一体、どうしてこうなったのだろうか。
きっかけは、単なる親切心だった。
ゲリラ豪雨に振られて濡れてしまった彼女に、自分の家が近いからと雨宿りしていくことを提案した。
彼女は家に迎えを頼もうとしたが、折り悪く車の運転の出来るものが全員出払っていたために、しばらくウチで過ごすことになった。
そんな彼女にシャワーと妹のスカートと、そして妹の手持ちの中に適切なサイズがなかったためにやむなく自分の所有する白シャツを貸した。
それだけ、だったのに。
今、ブカブカの白シャツと健康的な太ももが剥き出しになるほど短いミニスカートだけの彼女に、俺は押し倒されていた。
「うふふ……楽郎、くん♡」
艶めかしい笑みを浮かべて自分の名を呼ぶ彼女からは、ほんのりとアルコールの匂いが漂ってくる。
彼女の姉から預けられたという一本の水筒には、ライオット・ブラッドの混ぜられたアルコール飲料……即ちレジストが入れられていた。
一体何故にそんな物を未成年である妹に持たせたのかは俺の知るところではないが、ともかく今の彼女は、深く酔っ払った状態にある。
そんな彼女の瞳からは、理性の光が抜け落ちていた。
馬乗りになった斎賀さんはその上体を倒して……ガッチリと密着してきた。
「んぅ……♡」
まつげの本数まで数えられそうな程に近い、視界いっぱいに広がった彼女の顔。
シャワーを浴びただけなのに、脳髄の奥をしびれさせるような匂いを醸し出す彼女の体とか。
蛇のように絡みつかれているせいでどうしようもなく感じてしまう、押し付けられた太ももや胸部の質量兵器の柔らかさとか。
今まで意識して排除してきた女の子としての要素が、自分の心を右ストレートで殴り飛ばす。
「はぁ……♡ 楽郎君の、体……うふふっ、思ってたより、がっしりしてます……♡ すぅ……」
するりと、白魚のような細く長い女性らしい指を体の隅々まで這わせていく。
頬を撫でるところから始まり、頸動脈のとくとくという鼓動を感じ取り、シャツの中へと手を突っ込んで脇腹から胸まで余すところなくなでつけていく。
「楽郎君の、匂いぃ……♡ はぁ……ずっと、ずっとこうしたかった……♡」
シャツをズリ下げて露出した胸元に顔を突っ込まれる。
そのままゆっくりと、じっくりと味わうようにして彼女は深呼吸を繰り返す。
熱く湿った彼女の吐息が、じっとりと俺の胸元を濡らしていく。
「ん……れろ♡」
喉元を通った、熱く湿った、ざらついた感触に思わずびくりと体を震わせた。
己の許容限界を第二宇宙速度で吹き飛ばす出来事の連続に、視界はぐるぐると周りただでさえ破損していた判断力がゴリゴリと削られていくのを感じる。
「楽郎君の、あ、じ……んふふふぅ♡」
「んーぅ……ちゅううう……~~~♡♡♡」
鎖骨のあたりへと近づいた彼女は、そのまま離れることなく、時間を掛けて痛いくらいに強く吸い付いてきた。
「ちゅ……ぷはぁ♡ んふふ……楽郎くんに、つけちゃいました。私のものだっていう、証、拠……♡」
口づけた場所に、彼女は自分の指を這わせた。
ちらりと視線を下へ向ければ、そこには赤い虫刺されのような痕。
言い訳のしようもなく刻まれた、紛うことなき
自らの所有権を他人に主張されるという、場合によっては業腹物のその行為に、何故か自分は背筋をゾクゾクとする背徳的な快感を感じていた。
「ふ、ふふ……♡ あ、そうだ♡」
良いことを思いついたと言わんばかりに笑みを深めた彼女は、
見てはいけないという理性の叫びに咄嗟に目を逸らそうとしたが、横合いから本能と刻まれた握りこぶしが飛び出してきてその意志を殴り飛ばし、眼前の光景に目が釘付けにされてしまう。
「はい、楽郎くん♡」
そして、露出した胸元がぎゅうっと、と自分の顔へと押し付けられる。
張りのある温かな、それでいてどうしようもなく柔らかい彼女の豊満な胸の感触が、自身の頭を包み込む。
「私だけじゃ、不公平、ですよ、ね? ……だから、楽郎くん、も♡」
ギチギチと、理性を繋ぎ止める綱が引き絞られていくのを感じる。
ここで振り切れてしまってはいけないと、そう押し止める声がする。
だが――
「つけて、ください……♡ 私が、楽郎くんのものだっていう、証拠……♡」
「私が、楽郎くんに、したみたいに♡」
「私のこと、アナタのものに、してください……♡」
「大好き、ですよ♡ 楽郎くん♡」
ぶつりと。
何かが千切れる音がした。
「ひゃん♡」
抱きついてきていた彼女を、初めて自分から抱きしめ返す。
同時に、目の前の果実に強く吸い付き、自らの舌でその柔らかさを味わい尽くす。
「ひ、あぁ♡ あ、これ、だめぇ♡ ……楽郎、くんが……私、にぃ♡♡♡」
何かに耐えようとするかのように、ぎゅっと、抱きしめる力が強まっていく。
そうして強く抱き寄せられるほどに、自分が感じる彼女の体の感触も強くなっていく。
息苦しさすら感じる中で、もはやこのまま溺れてしまっても構わないとばかりに、強く吸い付き返す。
「ん……♡」
ちゅぽん、と。
唇を放すと、彼女は上体を起き上がらせて自らの胸元へと視線を向ける。
そこには、今しがた自分がつけたばかりの
「あぁ♡ 嬉しい……♡♡♡ これで、私は、アナタのものですよぉ♡ らく・ろう・くん♡ うふふふ♡♡♡」
何がそんなに嬉しいのか、自らを抱きしめてくねくねと喜びに体を踊らせる。
「………………じゃ、じゃあ、こういうことも、して、いいんですよ……ね♡」
今度は、自分の胸元に顔を寄せるでもなく、自身の豊満な胸を当ててくるでもなく、その美しい顔を、ゆっくりと近づけてきた。
瞳を閉じて、唇を突き出すその動作が何を意味するのかわからないわけはなかったが、それを押し留めようとする理性は完全に崩れ去っていて。
息を荒らげて顔を近づけてくる彼女を、ただ黙って受け入れた。
「んぅ……♡♡♡♡♡」
自身の唇を、柔らかく湿った感触が包む。
「ん、ふぅ……♡」
脳髄の奥まで蕩かすような快感が突き抜ける。
時間も、体の感覚も曖昧になるほどの多幸感が全身を犯し溶かしてく。
「あはぁ……♡♡♡」
ふわりと彼女の体が離れ、温かだった唇が冷たい空気に触れる。
そこで息継ぎをして初めて、自身の体が空気を求めて喘いでいたことを自覚する。
「う、うふふ♡ ……きす、きすぅ♡ キス、しちゃいましたぁ……♡♡♡」
「………………ふふ♡」
頭の奥は熱く煮えたぎり、まともな思考もままならない中で、彼女の瞳に光が灯ったのを見て取る。
けれどそれは、間違っても今までどこかへと飛んでいた理性の色ではなく、むしろ何かへと振り切ったが故の熱情の色が宿っていた。
「もう、だめです♡ 止まれません♡」
徐に、彼女の指先が自らのズボンへとかかる。
それだけはいけない、そう叫ぶ理性も自らの中から消え去って久しい。
「ずっと、ずっと感じてました♡ 楽郎くんの、ここが……どんどん、硬く、おっきくなって、いくの……♡♡♡」
「姉さんから、勉強しなさいって、本を渡されて……それで、勉強したから知ってるんです……♡」
「とっても、恥ずかしかった、けど……でも、もし、楽郎くんとするならって、想ったら……不思議と、嫌では、なくて……むしろ、どきどきしてぇ……♡♡♡」
「楽郎くんと♡ ……楽郎くんなら♡ ……楽郎くんの為にぃ♡♡♡ って、ずっと♡」
「だから、知ってるんです……♡ ここが、おっきくなってるってことは……いいんですよ、ね♡」
「楽郎くんも、シタいんですよ、ね♡」
するりと、ズボンがズリ下げられ、自らの一物がピンと立つ。
「ふわぁ……♡」
びくびくと、期待に震えるそれを恍惚とした表情で見つめる彼女。
彼女はスカートをまるで自らの秘部を見せつけるかのようにその裾を持ち上げる。
我慢できないとばかりにだらだらと愛液を溢れさせるそれが、屹立する自らのモノへと宛てがわれる様を、自分は拒絶するでもなくただ見ていた。
「い、いれちゃいます♡ シちゃいます、よぉ……♡♡」
ずぷり、と。
余りにもあっさりと、自分と彼女は繋がった。
「んぅぅぅぅっっっ………………♡♡♡♡♡」
熱く煮えたぎるような感触が、包み込んだ。
「ぁ、ぃ♡♡♡ こ、これ……ひゅご、い♡♡♡ トんじゃいそう、れすぅ……♡♡♡♡♡」
「う、うれひぃ……♡ は、初めてを、楽郎くんに♡ 捧げ、られて……♡ しゃぁわ、せぇ……♡♡♡」
「楽郎、くん……♡♡♡」
倒れ込んできた彼女を優しく抱きとめる。
「んぅ♡♡♡」
ねだるように唇を突き出してきた彼女を受け入れ、左手を背中に、右手は彼女の頭を撫で付けるようにして抱きしめ、唇を交わす。
「ん、ふぅ♡ じゅる、ちゅ♡♡ ぷはぁ……♡ ん、ちゅう♡♡♡」
飽きもせず水音を響かせながら、深く深く繋がり合う。
柔らかく温かな感触が唇を包むと同時に、自らの一物を締め付ける力が強くなる。
「……もう、いいですよ、ね♡」
そうつぶやいた彼女は、ゆっくりと腰を持ち上げて、勢いをつけて落としてきた。
肌と肌がぶつかり合い、ばちゅん、と汁気を含んだ音が響く。
「ぁっ♡♡♡ 楽郎くんの、が……♡ でたり、はいった、りぃ……♡♡♡」
ずっちゅ、ずっちゅ、ずっちゅ、ずっちゅ……!
最初の一回を乗り越えたことで振り切れたのか、彼女はそのままリズミカルに腰を上下させる。
「ぁ、あぁ♡ ひぁ♡ これ、いぃ……♡ すごい、れす♡♡」
「ら、らくろう、くん♡ こ、このまま、ちゅー♡♡ ちゅーしてくら、はい……♡♡♡」
「ん、ちゅう、じゅる♡♡ れろ……♡ ちゅ、じゅるる……♡♡♡」
もはや幾ばくの猶予もない。
口づけをねだる彼女を抱きしめながら、自分の声が荒くなっていることを自覚する。
「ひ、あ♡ びくびく、して、きました♡ ……も、もう、私もぉ♡」
「い、いいです、よ♡ らくろう、くん♡」
「あなたの、すきにして♡ わたしの、ぜんぶ……あなたに、ささげます、からぁ♡♡♡」
「すきなとき、すきなだけ……♡ あなたののぞむまま♡」
「おねがい、れす……♡♡♡ どうか、わたしの、身も、心も……♡」
「
その言葉が、最後のひと押しとなった。
「ひ、あああああああああああああ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」
どくどくと、自らの一物が脈動する感覚がある。
その脈動に呼応するように、絶頂を迎えたのだろう彼女が自分の体の上でビクビクと震える。
「あぁ……♡ わらひの、ナカ……らくろうくんので、いっぱいぃ……♡♡♡」
彼女の体の震えに呼応して、彼女の秘部もまたビクビクと震えていた。
溢れ出る子種は、最後の一滴まで、自らの裡へと収めるのだとばかりに。
「はぁ……♡」
互いに、絶頂の余韻に浸る中で、今日一番の幸福に満ちた笑みを浮かべた彼女は、
「愛してます、楽郎くん」
それだけを呟いて。
がっくりと意識を闇に落とした。
互いに理性を取り戻して、改めて話し合いをすることになるのは、それから数分後のことである。