『天使』も『悪魔』も呼び方が違うだけ 作:ダルマさんは転ばない
──ピンポーン!
あの日から数日。
俺はかなり後悔している。
彼女でもない女を、流されてエッチなことをしてしまったからだ。
それも大女優の。
有名人とやるのは飯の種になるかもしれないが、実際のところは後悔しかない。全ファンを裏切る行為を強要させてしまったと言って差し支えないのだから。
──ピンポーン!
だからこの来客が誰なのかは分かる。
性を初めて知ったらしい彼女のことだ、若い女が初めて絶頂で気絶して味を覚えたに違いない。
──ピンポーン! ピンポーン! ピンポーン!
だから俺は出ては行けない。
もし俺も彼女に抜かせでもしよう物なら、理性を保てなくなるだろう。
ディープキスをされただけで何か外れたかのように千世子の唇を貪った俺だから分かる。
──ピンポーン! …………ガチャ
「うぇ?」
「あ、居たんだ。居留守はダメだぞ」
「……いや、なんで鍵もってんの?」
「おばさんに作って貰った」
「かーちゃーん!」
まさか自分の家の合鍵を実家に一つ渡していたことが、こんな所で巡ってきたとは……。というかなんで母さんと千世子が繋がってるんだ?
「それは私が報告したからだよ」
「…………なんて言ったの?」
「……フフ、秘密」
俺の仕送り止められちゃうかも……。あとナチュラルに心読まないで。
千世子はそんなもの構わない玄関の鍵を閉めて靴を脱ぎこちらへと歩み寄ってくる。
「はぁ、今日も大変だったよ」
「……お、おう。それは分かったから……ちょっと近くありませんか?」
目と鼻の先。その言葉が似合うほど体が触れられないギリギリのところで千世子はこちらを見上げる。
「ねぇ」
「は、はい!」
「前に言ったこと覚えてる?」
「……うっす」
「シたい?」
「したくな──ッ!」
前回とは違い唇を奪われることは無かった。
だが千世子に急に近距離で押されたことによって体制を崩してしまう。
「な、何すんじゃい!?」
「前回はさ、主導権握られたのが良くなかったと思うんだよ」
「私も初めてだからたっくんが凄いのか私が弱いのか知らないけど」
「──攻めは最大の防御!」
「お前今度こそ頭をおかしくなっただろ」
千世子は俺のズボンの上からブツを摩りだす。
自分でしか触ってこなかったからか、どこか変な感覚が股間を襲って体が萎縮してしまう。
「ちょっ! 待て待て、ホントに待って!」
「待たないよ、……あれ? 硬くない」
「こんな急に迫られて勃つかい」
「……でも前回は凄かったよ」
「あれはアレだ」
「……ちぇー、じゃあ先にご飯にしよ」
千世子は口をとんがらせながら飯を強請る。
というか帰れ。だの色々と言いたいことがあったのだが、突然開放された安堵やらなんやらが溢れ出てきて……。
「お、おう! 任せろ」
なんだかこっちの方がいいと思って乗り気で了承してしまった。
ーーーーー
作り置きしていたカレーに火を通しながらふと思う。
「いや、なんで今日も来たの?」
「そこに戻るの?」
「いや、だってな……」
いくら幼馴染ということを加味しても、こう頻繁に来られると……。
嬉しくはあるのだが、そういうものは表に出してこなかった手前に前開にするのははばかられる。
「それよりさ、こっち来てからのたっくんの話聞かせてよ。なんか高額バイトしてるって言ってたしさ、前は流したけどお金に困ってたりするの?」
「…………いや、金に困ってるって言うかあっても困らないだろ。それにバイトはウチの爺さんの知り合いでな、スーツ着て部屋の前に二〜三時間たってるだけで三万」
「何それ破格」
「お前が言うな」
「それで7桁まで貯めたんでしょ? そのお金の使い道は?」
「んー、たいして使って「あ、オナホールだったね」……傷が痛む……」
貯金全部オナホに使っているみたいな言い方は辞めて欲しい。というか7桁もするオナホって、それもうオナホの領域超えてるだろ。ラブドール(ガチ)買えるぞ、売ってるかは知らんが。
「というか飯の時くらい普通の話をしようぜ」
「そうだね」
千世子と俺は一旦会話を打ち切る。
いや、猥談しか話題ないのかよ。と内心で突っ込んでしまった俺は悪くないだろう。
皿にご飯をよそって2人分のカレーをテーブルに置く。
テーブルと言っても小さなボロアパートでは置けるテーブルなんて、小さなちゃぶ台になるので、2人とも足を崩して座る。
カレーを千世子の方に置く時に、生足が見えて少しやましい気持ちになったのはバレてるだろうが平然を装うことにした。
からかわれるかもと思ったけど、食事前だからか止めてくれた。
「千世子、らっきょいる?」
「んー、大丈夫」
「りょーかい」
律儀に俺が座るまでカレーに手をつけなかった千世子。
こういう所はしっかりしているものだと感心する。
「そういや2回目の訪問だけど、スパン長かったな」
「なに? 会いたかったの」
「いや……まー、そうなんだけどさ。なんつーかアレだ、仕事とか忙しいのか?」
N〇K対策としてテレビを置いていないので、必然的に話すしかない。ネットが普及してるこのご時世に家の中に侵入してくる人はそうそう居ないが、念には念をだ。
近々ぶっ潰してくれると言ってたので気長に待とうと思うが……あれ、最近見ないなあの人達、買収でもされて辞めちゃったのか?
まぁ物珍しさでしか殆どの人は見てなかったと思うから、本気で願ってた人も少ないだろう。
「前の映画の番宣とかで色々と大変なんだ、でも大変な時期は過ぎたから週3で会えるよ」
「……そうか」
「でも今日はお泊まりは無しかな、前みたいに着る服が無くなると明日のスケジュールに響いちゃうし」
「分かってるよ」
蘇る前回の記憶。
あの後に洗濯機にまだ入れたままで干さずにいた服を見て千世子が固まり、数秒後に事務所に遅れるという連絡を入れてたのを思い出す。
事務所も初めての事で困惑したのか、その日は一日オフにして貰えたのだとか。
スターズという大手事務所なら替え玉や代打が何とかなるとのこと。
その殆どの代打に行かされた、星アキラ君に合掌。
「もしオフが貰えなかったら女物の下着をコンビニで買わされそうだったから、なんとか俺の社会的地位は守られた……」
「潰れちゃえよ、そんな地位」
「なんだと!?」
意外とこの天走は「〜〜えよ」とか天使の語尾に会ってない言葉遣いを素でやっているのにテレビではボロが出ないのってプロだな〜と思う。
凄いなこの天使、実は努力と警戒心で出来てる文明の結晶なんじゃね?
「本当にダメだったらノーパンで……ってまだご飯中だったね、美味しいよ、このお米」
「なんでカレーライスなのに米だけ褒めたの? 俺の作ったカレーは不味かったの? カレーなんて大体誰が作っても同じだろ?」
「なんて言うか……安っぽいよね、このカレー」
「チッ、これだからテレビで成り上がったJKは」
「私高校行ってないよ」
「……これだからマセガキは。ロケで高いもんばっか食ってるから舌が肥えてんだよ」
「失礼なこと言わないでよ、ウエスト細かったでしょ?」
「知らんがな」
「脱がせたのによく言うね」
千世子から圧を感じる。
脱がせたのはやっぱり不味かったのか? でも、風邪ひくとアレだったし。
それともガキって言ったからか?
「まだ飯中だろ」
「そうだね」
なんというかアレだ。
性を覚えたてのカップルが発情してるみたいな感じかわかる気がする。
なんて言うか意識してしまうし、少しそういうことに触れないと逆に気にしてるみたいになるから……。
それから千世子、俺の順番で食べ終わりゆっくりする。
「ねぇ、どっちが洗い物する」
そう言ってきたのは千世子からだった。
こう言われなかったら俺がするつもりだったが、何故かこう言われてしまうと反抗したくなる。
「そりゃ飯を作る時に何もしてない千世子だろ?」
「それは恩着せがましいんじゃない?」
「連絡入れずに上がり込んで飯食うやつに恩着せがましいなんて言われたくないんだけど」
「ジャンケンしようよ」
千世子は笑いながら拳を突き出す。
元々こういうのをしたかっただけの口実だったのかもしれないな。
「言い出しっぺが負けるの法則を知らないのか? こうなったら俺は無敵だね」
「いいよ! そんな法則私にはきかないこと教えてあげる」
「「ジャンケン──」」
「おっかしいな〜」
こういうのって言い出しっぺが負けるものじゃないの?
普通に負けて皿洗いしてるんだけど……。
しかもカレーだからいつもの二倍くらい汚れがあって面倒だし。
「たっくん、いつまで経ってもジャンケン弱いねー」
「ジャンケンに強いも弱いもあるか、たまたまだろ?」
「ジャンケンの癖、まだ治ってなかったんだね」
「え!? 俺そんなのあんの!?」
ケラケラと千世子は笑いながら足を伸ばしてバタバタする、随分と楽しそうだ。
「あは! 教えてあーげない!」
今日見た中でも1番の笑顔で彼女はそういう。
可愛い。
テレビで天使ともてはやされるだけあって、彼女の取り繕わない笑顔は本当に綺麗である。
「じゃあそろそろ帰るね」
洗い物をしている中背中越しにそう言われた。
本当にカレーだけ食べて帰るのかというツッコミと、いや何もせんのかい!? という少しばかりの残念さが心の中で粗目立つ。
「おう、気を付けて帰れよ」
そんなこと言える訳もなく背中越しに見送る俺。
本当なら駅くらいまで送ってやるのが筋かもしれないが、如何せん洗い物中は台所から動くことが出来ない。
「ねぇたっくん?」
「どうした?」
「ちょっと期待とかしちゃってた?」
「………………まぁ、ちょっとは」
すると背中越しでわかるくらいに小さく笑われた。
両手が空いていれば千世子の頭を叩いてやりたい。
「ふふ残念でした」
「まぁあれだよ飯だけでも食いに来てくれて良かったよ」
「強がり?」
「違うわい」
そんな会話をしていると、帰ろうと立ち上がった千世子が此方に近付いてきたのが足音で分かる。この部屋の床はボロいのだ。
腰から手を回されて腹で括られる。
真後ろから抱き着かれた。
しかし、前回あんなことがあったからか抱き着かれただけじゃ恥じらうことは…………ないことは無いが、それでも動揺は表に出ることは無かった。
千世子もそうなのだろうか、と首だけ捻って確認しようとすると……。
思いのほか千世子は顔を赤くしていた、前回のが演技だと言うのなら今回は素なのだろうか……。
「ねぇ、ちゅーしよっか」
「……おう」
タオルで手を拭こうにもそんなことを考えるほど正常な脳の回転をしていなかった。
だが、千世子の服を汚してはいけないということだけは頭にあったのかこちらからは抱きつき返さずに千世子は正面に回って抱きつきてくる。
「ちょっと屈んで、身長差で……」
キスをしようと意気込んだものの、千世子と俺の身長差は顔一つ分くらいあるので必死に背伸びをしても届かない姿は見ていてグッとくるものがあったが、加護欲が勝ったのか俺は少しだけ膝を折る。
千世子は俺の首に手を回して逃がさないようにホールドをかけながら顔を近づけてきた。
そして唇と唇が合わさる時に、千世子は舌を捩じ込んでくる。
「──っ♡あっ♡……ふぅ〜ッ!」
前回のように息が持たなくなるほど貪ることは無い。
それは前回ほど欲情していないというのもあるのだが、2回目だということが慣れを作っているのだろうか……。
抱きしめたい気持ちを抑えて両手を千世子に触れないようにしながらディープキスを繰り返すように何度もする。
何分くらいそうやってたのか分からないくらいには、ずっと密着していたと思う。
千世子の両手がプルプルと震え出したのを首で感じ取って千世子とキスをやめて顔を離す。
その時の千世子の顔はとてもテレビでは見せられないような火照った顔に発情しているのが見て分かるくらい紅潮している。
前回のように彼女の性器に手を突っ込んでやりたいのだが、帰ると言っている千世子にそんなことは…………。
そう思っている時、逆に千世子が俺のズボンの中に手を突っ込んできた。キスしている時から俺が勃起していることを察していたのか正確に竿を握る。
「邪魔」
ズボンの中だけでは動かすのが難しいと悟った千世子は、慣れない手つきで俺のズボンを脱がせる。普通のジーパンばったので迷うことなくボタン、チャックと緩めてズボンを脱がせる。
「本当におっきいね丁度握り拳二つ分」
千世子は唾液で両手をヌルヌルにさせて俺のチンコをさする。
所々ぎこちなく、少し痛いと感じることもあったが、概ね気持ちよくそのぎこちなさも興奮させられる。
さすり始めた時よりも触られてドンドンと大きくガチガチになるチンコをみて千世子は少し青い顔をしながらさするスピードが早くなる。
「なんか……もう私が知ってるものじゃなくなってる」
千世子は股を擦って、自分のを満足させようとしているので俺はもう乾いている手で千世子の服を脱がせた。
今日の千世子の服装はワンピースではなく、上と下が別々のロングスカートだったので脱がせようとするが…………。
スカートの脱がせ方が分からない……。
「もう、ここだよ」
本当は拒否しながらということにしたかったのだろうが、まさか脱がせ方が分からないほどウブだと思っていたのか呆れながら左腰の辺りのホックを指さす。
ホックを外してパスナーを緩める。
こうしてみるとズボンと同じようなものなんだと感心しながら千世子のロングスカートを脱がせる。
前回は濡れてしまったので迷惑をかけたが、今回は濡れるものが無くなってしまえば……。
ロングスカートをハンガーにかけて次はパンツを脱がせようとする。
「……なんか、罪悪感が……」
「何を今更……」
今の日本を代表する大女優のスカートを脱がせて下着を下ろそうとするその所作をかなりの罪悪感を感じる。
サーっと脱がすと、前のように愛液が垂れており。それはまるで獲物を目の前にした肉食獣のヨダレのように。
だが、前回とは少し違うところもある。
「あれ、毛の処理したの?」
「……バカ」
モサモサだったのを恥じたのか、今回は前回ほど陰毛が伸びていない。すなわち処理してきたとの事。そんな影の努力を口に出してしまった俺は未熟というのだろう。
立ったままではやり辛いので、ベットに隣合うように座って互いの陰部を触り合う。
千世子は俺の竿をさっきの鬱憤を募らせかなり強めに握る。
しかし、それが丁度良いくらいになり直ぐに果ててしまいそうなのを堪える。
逆に俺は千世子の穴に指を突っ込む。
「まっ!? 長ッ! ♡」
自分の指より長いからか、未開発のところまで届いてしまう俺の指できつい部分まで絡まってくる。
握る力が強くなったり弱くなったりと、快感との間に挟まれて大変なのだろうか……。
「ねぇ♡ッ! 、先にイッた方が負けのッ! ……ゲームしないぃぃ♡!!!??」
「いや、今ので負けじゃん……」
そんなイタズラっぽくしようと思ったのにも関わらず、ゲームが始まる前にイッてしまった千世子のポンコツ具合はいっそ笑えてくる。
奥から液が流れ出てくるのを指で感じる。
「ホントにダメ♡指長すぎ……ッ!」
先にイかされて腹が立ったのか千世子は俺の玉をかなり強めに握る。
「ぐへっ!?」
あまりの刺激というか痛みに変な声が出てしまう俺。
千世子はこの痛みを分かっているのかニヤニヤとこちらをみて笑う。
微笑ましい笑みではなく、イタズラが成功した時に見せる小悪魔な笑みだ。
イラッとした俺は1本しか入れてなかった指を2本入れることにした。
「ちょっ!? 太ォォ♡!??」
それだけで終わるはずもなく、中をかき乱すようにグチュグチュと音を立てながら中を触る。
中に入れすぎると殴られてしまいそうなので、浅めの所を重点的に攻めて、まだ小さい陰核を親指の腹でカスらせるように当てる。
「ッッッッ!!??!?」
思った以上にお気に召したのか今日1番の乱れっぷりである。
「……ほ……とに、覚えッ! ……てろよ」
気持ちよさそうに、それでいて恨めしそうに忙しない千世子を見ながら。あ、これまだイってないと思い出し千世子の両足を持ち上げる。
「ちょっ!? 待って、本番は!」
「いや流石にそれはしないよ」
ムードもへったくれもありはしないこの状況でも、流石にそれをしない理性は残っている。
両足を真上に持ち上げて、太腿の重なるところに俺はチンコを入れる。
千世子の太腿だけでなく、少しだけ陰部に擦れるように調節して腰を動かした。
「あ、これヤバいわ」
「オナホみたいにつかッ♡わないで」
自分でするのとはまるで違う。
千世子のすべすべの太腿と、処理したてで少しチクチクする陰毛、それと一際体温の高い陰部とヌルヌル具合。
千世子も自分のが擦れているかるか軽く何度かイっている。
「ヤバい出る」
ものの数分で果ててしまうのがわかる。
出すにもどこに出すのが正解なのか、そんなことを考えるも快楽に頭を支配されて考えるに至らない。
「ちょっと待って! 服にかけないで!」
わざわざ下を脱いだのに、不要と思った上のシャツを汚されたら意味が無い。明日も仕事があるのに服が汚れては……。
しかし、そんな千世子の叫びも無意味に終わり。
太腿に擦る作業のついでに出されてしまう。
千世子のイジりやらなんやらと蓄積されていた精液は、太腿を使ってシャツと顔に大量にかけられることとなる。
「…………もう、たっくん!」
「千世子……ごめん」
「……もういいよ、1つ上のお兄ちゃんなのにだらし──」
「1回じゃ収まらんわ」
「……え」
太腿で2回、ひっくり返してケツの肉で1回。
最初を含めて4回出して、シャツは裏表、顔と頭と精液をべっとりとかけられて千世子は俺に1回ビンタしてシャワーに入っていった。
細かい回数は分からないが、千世子もイキすぎたのかシャワーに行くときの足取りが産まれたての子鹿のように頼りない足取りだったと記載しておく。
ーーーーー
結局シャツを洗濯することになり、帰りに来ていく服が無くなったので俺の服を貸すが千世子と俺とでは身長がかなり違うのでシャツがブカブカになる。
「もー次からは油断せずに服来たらダメだね」
「……いや、でも汚すって考えると来るものもあるぞ」
「はっ倒すよ」
ニコニコしながら言っているが何となくガチのヤツだと悟る。
「今回も最後まで出来なかったね」
「もとからする気無かっただろ今日は」
「そうだね、今日は……ね」
「……なぁ、次はお前ん家行ってみてもいいか」
そんな突拍子のない俺の言葉に面を食らった千世子がこちらを見る。
しかしそれも束の間、直ぐに表情を取り繕って平然とする。
「へぇなんで?」
「タワマン行ってみたい! あと映画とかみたい!」
意外とピュアな目的で千世子は溜息を零すが、それも悪くないと思って肯定する。
「いいよ! じゃあ次は駅前に集合だね」
「おお! なんか都会の会話だ」
「何それ」
千世子はちょいちょいと手招きして俺を屈ませる。
何をされるのか何となくわかった俺は千世子の目線にまで屈んで、されるまがままにした。
今回は深い方ではなく、浅いキス。
実は今日それが初めてと気づいて、いや逆だろっと内心で突っ込んでたのは内緒の話。
「じゃまたな」
「うん! 予定が空いたらLIN〇するね」
そんな記者に嗅ぎつかれないかハラハラしながら見送って俺は家に戻った。
なかなか本番にいけない…。