「こんな場所あったんだ」
「この場所はめったに人が来ないって前にレナさんが言ってたんだ~」
「へぇ…姉ちゃんが」
放課後に彼女に案内された先は、今はもうほとんど使われていない古い体育倉庫だった。
「レナさんってすごいよね。かっこいいし、学校のこと何でも知ってるし。弟くんがうらやましいな」
「そうかな…ういのお姉さんだって負けてないと思うけど」
彼女の名は環うい。小柄な容姿と人なつっこい性格で誰からも愛される、クラスのお姫様だ。
俺とういは姉同士が仲が良く、時々姉に連れられてういが俺の家に来ることがあった。その縁で話す回数が多くなり、一緒にいる時間も次第に多くなっていった。
「うんしょっ…と、弟くん、こっちこっち」
薄く埃のかぶったマットに腰掛けたういが小声で俺を呼び寄せる。俺は言われるがままういの隣に腰掛ける。
にっこりと笑い俺に抱き付くうい。
「弟くんさぁ、私のこと好き?」
来た。いつもの質問だ。
「う、うん…好きだよ…」
「ふふっ、私も好きだよ。じゃあ…」
ういが制服を脱ぎブラを外す。膨らみかけの乳房と薄いピンクの乳首が露になる。
「舐めて?」
「……」
「……舐めて?」
ういの屈託のない笑顔は俺に有無を言わせようとしない。この笑顔に俺は逆らえない。
俺は、彼女の奴隷だ。
俺はういの乳房に手を掛け、ぷくっと膨らんだ乳首を口に含み、ころころと舌で転がす。
ういのミルクのような肌の匂いに頭がくらくらする。
そんな俺の頭をういの細腕が優しく包み込む。耳に熱い吐息が降りかかる。
「んっ…弟くんかわいい、赤ちゃんみたい…っ」
頬を上気させて淫らに微笑むうい。
さっきまで鉄のように冷たかった部屋の温度が徐々に上昇していく。
「こっちも…」
ういが俺の頭をぐぐっ…と下に押さえ込み、局部へと誘導する。
物欲しそうな顔で俺を見つめ、腰を上げて自分でスカートとパンツをずらすうい。
俺はういの「お願い」に素直に従い、彼女の股間に顔を埋める。
彼女のそこは熱気を放ち、ぐっしょりと濡れていた。
「あっ、あぁ……んっ」
ういが嬌声を上げる。快感に耐え、顔を真っ赤にしながらこちらを見つめ、無言の指示を出す。
そろそろか…。俺は左手でういの膣内を拡げながら舌と指で弄り、右手で乳房を揉み、乳首を親指でぐりぐりと蹂躙する。
全身全霊でお姫様に奉仕する。
「んぁっ…はぁっ……ああっ!…ああぁぁっっ…!」
ういがびくびくと身体を震わせる。絶頂したのだろう。
全身からくたっと力が抜けるのが伝わってくる。
「はぁ…はぁ…」
恍惚の表情を浮かべるうい。彼女はまるで行為の全てが終わったかのように放心している。
だが俺はまるで満足していない。
いよいよ我慢できなくなった俺は、乱暴にズボンとパンツを脱ぎ、自分の欲望の象徴をういの眼前へと露にする。
ういを横に寝かせ、怒張したそれをういの秘部へと宛がおうとしたその時――。
「それはダメ」
「えっ…」
「今はダメだよ」
「でも俺…」
「うん…やめてね」
ういは困ったような笑顔を見せながらも明確に俺を拒否した。
またか…
ういはいつも俺を煽るだけ煽っておいて、最後の最後におあずけを食らわせる。
彼女はいったい何がしたいんだ?
俺の苦しむ顔を見て面白がっているのか?
「ごめんね…あっ、でも手でしてあげるから、それで許してね」
ういは座り直し、俺のそれをせっせとしごく。
ムードもへったくれもなくなった俺はなんとも言えない気分になりながら、いつものように、行き場の失った欲望をういの小さな手に放った。
事が終わり、マットの上に寝転がる俺とうい。
ふいにういの顔を見ると、ういは恥ずかしそうに俺に笑いかけてくる。
俺の不満に全く気付いていないのか、それとも気付いた上でどうでもいいと思っているのか…。
「ういは、さ…」
「うん?」
「俺のこと、好きなの?」
「うん、大好きだよ。いつも優しいし…」
「レナさんの弟さんだし…」
ああ…そうか、それが理由か…。
所詮ういにとって俺は憧れのお姉さんの付属品で、体のいい欲望の捌け口でしかないということか。
絶望感と腹立たしさが混じり合い、俺の中にどうにもならない苛立ちが生まれる。
「えぇっ、どうしたの弟くん!?私なんかしちゃった……んむっ」
俺は苛立ちのままにういの唇を自分の唇でふさいだ。
ういの唇を甘噛みし、舌を強引に口腔へ捩じ込む。
「弟くん…激しいよぉ…んんっ」
おそらくういはこれからも俺を愛することはないだろう。
それでも俺は、彼女から離れることはできない。
彼女の柔らかな声や、全てを包み込むような笑顔が、俺の身体を、脳を、支配して離さない。
俺は、彼女の奴隷だ。
「でね、この前弟くんがね…」
「うい、最近弟くんの話よくするね」
私の話を聞いていたお姉ちゃんが困ったような笑顔で言った。
「えっ、そ、そんなことないよ!」
「メシ食べてる間ずっとレナの弟の話ばっかだもんなー」
「あー、さてはういちゃん、弟くんに恋!してるんでしょー!」
「ええっ?そうなんですか!?ういちゃんが恋かぁ…」
みかづき荘のみんなが口々に盛り上がる。
私はかぁっ…と顔が赤くなった。
「もう、みんな冷やかさないの!ういちゃん困ってるでしょ」
「わ、私違うから!ご、ごちそうさま!」
慌てて食器を片付けて部屋に戻る。
ベッドへ飛び込み、真っ赤になった顔を枕に埋める。
私は、弟くんが好きだ。
最初は憧れのレナさんの弟さんってどんな人かなーって気になってただけで。
けど、話していくうちに彼の優しさやさりげない気遣いに気付いて、それからどんどん好きになっていった。
「弟くん、今日機嫌悪そうだったなぁ…」
たぶん、最後まで出来なかったのが不満だったのかな…。
でも、赤ちゃんできるからダメだって先生も言ってたし、私もなんだか怖いし…。
でも弟くんも私のこと気遣ってくれてるし、きっとわかってくれてるよね…。
そうだ!今度お詫びに弟くんにお菓子作って持っていってあげようっと!
弟くんってお姉ちゃんっ子だから、一緒にレナさんの分も持っていったら、きっと3人で楽しくおしゃべりできるよね!
弟くん、喜んでくれるかな…?