これはほんの少し肉食系になった山田杏奈と。
それに食われまくる市川京太郎の物語。
キャラ紹介
《メイン》
【山田安奈】:当作品の
【市川京太郎】:当作品の
《山田'sフレンド》
【小林ちひろ】:通称「彼氏さん」by市川。山田の保護者。エロ漫画だったらチャラい奴に秒で抱かれそうなチョロさ。
【関根萌子】:通称「ビッチ」by市川。オタクに優しいギャルは実在する!! ドン!!!
【吉田芹那】:通称「にゃあ」by山田。ぱっと見ヤンキー、けど滅茶苦茶いい娘。漫画の最終回で適当な男キャラとカップルにされてそうな雰囲気がある。
【原さん】:山田×市川ガチ勢。多分ベッドの上だと死ぬほどスケベ。
「痴漢だって、痴漢! マジヤバくない!?」
朝、始業前の教室で山田といつもの萌え漫画3人衆がやいのやいのと騒いでいた。僕レベルになれば、視線を向けずとも周囲の噂話を正確に耳に入れることが出来る。寝たフリをしつつ、常に周囲の情報に気を配ってる僕に死角は無い。
話を聞く限り、今朝通学の電車で痴漢騒ぎがあったらしい、しかも被害にあったのがウチの学校の生徒だというのだから笑えない。どうやら別の学年だそうだが、犯人はすぐに警察に突き出されたという事で一安心だ。
「山田はポヤッ──としてるからな、危機感を持たないと。変な男が来たらすぐに大声を出すんだぞ」
「指は折らなくていいの?」
「怖ぇよ!」
「う~~ん、杏奈はキレイ過ぎるから逆に痴漢されにゃいかも。あぁいう奴らってモデルみたいな娘は狙わないから、むしろ
「どういう意味?」
若干彼氏さんがキレかけてはいるが、さすがはビッチさん、良く見ていると僕は感心していた。
山田は校内でトップクラスの美人だ。艶のある黒髪に、人形のような睫毛、弾力のある艶やかな唇。間食をしまくっているとは思えない程にシミ一つない美肌に小顔。女の子の成分を凝縮したかのような芳醇な香りに、触れてしまうと体内に取り込まれてしまいそうだと錯覚してしまう体の柔らかさ。
しかも彼女はこれでもかというぐらいに陽の世界の住人。痴漢風情が近付いた所で堪らず浄化されるだけだろう。
あぁ、あり得ないとも、山田が痴漢されるなんて……。
…………。
……………………。
………………………………。
ちょっと想像したら自己嫌悪で死にたくなった。
──昼休み、いつもの図書室にて。
「撃退練習が必要だと思わない? 市川にも手伝って欲しいなって」
「は?」
「だから痴漢が来てもちゃんとやっつけられるように」
ご立派な胸を張って山田がいつもの如くおかしな事を言い出した。
「朝の私達の話、聞いてたでしょ?」
「い、いや、別に聞いてないし……」
「え──、チラチラこっち見てたでしょ」
「はぁ!? 見て
「見て
ぐ、ぐ、ぐぅぅ、この女ッ!! 。やめろニヤニヤしながら脇腹を突くな、好きになるだろうが、いやもう好きだがっ……。
「ちいにも言われた通り、危機感を持つことにしました。不埒漢をこうバッサバッサとなぎ倒せるように私も強くならなきゃ」
強くなれる理由を知ったのは結構なことだ、僕を連れて進んでくれるのか?
下手くそなシャドウボクシングを披露している山田は何故だかやる気満々らしい、いっしょにたわわなお餅もゆっさゆっさ動いてもう一人の僕もやる気満々にさせようとするのは勘弁して欲しい。
「女性用車両にでも乗ればいいんじゃないのか?」
「女の人に痴漢されるかもしれないじゃん」
痴漢じゃなくて、それは痴女だな。いや、山田のルックスならあり得ない話でもないのか? 同性すら惑わす魔性の魅力。いやそもそも手伝うって何をすればいいんだよ、僕は。痴漢の役でもやればいいのか? ……………………………………………………………………………………………………………………………………最低だ僕は。却下だ、却下、あり得ない。
「というわけで付き合って」
「やだよ」
「ダメ」
ぐ、ぐ、いつものパターン。僕に拒否権がないやつだ。ニュイと良過ぎる顔を近付けられると僕はフニャフニャになって押し切られてしまう。だが今日こそはキチンと断りを入れなければならない。いくら何でも男と痴漢撃退の練習だなんてあり得ない、不純過ぎる。
「市川は私が痴漢されてもいいの?」
「いいわけあるかっ!!」
結局の所、僕に選択の余地はなく、ここ1週間で間違いなく一番の声を出した僕の反応にそれはそれはとてもご満悦だった山田のお馬鹿な提案に乗るしかなかったのだった。
とりあえず、あれだ。図書室ではお静かに。
痴漢撃退の練習なんて偏差値が低い所業が出来る場所など校内ではそうそうない。僕達が知る限りはここぐらいしかなかった。
1階の備品倉庫。滅多に人が来ることはなく、机やら、棚やら、段ボールやらが押詰められているこの空間の狭さなら、人二人でもギリギリ横に並べるかどうかという点を考えると満員電車の再現としては悪くはない……悪くはない筈なのだが──……。
「いやおかしいだろ」
「ハァ、ハァ、ハァ」
棚と机が積み上げられた間にできた隙間に僕達は並んでいた。大分距離が近い、いやそこはいいんだ。
ただ何で僕の背後に山田がいるんだ。何で山田が背後で息を荒げているんだ。何で僕が痴漢される側なんだ。
「ほら、ね? 敵の尻己が知れば百戦でもおっけーって」
「敵を知り己を知れば百戦危うからずな」
何か字面もちょっとおかしい気がしたぞ。そもそも山田が痴漢をする側で一体何の特訓になるんだ?
「じゃあ市川が私を痴漢する?」
「なっ! ヴァ゛ッ……」
山田の提案に僕は呼吸を忘れた。
想像だけならまだしも、実際に山田の体を僕が? この手で? あの細く引き締まったくびれや、豊満に育ったお尻や胸を……?
「無理だ、無理無理無理無理無理無理無理無理無理すぎる」
「むぅ~~。そんなに強く否定しちゃう?」
「俺がされる側でいいから、もう好きにしてくれ」
僕が山田に痴漢するぐらいなら、山田が僕に痴漢してくれた方がハードルも大分下がる。字面にすると大分酷いなコレ、眩暈がしてきた。
まぁ、いい。どうせ痴漢するなんて言ってもいつものスキンシップの延長戦みたいなものだ、昼休みが終わるまで、あるいは山田が飽きるまで付き合ってあげればいいだけの話だろう。
「そう? じゃあお言葉に甘えて」
ぽよんと僕の背中に具体的には肩甲骨の辺りに柔らかく心地よい感触。
その正体が何なのか明確にイメージする前に、積極的過ぎる山田の行動に吃驚する前に、背中の胸部の感触を堪能する前に、全身を迸った未知の感覚。
「んッッ────……!」
くすぐったさにも似た感覚の出所は僕のお尻からだった。これは夢か?
山田の絹のように滑らかな手が僕のお尻を擦っていた。握るわけでも揉むわけでもなく、まるで壊れやすい陶器を取り扱うような繊細な触り方だった。
「ッッ──……」
すりすりすりっと僕のお尻の形をその手に覚え込ませるようなねっとりとした手付きで臀部の上を這い回る山田の手、あの山田さん? ちょっと触り方がいやらし過ぎませんか? まさかコイツ……熟練の痴漢だったのか?
しかも本当に最悪なのがこんな変態的プレイに僕が感じてしまっていること。臀部が性感帯のつもりはなかったのだが、男が出しちゃいけない声を下唇を噛んで必死で抑える。
本当に何の特訓なんだこれ? 何の特訓なんだこれ?
「坊や、中学生? 一人なの? 友達は?」
「ひぅっ」
ぞわりと耳元に囁かれた吐息交じりの声に腰が抜けそうになる。
僕は大絶賛混乱の真っ只中だというのに山田はとてもノリノリだった。坊やって何だ、坊やって。どんなロールプレイだそれは。山田の中の痴漢像は一体どうなってるんだ、いや痴漢じゃなくて痴女か。
「小さくて、可愛い♡身長は?」
「このっ……んくっ!?」
コンプレックスを刺激してくる発言にさすがに異議申し立てをしようと口を開きかけたが、さらなる刺激で中断されてしまった。
臀部を触っていた山田の指が今度はお尻の割れ目に入り込んできたのだ。ズボンの上から押しつけてスライドさせるような動きはまるでいけない性感帯をどんどん山田に開発されているような背徳感で、現実味もなく目の前でチカチカと火花が飛んでいた。服の上からでもこんなにも興奮が煽られる刺激、いや服の上からだからこそ、焦れったさも相まってこんなにも感じているのかもしれない。
……どうやら質問に答えるまで止めてくれるつもりはないようだ。
「160……」
「あれ? 前保健室で見た時は……」
急に素面に戻るな! 何でそういうのは覚えてんだよ!
「し、四捨五入したらそうなるから……」
「ふ~~~~~~ん?」
フワ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛。
近い近い近い近い距離が近い。胸と背中の密着率がヤバい。息が耳にふきかかってぇぇえええええ、しかも依然としてお尻は滅茶苦茶さわさわされているし!
怖い怖い怖い怖い、完全に密着されているから後ろも向けないし、腕で抵抗しようにも後ろが見えないからどこか変な所触ってしまわないかと躊躇して下手に抵抗も出来ない。そもそも変な声が出ないように口元を手で抑えてるから、完全に触られ放題だ……!
あぁ、痴漢される女の子ってこんな気分だったんだ。
前から思ってた。痴漢のニュースが出る度に何ですぐに大声出したり、逃げたり、抵抗したりしないんだろうって。
その疑問がまさかこんな形で晴れるとは思わなかった。しかも女の子側の気持ちになって。
人は突然非日常的恐怖に直面すると体が硬直していつも通りに身動きが取れなくなるんだ。ましてや気の弱い女の子なら尚更だろう。
「からだ、ピクピク震えてるよ。逃げないともっとすごいことになっちゃうよ?」
うん、だけど従来の痴漢される女の子と今の僕のケースは少し異なるのかもしれない。
僕が今、身動きが取れない理由は恐怖だけではなく、むしろそっちの理由が占める割合は少なくて──。
耳元で囁かれ、息を吹きかけられ、指と掌で何度もしつこく臀部とお尻の割れ目を
愛撫される。山田杏奈という心惹かれる女の子にそんなインモラルな事をされている現実に僕の体はどうしようもないぐらいに熱くなっていたのだ。
ただ純粋に後ろで息を荒げている彼女との時間を終わらせたくなくて動けずにいた。この感覚に身を委ねたくて、次は一体どんな事をしてくれるのかと期待に染まった瞳を後ろに振り返って向けてしまった。
市川はとてつもなくエッチだ。
私よりも華奢で、小さな体。男子の筈なのに全然嫌悪感を与えさせない、むしろ私の下腹部の辺りを燃え上がらせてくれる体臭。時折、前髪で隠れた右眼が露になった時の色気は凄まじいものがある。肌もモデルの私が羨むぐらい綺麗だし、今だって汗が浮かんだうなじにむしゃぶりつきたいぐらいだ。
最近は特に酷い。寝ても覚めても市川のことばかり。
一人遊びの回数も増えてしまって、その時に出る妄想は全部市川。妄想中の彼を汚して絶頂に至った回数は数え切れない。
何度慰めようともこの情動は収まる事はなく、むしろ悪化するばかり。
痴漢撃退の練習だなんて、自分でも馬鹿だと思う建前で彼をこんな所で慰み者にしている。私のどんな無茶ぶりにも何だかんだ付き合ってくれる優しくて、面白くて、暖かくて、大好きな彼を妄想じゃなくて、本当に自分の手で汚してしまっている。
軽蔑されるべきだろう、罵倒されるべきだろう、最低な事をしている自負もある。あぁ、でも止められないこの感情はもう理性でどうにかなるものじゃないんだ。
だから、これは──。
「からだ、ピクピク震えてるよ。逃げないともっとすごいことになっちゃうよ?」
「す──」
彼が振り向く。
恥辱で赤みがかった頬に前髪がたなびいて綺麗な蒼色の瞳に私の顔が映る。
良かった。この顔を見れるのも、この表情を独り占め出来るのも私だけだ。小さくて可愛い唇から掠れ声が漏れる。
「す、すごいことって……?」
あぁ駄目だ。これはいけない。
「やめて」の一言でもくれたらもしかしたら、私は止まっていたのかもしれないのに、もう無理だ。止められない。
だって、潤んだ瞳でそんな台詞を吐かれたら我慢出来るわけないじゃない。
市川が悪いんだよ。
「はむぅっ、じゅるぅっ」
「はっ、やまだぁっ、っぁ……!」
私だったら絶対に市川以外は触らせない耳へとかぶり付いた。今まで口から垂れるのを我慢していた唾液をたっぷりと塗して音を立てて、市川の成分を吸い出していく。
これは私を誘惑した市川が悪いと、心の中で自分勝手な責任転嫁をして市川の体を捕食する。
耳朶を甘噛みして、舌を耳の中へと這わせていく。私の音を鼓膜へそのまま市川の脳へと覚え込ませるように旋律を奏でていく。
「あむぅっ、ちゅ、じゅりゅぅぅっ、れろぉぉっ……」
「まって、やまだ、それやばっ……ひぁっ」
えっちな悲鳴をあげている市川の体が崩れ落ちないように左腕で支える。もう片方の右手は市川のお尻を愛撫し続けている。一日中触っていても飽きない。むしろこのまま家に持ち帰って、ベッドの脇に置きたいぐらいだ。間違いなく夢見はいいだろう。
「まって、まって、やまだ、おねがいだから……まって……」
「だ~~め、待たない♡ちゅ、んじゅ、じゅむぅっ、じゅりゅぅっ」
どんどん前屈みになっていく市川は何かを恐れるように抵抗を始めたが、もう手遅れだ。期待に潤んだ瞳で最後の堤防を破ったのはそっち。小さくなってく市川の体を後ろから覆い被さりながら、市川の耳を唾液
私の舌の動き一つ一つでピクピクと体を痙攣させる市川が可愛くて、愛おしく、彼の髪の匂いを鼻腔に迎えるだけイッてしまいそうになる。
「ひっ、っぁっ、やま、だぁっ……」
まるで女の子のような悲鳴をあげている市川の口から私の名前が漏れる度にぞくぞくとした悦びが背筋を走る。耳だけでは飽き足らず、首からうなじを何度も往復して市川の体を存分に味見する。彼の髪の毛が口に入ってしまうが全く不快に思わないむしろこのまま咀嚼してしまいたいぐらいだ。
「市川の汗、凄く美味しい♡このまま食べてもいい?」
「ふぅぁぁっっ……」
口を大きく開き、アイスのキャンディみたく舌をべっとりと擦り付けて彼の首筋を舐めていけば、聞いた事もない市川の声がどんどん溢れ出して私の情欲を煽ってくる。お尻を触る手にも力が入ってもう優しく触るというよりはもみくちゃに揉んで陵辱しているようだった。市川の体が震えているのは恐怖かはたまた別の感情か。どうあれもう私は止まるつもりはない。
痴漢撃退の練習の事なんてもう頭になかった。
私は市川以外に自分の体を触らせるつもりなんて毛頭無いし、むしろ私からすれば市川の方が痴漢されるんじゃないかって不安だ。いけない、市川の魅力が不特定多数にバレてしまったらきっと
駄目だ。絶対に許さない。市川は私のものだ。所有権を主張するかのように彼の首元を何度も啄んで跡をつけていく。
「だ、めだから……やまだ……ひぁ、あっ、だめだって……もうおれ、ふぅぁっ」
彼の口から零れる言葉全てが私をより暴走させるガソリンにしかならない。
私は今、正真正銘、市川を犯している。
その事実が私に例えようのない興奮を与えてくれて彼の髪の毛に顔を埋めて思いっ切り深呼吸をしながら、お尻の割れ目に潜り込ませた指に力を入れて、奥にある致命的な場所を探り当てようとする。
「っぁぁあああッッ──」
私の指が押し込まれた瞬間に、市川が一際大きい悲鳴と二度、三度痙攣したと思ったら、そのまま深い溜息と共にぐったりと膝をついてしまった。
うなじから市川の匂いを堪能していた私は新たに入り込んできた匂いで全てを察した。
「はぁ、はぁ、はぁ……っぁぁぁっ」
一度、市川を解放し、大きく深呼吸をする。
脳をクラクラさせてくれる栗の花の匂い。市川が達した。他の誰でもない私の手で。
女の子座りでへたり込んで取り返しのつかない事をしでかしてしまったと青ざめているけれど、頬の紅潮は隠せていない艶やかな表情。縋るようにこちらに向けられる瞳はまるで子犬のようで今すぐ床に押し倒したい気持ちに駆られた。
「次の授業は私が先生に言っておくから」
昼休みが終わるまでまだ時間はある。
私の言葉に一瞬、何を言っているのか理解できない顔をして。その後すぐに全てを察して、さらに顔を真っ赤にして、お魚みたく口をパクパクさせている市川の反応はとても可愛かった。
──昼休み後、2年3組。
「もう授業始まってるぞ山田。なに? 市川が体調を崩して保健室? あぁ、分かった」
「な──んか、杏奈ツヤツヤしてない?」
「えぇ、そうかなぁ。ふふふ」
──昼休み後、保健室。
養護教諭は乱れた着衣(首元には複数の虫刺されのような跡)のままホクホク顔の山田に担がれた市川を見て、色々と察した。
「陽も昇ってる時間からお盛んね~~」
(フ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛、もうお嫁にいけなぁぁいっ……)
エッチなことしたんですね?
僕ヤバの二次小説、控えめに言って1万作ぐらいあると思ってた。
実際、原作の方がエッチなのでこの程度なら全年齢版でやっても良かったんじゃないでしょうか。
僕ヤバは全人類が読むべきラブコメのバイブルぞ。