粘液と同居するドマゾレズ娘の話。 作:飯妃旅立
「君の血、君の汗、すっごく美味しい! 大好き!!」
「な、何よコレ……水が、喋ってる?」
「ねぇ、ねぇ、君と一緒にいたい。君。貴女。貴女と一緒にいたい。何をあげたら、何をすれば、一緒にいてくれる!?」
「気持ち悪いっ! 化け物、化け……うっ」
「お願い、一緒にいたいんだ。一緒にいたいの。一緒にいたいのよ。私、私は貴女と一緒にいたい」
「……別に、何もしなくていいけど。
「やたっ!」
初めて粘液と会った時の話だ。
その頃、なんというか、私は稚拙ないじめにあっていた。
下手人はミヤちゃん。新入生のホープとして、才能に恵まれたエースとして入ってきたプライドの塊だった彼女は、上級生たちの中の中心人物……まぁ私に目を付けた。私を御せば、下せば、このテニス部が自身のものになると踏んだのだろう。
彼女のする嫌がらせは稚拙も稚拙で、誰の仕業かも丸わかりのお粗末極まりないものだったけど、それら嫌がらせが私に効かないとわかると今度は暴力に出るようになった。私が何の抵抗も何の告発もしなかったのが原因だろう。「こいつは声を上げる事が出来ない」と判断されたか、二人きりの倉庫や更衣室などで暴力的手段を取るようになったのだ。
そんな時だった。
後から聞けば「美味しそうな匂いにつられてテニス部の倉庫に潜んでいた」らしい粘液が、私に手を上げるミヤちゃんの前に躍り出たのは。
冷めた目でミヤちゃんを眺めていた私の前で、ピンク色の半透明に巻き付かれたミヤちゃんが声を荒げ、嫌悪の声を発するも口を塞がれ、白目を剥いた。それら一連の行動がまるで無かったことかのように「一緒にいたい」と懇願してくる粘液に、私も大したリアクションは取らなかった。
気を失ったらしいミヤちゃんから粘液が引き摺り出され、ミヤちゃんは床に転がされた。私はテニスウェアのまま粘液に纏わりつかれ、汗や、そして傷口から出ていた血液を舐めとられてもノーリアクション。驚いていないわけではなかったけれど、些事であるとも思っていたから、こういう対応だった。
一通り食べ終わってご満悦と言った様子の粘液は、しかし口を開く。
「それで、コイツどうする? 私、ユリを傷つける奴を許して置ける自信がないんだけど」
第一声より随分と少女っぽくなった粘液の言葉に、ふむ、と考える。
確かに。
確かに、
ミヤちゃんの所業を今まで見逃していたのは、ミヤちゃんが誰にも喋る様子が無かったからだ。私をいじめている事、私が無抵抗である事を誰かに言いふらしていたら、言いふらそうとしていたら、普通に抵抗していたし、なんならいじめ返していたかもしれない。ミヤちゃんはそれをしなかったから、今まで大丈夫だった。
けど、これは無理だろう。
粘液を見て、粘液に気を失わされた。それがちょうど私と一緒にいる時で、私に何もない。さらには粘液自身が私に好意を寄せているようなことを口走っていて、ミヤちゃんはそれを聞いてから気を失った。
流石に、言いふらすだろう。警察に言うかもしれない。
それが信じられるかどうかは別問題で、私が誰かの注目の的に、誰かに嫌疑の視線を向けられる──それは嫌だ。余りに面倒だし、単純に嫌だ。
だから、生かしてはおけない。
「じゃあ、同化してしまえばいいよ」
「同化?」
そこから聞かされる、なんとも
ミヤちゃんを私がどうにかするより、よっぽど簡単だったから。
だから。
粘液に倫理観を崩された、なんて被害者ぶったけど。
私は、初めから。
「う……ユリ、先輩……?」
「おはよう、ミヤちゃん。もう夕方だけどね」
「ぁ、そ、そう、さっきの化け物は……!」
「ここにいるよー」
「ひっ!?」
仰向けに寝かされたミヤちゃんを見下げて、微笑む。こんな笑顔、彼女に向けた事は一度だって無いのに。ただ裸に剥いた彼女の肢体が思ったよりも綺麗で、嬉しくなってしまった。
ミヤちゃんは未だ状況把握が出来ていない様子で、自身が全裸であることよりもうにょーんと伸びてきた粘液に驚いている。
「な、で、こんな化け物と……まさか、
「ありゃ、心の中ではそう呼んでたんだ。一応先輩って思ってくれてると思ったんだけど」
「体が動かない……きゃああ!? なんで、裸でっ」
「なんで、って。そりゃ」
「これから食べられるのに、服があったら邪魔でしょ?」
その言葉に、蒼褪めるミヤちゃん。
「ぁ──へ、へぇ~。ユリ先輩って、そういう趣味があったんですかぁ。気持ち悪い……」
「おお、この状況でも強がれるんだ。凄いね、君。そして、正解。私はレズだよ。女の子大好き。ミヤちゃんの身体も舐め回したいくらい、好き」
「……最低。気持ち悪い。それ、部のみんなが知ったらユリ先輩の人気は失墜ですね。ほら、今の内ですよ。早く拘束を解いてください。今なら、黙っててあげますから」
「今から食べられるミヤちゃんこそ"今の内"じゃない?」
「もしかして快楽で落とせばどうにかなるとか思ってます? 前に言い寄ってきた男子がそんなこと言ってきましたけど、まさかユリ先輩までそんなこと」
「美味しそうだよね。この──お腹」
ぐ、と。
力を込めて、ミヤちゃんのお腹を圧迫した。
「暴力ですかぁ? その程度で、」
「それじゃ、お願い。遠慮はしなくていいよ。がぶっと行っちゃって」
「いや、あのね、ユリ。別に私達は捕食するわけじゃないんだけど……」
この頃は同化に対する理解が薄かったから、粘液の反応は些か引いたものだったけど。
私の言葉に、ミヤちゃんは"食べる"の意味を悟ったらしかった。私からの性的なソレではなく、
「い、いや! そんな、そんな事──」
今更慌てふためき始めたミヤちゃんから離れる。
彼女の身体はボール入れ*1の蓋をするようにして乗せられていて、四肢はその下部に縛り付けられている。つまり仰向けにお腹を突き出した状態で、背中側にはゴツゴツしたボールがある。そんな状態。
全裸でお腹と股を突き出して懇願を重ねるミヤちゃんは酷く滑稽で、なんとも情欲を誘う。
「なんか妙な勘違いをされてるけど……まぁ、いいか。私の大切なユリに傷をつけた君は、もう要らない子だし」
「あ──謝る、謝るから! ユリ先輩にしたこと全部謝る! 謝ります! もうしません、絶対にしないから、」
「私に謝られてもなぁ」
「う──ぷ」
触手モノよろしく、膣やら肛門から責めていくものだとばかり思っていたけど、粘液の取った行動はそうではなかった。
もっと上。真ん中。
臍だ。人体の洞に、そのピンク色をちゅぷ、と挿入したのである。
「げ、ぁ……あ、あ! お、お腹、おながっ! 動いて、ぐちゅって、あが、ぶ、ぇ!」
くちゅくちゅと、響く。音が聞こえる。
自分でオナニーをする時のような水音。それが、ミヤちゃんのお腹の中から聞こえてくる。ぶちぶちとか、ぶしゃ、とか、一瞬でも想像したようなグロい音じゃなくて、可愛らしい水音が。
反してミヤちゃんの反応は激烈だ。目を白黒させて舌を突き出して体を痙攣させて。あ、おしっこ漏らした。
「臍姦……勉強になるなぁ」
「え?」
「あ、ううん。なんでもない、続けて」
ミヤちゃんの腹部は不自然に盛り上がり、あるいはへこみ、それが流動して脈動して、そこだけ別の生き物みたいになっている。そしてその膨らみは段々と胸の方へ上がっていく。胃腸はもう同化し終わって、次は上へ、上へ。そういうことなのだろう。
開いた股座から尿と、そしてどろっとした液体……愛液を溢すミヤちゃん。お腹の中を侵されて感じているのだろうか。だとしたら、私なんかよりよっぽど変態だ。
「気持ちいいの?」
「ぁ……? ぁふ、ふふ、えへへ……」
「この子の四肢はあらかじめ同化してたからね。残りの部分が私になることは、気持ちいいよ。完全に私と同化したら味わえない快楽だから、今限定だね」
「へぇ。……ミヤちゃん、おっぱい吸っても良い?」
「ぇぁ?」
良いみたいなので、その発育途中のおっぱいにしゃぶりついた。あぁ、女の子のおっぱい。甘噛みしたり、前歯で挟んだり、奥歯で磨り潰したり……んんー、下級生のおっぱいは良いなぁ、やっぱり。
「んはぁ……きもちい、きもちい~……これ、良い……」
「ミヤちゃんのトロけきった顔も可愛いねえ。いつものキツい感じも好きだけど、ふふ、これなら早い所押し倒しておくべきだったかな」
私が無抵抗にミヤちゃんのいじめを受けていたのは、最初に述べた理由だけではない。
可愛い女の子だ。それが二人きりで虐めてくるという状況。
自分から手放すワケ、ないじゃん?
「ああ、溶けちゃう……わたひが、とける……溶ける、溶ける、溶けるの、きもちい……!」
「あ、同化するのはいいけど、ミヤちゃんの性格は残してね? 思い通りになるにしてもキツいままが良いから」
「残すも何も、そのままだよ。ただ同化するだけだし。それじゃ、全部同化するから、ユリ。少し離れて」
「気持ちいい……気持ちい、きもひ、きもひい、か、ら」
ドロドロと。ドロドロと。
溶けていく……ミヤちゃんの全身が、ピンク色の半透明に溶けていく。テニスボールへと滴り落ち、今や首だけを残す粘液にまで溶け落ちる。
そんな、首が。唇が。
「気持ちいいの、気持ちいい、から……たすけ、ゆり、せんぱ」
「ミヤちゃん、可愛いねぇ」
助けを乞う唇にキスを落として。
直後、ミヤちゃんの首の全てが粘液へと変貌した。
「……え、全部溶けちゃった。ミヤちゃんは? 死んじゃったの?」
「いや同化しただけだって。待って、今再構成してるから」
テニスボールへ纏わりついていたピンク色が、ずずずっと一か所に集まり始める。それは瞬く間に人型を取り、さらに細部のディティールが浮き出て──ミヤちゃんになった。
ミヤちゃんに、成った。
「何馬鹿みたいな顔してるですかぁ? ユリせんぱぁい。んんっ……あぁ、随分と遅くなっちゃいましたねぇ。今日の所はこの辺りで切り上げましょうかぁ。ふふっ、ユリ先輩、きもっち悪い趣味の、ユリ先輩。次のいじめは、覚悟しておいてくださいねぇ」
言って。
倉庫の隅に投げ捨てられたミヤちゃんの服を手早く纏って*2、ミヤちゃんは倉庫を出て行く。その足取りもその背中も、ミヤちゃんそのもの。嗜虐に歪んだ顔さえも全く同じだった。
「あれは──」
「演技じゃないよ。あれはあの子そのもの。言ってるでしょ、同化だって」
「……ふぅん。じゃあ明日から、今まで通りのミヤちゃんとえっちできるって認識で良い?」
「……うん、いいよ。それで。あの子だけじゃない、今日からユリは誰とでもえっちできるから。誰にでも、私が成ってあげる。その代わり」
「汗と血だっけ? 血はあんまり吸い過ぎないでほしいけど、その程度ならいくらでもあげるよ」
「あ、体液ならなんでもいいよ。だからユリのおつゆでも唾液でも大歓迎!」
「ふむ、win-winじゃん。ちなみに名前とかある? これから一緒に暮らすなら、必要かなって」
「無いよ。好きにつけてくれていいし、コイツとか粘液とか、なんでもいい」
「それじゃ、その時々で」
そんな感じで。
その日の夜、前から気になっていた女の子になってもらってものっそい激しいレズセをして──粘液との出会いの一日を終えたワケである。