胸の中で果てた彼の射精は、二発目とは思えないほど長く続きましたが、その間涼月は逃げることはなく、生臭い異性の体液を受け止め続けているようでした。

 

 彼が射精している間、私は手を止め、降り注ぐ精液の雨音と二人の嬌声に、ゆっくりと耳を傾けていました。

 

「ふふっ……」

 『気持ち良くなってもらえたんだね』――心の中でそう呟くと、まるで自分のことのように嬉しくなって、思わず笑みがこぼれました。

 

「ふう……すごかった、涼月のおっぱいま×こ……」

「スズの……気持ち良かった?」

「もちろんですよ。ま×こと違ってふわっふわで、こんなの、誰にもやってもらったことなかったっすから……もう一度、やってほしいぐらいです」

「よかった……」

 涼月の反対側に身体を動かすと、そこにいたのは、すっきりとした表情を浮かべながら、布団の上に大の字になっている彼の姿。心から満足している様子に、ほっと胸をなでおろす私。

 

「しかし、処女の妹に、いきなりパイズリやらせて、クンニまでするなんて……悪いお姉ちゃんですね」

「何よ……そういう悪いお姉ちゃんと、とろけた顔してセックスしていたのは、誰?」

 いつもの調子でおどけてくるのもまた、気分上々の何よりの証拠でした。

 

「スズ……うわっ……べとべとじゃない……」

 振り返って涼月の方を向くと――濁った生臭い粘液に、顔と胸をべっとりと汚されていました。

 

「大丈夫だった? びっくりさせるようなこと、させちゃったけど……」

「いえ……提督が喜んでいらっしゃったので……ふふっ……」

 心配する私に対し、切れ長の瞳を狐の目のように細め、精液まみれの顔で口元に窪みを作る涼月。その妖しい微笑は、同性からみても淫靡で――清純そのものだった妹は、男の欲望に染められ、すっかり雌の顔になっていたのです。

 

「……拭こうか?」

「その前に……ぺろっ……ううっ……」

「私の真似しなくても……無理して舐めなくてもいいって……」

「変な味ですけど……頭がくらくらしてきます……」

 彼のすべてを味わいたいのか、涼月は胸を手繰り寄せ、赤い舌を伸ばし、白濁のかたまりを掬い取ろうとします。口に収めた瞬間に顔を顰めましたが、決して吐き出そうとはせず、視線を上に漂わせながら、自分で気持ち良くなってくれた恋人の分身を、ゆっくりと口の中で転がしていました。

 

「アキ姉さんも、ありがとうございます……すごく、気持ち良かったです……」

「そんな……スズのことがかわいくて、つい……」

 身体をくねらせながらちらちら顔を覗き込んでくる妹に、私もつられて、少し面映ゆい気分になりました。薄い銀毛の生えた股間に軽く手を添えているのを見ると、姉の愛撫に戸惑いながらも、しっかり感じてくれたようです。

 

「その……汚く、なかったですか」

「ふふっ……スズに汚いところなんて。すごく、美味しかったよ」

 私の口の中には、柑橘の汁に似た淡い風味が微かに残っていて――舌でそれを感じるたびに、微弱な疼きが身体を包みました。

 

 ひたすらに清い愛情を注いでいたこれまでを思うと、淫臭を漂わせながら、互いに裸になって情事にふけるなんて、何とも不思議な気分でしたが――背徳に手を染めた罪悪感よりも、生身の妹を感じて得た満たされた気持ちの方が、はるかに強いものでした。

 

「おーい……姉妹でいちゃいちゃしてないで、本番いこうぜ……」

「もう、スズと話してるんだから、ちょっと待ってって……」

「アキさんと涼月が絡んでるの見てたら、ほらっ……」

 彼が指さすその先には、ガチガチに膨らんで仰角している精液まみれのおちん×ん。飾りの珠にも張りがあって、二度も大量に吐き出したとは思えない性欲お化けぶりには、ちょっぴり呆れてしまいます――そこもまた、彼の良いところですが。

 

「まったく……スズ、大丈夫?」

「……心配しないで、アキ姉さん」

 陽炎のような揺らめきを含んだ微笑を放ち、私の不安を振り切る涼月。どうやら、これ以上の心配は無用みたいで――私は言葉を続けず、小さな微笑を返事代わりにしました。

 

◎

「提督……」

「涼月、すごいかわいいぞ……」

 私の汗の染みをなぞるように仰向けになった涼月は、覆い被さった彼の姿にうっとりした視線を送っています。

 

 流星のように散る白金色の髪と桜色に色づいた肌が、しわくちゃのシーツの上で、鮮やかに開花しようとしていました。

 

「手、つないであげて」

「提督の手、大きくて、温かいです……」

「へへっ、緊張しますね……初々しくて」

 互いの両手を握りながら、穏やかに微笑み合う二人を見ると、なんだか私も微笑ましくなってきます。

 

『優しくするように』と、彼にお願いするつもりでしたが――どうやら、それは不要のようです。ここまでお膳立てしたのだから、これ以上見守る役目をせずとも、二人に任せて大丈夫だと感じました。

 

「うっ……きっつ……」

「んっ……!」

 二人手を離さないまま、彼が腰を前に出すと、ぴっちり閉じた涼月のおま×こに、生身の砲身が突き刺さりました。

 

 相手が初めてということもあって、彼は慎重に動いていました。そして涼月は、ぐっと目をつぶりながらも、泣いたり暴れたりせず、彼の挿入をじっと受け入れようとしていました。

 

「ふふっ……大丈夫、スズ。もうすぐ、立派な女になるんだから」

 私は妹の耳元で囁くことで、緊張を解そうとするのとともに、弾けようとしている雌の本能を煽ろうとします。

 

「いくぞ、涼月……くっ……!」

「ああっ……! あああっ……!」

 そして、彼がぐっと腰を打ち付けると――微かな鉄の匂いを伴いながら、喚くような涼月の喘ぎが、見守る私の鼓膜を駆け抜けました。

 

 つながり合っているところを覗くと、先ほど味わった甘酸っぱい匂いがむわっと立ち込め、彼のおちん×んが陰毛を残し、涼月のお腹の中に入っていて、大きなシミができたシーツには、彼女の秘裂から飛び散った細かい血飛沫。

 

 彼女の身に起きたことを確かめた瞬間――私の胸がとくんっ、と鳴って、温かい燃料を身体中に送り込むのを感じました。

 

「スズ……おめでとう」

「アキ姉さん……」

 手塩に掛けて育ててきた自慢の妹が、男を知ったことが嬉しくなって、そっと頭を撫でて祝福します。私を見つめるその瞳には、真夏の雨のような大粒の涙が浮かんでいましたが、表情は雨上がりの陽光みたいに晴れやかで、彼女の心に渦巻く歓喜がありありと伝わってきました。

 

「すごい、気持ちいいぞ……涼月」

「提督……嬉しいっ……!」

「ふわっふわで、めちゃくちゃ温かい……」

「わたしも、変な感覚ですけど……お腹の中がむずむずして……」

「ふふっ……それがおちん×んの気持ち良さだよ、スズ」

 初めて味わう互いの性器の感触を、少しとろけた顔で確かめ合う二人を見ていると、見ている私も微笑ましい気持ちになってきます。

 

「アキさんの……いや、今は関係ないや。とにかく、涼月のま×こは最高だっ……」

「もうっ……憎いこと言うじゃない」

 お調子者ですが、こういう大事なときには外さないのが彼。私と比較しようとしたのを取り下げ、目の前の恋人に最大級の賛辞を送ったのです。私は照れ隠しに肩を軽く叩いて、その心意気にエールを伝えました。

 

「動くぞ……」

「はい、提督……」

「くっ……」

「んっ……あっ……」

 二人見つめ合った後、ゆっくりと彼が腰を振り始めると、にちゃっ、と粘膜が擦れる音がして、吐息が震えるような小さな喘ぎを、互いに漏らし始めました。

 

「あっ、あっ……ああん……! えっち、気持ち良い……!」

「うおっ……! すげえ……! ううっ……!」

「んっ……あああっ……! 提督っ……奥っ、だめっ、です……!」

「うああっ……! 涼月の生ま×こ……やばいっ……ううっ……」

 抽挿の回数を重ねるたびに、愛液が空気に触れた濃密な酸味が立ち込め、胸の膨らみが豪快に暴れ、安産型のお尻を叩く鋭い音がして、嬌声はしだいに大きく、そして激しくなっていって、赤道直下さながらの熱気が、絡み合う二人の間を包んでいきます。

 

 経験のある彼の方は、なんとか堪えることができている様子でしたが、処女を散らしたばかりの妹は、涼しげな目元をとろんとさせ、頬をきつい朱で染め、口をだらしなく開き、涎を垂らしながら喘いでいて――初めての快楽に翻弄されているのが、はっきりと感じ取れました。

 

「涼月、涼月……!」

「ああっ……ああん……提督っ、好きっ……!」

「ううっ……オレもだ、涼月……大好きっ、だ……」

「ああっ……! 嬉しいっ……嬉しいっ……です!」

 そしてすっかり夢中になった様子の二人は、ついには腰を振ることと、互いに愛を伝えあうことしかできなくなっていました。

 

「提督……おかしく、なりそう……!」

「涼月……! うおっ……やばっ……そろそろ……」

 そんな、とろけた顔で繰り広げられる生臭い交尾の様子と、手を取り合いながら奏でられる雄々しい喘ぎとかわいらしい喘ぎの和声は――私の心の深奥にも、妖しい火を灯しました。

 

「んっ……あっ……」

 私は涼月の横でうつ伏せに寝転び、彼のおちん×んの感覚が残る股間に手を伸ばし、二本の指を割れ目に突っ込み、中の粘膜をゆるゆるとかき回し出したのです。

 

「ちゅぱっ……あむっ……」

「ああっ……アキ姉、さん……!」

 さらには――目の前で揺れていた涼月の胸の膨らみに、そっと舌を這わせました。新しい刺激が重なり、ぴくんと身体を震わせた妹を余所に、頭の中がくらくらするほど、ミルクに似た甘い匂いをたっぷり吸いこむと、余計に身体が疼いてきました。

 

「ちゅっ……ああっ……ああんっ……」

 他人――それも実の妹と、さっき交わった元恋人――のセックスに興奮してオナニーをしてしまい、満足感と罪悪感が複雑に入り交じった不思議な気分になりましたが、私たちのセックスを見て発情した涼月の気持ちが、よくわかるような気もしたのです。

 

「出るっ……ううっ……!」

「ああっ……提督! おちん×ん、ぷくって……!」

 涼月と彼が果てそうになったのは、それから幾ばくもないうちのこと。

 

 舞い上がるような調子の嬌声を響かせながら、二人を包みこんでいる高密度のフェロモンととろけそうな熱気が、いっそう増してくるのがわかりました。

 

「あっ……ちゅぷっ……」

 それと時を同じくして――自ら慰めていた身体にも、快感の小さな波が押し寄せてくるのを感じていました。脳内に流れる海鳴りを背景に、妹の乳首を軽く口に含み、波を超える体勢を取る私。

 

「うああっ……!」

「ああんっ……!」

 それから間もなくして――電気ショックを浴びたかのように、二人の身体は激しく痙攣しました。快感の波に揺られる私が捉えたのは、仰け反らせて精を放っている提督と、それを受け止める涼月の甲高い喘ぎ。

 

「あっ……ああっ……」

 私にも絶頂が訪れたのは、わずかな時間を挟んでのこと。激しい自慰ではなかったので、セックスとは比べ物にならない微弱なものでしたが、全身がじんわり震え、甘く切ない快楽に包まれて、とても満たされた気分になりました。

 

「くうぅ……! あああっ……」

「いやぁっ……! ああっ……熱い……! ああっ……」

 とても三発目とは思えないほど、長く続いた彼の射精。涼月の身体が反応するたび、咽返りそうなほど強烈な子種の雄臭と、練乳と柑橘が混ざったような雌の匂いが、軽い絶頂でとろけた身体に押し寄せ、軽いトリップのような感覚に襲われたのでした。

 

「はあ……はあ……すず、つき……」

「ていとく……ふふっ……」

 気怠さを残したまま身体を起こすと、そこにいたのは――汗だくの身体を重ねながら、互いのことを呼び合い微睡む涼月と彼。

 

 つながったままのおま×こからは、澱粉のような白濁がとろとろ零れていて、彼の肩に乗せた涼月の顔には、満足そうな笑みが浮かび、さらには男を知ったことで、一段と妖艶になったような気もします。

 

「……頑張ったね」

 無事に初めてを迎え、一人前の女になった妹を見て、また嬉しくなった私は、頬にそっとキスをして、彼女のことを労ったのでした。

 

◎

 ――それから一か月後。

 

「スズ、一緒に入ってもいい?」

「どうぞ、アキ姉さん」

 湯気で曇ったガラスの戸を開くと、手のひらで白い腕の表面をなぞりながら、ゆったりとしたバスタブに張られた乳青色の湯を楽しむ、最愛の妹の姿がありました。

 

 こうして一緒に入浴をするのは、涼月が小さかった頃から続く、私たち姉妹にとって大事なリラックスの時間です。小さなバスタブに身を屈めながら入っていた昔と比べると、快適さの違いこそ歴然でしたが、二人で入る楽しさそのものは、まったく変わっていません。

 

「どう? アイツとの仲は」

「はい……とても、大事にしてくださっています……」

「ふふっ……よかった」

 芒硝(ボウショウ)の香気漂う湯に隣り合って浸かりながら、彼との近況を聞くと、うりざね顔にはにかんだ笑みを浮かべて答える妹。声の大きさこそ小さかったものの、澄んだ声色には弾むような調子が込められていて、交際の順調ぶりがはっきりと感じられます。

 

「胸……大きくなった?」

「……えっちのたびに、提督が何度も、揉んでくださるので……」

「アイツ、本当にそれ好きだね……」

「いつも、優しくしてくださるので……手でそっと包み込むように、してくださるので、わたしもすごく、気持ち良いです」

 頬を赤らめ、身体をもじもじさせながらも、乗り気で語る様子を見ると――性生活も順調のようでした。

 

「……アキ姉さんのおかげです」

「私は何も……ただ、アイツとセックスしただけだし……」

「いえ……それまでは怖かったですが、とろとろになったアキ姉さんを見て……こんなに気持ち良くなれるんだって……それで吹っ切れたんです」

「スズ……」

 涼月からの感謝に照れ笑いしていた裏で、一月前の彼とのセックスを思い出していました。

 

 別れたのにいまさらするなんて……とは思いながらも、久しぶりに彼と身体を重ねてみると、理性が飛ぶほど気持ち良くて、とても満足したのを覚えています。正直なところ――あのような熱い情事を、またしてみたいという望みがないわけではありません。

 

 もっとも――あくまで彼の今の恋人は妹。二人の恋路を邪魔しないよう、一度きりにしようと、心に決めていました。実際に、あれ以来彼とは仕事で電話をしただけで、一切顔を合わせていませんでした。

 

 今までどおり、妹を守ることに徹して、妹を交えた彼とのセックスは、ハプニングとして胸の内にしまい込んでおこう――私はそう思っていました。

 

 しかし――そんな決意は、ひょんなことであっさり崩れてしまったのです。

 

「明日は、遅くなります」

「夜戦でも入ったの?」

「いえ、提督と……」

「そっちね……なら、チェーンはかけないでおくから、鍵は……」

「その必要は……」

「……? どういうこと?」

「アキ姉さんも……また、来ませんか?」

 内容こそ、一月前と同じでしたが――不安を除くための懇願だった前回とは打って変わって、今回の涼月の誘いはおどけた調子で、明らかに乗り気そうでした。

 

「ちょっと……もういいでしょう。不安じゃないんだし」

「今回は、少し違います」

「……どういうこと?」

「アキ姉さんと提督とわたしと……三人でえっちしたとき、すごく気持ちが良かったので、またと思いまして……提督も、アキ姉さんなら大歓迎だと……」

「アイツ……だからって、二度目は……」

 もちろん、私は断ろうとしました。しかし、今回とは百八十度違う動機。単純にセックスを楽しみたいという、思いもしなかった方向から攻められ、そのうえ二人のたっての希望ときたものですから、次第に外堀が埋められていきます。

 

「では、アキ姉さん……」

「?」

 そして決め手は、以前と同じ『あの一言』でした。

 

「今度も……わたしと一緒にいて、わたしのこと、守ってくださいませんか?」

 私に守られて大人になった妹は、私の知らないうちに、人の心を揺さぶるテクニックを身につけていたようです。

 

 大人の色気が付いてきた微笑とともにそれを言われては――取り付く島もありませんでした。

 

◎

 ――そして翌日。

 

「あむっ……ちゅぷ……」

「ああん……提督、くすぐったいです……」

 全裸になった涼月の膝の上で仰向けになり、まるで赤ちゃんのように、以前よりもさらに張った乳房にしゃぶりつく、同じく全裸の彼の姿。

 

「じゅぽっ……じゅぷ……」

「うっぷ……アキさんの口ま×こ、やばっ……くぅっ……」

 そして私も――二人と同じく全裸になって、彼の太いおちん×んを深々としゃぶっていました。

 

「出ますっ……!」

「うっぷ……! うぷ……」

 堰を切ったかのような勢いで放たれた、生臭くて粘っこい子種の濁流。その強烈なクセにえづきそうになりながらも、一滴も漏らすことなく、喉の奥へと流し込みました。

 

「ううっ……出しすぎだって……」

 まるで毒物でも呷ったかのように、胃の中がひりひりしますが、ちゅぱちゅぱと品のない音を鳴らしながら口の粘膜を舐め、その味を名残惜しんでもいました。

 

「いやぁ……涼月のおっぱい吸いながら、アキさんにフェラしてもらうの、最高でしたから……」

「ふふっ……アキ姉さんと一緒に気持ち良くなっていただくの……嬉しいです」

「ほら、涼月もそう言ってますし」

「ケイタったら、相変わらず、調子いいんだから……」

 おどける彼に呆れながらも、似たような場面をこれまで何度も経験してきましたし、さらに妹が楽しそうにしている手前、これ以上盾突くのも野暮でした。

 

「ちょっと、アキさん……」

「……何」

 前回と同じように、彼が手招きして、私を呼び寄せます。

 

(いいんですかぁ? 妹の恋人とセックスしたりして……)

(何よ、誘ったのはケイタからでしょう? 同罪じゃない!)

(だったら、涼月も同罪ですけど……)

(……! 考えるの、やめにしましょう。わたしもあのとき、好きって言っちゃったし……)

(……オレも同じですよ)

(スズのことを一番に考えなさいって! ……やっぱり不安だから、涼月を守るために、しばらく一緒にいることにするわ)

(うまいこと持っていきましたねぇ)

(うるさい……!)

(大丈夫ですって……心配しなくても、涼月を泣かせるなんてしませんから。アキさんに誓って)

 確信犯的に意地悪く絡んでくる彼に、腑に落ちないことを毒づいてはみたものの、何を言っても上手く交わされて梨の礫。

 

 まあ……彼は嘘付きではありませんから、彼が最後に囁いた結論は揺るがないでしょう。私にとっては、妹が幸せであれば良かったから、それを聞けただけでも嬉しかったので、今は二人が望むとおり、三人でのセックスを楽しむことにして、これ以上考えるのを諦めたのでした。

 

「私のときは、ゴム着けなさいよ……」

「見てのとおり、準備万端ですよ」

「じゃあ、跨るわね……んっ……! 大きい……!」

「おふっ……アキさんのま×こ、やっぱり最高です」

「アキ姉さんのお乳は、わたしが……あむっ」

「……っ! スズったら……」

「涼月のま×こも解してやるから、ちょっと寄ってこい」

「はい、提督……どうぞ」

 難しいことをひとまず忘れて彼の上で腰を振る私、とろけた目をして私の身体を愛撫する涼月、そして涼月の秘所を優しく揉みしだく彼――三つ巴の情事は、夜更けを過ぎても続きました。

 

 もし、妹の誘いがあるとすれば――三度目、そして四度目も、後ろめたさを引きずりながらも、彼女に付いて行ってしまうことでしょう。

 

 どんなときも、自慢の妹と一緒にいて、妹のことを守ってあげるという約束は、私――秋月の心の中に生き続けていますから。

 

(終わり)

 




最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。

艦娘官能小説、いかがだったでしょうか? 今後もpixivに投稿してきた作品をアップしていきますので、再度ご覧いただけますと幸いです。

天羽

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