「さあ、始めましょう」
ほとんど暗闇の寝室でアクィラはそう言った。外は雨が降っているしこの部屋はブラインドがしまっていて、もう少し光が欲しい。じゃないとアクィラの顔が見えない。
「アクィラ、もう少し明るくしないか? これじゃあ──」
いきなり手を強く引かれ、バランスが崩れた。床に倒れると思って身を固めたが、返ってきたのは床よりも高くて柔らかい感触、ベッドだ。
仰向けになり起き上がろうとすると上からアクィラがのしかかって来た。
「アクィラだってもっとイチャイチャしたいんですから、ここままでいいでしょ。ほら、やっぱりグラーフだって……」
アクィラの手が私の局部をパンツとストッキング越しにそっと撫でた。ただ撫でただけなのに、局部からは若干の水音がなってしまった。
「もうびっしょりじゃないですか。ほら、早く始めましょう。ね、グラーフ」
凄くねっとりとした口調で名前を呼ばれゾクゾクという感覚が身体中を巡る。
私だって今すぐシたい。しかし、できることならアクィラの顔をもっとよく見える状況にしたかった。
「それはそうだが、アクィラの顔をしっかり見たいんだ」
「えー、それなら」
急にアクィラの顔が目の前まで近づいてくる。お互いの髪が触れ合う程に近づき、彼女の甘い吐息が顔を擽る。
彼女の綺麗な琥珀色の瞳と目が合った。宝石のように美しく見とれてしまう瞳と。瞳が僅かに揺れた後、瞼を閉じ薄い唇を合わせてきた。
見とれていたせいで奇襲を受けた時のようにまともに反応できないまま、アクィラが彼女の甘い唾液に塗れた舌をねじ込んでくる。なんとか押し返して主導権を握ろうとしたが、かなわない。
私の口内を蹂躙するかの如く、舌が動き唾液が送られてくる。彼女の舌が動く度に脳が痺れ、唾液が送らてる度に甘さで幸福感が溢れてくる。
それだけで達しそうになってしまう。
さらにアクィラはストッキングの中に手を突っ込んできて下着の上から焦らすようにゆっくりと雛尖の周りを指でなぞっていく。
本当にあともう少し刺激が強ければイけるというのにそれをしてこない。欲しくて堪らないのに物凄く焦らされている。
ただ、抗議をしたくても口は彼女の舌に陥落し淫らな水音を立て、四肢は快感のせいで言うことを聞かない。為す術もなく、このままやられるという選択肢しか私には残っていなかった。
すぐに息苦しさを感じてしまう。ずっとアクィラが唇を重ねているせいで息ができない。今はとにかく、この状況から脱したかった。
永遠にも思える程に長いディープキスをしてきたアクィラは、満足したのかようやく舌を抜いて口を離してくれた。快感と酸欠で何も考えられない私は反射的に息をした。弱いところを重点的に攻められたせいで、それだけの事なのに気持ちよくなってしまう。もう、アクィラの指でもなんでもいいから欲しい。
「はぁ、はぁ……アクィ、ラ。して欲しい……」
「ふふ、ちゃんと、言ってくださいよ」
アクィラの絶妙な攻めはまだ続いている。羞恥心で普段ならとても言えないようなことも、こんな状況ではすらすらと言葉が出てくる。
「アクィラ、私のあそこをめちゃくちゃに弄って、イかさせてほしい。お願いだ」
「よく言えました。ご褒美に、ほーらほらほらー」
ストッキングの中に入っていた手が私の下着の中に蛇のように張り込んできた。そして中指で弄りながら他の指と掌で揉んできた。
もう、耐えきれない。
「あ、あぁ、もう」
「イきそうですか? それならいっちゃえ」
彼女の長い指が奥まで入った時、身体中に電流が走った。
「うっ、あぁ!」
頭が真っ白になるほど気持ちいい。
なにも考えられない……。
少ししてアクィラがそっと私の体を撫でてきた。ただそれだけなのに感じてしまう。
「大丈夫ですか、グラーフ。まだまだこれからですよ」
「う、ああ……んっ」
またキスをしてきた。私を吸い取るかのように激しいキスを。
ああ、快感と酸欠で意識が朦朧とする。一度休みたいが……。
薄ら目でアクィラを見るととても綺麗で、楽しそうだった。
まあ、いいか。アクィラがするままに私はされよう。
そう考えて意識を手放した。
*
すごく頭が痛い。
体が重い。暑苦しいし湿っぽいし……なんとも言えない匂いが充満している。あと喉が渇いた。
水を飲もうと思って体を起こしたかったが腹のあたりに何かが乗ってて起き上がれない。
首だけ起こして薄ら目で見ると双丘の先に朱い髪が見えた。
とにかく下ろして……髪?
寝ぼけ眼からの情報をはっきりしない頭で理解しようとする。私は裸で、この髪はアクィラのだ。それはつまり──。
一回落ちたあとの出来事を思い出して恥ずかし。顔から火がでそうなほどに。しばらくこのことは思い出したくない……。
「んん……あれ、グラーフ起きてたんですか?」
「今起きたところだ。その、お願いだからそこからどいて、服を着てくれないか? まともに見れなくて……」
部屋が一緒になってから結構よくアクィラの裸を見るが、今でも恥ずかしくて直視できない。アクィラが私の胸を揉みながら若干不満げな目線を向けてきた
「えー。もっとやりません?」
「しばらく勘弁してくれ」
途中で疲れたの許して……。
書いてて楽しいかった。