美少女にTSした僕と狐耳ロリババアのおしかけいちゃラブ生活 作:テモ氏
エピローグ+おまけ
「……ん、んん……」
とんでもなく身体が重い。
まぶたすらも鉛に変わったのかと思えるほどの重みで、ただ目を開けるだけなのに20秒ほどかかってしまった。
カーテンは開け放たれ、窓からは朝――というには高すぎる日が差している。
僕は身体を起こすが、隣につづらの姿は見えなかった。
その代わりに、どこか懐かしい出汁と味噌の香りが漂っていることに気づく。
……いい匂いだ。
「ぬふふ。ねぼすけさんじゃな、おまえさまは。すっかりお昼じゃぞ」
その声に振り返ると、着物姿のつづらがにまにまと笑みを浮かべて立っていた。
昨日とは違う、小豆色で少し落ち着いた印象の着物である。普段着、と言ったところだろうか。
「あ……おはよう、つづら」
「昼餉をこしらえておいたぞ。さ、顔を洗ってくるとよい」
しっぽをゆらゆらとさせながら、どこかはにかんだ雰囲気でつづらは促す。
狐耳幼妻――端的に言って、最高である。
「……おまえさま?」
「あ! ああ、うん。そうだね。顔洗ってくる」
……思わず見とれてしまった。頭を冷やすためにも、つづらの言う通り顔を洗って来たほうが良さそうだ。
洗面所の鏡には、やはり美少女が写っていた。本当にTSしてしまったのだということを再認識するが、まだ慣れない。呼吸しているだけでかわいい。とはいえ、中身は僕である。
鏡の横の棚に並ぶ整髪料やら香水やらが目に写って、この見た目にあったものを買い揃える必要性が頭に浮かんだ。とりあえず妹には相談したほうがいいかもな……。
顔を洗い、ついでにちょっと髪を濡らして寝癖を整えると、僕は食卓についた。
既に準備は整っていて、一汁三菜、完璧な和の朝食がテーブルに並んでいる。
「ささ、熱いうちに召し上がれ」
煮物と焼き魚と卵焼き、そして具だくさんの味噌汁と白菜の漬物。
湯気立つ白米はきらきらと光っていて、まさに日本の朝ごはん、という感じである。
僕がこの部屋に住み始めてから今までで間違いなく、一番立派な朝食だ。
軽く感動しながら席についた僕は、思わず両手を合わせてしっかりと挨拶してから食べ始めた。
「いただきます。どれどれ……ん!」
まず煮物に手を伸ばし、甘辛い里芋を口に入れる。柔らかすぎず硬すぎず、程よく香ってくる出汁が優しい。
久しく食べていない手作りの和食の味は、寝起きの身体にじんわりと染み渡っていく。
お盆を抱えて緊張した面持ちでこちらを伺っているつづらに、僕は端的な感想を伝えた。
「……おいしい」
「おお……! よかった……!! さ、さ、たーんとお食べ、まだまだたくさんあるからの!」
ぱあああ、と部屋が何段階か明るくなるほど嬉しそうな笑顔を浮かべて、つづらはいそいそと向かい側に座る。
じっと見られていては食べにくいのが普通だろうが、僕の箸はつづらの視線にも関わらず止まらない。おいしいのだ。
白米を味噌汁で流し込む幸せを堪能してから、空になった茶碗を差し出す。
「おかわり!」
「ふふふふ、嬉しくなるような食べっぷりじゃの」
言いながら、つづらは手際よく米をよそう。こういう所作一つ取っても、実に手慣れていた。普段から家事を行っている者の動きである。
所帯じみた妖怪というのもおかしな話ではあるが、文化や生活は人間とそれほど変わらないのだろう。
「ていうかつづら、料理できたんだね……てっきりデリバリー専門かと」
「あれは手軽に済むからな。準備の暇がないときに便利なのじゃ。ちなみに、この朝餉の食材もあれで注文したのじゃぞ」
「便利すぎる」
ようは、妖怪向けの通販サイトみたいなものなのだろうと納得しつつ、少々多めによそわれた茶碗を受け取る。
だし巻き卵、米、焼き魚、米、漬物、米と、何を食べても白米に合う。
朝からこんなに食欲があるなんて、まるで高校生にでも戻ったみたいだ。
それだけつづらの料理が美味いというのが大きな要因だが、この体の燃費も悪いのかも知れない。
でも見た目の年齢的にはちょうど学生ぐらいって感じだし、そう考えるとちょうどいいのか……?
「あまり急いで食べるでないぞ? 朝飯は逃げぬからな」
「もご、ん、うん。あはは……美味しくてつい……こんなちゃんとした朝ごはん、久しぶりだし」
「まあ……その……なんじゃな。いつかこういうときが来るかと思って練習しておいた甲斐があるというものじゃな」
「練習? それはその……花嫁修業的な?」
「うむ。あやかし狐ともあろうもの、良妻賢母でなくてはなるまい? ぬふふ」
「そういうものなのか……いや、確かにそのイメージはあるか……」
にやりと笑うつづらに、僕は変に納得してしまった。
>
「ふう……お腹いっぱい」
結局、朝からご飯を二杯と半分も食べてしまった。少し苦しい。
だがやはり、誰かに作ってもらうのが「ただ腹を満たすための食事」と全然違うのは確かだった。幸せである。
洗い物は僕がやると言ったのだが、つづらは僕が椅子から立つのを許さずにてきぱきと片付けを済ませる。
そしてこれもいつ用意したのか、夫婦湯呑にお茶を入れて持ってくると改まった様子で僕の横に座った。
「のう……おまえさま」
「どうしたの?」
「え、えっとじゃな、その……」
ちらりとこちらを見て口を開くつづらは、なんとなく落ち着かない様子だった。
なにか言いたいことでもあるのかと待っていると、数秒あってからひどく平凡な言葉が続く。
「……改めて、よろしくの」
つづらは柔らかそうな頬を赤く染めながら、照れ隠しに湯呑を傾けた。
だが、淹れたてのお茶はまだ熱いのだろう。舌先を湿らせる程度に啜っただけでテーブルに湯呑を戻すと、所在なげに尻尾を揺らす。
かわいい。
「こちらこそ。これからよろしくね、つづら」
気の利いた言葉の一つでも言えれば良かったのだろうが、そんなことが僕にできるはずもない。
誰にでも言えるような言葉で答えて、そっと手に手を重ねた。
こうして、美少女になった僕と狐耳の幼妻の毎日が始まったのだ。
>おまけ
1
「そういえば、一緒にお風呂入るのって初めてだっけ」
「そうじゃぞ! ぬふふ、やはり新婚夫婦といえば共に湯浴みをしてこそじゃな」
湯気立つ風呂場で、一糸まとわぬ姿のつづらが背中を預けてくる。
バストイレ別とはいえあまり広くないから、どうしても密着する形になった。裸の肌に、尻尾の毛並みがふさふさとくすぐったい。
湯船を沸かしたのは久々だ。かろうじて試供品の入浴剤が見つかったのがありがたかった。
「嬉しそうだね、つづら」
「ぬふふ、当たり前じゃろう? 理想の人が現れるまで2000年近く待ったのじゃぞ」
シャワーを出して、軽く浴びながら言葉をかわす。
鏡に写ったつづらの身体は、やはり幼くも妖しく、油断すれば見とれてしまいそうだった。
控えめな胸に水滴が張り付き、きめ細やかな白い肌を玉となって流れていく。
濡れた髪もまた淫靡で、見ているだけでも陰茎が張り詰めていくのがわかった。
「おやおや……? なにやら尻尾に当たっておるのぉ?」
濡れそぼった尾でぴたぴたと僕の下腹部を叩きながら、つづらは鏡越しににんまりと悪い笑みを向けてくる。
「ここで始めるつもりかえ……? くふふ、お風呂えっち……良い響きではないか♥」
「……っ」
ごくりと唾を飲み込んで、僕はそっとつづらの腰に手を添える。
つづらは、尻尾を立てると薄い尻をぴたりと僕の股間に合わせて、誘うようにくねらせた。
「立ったまま……腰が抜けてしまうまでハメたいじゃろ……?」
既に痛いくらい勃起している僕は、つづらの腰つきに合わせてゆるゆると前後に陰茎を擦りつけ始めている。
しかし、なんとか短絡的な欲求にあらがって僕は口を開く。
「か、身体……洗わないと……ね?」
そうだ。ここで普通にえっちしてしまえば、お風呂に入ったからこそできるあんなことやそんなことをしないまま最後まで行ってしまう。
それは避けたいのだ。泡を纏ってお互いの身体を身体で洗ったりとかそういうあれがしたいじゃないか。
しかし、僕のそんな思考はつづらの指先が亀頭に絡みついたことで中断する。
「へうっ!?」
「ぬふふ……穴の奥まで洗うには棒が必要じゃろう……?」
やわやわとした手コキは、それでも十分すぎるほどの刺激で僕を甘やかに責め立てる。
カウパーを陰茎全体へと伸ばすようにして仕上げると、陰唇で口づけするようにぴたりと入り口へ誘導してきた。
鏡に手をついて腰を突き出し、完全に誘う態勢だ。正直言って、とてもエロい。もうだめだ。
「さあて……しっかり洗ってくれよ? おまえさま……♥ それとも、わしが洗うてやろうかの……? くふふ……♥」
「この……っ、隅々まで綺麗にしてやるからな……!!」
2
――そんなわけで結局、のぼせるまでえっちしてしまった。
風呂から上がって湯当たりした身体を休めていると、つづらは甘えるように身体を寄せてくる。
「まったく、おまえさまはえっちで困るのう」
「ど、どの口で言うんだよ……」
呆れたような、咎めるような口調は小憎らしくも可愛らしい。
お互い大きめのシャツをひっかけただけで、ベッドの上でだらだらと絡み合う。
しばしの間、とてもゆったりとした時間が流れていた。
こういうのがカップルとか新婚夫婦が味わう甘いひととき、というやつなのかもしれない。
「よーし、では……」
「ん?」
幸せにひたっている僕に、つづらはおもむろに向き直る。
その瞳には、早くも好色そうなとろ火が灯っていた。
「ここからが本番じゃな……?」
「えっ……!? マジで……!? ま、またやんの!? まだお昼だよ!?」
「なんじゃ、おまえさまはしたくないのか……?」
「そ、それはその……」
したいかしたくないかと聞かれれば、それはもちろんしたい。
それに、切なげに眉を下げて問われてしまうと断りづらいのも確かだ。
「ぬふふ、やはりしたいのであろう? 遠慮するでないわ。それっ!」
「ぬわっ!?」
つづらが指を一振りすると、僕の股間に生えっぱなしだったふたなりおちんちんが消滅する。
「えっ!? ええっ!?」
「そらっ!」
驚く僕をよそに、つづらは自らの股間に向けて同じように指を振った。
光が走るが早いか、つるりとしていたはずの股間に立派な逸物がそそり立つ。
「ふふん、どうじゃ? 昨日ので慣れたからの、もう出し入れ自在よ!」
「だ、出し入れ自在って……」
僕は寂しくなった自分の股間を見て、それから隆起したままのつづらの肉棒に目をやった。
いやでも思い出すのは、昨日のえっちの内容だ。僕もしっかりつづらに処女を奪われている。
「おまえさまがしたいようにできるぞ? こう見えて飲み込みは早いほうなんじゃ。ていっ! ほれ、この通り元通りに――」
もう一度つづらが指を振ると今度は僕の股間を光が包み、先程まで生えていた陰茎が戻ってくる。
同時に、つづらの股間には――あれ?
「……な、なぜ生えたままなんじゃ……?」
困惑するつづら。僕は嫌な予感を覚えた。
これ、もしかして昨日と同じ展開なんじゃ――
「あ? あれ? うむむ、おかしいのう……」
「も、もしかして――」
何度か指をふるが、光は発生してもつづらのおちんちんは消えずに残っている。
なおも数回のチャレンジの後、つづらは泣きそうな顔をこちらに向けてきた。
「……お、おまえさま……戻せなくなってしまったのじゃが……!」
「やっぱり!!」
これは、また大変なことになりそうだ。
昨日のうちにどっちも経験しておくことが出来たのは、不幸中の幸いとでも言うべきだろうか……