pixivからの転載
セベクは、一般的には良くて凛々しい、悪くて威圧的と言われることが多いらしい。確かに1年生の中どころか、在校生の中でも彼ほど大きい声で話す者はいない。発言の内容も中々に刺激的らしい。らしい、というのは自身はよく知らないからだ――自身の前では「マレウス様の前で失態はしないぞ」と元気良く振る舞う姿しかしないので。
それもすべて、閨では鳴りを潜めるのだが。
「……あっ、若様、若様いけませんっ……」
「なぜだ? 僕のモノをここまで締めつけておいて……苦しいぐらいだ」
「あっ、もうしわけありません、あっ、あっ、――!」
しがみついてきた体が爪を立てる。恐らくそれにセベクは気付いていない。気付いていたら「マレウス様の体に傷を付けるなど」とセップクしかねない。あとでこっそり治しておこうと思いながら、セベクの中に精を放った。それとほぼ同時にセベクからも精が放たれた。
今夜の夜伽も激しかった。セベクと閨を共にするといつもこうだ。セベクが全力で挑んでくるからこちらも全力で挑んでいる。セベクの息切れを聞きながら、自身はセベクの前髪を乱して口付けた。その行為に、放心状態だったセベクはしばらく気付いていなかったらしい――ある瞬間、瞳が晴れたかと思うと、慌ててベッドから立ち上がろうとした。それを、腕を掴んで引き留める。
「どうしたんだ。どこに行こうと言うんだ」
「いえっ……あの」
言いながら、片手で前髪を押さえている。それを必死に掻き上げようとしながら、体中に赤い痣をつけたセベクはその扇情的な姿でベッドを去ろうとしている。それを引き留めて見つめていると、前髪を押さえたままのセベクは、掠れるような小さな声で言った。
「……このような頭では、マレウス様の前にはっ……」
――そう言えば、自身の前ではいつも髪をオールバックで整えていた。あまりに隙がないので、今夜心やりに乱してみたのだが……思ったより効果はあったようだ。まだ息切れをしたまま、赤い顔をしている。それを見て、自身は強引に彼をベッドに引きずり込んだ。目を瞠ったのはセベクだ。
「若様っ?!」
前髪を押さえる手が外れた。それを良いことに、再び前髪に口付けを落とす。そしてぽかんと見つめてくるセベクに微笑んだ。
「このお前も愛い。朝までそうしていろ」
そう言って抱き締め、蒲団を被る。セベクは何事か言いたそうだったが、
「……若様のお言いつけに従います……」
そう言ったきり、黙って自身に抱き締められ続け、やがて寝息が立ちはじめた。今夜も無理をさせたから疲れたのだろう。その寝息につられるように、自身もサンドマンが眠りの砂を吹きかけに来て、眠りにつくことになる。
さて、いつもより疲れ果てていたセベクが、常ならば早朝に起きて自室に戻るところを、この日の朝に限っては自身と共に寝てしまい(しかも互いに裸)、起こしに来たリリアに「茨の谷の次期王の嫁は決まったようなものじゃな」と言われることになる。
End.